ビットコインは、日本国内のみならず、世界中で広く浸透したことでさまざまなサービスで利用できるようになりました。
日本でもビットコイン決済ができる店舗も増え、以前よりも身近な存在になったと感じる人もいるでしょう。今では不動産などの高額な支払いも、ビットコインで決済することが可能です。
そこで、ビットコインで不動産を購入することを検討している際には、どのような注意点があるのかを理解しておくことも大切です。この記事では、ビットコインで不動産を購入するメリットや注意点などを紹介します。
そもそもビットコイン(Bitcoin/BTC)とは?
ビットコインは、仮想通貨のなかでも基軸通貨といえる代表的なものです。
2008年10月に「サトシ ナカモト」と呼ばれる匿名の人物が書いた論文によって、ビットコインは考案されました。円やドルなどの法定通貨とは異なり、国によってその価値が保証されている訳ではありません。
また、電子マネーとは異なり、企業などによって発行されたものでもないことが特徴です。あらかじめ発行上限は約2100万枚とプログラムによって定められています。
ビットコインは、実物の資産ではなくインターネット上の資産です。今では不動産取引や家電量販店、飲食店などの幅広い店舗で決済手段として利用できるようになりました。
また、送金手数料が安く、送金スピードが速いため、海外への送金などにも利用されています。海外などの旅行先でビットコインを使用することで、両替の手数料がかからずに支払いを行うことも可能です。
ただし、ビットコインは価格の変動が激しいため、仮想通貨の初心者は取引する際には慎重に行うことが大切です。
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ビットコイン(Bitcoin/BTC)で不動産を購入できる?
ビットコインで不動産を購入できるサービスは、仮想通貨の広まりと共に国内外で広く展開されるようになりました。
日本国内では、不動産物件の購入に関わる費用の決済で、ビットコインが利用できるサービスも存在します。例えば、ビットコイン取引で数億円単位の含み益があるトレーダーにとっては、ビットコインで不動産を購入しておくことは資産の分散になります。
海外には、ビットコインで不動産を購入したことによって、のちにその不動産価格が上昇し、利益を得たトレーダーもいるようです。しかし、必ずしも不動産価格が上昇するとは限らないため、購入する際には価格が下落してしまうリスクもあるということを理解しておくことが必要です。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)で不動産を購入するメリットとは?
ビットコインを利用した不動産購入のメリットとしては、例えば以下が挙げられます。
1. リスク分散
まずは価格変動リスクを低減できるという点です。
ビットコインは他の投資と比較して、価格の変動幅が大きいことが特徴です。価格が暴落した際には、保有しているビットコインの価値が下落し、大きな損失を生み出す恐れもあります。
そのような場合への対応として、不動産を購入することで、価格変動リスクをある程度軽減することが可能です。一般的に、不動産は価値の変動がビットコインよりも小さいことがメリットです。
2. 契約の手間が少なくなる可能性がある
通常の不動産購入では多くの手続きを要し、書類を取得するなどの手間もあります。
直筆の署名や印鑑での捺印を要する場面も多く、同じ内容を繰り返し記入することもあります。一方、ビットコインを不動産購入に利用することで、契約に関するさまざまな手間を軽くできる可能性があります。
具体的には、所有者の情報や購入者の情報、不動産の過去取引履歴などをブロックチェーンを利用することで、人を介さずに情報を取得し契約することもできるかもしれません。
そのため、不動産購入に時間と手間をかけたくないと考えるトレーダーは、ビットコインを利用して決済すると良い場合もあります。
3. 海外の不動産物件も購入しやすい
不動産購入にビットコインを利用することで、海外の不動産を購入しやすくなります。円で海外の不動産を購入する場合、円を海外の現地通貨に両替する必要があります。
しかし、ビットコインであれば現地通貨に両替する手間がなく、為替の手数料は必要ないことが特徴です。また、法定通貨よりもビットコインの方が送金手数料が安いため、少しでも安く不動産を購入したい場合にはビットコインを利用すると良い場合もあるでしょう。
また、ビットコインで決済する場合には、金融機関へ出向くことなく自宅で決済も可能です。そのため、本業が忙しい会社員の方などは、ビットコイン決済を利用することで、手軽に空き時間で決済を完了できる場合もあるでしょう。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)で不動産を購入する注意点やリスク
ビットコインで不動産を購入する際には、リスクがあることを覚えておくことが必要です。
まず、ビットコインと不動産投資の両方の知識が必要となるため、不動産投資初心者には向かないといえます。不動産投資に精通していない場合、不動産投資の詐欺に遭い、借金を背負ってしまうケースもあります。
利回りなどが条件の良い物件でも、人気のないエリアだった場合には、入居者が全く入らないケースもあります。その際には、せっかく不動産投資をしたものの、赤字になってしまうケースもあるでしょう。
しかし、不動産投資に関する正しい知識を身につけることで、詐欺に遭ったり不良物件を契約したりするなどのリスクを軽減させることができます。また、不動産投資にまつわる税金に関する知識を得ることも必要です。
そのため、不動産を購入する前に、物件や取引相手、税金などについては慎重に調べるようにしましょう。
不動産物件購入費以外にもビットコイン(Bitcoin/BTC)決済ができる
ビットコインを使用した不動産購入では、物件購入費用以外の支払いにも使用可能です。
例えば、ビットコインは、不動産購入の仲介手数料の支払いなどにも使用できます。他にも、数万円の月々の家賃の支払いなどにも、ビットコインを利用できる場合があります。
さらに、オーナー向けの改修修繕費の支払いや、入居後の費用の支払い、例えば月々の電気代やガス代、水道代などの公共料金も、ビットコインを使用して支払うことも可能と言えるでしょう。
不動産取引は税金に注意しよう
ビットコイン取引の利益にかかる税金と、不動産購入にかかる税金は、種類が異なるため注意する必要があります。
ビットコイン取引で得た利益は、雑所得扱いになることが特徴です。雑所得を得た場合には、所得税を納める必要があります。
給与所得者の場合は20万円以下、給与所得者以外では38万円以下のビットコインの利益であった際には、原則税務署への申告は必要ありません。なお、ビットコインで得られた利益が高くなるほど税金が高くなり、これを累進課税といいます。
累進課税は、最高で45%まで税金がかかります。一方、不動産購入時には「不動産取得税」、購入後には「固定資産税」「都市計画税」「所得税(家賃収入がある場合)」などがかかります。
売却後(売却益が出た場合)には「所得税」がかかることがポイントです。どちらの投資においても、一定以上の利益が得られた場合には、確定申告が必要です。投資初心者の場合には、投資に関する税金や確定申告などの知識を得ておくようにしましょう。
詳しくはこちら:仮想通貨にかかる税金とは?計算方法から確定申告のやり方まで解説
※税金等の詳細につきましては管轄の税務署や税理士等にお訊ねいただくか、または国税庁タックスアンサーをご参照ください。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)投資の利益を活かしてみても
ハイリスクハイリターンといわれているビットコイン投資は、不動産投資を用いることで、分散投資も可能になります。なぜなら、不動産投資はビットコイン投資とは性質の異なる投資方法だからです。
また、不動産投資でビットコインを利用する際には、目当ての不動産において、ビットコイン支払いが可能であるかを確認しておきましょう。さらに、不動産投資の未経験者は、詐欺に遭わないよう、十分に不動産投資の知識を得てから投資を始める必要があります。
さらに、不動産購入後には、老朽化に備えて定期的に修繕なども行う場合があることを理解しておきましょう。不動産物件は慎重に選定して投資することが必要ですが、ビットコイン投資で大きな得た利益を得た場合は、ビットコインによる不動産投資を考えてみるのも良いかもしれません。