エイダコイン(ADA)とは、DApps(分散型アプリ)の開発プラットフォームであるカルダノ(Cardano)のブロックチェーン上で使用される暗号資産です。
元々、カルダノはオンラインカジノのプラットフォームとして利用されていました。しかし、現在は医療、教育、小売、金融など幅広い分野で活用されており、プラットフォームの基軸通貨であるエイダコインは時価総額ランキングで7位(※)に位置するほどの人気を集めています。
この記事では、2017年にリリースされて以来常に注目を集めているエイダコインの特徴、価格推移、将来性、購入できる取引所などについて解説していきます。
(※)2023年9月13日時点。CoinMarketCap調べ
目次
エイダコイン(ADA/カルダノ)とは
エイダコイン(ADA)とは、「カルダノ(Cardano)」というDAppsの開発ができるブロックチェーンプラットフォームの基軸通貨です。
DApps(分散型アプリケーション)とは、ブロックチェーン技術を活用したアプリのことです。元々、カルダノはオンラインカジノのプラットフォームとして利用されていました。しかし、現在は医療、教育、小売、金融など幅広い分野のDApps開発ができる汎用プラットフォームとして利用されています。
通貨名 | エイダコイン |
ティッカーシンボル | ADA |
ローンチ | 2017年9月 |
発行上限数 | 450億ADA |
コンセンサスアルゴリズム | Ouroboros(Proof of Stake) |
価格(2023年9月13日時点) | 約36円 |
時価総額ランキング(2023年9月13日時点) | 7位 ※CoinMarketCap調べ |
公式サイト | https://cardano.org |
エイダコインは、イーサリアムの共同創設者で数学者のチャールズ・ホスキンソン氏によって2017年9月に開発されました。現在はカルダノ財団、Input Output HK Limited(IOHK)、EMURGOという3つの団体によって開発・運営されています。
ちなみに「エイダ(ADA)」という名称は、史上初のプログラマーとして知られる19世紀の女性数学者「エイダ・ラブレス」が元になっています。
エイダコイン(ADA/カルダノ)の仕組み・特徴
エイダコイン(ADA)には、主に以下の4つの特徴があります。
- DAppsの開発ができるパブリックブロックチェーン
- コンセンサスアルゴリズムに「ウロボロス」を採用
- 専用のウォレットをリリースしている
- ステーキングで報酬を獲得できる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
DAppsの開発ができるパブリックブロックチェーン
1つ目の特徴は、「DAppsの開発ができるパブリックブロックチェーン」である点です。
DApps(分散型アプリ)とは、ブロックチェーンを基盤として構築された分散型アプリのことです。DAppsでは、人の手を介さずに契約内容を自動で実行してくれる「スマートコントラクト」という機能を導入することで、管理者が不在でもアプリの運営を行うことが可能です。
エイダコインが基軸通貨となっているカルダノブロックチェーンでは、2021年9月に独自のスマートコントラクトである「Plutus(プルータス)」が実装されました。
カルダノブロックチェーン上ではこのPlutusを活用することで、これまでにさまざまなDAppsが開発されてきました。カルダノの代表的なユースケースとしてはオンラインカジノが挙げられますが、現在は医療、教育、小売、金融など幅広い分野での活用が進んでいます。
コンセンサスアルゴリズムに「ウロボロス」を採用
2つ目の特徴は、「独自のコンセンサスアルゴリズムを採用している」点です。
エイダコインは、「ウロボロス(Ouroboros)」という独自のコンセンサスアルゴリズムを採用しています。コンセンサスアルゴリズムとは、ブロックチェーンに取引情報を記録する際に必要な「合意形成のルール」のことを指します。
PoS(プルーフ・オブ・ステーク)の一種であるウロボロスは、エイダコインの保有量が多いほど取引を承認する権利が得やすく、ステーキング報酬も獲得しやすい仕組みとなっています。
一般的なPoSの場合、コインを多く保有できる富裕層に取引を承認する権利が集中しやすいという問題があります。その点、ウロボロスでは限られた者に権利が集中しないように、よりランダムに権利者が選出されるような調整が加えられています。
専用のウォレットをリリースしている
3つ目の特徴は、「専用のウォレットをリリースしている」点です。
エイダコインには、以下の2種類の専用ウォレットが用意されています。
エイダコインの専用ウォレット
- 【ダイダロスウォレット】…動作は重いがセキュリティが高い。PC限定。
- 【ヨロイウォレット】…操作がシンプルで動作がスムーズ。PC・スマホ対応。
ステーキングで報酬を獲得できる
4つ目の特徴は、「ステーキングで報酬を獲得できる」です。
ステーキングとは、特定の暗号資産を保持した状態でブロックチェーンのネットワークに参加することで、対価として報酬が得られる仕組みのことです。
エイダコインでは、2020年7月にシステムアップデート「SHELLEY(シェリー)」が行われた際に、ステーキング機能が追加されました。
なお、エイダコインのステーキングに参加するには、自身でステーキングプールを運営する方法と、他のユーザーが運営するステーキングプールに委任する方法の2種類があります。
エイダコイン(ADA/カルダノ)の価格推移
引用:CoinGecko
上の画像は、リリース時(2017年10月)から現在(2023年9月)に至るまでのエイダコイン(ADA)の価格推移です。
リリース当時、エイダコインの価格は3円ほどでした。しかし、2017年末から2018年の初頭にかけて「暗号資産ブーム」が起きたことを受けて、エイダコインも一時120円台まで値上がりしました。リリースからわずか2ヶ月ほどで40倍以上も価格が高騰したことで、エイダコインはこの時に投資家たちから大きな注目を集めました。
しかし、その後バブルが崩壊すると、エイダコインも10円台まで急落します。そして、それから3年ほどは目立った変化もなく、エイダコインの価格は軟調に推移していきます。
2021年になると、コロナ対策の一環として大規模な金融緩和が行われました。その結果、資金の一部が暗号資産市場に流入し、エイダコインの価格も高騰していきます。同年9月には、スマートコントラクト「Plutus」の導入に成功したこともあり、エイダコインはこれまでの最高値である約340円を記録します。
しかし、2022年になりコロナの感染拡大が落ち着き始めると、各国当局は一転して金融引き締め政策を展開するようになります。その影響で暗号資産市場は再び冷え込み、エイダコインも年末にかけて30円台まで値下がりしていきます。
2023年に入ってからも、回復の決め手となる材料を提供できていないエイダコインの価格は、2023年9月13日現在、約36円となっています。
エイダコイン(ADA/カルダノ)の将来性・今後の動向
エイダコイン(ADA)の将来性を占うポイントとしては、次の4点を挙げることができます。
- さまざまな企業や公的機関と提携している
- ロードマップに沿って5段階のアップデートが進行中
- DeFi(分散型金融)分野にも進出している
- 他のDApps開発プラットフォームとの競争
どのような内容なのか、順番に解説していきます。
さまざまな企業や公的機関と提携している
1つ目のポイントは、「さまざまな企業や公的機関と提携している」です。
韓国のモバイルフィンテック企業「メタップスプラス」やエチオピア政府など、エイダコインは多くの企業や公的機関と提携しています。
エイダコイン(カルダノ)の代表的な提携先は、以下の通りです。
エイダコインの主な提携先
- エチオピア政府
- 東京工業大学
- メタップスプラス
- ニューバランス
- SIRIN LABS社
- World Mobile Group
- MOX社 など
今後も提携先が増えていけば、それに伴いエイダコインの需要や価格も高まることが考えられます。
ロードマップに沿って5段階のアップデートが進行中
2つ目のポイントは、「ロードマップに沿ってアップデートが進行している」です。
カルダノは、以下の5つのフェーズに分かれたロードマップに沿って開発が進められています。
フェーズ名 | 概要 |
---|---|
第一段階「BYRON(バイロン)」 |
・メインネット開始 ・ダイダロス、ヨロイウォレットの提供開始 |
第二段階「SHELLEY(シェリー)」 |
・ステーキング機能の追加 ・ノード運用の分散化 |
第三段階「GOGUEN(ゴーグエン)」 |
・スマートコントラクトの実装 ・トークンロックの実装 |
第四段階「BASHO(バショウ)」 |
・サイドチェーンの導入 ・スケーラビリティ・相互運用性の改善 |
第五段階「VOLTAIRE(ボルテール)」 |
・ガバナンスの強化 ・投票・財務システムの導入 |
上記5段階の開発フェーズに沿って、カルダノの開発は着実に進められています。なお、2023年9月現在は、4つ目のBASHO(バショウ)の段階まで進んでいます。
DeFi(分散型金融)分野にも進出している
3つ目のポイントは、「DeFi(分散型金融)分野にも進出している」です。
DeFi(Decentralized Finance)とは、ブロックチェーン上に構築される金融サービスやエコシステムの総称で、日本語では「分散型金融」といいます。
カルダノブロックチェーン上では、DeFi関連のアプリも構築されています。例えば2022年には、カルダノブロックチェーンを基盤として開発された「SundaeSwap(サンデースワップ)」というDEX(分散型取引所)がローンチしました。
今後、DeFiがさらに注目されて関連サービスが増加すれば、DAppsの開発プラットフォームであるカルダノや、同プラットフォームの基軸通貨であるエイダコインの需要が拡大していくことが考えられます。
他のDApps開発プラットフォームとの競争
4つ目のポイントは、「他のDApps開発プラットフォームとの競争」です。
DAppsの開発プラットフォームであるブロックチェーンには、カルダノの他にもイーサリアム、トロン、ソラナ、アスターなどが存在します。
これらの競合チェーンといかに差別化を図り、多くのエンジニアたちから利用されるブロックチェーンになれるかが、カルダノ及びエイダコインの将来性を占う重要なポイントになるでしょう。
エイダコイン(ADA/カルダノ)を購入できる取引所
エイダコイン(ADA)を取り扱っている国内取引所としては、主に以下が挙げられます(2023年9月13日時点)。
エイダコイン(ADA)を取り扱っている国内取引所
- bitbank
- BITPOINT
- GMOコイン
- SBI VCトレード
- DMM Bitcoin など
※2023年9月13日現在、Coincheckではエイダコイン(ADA)を取り扱っていません。
エイダコイン(ADA/カルダノ)に関するQ&A
エイダコイン(ADA)に関するよくある疑問を、Q&A形式でご紹介します。
Q.エイダコイン(ADA)はどのような暗号資産ですか?
エイダコインは、「カルダノ(Cardano)」というDAppsの開発ができるブロックチェーンプラットフォームの基軸通貨です。イーサリアムの共同創設者で数学者のチャールズ・ホスキンソン氏によって、2017年9月に開発されました。
元々、カルダノはオンラインカジノのプラットフォームとして利用されていました。しかし、現在は医療、教育、小売、金融など幅広い分野のDApps開発ができる汎用プラットフォームとして利用されています。
Q.エイダコイン(ADA)にはどんな特徴がありますか?
エイダコインには、主に以下の4つの特徴があります。
- DAppsの開発ができるパブリックブロックチェーン
- コンセンサスアルゴリズムに「ウロボロス」を採用
- 専用のウォレットをリリースしている
- ステーキングで報酬を獲得できる
Q.エイダコイン(ADA)の過去最高値はいくらですか?
エイダコインの過去最高値は、約340円です(2021年9月)。
Q.エイダコイン(ADA)の将来性について教えてください。
エイダコインの将来性を占うポイントとしては、次の4点を挙げることができます。
- さまざまな企業や公的機関と提携している
- ロードマップに沿って5段階のアップデートが進行中
- DeFi(分散型金融)分野にも進出している
- 他のDApps開発プラットフォームとの競争
まとめ
ここまで、エイダコイン(ADA)の特徴、価格推移、将来性などについて解説してきました。
2017年にリリースされたエイダコインは順調に需要を拡大していき、2023年9月13日時点で時価総額ランキングで7位(※CoinMarketCap調べ)にランクインするほどの人気通貨に成長しました。
エイダコインは、DApps開発のためにローンチされたカルダノブロックチェーンの基軸通貨です。今後、エイダコインがさらに成長していけるかは、カルダノブロックチェーン上で開発・運営されるDAppsや、提携先の企業や団体の増減などに影響を受ける可能性が高いでしょう。
※本記事はエイダコイン(ADA)の価格上昇を保証するものではありません。予想に反して損失を被る可能性もあるため、投資はご自身の判断と責任において行ってください。