カテゴリー: 相場・将来性
ストラテジー(マイクロストラテジー/旧MicroStrategy)とは、企業向けBIソフトウェアを主力としつつ、ビットコインを財務資産として大量に保有することで知られる米国上場企業です。
特に2020年以降はビットコインを主要な財務資産として保有・拡大している点でも注目されています。この特徴から、市場では「ビットコイン関連株」として語られる場面があります。
ただし、ストラテジーは暗号資産そのものではなく、あくまで企業の株式です。ビットコイン価格だけでなく、資金調達や株式の需給など“株式ならでは”の要因も重なって値動きが形成されます。
本記事では、ストラテジーが注目される理由や仕組み、将来性を解説します。
※本記事は、特定の銘柄や投資行動を推奨するものではありません。企業情報は公開情報をもとに整理しており、投資判断はご自身の責任で行ってください。
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目次
ストラテジー(マイクロストラテジー)とは
ストラテジー(マイクロストラテジー)が注目される理由
ビットコインを財務戦略に取り入れ大量に保有している
保有状況や購入情報を継続的に開示している
ストラテジー(マイクロストラテジー)はどうやってビットコインを買い増している?
転換社債などの発行で資金を調達する
株式発行で資金を調達する場合がある
ストラテジー(マイクロストラテジー)の株価がビットコインに連動しやすい理由
保有資産としての比重が大きい
調達(負債・希薄化)が値動きを増幅することがある
現物やETFと違い「企業の株式」である
ストラテジー(マイクロストラテジー)の株価とビットコイン価格の関係
ストラテジー(マイクロストラテジー)の将来性をどう見るか
ビットコインとの関係
ビットコイン保有戦略が与える影響
ストラテジー(マイクロストラテジー)に投資する際のリスク・注意点
ビットコインの下落局面では株価も動きやすい
希薄化と負債(利払い・償還)のリスクがある
規制・会計ルールなど外部要因の影響も受ける
ストラテジー(マイクロストラテジー)とは?まとめ
ストラテジー(マイクロストラテジー)とは
ストラテジー(マイクロストラテジー/Strategy Inc.)は、米ナスダックに上場する企業(ティッカー:MSTR)です。近年はビットコインを主要な財務資産として保有・拡大する方針を前面に掲げています。
項目
内容
企業名称
Strategy Inc.(旧MicroStrategy)
上場市場
Nasdaq
ティッカー
MSTR
主な事業内容
企業向け分析・BIソフトウェアビットコイン・トレジャリー(財務運用)
ビットコイン蓄積開始
2020年8月
ビットコイン保有数
712,647 BTC(2026-01-26公式表示)
株価(参照時点)
$160.58(2026/1/27 10:15 JST)
時価総額(参照時点)
$46.87B(2026/1/27 10:15 JST)
引用:Strategy 公式サイト(Purchases)、Nasdaq(MSTR)、TradingView
ストラテジー(Strategy Inc.)は、1989年に設立され、当初は企業向けの分析・BI(ビジネスインテリジェンス)ソフトウェアを主力事業として展開してきました。その後、2020年に企業の財務戦略としてビットコインを保有する方針を打ち出します。以降は、資金調達とビットコイン購入を組み合わせながら、保有量を段階的に増やしてきました。
ストラテジーは、ビットコインを企業の財務資産として位置づけることで、法定通貨の価値変動リスクへの備えに加え、ビットコインの中長期的な値動きを企業価値に反映させる考え方を示しています。こうした戦略を前面に掲げたことで、株式投資家に加えて、暗号資産市場に関心を持つ層からも注目される存在となっています。
ストラテジー(マイクロストラテジー)が注目される理由
ストラテジーが注目を集める理由は、単にビットコインを保有しているからではありません。まず押さえたいのは、ビットコインを財務戦略の中核に置き、保有量を大きく積み上げてきた点です。
さらに、企業の財務戦略としてビットコインを位置づけ、保有状況や購入履歴を誰でも確認できる形で公開しています。
ビットコインを財務戦略に取り入れ大量に保有している
ストラテジーは、ビットコインを一時的な投資ではなく、企業の財務戦略の中核に位置づけています。2020年以降、継続的にビットコインを買い増し、現在では上場企業の中でも突出した保有量を持つ存在となりました。
特徴的なのは、単発の購入ではなく、長期的に保有量を積み上げる方針を明確にしている点です。この姿勢により、ストラテジーの企業価値はビットコイン価格と結びつけて語られやすく、市場でも「ビットコイン関連株」として意識されるようになっています。
保有状況や購入情報を継続的に開示している
ストラテジーは、ビットコインの保有量や購入履歴を公式サイト上で継続的に公開しています。いつ、どの程度のビットコインを取得したのかを、投資家が自ら確認できる形で整理している点が特徴です。このような開示姿勢により、同社のビットコイン戦略は「ブラックボックス」になりにくく、財務戦略としての一貫性や継続性を市場が評価しやすくなっています。結果として、ビットコイン価格の動きとあわせて、ストラテジーの動向そのものが投資判断の材料として注目されやすい状況が生まれています。
ビットコインの保有量や購入履歴はStrategy 公式サイト(Purchases) で確認できます。
ストラテジー(マイクロストラテジー)はどうやってビットコインを買い増している?
ストラテジーは、事業で得た利益だけでなく、資本市場を活用した資金調達によってビットコインを買い増してきました。これは、個人投資家や他の企業によるビットコイン保有とは異なる大きな特徴です。ストラテジーは、株式や債券といった金融手法を組み合わせながら、調達した資金をビットコイン購入に充てる戦略を掲げており、保有量を段階的に拡大する構造が作られています。
転換社債などの発行で資金を調達する
ストラテジーが主に用いてきた手法の一つが、転換社債の発行です。転換社債とは、一定条件のもとで株式に轉換できる社債で、通常の社債よりも金利を低く抑えやすい特徴があります。ストラテジーは、この仕組みを活用し、比較的低コストで資金を調達しながら、その資金をビットコインの購入に充ててきました。株価が上昇した場合には株式へ転換される可能性があるため、負債と株式の中間的な手段として使われています。
株式発行で資金を調達する場合がある
状況によっては、新株発行による資金調達が行われることもあります。この場合、調達した資金はビットコインの購入に充てられる一方で、発行済み株式数が増えるため、既存株主にとっては希薄化が生じます。そのため市場では、どの手段で、どのタイミングで資金調達が行われるかが、株価を判断する材料として意識されやすくなっています。ビットコイン価格の動きに加えて、資金調達の内容そのものが株価に影響を与える点は、株式ならではの特徴といえるでしょう。
ストラテジー(マイクロストラテジー)の株価がビットコインに連動しやすい理由
ストラテジーの株価は、一般的な事業会社と比べて、ビットコイン価格の影響を受けやすい傾向があります。これは単なるイメージではなく、同社の財務構造や資金調達の仕組みが関係しています。
保有資産としての比重が大きい
ストラテジーは、企業資産の中でビットコインが占める割合が非常に大きい企業です。そのため、ビットコイン価格が上昇すれば保有資産の評価額も増え、逆に下落すれば企業価値の見え方にも影響が及びます。株式市場では、こうした資産構成を踏まえて企業価値が評価されるため、ビットコイン価格の変動が株価に反映されやすくなります。
調達(負債・希薄化)が値動きを増幅することがある
ストラテジーは、転換社債や新株発行といった資金調達を通じてビットコインを買い増しています。この仕組みにより、ビットコイン価格の変動に加えて、調達条件や希薄化への警戒感が株価に影響する場面があります。ビットコイン価格が上昇する局面では、保有資産の増加期待と相まって株価が大きく動きやすくなります。一方、価格が下落する局面では、負債や希薄化に対する懸念が強まり、下落が加速することもあります。
現物やETFと違い「企業の株式」である
ストラテジーの株式は、ビットコインの現物やETFとは異なり、あくまで企業の株式です。そのため、ビットコイン価格だけでなく、株式市場の需給、金利環境、企業に関するニュースなど、株式特有の要因も重なって値動きが形成されます。結果として、ビットコインと方向感が似る場面はあるものの、値動きの幅やタイミングが一致しないケースも少なくありません。この点は、投資対象として捉える際に押さえておきたいポイントです。
ストラテジー(マイクロストラテジー)の株価とビットコイン価格の関係
ストラテジーの株価は、ビットコイン価格の動きと同じ方向に反応する場面が多く見られます。ただし、これは常に一致するという意味ではありません。両者の関係は、「完全な連動」ではなく、「強く意識されやすい関係」と整理するのが実態に近いといえます。
ビットコイン価格が上昇局面に入ると、ストラテジーは「ビットコインを大量に保有する企業」として注目されやすくなり、株価も上昇しやすい傾向があります。特に、ビットコインの価格上昇が市場全体で話題になる局面では、株式市場でも関連銘柄として買われる場面が見られます。一方で、ビットコイン価格が下落する局面では、ストラテジーの株価も調整しやすくなります。ただし、その下落幅やタイミングは必ずしもビットコインと一致するわけではありません。株式市場の取引時間、投資家の需給、企業固有の材料などが重なることで、短期的な乖離が生じることもあります。また、株価は将来の期待を織り込む性質を持つため、ビットコイン価格が大きく動く前後で、先行して動いたり、逆に反応が遅れたりするケースもあります。そのため、ストラテジーの株価は「ビットコイン価格を映す鏡」というより、「ビットコインを軸にした企業価値への評価」として形成されていると捉える方が適切でしょう。このように、ストラテジーの株価とビットコイン価格には強い関係性がある一方で、両者は同一の投資対象ではありません。値動きを確認する際には、ビットコイン価格だけでなく、株式市場特有の要因もあわせて見ていく必要があります。
ビットコインについては ビットコインとは? をご覧ください。
ビットコインの現在の値動きは リアルタイムチャート をご覧ください。
ストラテジー(マイクロストラテジー)の将来性をどう見るか
ストラテジーの将来性を評価する際は、一般的な事業会社とは少し異なる視点で捉える必要があります。主な判断軸は、「ビットコイン価格の動向」と「ビットコイン保有戦略をどう継続していくか」の2点です。
ビットコインとの関係
ストラテジーは、ビットコインを企業の主要な財務資産として保有しているため、将来性はビットコイン価格の影響を強く受けます。価格が上昇すれば、保有資産の評価額が増え、企業価値の見え方も変わります。逆に、価格が下落すれば、その影響が財務や株価に反映されやすくなります。そのため、市場ではストラテジーの将来性を語る際に、「事業の成長性」よりも「ビットコイン市場の行方」が重視される傾向があります。ビットコインの中長期的な成長をどう見るかが、そのまま同社の評価につながりやすい構造といえるでしょう。
ビットコイン保有戦略が与える影響
もう一つのポイントは、ビットコインをどのような形で増やしていくかという戦略面です。ストラテジーは、資金調達を活用しながら保有量を拡大してきましたが、その手法やタイミングによって、株主への影響は変わります。調達がうまく機能し、ビットコイン価格が上昇する局面では、企業価値の拡大が意識されやすくなります。一方で、希薄化や負債に対する懸念が強まると、評価が慎重になる場面もあります。将来性を判断する際には、単に「ビットコインを持っている企業」として見るのではなく、どのような前提で保有を続けているのか、株主価値とどう結びつけているのかを確認していくことが重要です。
ストラテジー(マイクロストラテジー)に投資する際のリスク・注意点
ストラテジーは、ビットコインを財務戦略の中核に据えるという特徴から、一般的な事業会社とは異なるリスクを持っています。投資を検討する際には、以下の点を押さえておく必要があります。
ビットコインの下落局面では株価も動きやすい
ストラテジーは大量のビットコインを保有しているため、ビットコイン価格が下落すると、保有資産の評価額も低下します。その影響は企業価値の見え方に直結し、株価が調整されやすくなります。株式市場では「ビットコイン関連株」として認識されている場面も多く、暗号資産市場が不安定な局面では、実際の事業動向とは別に売買が先行することがあります。
希薄化と負債(利払い・償還)のリスクがある
ストラテジーは、転換社債や新株発行を通じて資金を調達し、その資金でビットコインを購入してきました。この手法は保有量を拡大できる一方で、株式数の増加による希薄化や、負債に伴う利払い・償還のリスクを伴います。ビットコイン価格が上昇している局面では評価されやすい一方、相場環境が悪化すると、こうした調達条件が株価の重荷として意識されることもあります。
規制・会計ルールなど外部要因の影響も受ける
暗号資産を企業の財務資産として大規模に保有する例は、まだ一般的とはいえません。そのため、今後の規制動向や会計ルールの見直しによって、企業の財務表示や市場評価が変わる可能性があります。特に米国では、金融政策や市場環境の変化が株価に与える影響も大きく、ビットコイン価格以外の外部要因にも注意が必要です。
ストラテジー(マイクロストラテジー)とは?まとめ
ストラテジー(旧MicroStrategy)は、ビットコインを企業の主要な財務資産として保有・拡大している米国の上場企業です。資金調達と組み合わせながら保有量を増やし、その状況を継続的に公開している点が特徴です。株価はビットコイン価格の影響を受けやすい一方、資金調達や希薄化、株式市場の需給といった要因も重なって形成されます。ビットコインの現物やETFとは異なる性質を持つ点は、投資判断の際に押さえておく必要があります。将来性を考える際には、ビットコイン市場の動向だけでなく、同社の保有戦略や株主価値との関係をあわせて確認することが大切です。
※本記事は、特定の銘柄や投資行動を推奨するものではありません。企業情報は公開情報をもとに整理しており、投資判断はご自身の責任で行ってください。
ビットコインの将来性に関心を持つ投資家の中には、ビットコインそのものだけでなく、関連する投資対象にも目を向ける人がいます。
その一つとして挙げられるのが、ビットコインを保有する日本の上場企業、メタプラネットの株式です。ビットコインと結びつけて語られることが多い一方で、株式としてどう捉えるべきかは分かりにくい面もあります。
本記事では、メタプラネットについて、特徴や仕組み、将来性を整理します。
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目次
メタプラネットとは
メタプラネットの特徴とビットコイン戦略
ビットコインを財務戦略に取り入れている
なぜビットコインを保有する戦略を選んだのか
「日本版マイクロストラテジー」と呼ばれる理由
メタプラネットの株価とビットコイン価格の関係
メタプラネットの株価推移
メタプラネットの将来性をどう見るか
ビットコインとの関係
ビットコイン保有戦略が与える影響
新たな資金調達戦略「PHASE II」とは
メタプラネットに投資する際のリスク・注意点
ビットコインの下落局面では株価も動きやすい
希薄化と負債(利払い・償還)のリスクがある
規制・会計ルールなど外部要因の影響も受ける
まとめ|メタプラネットについて
メタプラネットとは
メタプラネットは、ビットコインを主要な財務資産として保有・運用する方針を掲げる、日本の上場企業です。
事業内容そのものよりも「ビットコイン財務戦略」を前面に打ち出している点が、大きな特徴とされています。
項目
内容
企業名称
株式会社メタプラネット(Metaplanet Inc.)
上場市場
東京証券取引所 スタンダード
証券コード
3350
設立
1999年6月11日
代表者
代表取締役社長CEO:サイモン・ゲロヴィッチ
本社所在地
東京都港区
主な事業内容
ビットコイン・トレジャリー(財務運用)ビットコイン教育・メディア(Bitcoin Magazine Japan)ビットコイン導入支援(ビットコインジャパン)拠点開発(THE BITCOIN HOTEL)
ビットコイン蓄積開始
2024年4月
ビットコイン保有数
35,102 BTC(2025-12-30公表)
株価(参照時点)
541円(2026/1/19 15:30)
時価総額(参照時点)
617,970百万円(2026/1/19 15:30)
※引用:株式会社メタプラネット公式サイト、
東京証券取引所、
TradingView
株式会社メタプラネット(Metaplanet Inc.)は、東京証券取引所スタンダード市場に上場する日本の企業です。1999年にダイキサウンド株式会社として設立され、当初はCD・レコードの企画・制作・販売を手がけていました。
その後、持株会社制への移行やホテル運営事業への参入などを経て、2023年2月に当時の社名「レッド・プラネット・ジャパン」から「メタプラネット」へ社名を変更しました。同時期に、ビットコインへの投資と長期保有を柱とする「ビットコイン財務戦略(投資戦略)」を掲げています。
メタプラネットは、企業の資産としてビットコインを保有することで、円安リスクへの備えに加え、ビットコインの長期的な値動きの影響を財務面に反映させる方針を示しています。こうした戦略を前面に掲げたことで、株式投資家に加えて、暗号資産に関心を持つ層からも注目されるようになりました。
メタプラネットの特徴とビットコイン戦略
ここでは、メタプラネットが掲げる「ビットコイン財務戦略(投資戦略)」について、「財務戦略としての特徴」「その狙い」「日本版マイクロストラテジーと呼ばれる背景」の3点から整理します。
ビットコインを財務戦略に取り入れている
メタプラネットは、自社を「ビットコイン財務企業」と位置づけ、ビットコインを企業の財務資産(トレジャリー資産)の一部として保有・積み上げる方針を打ち出しています。
まず押さえるべきは、「会社がビットコインを持っている」という事実だけでなく、どれだけ保有していて、どう増やしているかです。
メタプラネットは、公式サイトの 「アナリティクス」ページで、保有量などを公開しています。
もう一つポイントになるのが、メタプラネットがKPIとして示しているBTC Yieldです。これは、会社全体のビットコイン保有量だけでなく、増資などで株数が増える影響(希薄化)も踏まえて、「1株あたりで見たときにビットコインが増えたか」を確認するための指標です。株数が最大まで増えた場合(完全希薄化後)を想定して計算する点が特徴とされています。
なぜビットコインを保有する戦略を選んだのか
メタプラネットがビットコイン保有を柱に置く理由は、企業が保有する資産を「円だけ」に寄せず、為替(円安)やインフレといった環境変化に備えて、資産の持ち方を分散させる狙いがあるためです。あわせて、ビットコインの中長期の値動きを、企業の財務に取り込むという考え方もあります。
もう一つの理由は、ビットコインの保有を「一度買って終わり」にせず、継続的に積み上げる設計にしている点です。株式の発行などで資金を集め、その資金でビットコインを購入して保有を増やす、という流れを取りやすくなります。
「日本版マイクロストラテジー」と呼ばれる理由
メタプラネットが「日本版マイクロストラテジー」と呼ばれるのは、米国のStrategy(旧MicroStrategy)が確立した「ビットコイントレジャリー企業」の見せ方と、共通点が多いからです。
メタプラネットも、ビットコインを財務資産として保有・拡大する方針を前面に出し、投資家が追える形で指標やデータを整理しています(BTC YieldをKPIとして置いている点も共通です)。
こうした「上場企業が、ビットコインの蓄積を企業評価の中心に据える」という構図が、投資家にとって理解しやすく、結果としてメディアや市場で“日本版”という呼び方につながっています。
メタプラネットの株価とビットコイン価格の関係
メタプラネットは株式ですが、ビットコインを財務資産として保有する方針を前面に出しているため、市場では「ビットコイン関連株」として扱われやすく、株価がビットコイン価格の動きに反応する場面があります。実際、公式サイトの「アナリティクスページ」では、ビットコイン価格と株価、BTC保有量などが並列で表示されています。
株価がビットコインと結びつきやすい主な理由は、①保有するBTCの価値が上がれば(下がれば)企業価値の見方にも影響しやすいこと、②資金調達→BTC購入という戦略が注目されるほど“BTCを増やす期待”が株価に反映されやすいこと、③株で「BTCエクスポージャーを取りに行く」資金が集まりやすいこと、の3点です。
一方で、株価が常にBTCと同じ割合で動くわけではありません。たとえば、株式には(1)増資などによる希薄化や負債の条件、(2)日本株の取引時間とBTCの24時間市場のズレ、(3)需給による過熱・冷却、といった“株式ならでは”の要因が上乗せされます。
メタプラネットの株価推移
メタプラネットは、2023年2月に現在の社名へ変更して以降、ビットコインを財務戦略に据える方針を明確にしたことで、株価の値動きが大きく変化しました。
2024年初頭まで、株価は低位で推移していました。しかし同年春、ビットコイン購入方針が示されたことで状況が一変します。「ビットコインを保有する企業」として市場で意識されるようになり、株価は上昇基調に入りました。
夏場にかけては、ビットコイン相場の上昇と重なる形で株価も急伸します。一方で、その後は相場環境の変化や利益確定売りを受け、短期間で大きく値を下げました。この局面では、ビットコイン価格も下落しており、両者が同時に調整局面に入っていた点が特徴です。
2024年後半から2025年初頭にかけては、ビットコイン価格の回復とともに株価も持ち直しました。暗号資産市場への資金流入が意識された場面では、メタプラネット株も「ビットコイン関連銘柄」として買われやすい動きが見られています。
2025年後半には、株価に影響する材料が増え、値動きの背景が分かりにくくなる場面がありました。この時期、暗号資産を財務に組み込む企業に対して、制度や規制が見直される可能性があるとの報道が出たことで、市場が慎重に反応したためです。
この報道について、メタプラネットは「関係当局から規制措置や調査を受けている事実はない」と説明しており、現時点で事業や財務に直接影響が生じているわけではないとしています。
直近の株価は、過去の高値圏から水準を切り下げた状態で推移しており、値動きの大きさは引き続き目立ちます。ビットコイン価格が上昇する局面では評価されやすい一方、相場が不安定になると調整が入りやすい傾向も見られます。
このように、メタプラネットの株価はビットコイン市場の影響を強く受けながら、資金調達や制度動向といった株式特有の要因も重なって形成されています。値動きを追う際には、ビットコイン価格だけでなく、同社がどのような財務戦略や施策を打ち出しているかにも目を向けておくことが重要です。
ビットコインについては ビットコインとは? をご覧ください。
ビットコインの現在の値動きは リアルタイムチャート をご覧ください。
メタプラネットの将来性をどう見るか
メタプラネットの将来性は、「ビットコイン価格の行方」と「企業としての戦略運営」の二つの軸から考える必要があります。
ビットコインとの関係
メタプラネットの将来性を考えるうえで、大きな要素となるのがビットコイン価格の動向です。メタプラネットは、ビットコインを財務資産として保有しているため、価格が上昇すれば保有資産の価値が高まり、逆に下落すれば企業価値の見え方にも影響が及びます。
実際、これまでの株価推移を振り返ると、ビットコイン価格が上昇局面にあるときは評価されやすく、相場が調整に入ると株価も不安定になりやすい傾向が見られました。株式市場では「ビットコイン関連銘柄」として捉えられる場面が多く、価格連動性が意識されやすい点は特徴の一つといえます。
ただし、株価が常にビットコインと同じ割合で動くわけではありません。日本株特有の取引時間や需給、個別材料の影響が重なることで、短期的には乖離が生じることもあります。そのため、ビットコイン価格だけを見て株価を判断するのは難しい場面もあります。
ビットコイン保有戦略が与える影響
メタプラネットは、ビットコインとの関係が注目されやすい一方で、企業としてその戦略をどのように継続できるかも評価の対象になります。
メタプラネットは、ビットコインを一度購入して終えるのではなく、資金調達などを通じて保有量を段階的に増やしていく方針を示しています。この戦略が想定どおり進めば、ビットコイン価格の上昇局面では、企業価値の拡大につながる可能性があります。
一方で、増資による株式の希薄化や、調達条件によっては株主の負担が意識される場面も出てきます。そのため、将来性を判断する際には、「ビットコイン価格がどうなるか」だけでなく、「どのような手段で、どのタイミングでビットコインを増やしていくのか」という点にも目を向けておくことが重要です。
保有量の増加が、株主にとってどのような形で反映されるのかを継続的に確認していく必要があるでしょう。
新たな資金調達戦略「PHASE II」とは
メタプラネットは、ビットコインの保有量を拡大するために、資金調達のあり方を含めた中長期的な戦略として「PHASE II」を掲げています。これは、単に「ビットコインを買う」だけでなく、その原資をどう確保し、株主への影響をどう抑えるかまでを含め示しています。
PHASE IIの大きな特徴は、資金調達手段として永久型優先株を活用する点です。永久型優先株とは返済期限を持たない株式で、一般的な新株発行に比べて、普通株の発行数を増やさずに資金を調達しやすい仕組みとされています。この手法を用いることで、ビットコイン購入の原資を確保しつつ、既存株主の希薄化リスクを抑える狙いがあると説明されています。
また、メタプラネットはビットコイン価格の上昇だけに収益を依存しない体制づくりにも取り組んでいます。その一環として「Bitcoin.jp」を軸に、ビットコインに関する情報発信や関連サービスの展開を進めています。これは、ビットコインを「保有するだけ」で終わらせず、国内市場に関わる事業基盤を育てていく動きと位置づけられます。
こうした事業から収益を生み出すことができれば、永久型優先株への配当を事業収益で支えることが可能になります。PHASE IIは、ビットコインの値動きに左右されるだけでなく、事業と財務の両面からビットコイン戦略を支える構造を目指す取り組みと整理できます。
メタプラネットに投資する際のリスク・注意点
メタプラネットは、ビットコインを財務戦略に組み込むという特徴的な方針を掲げていますが、その分、一般的な事業会社とは異なるリスクも伴います。投資を検討する際は、以下の点も理解しておきましょう。
ビットコインの下落局面では株価も動きやすい
メタプラネットは、ビットコインを企業資産として保有しているため、ビットコイン価格が下落すれば、保有資産の評価額も低下します。その結果、企業価値の見え方が変わり、株価が調整される可能性があります。
株式である以上、価格は市場参加者の期待や心理にも左右されます。ビットコイン相場が不安定な局面では、「ビットコイン関連銘柄」として売りが先行しやすい点には注意が必要です。
希薄化と負債(利払い・償還)のリスクがある
メタプラネットは、ビットコインの保有拡大にあたって、株式発行などの資金調達を活用する方針を示しています。この場合、発行済み株式数が増えることで、1株あたりの価値が薄まる可能性があります。
調達の条件やタイミングによっては、ビットコイン保有量が増えていても、株主にとってのメリットが分かりにくくなる場面も考えられます。資金調達に関する開示内容は、継続的に確認しておきたいポイントです。
規制・会計ルールなど外部要因の影響も受ける
暗号資産を企業の財務に組み込む取り組みは、日本ではまだ一般的とはいえません。そのため、今後の制度改正や会計ルールの見直しによって、企業の対応や市場評価が変わる可能性があります。
過去には、規制に関する報道をきっかけに株価が反応する場面もありました。現時点で具体的な措置が取られていなくても、外部環境の変化が株価に影響する可能性は念頭に置いておく必要があります。
まとめ|メタプラネットについて
メタプラネットは、ビットコインを企業の財務戦略に組み込む方針を明確に掲げている、日本では珍しい上場企業です。ビットコインを保有・積み上げる姿勢が注目され、株価もビットコイン市場の動向と結びついて語られる場面が多く見られます。
一方で、同社の株式はあくまで企業価値を反映する株であり、価格はビットコインだけで決まるわけではありません。資金調達の方法やタイミング、制度や市場環境といった株式特有の要因も評価に影響します。
将来性を考える際には、ビットコイン価格の動向に加え、同社がどのような戦略で保有を増やし、その影響が株主価値にどう反映されているかを確認していくことが重要です。
※本記事は、特定の銘柄や投資行動を推奨するものではありません。企業情報は公開情報をもとに整理したものであり、投資判断はご自身の責任で行ってください。
この週末に4回目となるビットコインの半減期が訪れます。暗号資産界隈では約4年に1度の一大イベントをお祝いするカウントダウンパーティーが企画されるなど、市場関係者の注目度の高さがうかがえます。簡単におさらいすると、半減期とはビットコインのマイニングあたりの報酬=新規発行量が半分に減少するタイミングを指します。仕組みの詳細や過去の値動きについてはコインチェックコラムの記事を参照いただきたいですが、過去3回では半減期の翌年末にかけて暗号資産のブル相場が起きており、今回も2025年末にかけてビットコインの価格が大きく上昇することが期待されています。
そこで今回は半減期を通過した後のビットコインの相場展開を予想します。
※本レポートの記述は2024年4月19日公開日時点のものです
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目次
ビットコインの半減期アノマリーとは?2025年の目標価格は控えめに見ても10万ドル以上
ビットコインの半減期後の相場を占うポイント
①米国の利下げ開始とソフトランディングへの期待
②米国大統領選挙の行方
③ビットコイン現物ETFへの資金流入
④RWAトークンの拡大
ビットコインの半減期アノマリーとは?2025年の目標価格は控えめに見ても10万ドル以上
図1:ビットコインの半減期と価格動向(出所:Glassnodeよりマネックス証券作成)
図1はこれまでのビットコインの半減期ごとに半減期時点の価格からその後の高騰暴落までの価格動向を整理したものです。冒頭で述べたように、過去3回とも半減期の翌年末にかけてビットコインが大きく上昇していることがわかります。一方で、半減期の2年後には大きなハッキング事件や企業破綻が起こり、それらをきっかけに暴落が繰り返されています。このような半減期アノマリーに従い、今回もビットコインは2025年に最高値を記録し、その後2026年に暴落を引き起こす事件が起こるのではないかと言われているのです。
実際にどのような値動きになるのでしょうか。半減期時点のビットコインの価格を60,000ドルと仮定した場合、翌年の2025年末にかけては上昇率200%と控えめに予想しても120,000ドルまで高騰することになります。これが300%ならば180,000ドル、それ以上なら200,000ドルを超える可能性もあります。2024年は米国でビットコインの現物ETFが承認されたメモリアルイヤーでもあり、承認後にはビットコインがゴールド(金)と同じように上昇することが期待されています。ゴールド(金)は2004年に現物ETFが承認されてから10年以上かけて数倍の成長を遂げましたが、ビットコインはその成長を半減期後のわずか1年で達成する可能性があります。
一方で、ビットコインは半減期後に最高値を記録してから約80%前後暴落する傾向があります。今回もビットコインが2025年に200,000ドルの史上最高値を記録した場合、最大で40,000ドル付近まで暴落するリスクを警戒しなければなりません。何が暴落の引き金になるかは明言が難しいですが、現物ETFによって金融市場からより多くのお金が暗号資産市場へ流入するため、次のショックはこれまでよりも大規模な事件になる可能性があります。今ではグローバルの大手金融機関がデジタルアセット事業へ参入し、米国債や不動産、ファンドなどの金融資産をトークンとして流通させる取り組みも進んでいます。それらのトークンが分散型金融(DeFi)サービスに取り込まれることで暗号資産の売買が活発になることが予想されますが、その分、金融市場にも影響が及ぶシステマチックリスクが高まるでしょう。
半減期後のビットコインの暴落リスクを指摘しましたが、過去3回とも底値が半減期時点の価格より高い水準に留まっていることには注目です。次の4年間を考えた時に現在のビットコインの価格が最も低い水準である可能性があるというのは驚きでしょう。そのため、半減期後の調整局面を待っていると買い時を逃してしまう恐れがあり、例えば今から積み立て投資を始める方が価格の下落リスクも抑えながら中期的に大きなリターンが得られる期待が大きいでしょう。コインチェックつみたてサービスでは毎月1万円から積み立てすることができるのでぜひ活用を検討してみてください。
ビットコインの半減期後の相場を占うポイント
さて、市場はビットコインの半減期アノマリーが継続するかどうかを注目しているわけですが、半減期を通過した後の相場を占うポイントを挙げましょう。
①米国の利下げ開始とソフトランディングへの期待
一つ目は米国の金融政策と景気動向です。米国では経済指標が予想以上に強い結果となっており、利下げ開始時期が不透明な状況になっています。当初は年内2回の利下げが予想されていましたが、今ではその数が1回に減り、年内据え置きの可能性も出ています。たとえ利下げ開始時期が後ろ倒しになっても当局の利下げ方針がブレない限りは株式とともにビットコインの買いが継続すると予想します。量的引き締めの終了に向けた議論も始まっており、このような金融緩和への転換と米国経済のソフトランディングへの期待次第で上昇トレンドが継続するでしょう。
一方、米国のインフレが長期化し、追加利上げの議論に至った場合は相場全体が崩れる恐れがあります。
②米国大統領選挙の行方
初めて気づく人もいるかもしれませんが、ビットコインの半減期の年は同じく4年に1度の米国大統領選挙と重なっています。2024年も選挙イヤーとなっており、支持率の低迷するバイデン民主党政権からの政権交代への期待によって株式とともにビットコインが堅調な値動きになる可能性があります。果たしてトランプ前大統領の再選によってトランプラリーと呼ばれる上昇トレンドが再び訪れるのかが注目されます。
米国大統領選挙は証券取引委員会(SEC)の体制が見直されるという意味でも重要です。これまでゲンスラーSEC委員長が暗号資産に対して厳しい姿勢を示してきましたが、共和党の勝利でその姿勢が変化し、暗号資産関連企業の訴訟問題も落ち着く可能性があります。トランプ前大統領はもともと暗号資産に対して否定的な見方をしていましたが、今回はビットコインやNFTへの理解も示しており、暗号資産市場の発展に向けた規制改革を推し進める期待があります。
③ビットコイン現物ETFへの資金流入
米国ではブラックロックやフィデリティなどのビットコイン現物ETFへの資金流入が続いています。新しく現物ETFのオプション取引を申請する動きもあり、ビットコインが既存のデリバティブ取引に組み込まれることでより幅広い投資家が取引しやすくなるでしょう。また、今月15日には香港でビットコインおよびイーサリアムの現物ETFが承認され、5月には英国での承認を控えるなど、現物ETFのトレンドが米国外にも波及しています。このように現物ETFへの資金流入がグローバルに広がれば、より多くのお金が暗号資産市場へ流入し、ビットコインの相場はさらに上昇するでしょう。
しかし、ビットコイン現物ETFへの資金流入は株式の上昇があって初めて加速することに注意が必要です。一部ではビットコインを金に代わるデジタルゴールドとして購入する投資家もいますが、多くの投資家はビットコインを株式に並ぶリスク資産として購入します。そのため米国経済の見通しが崩れて株式が大きく下落した時は、現物ETFからの資金流出によって下落するリスクが高いでしょう。
④RWAトークンの拡大
2023年以降はビットコイン中心の相場が続いていますが、暗号資産市場が盛り上がるためにはビットコイン以外の投資先が増える必要があります。最近では先述した金融機関によるデジタルアセット事業、すなわち米国債や不動産、ファンドなどの金融資産をトークン化する「現実資産(RWA)」という分野が注目されています。この分野においてもブラックロックは先行してファンドトークン「BUIDL」を発表し、ブロックチェーン上でステーブルコインを活用した決済も可能にしています。この動きにJPモルガンやUBS、シティグループなど大手金融機関が追随し、今後はあらゆる金融資産がトークンとして取引されるようになるでしょう。さらにはRWAトークンがDeFiをはじめとするブロックチェーン上のサービスに組み込まれることで暗号資産市場が拡大することが予想されます。
一方で、米国ではSECがイーサリアム財団やユニスワップなど暗号資産プロジェクトの取り締まりに動いています。DeFiは依然として無法地帯で詐欺やハッキング事件も度々起きているため、数年のうちに規制整備が進む可能性が高いです。DeFi規制の整備が先か、RWAトークンの取引本格化が先か、どちらにしても規制強化にともなう下落には警戒が必要でしょう。
最後に、2024年は現物ETFを中心に金融市場からより多くのお金が暗号資産市場へ流入する年になり、半減期アノマリーへの期待で2025年にかけても上昇相場が継続することが期待されます。しかし、価格が高騰しブル相場が再び訪れた後には大きな暴落が起こりうることにも注意が必要です。だからこそ目先の値動きに振り回されず中長期的な成長を見越して投資戦略を立てることが重要になるでしょう。
まもなく到来するビットコイン半減期に寄せて、ブロックチェーン/暗号資産/web3領域をリードする方々からメッセージをご寄稿いただきました。
業界のリーダーたちが4回目のビットコイン半減期にどのようなことを考えているのか、示唆にあふれるメッセージをぜひご一読ください。
※寄稿者の所属・役職およびコメントは2024年4月18日公開日時点のものです
寄稿者(50音順、カッコ内はご所属および役職)
圷 健太さん(Bunzz pte ltd, CEO)
石川裕也さん(株式会社Gaudiy代表)
石濵嵩博さん(Yay! ファウンダー)
小笠原啓祐さん(有限責任監査法人トーマツ監査アドバイザリー事業部ビジネスアシュアランス部シニアマネジャー)
木村 優さん (Sunrise / Gluon co-founder)
熊谷祐二さん(Emoote(エムート)ジェネラル・パートナー)
坂井豊貴さん(慶応義塾大学経済学部教授)
澤村周平(当社執行役員 Crypto Asset事業本部長)
内藤裕紀さん(株式会社ドリコム 代表取締役社長)
中野泰輔さん(株式会社woorth 代表取締役)
長瀬威志さん(弁護士 アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業)
沼澤健人さん(株式会社Aerial Partners 代表取締役)
畑 圭輔さん(株式会社スクウェア・エニックス インキュベーションセンター ブロックチェーン・エンタテインメントディビジョン ディレクター)
馬場功淳さん(株式会社Brilliantcrypto代表取締役社長 / 株式会社コロプラ 代表取締役会長チーフクリエイター)
房安陽平さん(株式会社Ginco 取締役副社長)
藤本真衣さん(Japan Blockchain Week / INTMAX 創業者)
松本 大さん(マネックスグループ株式会社代表執行役会長 / 当社取締役会長 )
ヨーロピアンさん(クリプト投資家)
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圷 健太さん(Bunzz pte ltd, CEO)
寄稿者圷 健太さん(Bunzz pte ltd, CEO)
2017年からWeb3領域に携わり始めてから、これが私にとって2回目のBTC半減期です。前回と大きく異なる点は、業界がもはや単に「Web3に閉じたもの」ではなくなったということです。BTCのETF承認は、単なる流動性増加の意味を超え、伝統的な金融市場と暗号技術によるプロトコルとの融合が加速する新たな金融の歴史のフェーズと見ることができます。Bunzzは、Web3領域への参入を目指す方々をサポートする開発インフラとして、新たな時代を切り拓くためのテクノロジー、そしてセキュリティを今後も提供して参ります。
Bunzz:https://www.bunzz.dev/audit
石川裕也さん(株式会社Gaudiy CEO)
寄稿者石川裕也さん(株式会社Gaudiy CEO)
ビットコインの半減期に際して、価格の大幅な変動が見られることは過去にもありました。このような状況下で、しばしばWeb3の未来について議論が交わされます。個人的には、価格変動とWeb3の未来は直接的な関係はないと考えています。この点は、株式市場においても同様です。仮想通貨の価格が上昇している現在において、Web3業界全体が価格の動向と連動して盛り上がっているわけではありません。実際に業界が活気づくのは、NFTやPlay to Earn、DeFiなど、サービス面で新たな波が到来した時に感じられる熱量の高まりからです。そのことからもweb3の価格に注目するのでなく、web3で解決される課題や新しい価値を踏み出すことに僕らはフォーカスするべきだと個人的には考えています。
X:@yuya_gaudiy
note:https://note.com/yuyasan
石濵嵩博さん(Yay! Founder)
寄稿者石濵嵩博さん(Yay! Founder)
アメリカにてビットコインのETF登録がなされ、既存金融からの大規模な資金流入が続いています。更に半減期を迎えるとマイナーの売り圧が半減するために、ビットコインの需給バランスが再調整されるに当たって価格が大きく上昇すると過去の事例から予想できます。ビットコインに一度集中した資金は、価格が落ち着いたあとETHやSolanaなどに移行し、それぞれのチェーン上に存在しているアルトコインにまで行き渡ることで、web3領域が一回り進捗することが期待できます。
特に先進国では少子高齢化が進み、政府は国家の維持のために大量の紙幣を発行し市中投下をし続けています。昨今、日本では円安や物価高が話題ですが、単年で解決する問題ではなく、今後何十年にもわたって複利で衰退を続ける可能性があります。現状のビットコインは4年周期でとても大きなボラティリティがありますが、今後は政府が無限に発行し続ける法定通貨のヘッジとして一般的に利用されるようになれば、ボラティリティも徐々に落ち着き、金のような安定資産になっていくと信じています。
X:@takachan114
小笠原啓祐さん(有限責任監査法人トーマツ監査アドバイザリー事業部ビジネスアシュアランス部シニアマネジャー)
寄稿者小笠原啓祐さん(有限責任監査法人トーマツ監査アドバイザリー事業部ビジネスアシュアランス部シニアマネジャー)
ビットコインの半減期は約4年に1回で、前回のビットコイン半減期は2020年5月12日でした。当時のメールを改めて振り返ってみたところ、JVCEAから公表された「暗号資産取引業における主要な経理処理例示」(2020年6月12日公表)に基づいた会計整理に勤しんでいたようです。それ以来、4年間でweb3.0分野に関して企業会計基準委員会から3つの公表物(注1)、日本公認会計士協会から2つの公表物(注2)が公開され、会計・監査の分野でも地道ながらもweb3.0ビジネスを前に進めていく取り組みが続けられてきています。
4年間を一つの周期の節目と考えたうえで今後のweb3.0業界全体に目を向けると、個人的には今後の4年間で、日本特有のIEO制度の利用拡大に大きく期待しています。明確な法規制に基づいたトークン発行が、web3.0ビジネスの健全な成長を大きく牽引していく可能性を感じています。ただし、この分野もより一層の会計・監査の実務慣行の積み上げ・整理が急務です。web3.0業界のインフラ整備の歩みが止まらないように、粉骨砕身の覚悟で邁進したいと思っています。
※執筆者の私見であり、有限責任監査法人トーマツの公式見解ではないことにご留意ください。
ブロックチェーンアドバイザリーサービス|監査アドバイザリー|デロイト トーマツ グループ|Deloitte
注1 2022年3月15日 「資金決済法上の暗号資産又は金融商品取引法上の電子記録移転権利に該当するICOトークンの発行及び保有に係る会計処理に関する論点の整理」
2022年8月26日 実務対応報告第43号 「電子記録移転有価証券表示利等の発行及び保有の会計処理及び開示に関する取扱い」
2023年11月17日 実務対応報告第45号「資金決済法における特定の電子決済手段の会計処理及び開示に関する当面の取扱い」
注2 2021年4月23日 保証業務実務指針3701「非パブリック型のブロックチェーンを活用した受託業務に係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」
2023年11月20日 業種別委員会研究資料第2号「Web3.0関連企業における監査受嘱上の課題に関する研究資料」
木村 優さん( Sunrise / Gluon co-founder)
寄稿者木村 優さん( Sunrise / Gluon co-founder)
ビットコインはこれまでの複数回の半減期において、暗号資産相場の熱に影響を与えているものであると多くの人に考えられています。それにより今回の半減期でも相場に期待感をもたらしていますが、それらの相場の熱は毎回とも単なるバブルにとどまらず、ハッキングによる各種プロトコルの資産流出といった痛みを伴いながらも、ブロックチェーン関連技術の発展に大きく寄与してきました。ビットコインがデジタルゴールドとしてのポジションを一定確保するだけでなく、この業界の技術発展に投資が流入することで、これまでのウェブ技術だけではなし得ない自立分散駆動のエコシステムが各種生まれてきたと考えられます。
最近は、ステーキング、リステーキングといった技術がトレンドの一つになっており、ビットコインはより広範な分散型アプリのエコシステムのセキュリティを支える有限資源になる可能性があります。
デジタルゴールド、ETF承認によるより広く受け入れられるアセットクラスを経て、次のビットコインの受容のされ方に目が離せません。
X:@KimuraYu45z
熊谷祐二さん(Emoote(エムート)ジェネラル・パートナー)
寄稿者熊谷祐二さん(Emoote(エムート)ジェネラル・パートナー)
恒例イベントの半減期に加えて、ビットコインETFによってクリプトへの更なる資金流入は必至。
個人、機関投資家ともに長期を見据えたお金が業界を下支えすることは大きなプラス。主要通貨はもちろん、アルトコインやNFTまで徐々にエコシステムが潤っていく。
RWAs(実物資産のトークン化)は次なる大きな波で、クリプト先進国の規制策定をきっかけに機関投資家マネー流入が期待される。
2024年になってもミームコインが話題になってることから目を背けることができない。クリプト、そして人間の本質。
2025年までの潤ったエコシステムから、本質を捉えたイノベーションがエンターテイメント、ライフスタイル分野から生まれるか否かが業界の大きな分岐点になる。
X:@yujikumagai_
坂井豊貴さん(慶応義塾大学経済学部教授)
寄稿者坂井豊貴さん(慶応義塾大学経済学部教授)
金とビットコインの差異について
金とビットコインの最高値更新が止まりません。市中に増え続ける法定通貨に見切りをつけ、「価値の保存」を求める人類のニーズは高まる一方だということです。金とビットコインの特徴は、誰も発行の上限値を変えられないこと。金は自然が、ビットコインはプログラムが上限値を定めています。
とはいえ金は活発に採掘がなされており、少なくとも当面、産出量が減る様子はありません。一方ビットコインはこの春、どれだけ採掘をしても、産出量が半減することが確定しています。持ち運びと保管についていうと、ビットコインは金よりはるかに簡単です。
現在、金の時価総額は2,200兆円ほど、ビットコインは200兆円ほどです。金には目を奪われる煌めきが、ビットコインには心を奪われるサトシの神話があります。どちらがより優れているというつもりはありません。ただ、ビットコインはまだ随分と過小評価されているように思います。
ビットコインの最高値が更新されると、よくホルダーは「ビットコインおめでとう」と言います。金でそんな言い方は聞いたことがない。目を奪う美と、心を奪う美の違いによるのだと思っています。
X:https://twitter.com/toyotaka_sakai
ONGAESHI:https://www.ongaeshi-pj.com/
Chainsight:https://chainsight.network/
澤村周平(当社執行役員 Crypto Asset事業本部長)
寄稿者澤村周平(当社執行役員 Crypto Asset事業本部長)
今回の半減期企画では、複数の業界・お立場の方から、それぞれ個性豊かなコメントをいただくことができ、業界の変化に感慨深い気持ちをいだいています。
私がクリプトに初めて触ったのは、2017年です。今回コメントを寄稿いただいた皆様のお顔ぶれを見ると、様々な時期にクリプト業界に参入された方がいらっしゃる中で、共通の話題としてビットコインの半減期をこうして語り合えることを、嬉しく思います。
プロジェクトに資金を提供する投資家、技術者を始めとするプロジェクトに直接関与する人々、個人向けまたは事業者向けのサービスを提供する事業者、市場に流動性をもたらす投機家など、様々な立場や思想の人々のインセンティブを適切に設計し、目的とすることを持続可能な形で、分散化された仕組みの中で達成するというのが、クリプトの重要な発想のひとつです。その始祖たるビットコインの半減期が来るたびに、そのような仕組みが成り立ちうることを証明し続けてくれていると感じます。
次回の半減期には、さらに多様な業界の方が、クリプトに関わるようになっているのでしょうが、想像を超える未来の到来にワクワクしつつ、皆様それぞれの挑戦が実り多きものとなるようお祈りし、コインチェック、そして私自身も挑戦を続けていきたいと思います。
内藤裕紀さん(株式会社ドリコム 代表取締役社長)
寄稿者内藤裕紀さん(株式会社ドリコム代表取締役社長)
2016年、2020年の半減期の経験から、今回の半減期はちょっと違うなと思っています。
前の2回は半減期後、半年ぐらいから価格が上昇トレンドになり、そのさらに半年後ぐらいにピークになって大きく下落していきましたが、今回は半減期の1年前ぐらいから上昇トレンドに転換して、すでに過去最高価格を超えています。
ここから期待したいのは、いよいよクリプト業界がBTCの半減期というビッグイベントからデペッグして、半減期の大きなボラティリティの影響が少なくなり、金融以外の様々な事業がやりやすくなっていくことです。
大きなボラは金融ビジネスにとってはチャンスですが、他の事業からすると厄介な面も大きいため、ボラが減ることでさまざまなクリプトサービスが浸透していくことを期待しています。
中野泰輔さん(株式会社woorth 代表取締役)
寄稿者中野泰輔さん(株式会社woorth 代表取締役)
これまでのビットコインの歴史を振り返って、この半減期までの4年間が最も多くの出来事があり、色濃い期間になったと思います。特に、今年初めにSECが承認したビットコインの現物ETFの暗号資産市場への影響は大きく、この出来事が市場への資金流入を加速させた上に、アセットクラスとしての存在感を高めました。一方で、未だクリプトのマスアダプションのためには、課題が山積みです。
半減期前後に、クリプト系プロダクトのリリースが相次いでいることから分かるように、来たる半減期に向けてプロダクトを仕込んでいた企業やチームは非常に多いです。今回の半減期後のトレンドを作るのは、こういったプロダクトであると感じています。ベアマーケットを耐え凌いだ人々が生み出すプロダクトや、大きな仕組みの改善が、クリプトのマスアダプションとブロックチェーン本来の良さを活かしたイノベーションを加速させ、半減期後の市場を明るいものとしていくことを期待しています。
X:@ta1suke
長瀬威志さん(弁護士 アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業)
寄稿者長瀬威志さん(弁護士 アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業)
まもなく半減期を迎えるビットコインを中心に多くの暗号資産の高騰が続いていますが、ビットコインの最大の魅力は「すべては相対的なもの」であることを世に知らしめたことではないかと思います。
私が初めてビットコインの存在を知ったのは金融庁出向時代の2013年でしたが、当時はもちろん、私がブロックチェーン分野に専念しようと決意した2017年においても、法定通貨こそが唯一絶対であり、発明者の正体すら不明なデジタルデータはお金にはなり得ない、と繰り返し言われてきました。
しかし、世界的なインフレ・急激な円安が進んだ現在、政府・中央銀行がコントロールする法定通貨と比べて、供給量に上限がありブロックチェーン技術に立脚したビットコインに対する信用が増してきており、それが市場価格にも反映されているように見えます。法定通貨もビットコインも形は違えどその価値は「信用」を裏付けとするものです。ビットコインは法定通貨に対する盲目的な「信用」に対する健全な猜疑心の象徴として、さらに魅力を増していくことでしょう。
沼澤健人さん(株式会社Aerial Partners 代表取締役)
寄稿者沼澤健人さん(株式会社Aerial Partners 代表取締役)
その誕生からおよそ15年、サトシの思想に自由主義をみた分散型コミュニティの中で成長を遂げたビットコインは、今や200兆円の時価総額を超え、現物ETFの承認によって伝統的金融の枠組みにも含まれるアセットクラスの一つになりました。
今日、全世界的に起こっているビットコインの価値に関する議論や、web3を取り巻くイノベーションのすべてが、サトシの一本の論文と、そのメカニズムデザインの美しさに端を発しているのです。
私たちは、直前に迫る半減期や、ビットコイン・ピザ・デー等を「おめでとう!」と祝福します。
ビットコインに魅せられる私たち一人ひとりの胸の中で、価値革命を告げる鐘の音が鳴り響いているのかもしれません。
株式会社Aerial Partners:https://www.aerial-p.com/
畑 圭輔さん(株式会社スクウェア・エニックス インキュベーションセンター ブロックチェーン・エンタテインメントディビジョン ディレクター)
寄稿者畑 圭輔さん(株式会社スクウェア・エニックス インキュベーションセンター ブロックチェーン・エンタテインメントディビジョン ディレクター)
2024年のWeb3事業はどう変化していくか?
ブロックチェーンを活用したエンターテインメントは、デジタル資産であるNFTを保有するオーナーシップの概念があるからこそ、その価値醸成、愛着を増すための仕組みを提供できると考え、我々もその思想のもとプロダクトをリリースし、そのニーズや手応えを感じてきました。 ブロックチェーン上に刻まれるデータは、発行から償却、マーケットを通じた取引等に至るまで記録の透明性があります。こうしたユーザーによるデータの操作が可視化されることで、価値が醸成されていく様子はこれまでにない体験であり、ユーザーの新しいエンゲージメントになっています。そうしたデジタル時代の新しい推し活として様々なものが今後生まれていくと考えています。
馬場功淳さん(株式会社Brilliantcrypto代表取締役社長 / 株式会社コロプラ代表取締役会長 チーフクリエイター)
寄稿者馬場功淳さん(株式会社Brilliantcrypto代表取締役社長 / 株式会社コロプラ代表取締役会長 チーフクリエイター)
『Brilliantcrypto』はビットコインの「Proof of Work」から着想を得た「Proof of Gaming」という新しいコンセプトで開発をスタートしました。
4年に一度の半減期の年に『Brillinatcyrpto』のリリース、IEOを迎える予定であることを運命的に感じております。
いまやデジタルゴールドと呼ばれるようになったビットコインのように、『Brilliantcrypto』で創出される本物のデジタル宝石が、世界中の人々に受け入れられるよう全力で頑張ってまいります。
ゲーム公式サイト:https://brilliantcrypto.net/jp/
Discord:https://discord.gg/brilliantcrypto
X:https://twitter.com/Brypto_Official
X[日本語]:https://twitter.com/Brypto_JP
YouTube:https://www.youtube.com/@Brilliantcrypto
Medium:https://brilliantcryptoblog.medium.com/
房安陽平さん(株式会社Ginco 取締役副社長)
寄稿者房安陽平さん(株式会社Ginco 取締役副社長)
RWA(現実資産)のトークン化市場は現在の約1160億ドルから今後10年で10兆ドルに達すると言われています。年初に米国で承認されたビットコイン現物ETFは、歴史上最も速く成長したETFとなりました。このようにWeb3の経済圏は既存金融に広がり、急拡大を遂げています。半減期は一つの節目に過ぎませんが、節目を意識して市場参加者が増えることは過去の経緯を見ても概ね確実と言ってよいでしょう。この節目に合わせ、企業も様々なプロダクトを投入するかと思います。暗号資産の法整備が高度に進んだ日本は、制約はあれど、この分野で世界でトップに躍り出るまたとない好機です。そのために一緒に業界を盛り上げていきたいと強く思っています。
藤本真衣さん(Japan Blockchain Week / INTMAX 創業者 )
寄稿者藤本真衣さん(Japan Blockchain Week / INTMAX 創業者 )
マイニングの設計は、芸術的な美しさにさえ感じます。初期段階のBitcoinは世界の誰でも自分の家のパソコンからマイニングに参加できました。殆どの人が「おもちゃだ!」と馬鹿にして笑っている間に、ひっそりと始まり、地球が破滅しない限りもう誰にも止められない分散した土台を作りました。その後、Bitcoinの可能性に多くの人が気づき、マイニングの参加者がどんどん増えより堅牢なネットワークになりました。最初から全員が注目していたら、絶対に政府や既得権益者に止められていたでしょう。何よりもハッシュパワーを占領の問題も見越して、誰かが占領するとBitcoinの信頼性も落ちて価格も下がるから誰もそんな事をしないという設計になっている。悪い人はこの世から居なくならない。だから悪い事をするインセンティブさえ無くしてしまう設計も素晴らしいです。この半減期の機会に改めてSatoshiが作ったBitcoinの美しさに浸りたいです。
松本 大(マネックスグループ株式会社代表執行役会長 / 当社取締役会長 )
寄稿者松本 大(マネックスグループ株式会社代表執行役会長 / 当社取締役会長 )
ビットコイン(BTC)は半減期を迎える中で価格を大きく上げてきた。しかし本当の因果関係は、個人か機関かに関わらず投資家が買ってきたからだ。なぜか?BTCは現代に於いて極めて重要な資産クラスだからだ。天然ダイアモンドと同等かそれ以上のダイアがラボで作れる現代、中央銀行が貨幣を大量に発行し続ける現代、世界一フェイクが作りにくく、かつ発行量に上限があるBTCが、特別な資産価値を持つのは当然だ。私が持つ様々な資産の中で、一番最後まで持ち続ける資産はBTCと決まっている。ビバ・ビットコイン!
ヨーロピアンさん(クリプト投資家)
寄稿者ヨーロピアンさん(クリプト投資家)
あらためてビットコインの魅力や存在価値について
ビットコインの最大の魅力は国境の存在しないボーダーレスな資産であることです。
誰にも支配されない民主的な資産であり続けたからこそ人々は安心してお金を投じてきましたし、総供給量が不変であることから金になぞらえて「デジタルゴールド」と呼ばれ資産クラスとしての地位を確立してきました。
ビットコインの設計は極めて堅牢です。誕生当初の思想を変えることなくそのまま受け継いだまま、現在も小さな進化を積み重ねています。
半減期は今回で4度目となり、繰り返してきた歴史を再確認するイベントでもあります。
直近では現物ETFが承認されたことで大相場を形成していますが、変わったのはあくまでビットコインに対する人々の認識であり、ビットコイン自身が大きく姿を変えたわけではありません。そしてそれこそが変わらないビットコインの価値であると考えています。
X:@sen_axis
Coincheckでは、2023年6月にユーザーアンケートを実施いたしました。アンケートでは、暗号資産投資家の投資目的やビットコインの価格など計10問の質問に回答していただきました。
今回の記事では、アンケート結果を参照し、2023年時点での暗号資産投資家の傾向や考えを紹介します。
【調査概要】調査期間 : 2023年6月21日(水)〜 2023年6月28日(水) 調査方法 : WEBアンケート調査調査対象 : Coincheckのユーザー 3,256名
(※)数値は小数点第二位で四捨五入で記載しています
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目次
【暗号資産投資の目的】暗号資産・Web3.0の将来性への投資が目的に
【日本のWeb3.0業界】暗号資産に対する税制改革を望む声が多数
【ポートフォリオの傾向①】ポートフォリオの40%未満で暗号資産投資を行うユーザーが多数
【ポートフォリオの傾向②】半数以上が暗号資産に10万円以上を投資
【ビットコイン価格】ビットコイン価格、半数以上が「3年以内に最高値を更新」と回答
【暗号資産投資の目的】暗号資産・Web3.0の将来性への投資が目的に
まず、暗号資産投資の目的についてご紹介します。Q3「あなたはどのような理由で、暗号資産の投資を決めましたか?(複数可)」という質問に対して、半分以上のユーザーは「暗号資産の将来性に投資をしたいと思った」と回答(52.7%)し、「他の金融資産に比べて、値上がりが期待できると思った」を上回りました。
また、「Web3の将来性に投資をしたいと思った」と答えたユーザーも一定数いる(15.4%)など、純粋な値上がりに対する予想だけではなく、将来性を含めて投資を選択しているユーザーが多いことが分かりました。
【日本のWeb3.0業界】暗号資産に対する税制改革を望む声が多数
次に、「今後、日本の暗号資産業界に期待していることを教えてください」という質問に対する回答をご紹介します。
最も多くを占めたのが、「暗号資産に対する税制を改革する」で約7割のユーザーが回答をしました。次いで「暗号資産決済が可能な場面を増やす」(43.3%)「売買可能な暗号資産を増やす」(33.8%)であったことから、特に多くのユーザーが暗号資産の税制改革を望んでいることがうかがえます。
また、「その他」の回答には、詐欺対策などを含めたセキュリティ向上や、流動性の高まりを期待する意見などが寄せられました。
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【ポートフォリオの傾向①】ポートフォリオの40%未満で暗号資産投資を行うユーザーが多数
投資ポートフォリオに関しては他の金融資産も含めたものと、暗号資産だけのものの2つを調査しました。
まず、他の金融資産を含めたポートフォリオについてです。投資ポートフォリオに占める暗号資産の割合で最も多数であったのは、「5%未満」(43.6%)という結果になりました。約8割のユーザーが40%未満であったことから、暗号資産をポートフォリオの一部に組み込むスタイルで投資を行っているユーザーが多いことが分かりました。
最も多く組み合わされているのは国内株式で、NISAや積立NISAなども併用して暗号資産投資を行っていると考えられます。
【ポートフォリオの傾向②】半数以上が暗号資産に10万円以上を投資
一方で、日本円換算で10万円以上暗号資産投資を行っているユーザーは約6割を占めています。さらに、最も回答が多かったのは「100万円以上(26.2%)」でした。
また、投資の時間軸として多くを占めたのは「長期(3年~)」で、7割以上のユーザーが長期投資を考えていることが分かりました。長期投資を選択したユーザーは、2020年8月に実施したアンケートに比べて約20%増加しています。短期(~半年)」で捉えているユーザーは10%に満たないことから、暗号資産投資家は中~長期で投資を行っている傾向が強い、と言うことができそうです。
アプリダウンロード数No.1を記念して、ユーザーアンケートを実施!コロナショック以降の暗号資産投資家の心理は?
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【ビットコイン価格】半数以上が「3年以内に最高値を更新」と回答
暗号資産の象徴的存在であり、今回のアンケートでも最も多くの期待を集めたビットコイン(BTC)については、2023年末と今後の2つの価格予想を集計しました。
まず、2023年末の価格予想です。最も割合が大きかったのは「401〜600万円」(44%)で、2023年7月現在の価格周辺~やや上値を予想しているユーザーが半数近くを占めました。一方、400万円以下を選択したユーザーも約1/4を占めていることから、2023年内に最高値更新といった大きな値上がりを予想しているユーザーは比較的少ないことが分かりました。
一方で、「ビットコインは過去最高値(約780万円)をいつ更新すると考えていますか」という質問に対しては、約半数のユーザーが3年以内に過去最高値を更新すると考えていました。最も多くを占めたのが「1~2年以内(半減期を越えてから1年以内)」(26.4%)、次いで「2~3年以内(半減期を越えてから2年以内)」(20.2%)と回答しました。
期待が大きい暗号資産は、「ビットコイン(BTC)」(43.4%)、次いで「イーサリアム(ETH)」(22%)と、時価総額が大きく知名度も高い暗号資産に回答が集まりました。XRP(エックスアールピー)やIOSTも引き続き期待を集めていますが、約10%のユーザーはシンボル(XYM)やカルダノ(ADA)といったその他の暗号資産を選択している点も着目したい傾向です。
2023年6月28日から30日の3日間、国内外の起業家や投資家などが集う日本最大級のスタートアップカンファレンス「IVS 2023 KYOTO / IVS Crypto 2023 KYOTO」が京都市勧業館「みやこめっせ」やロームシアター京都で開催されました。
当社からはCoincheck Labsのメンバーがカンファレンスに参加しました。今回のカンファレンスの様子は、昨年のIVSと比較すると、大企業や海外からの参加者、学生など参加者の属性に広がりが見られました。特に海外参加者はクリプト関係者が多く、日本のWeb3市場が注目されていることが肌で感じられました。
本記事では、Coincheck Labsメンバーが「IVS Crypto 2023 KYOTO」での交流で感じた様々な視点からの「国内Web3市場への今後の見解」をイベントレポートとして紹介していきます。
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寄稿者Coincheck Labs
Coincheck Labsは、コインチェック株式会社が運営する、Web3スタートアップの支援プログラムです。Web3に関する次の活動を行なっています。①スタートアップ支援 ②リサーチ・情報発信 ③株式・トークン投資
目次
IVS 2023 CRYPTO KYOTOの概要
各事業会社からみた国内Web3市場への見解
【大手上場企業】自社ビジネスとの親和性を模索中
国内大手製造企業
国内大手サービス関連企業
【ゲーム関連企業】Web3業界への参入に意欲的かつ積極的
【VC(Venture Capital)】起業家や開発者は増えたのの投資対象としては消極的
【海外事業会社】日本Web3市場に対して大きな期待
IVS 2023 Crypto KYOTOを終えて
IVS 2023 Crypto KYOTOの概要
2023年6月28日から3日間にかけて開催された「IVS Crypto 2023 KYOTO」は、世界中のWeb3起業家、投資家、開発者、メディア、政府機関、そしてWeb3の世界に踏み込みたい人にとって最高峰のイベントです。2000名が集まったIVS Crypto 2022 NAHAの成功を受けて、今年のIVS Cryptoは、豊かな歴史とグローバルな人気がある京都で開催されました。
今回のカンファレンスでは、250にもおよぶトークセッションの他、参加者や企業、自治体が主導するサイドイベントも100件近く開催され、会場の周りは日夜問わず大きな盛り上がりを見せていました。
各事業会社からみた国内Web3市場への見解
ここからは、Coincheck Labsメンバーが「IVS Crypto 2023 KYOTO」での交流で感じた様々な視点からの「国内Web3市場への今後の見解」をイベントレポートとして紹介していきます。
【大手上場企業】自社ビジネスとの親和性を模索中
大手上場企業はWeb3の可能性に対して懐疑的な様子で、かなり慎重な姿勢を見せていました。特にWeb3と自社ビジネスとの親和性に関して、具体的な意義を見出せていない状況でした。
国内大手製造企業
ある国内大手製造企業はWeb3を活かした事業を模索中との見解を示していました。相対的に参入しやすいNFTを中心に参入を考えているものの、予算が少なく各事業体でWeb3の取り組みを担当者ベースで行っていることから、本腰を入れての参入は難しいという状況にあるようです。
また、Web3企業及び市場への投資に対しても消極的であり、リード投資家としてではなく、必ずフォロワーとして入り静観するという姿勢であることが多いです。
さらに現場レベルでは、ブロックチェーン技術を用いた物流の改善へのニーズはほぼ無いという現状があります。物流の改善という観点ではWMS(倉庫管理システム)を中心としたWeb2とAIを駆使したニーズが高く、大手のみならず製造業全体として、Web3技術を活かした市場参入へは一定の時間がかかることが明らかになりました。
国内大手サービス関連企業
次に、国内大手サービス関連企業は、Web3技術を活かした事業を具体的に検討していました。しかしながら、そのアプローチの仕方は模索中であり、特定の答えを見つけられている企業は現状なかった印象を受けました。
特に、NFTマーケットプレイスを利用した自社NFTへの興味は高いものの、①「付与するユーテリティのコンセプトが定まらないこと」、②「クリプトユーザーの年齢層と自社顧客がマッチしていないこと」からターゲットユーザーと市場が定まりづらく、自社の強みをどのように活かせるのかに対して苦慮している様子が伺えました。
【ゲーム関連企業】Web3業界への参入に意欲的かつ積極的
一部の事業会社、特にゲーム関連企業がWeb3業界への参入に意欲的かつ積極的である印象を受けました。特に、Oasysエコシステムのステークホルダーが増えているなど、ゲームを中心に国内Web3市場が発展する兆しが見られました。
そのためCoincheck Labsでは、2023-24年には国内ゲームのトークン発行・IEO・新規上場の増加が見込まれると予想しています。
【VC(Venture Capital)】起業家や開発者は増えたのの投資対象としては消極的
国内スタートアップでは、昨年の那覇で開催されたIVSと比較して起業家が増えた印象を受けました。昨年のIVS以降、数多くのハッカソンやETH Global Tokyoが開催された影響もあり、日本人の開発者が着実に増えていると見られます。
また、Web3企業への投資に対しては、やや消極的な態度でした。その理由は、大きく分けて2つあります。
1つ目の理由は「投資先が見つからない」という点です。
その背景として、昨年度のFTX問題、昨今のコインベースおよびBinanceの訴訟以降、Web3起業家の資金調達が難しくなっている現状があります。そのため、エッジの効いたサービスを展開している企業が減少しており、投資先が見つからず投資を実行できていないというのが理由として挙げられます。
2つ目の理由は「Web3の技術を活かした企業が少ない」という点です。
現状として、Web3企業としてマネタイズができている企業は純粋なWeb3企業ではなく、Web2.5のようなSaaS型ビジネスが主流となっています。そのため、本質的にWeb3の技術を活かした企業が少ないことも理由として挙げられている。
【海外事業会社】日本Web3市場に対して大きな期待
日本での海外クリプト企業は、日本クリプト市場に対してかなり明るい未来を描いている様子でした。
彼らが共通して日本クリプト市場に参入したい理由として挙げていたのが「日本の持つ文化とWeb3の親和性の高さ」でした。
日本は、原宿のストリート文化、京都の伝統的文化、秋葉原のアニメ文化など、世界的に著名で多種多様なIP(知的財産)を保持しています。世界中を見渡しても、これだけのIPを保有している国はありません。
そしてこのような日本の持つ文化は、NFT及びメタバースとの相性が極めて高いです。そして彼らは「今後、技術的なブレイクスルーや規制緩和などが起これば、これら(NFT及びメタバース)を起点とした取引所の活性化、およびARやVR市場の拡大まで見込まれる」という見解を持っていました。
そのため、海外クリプト企業のIVS京都2023への参加目的は、足元低迷しているグローバルなクリプト市場に対して、日本進出をきっかけに打開していき企業としてのプレゼンスを高めるため、日本人起業家及び日本の大手Web3企業とのリレーションを作ることでした。
特に、ドイツや韓国のWeb3企業の日本市場への熱量は非常に大きく、すぐにでも日本市場へ参入できるよう業界問わず精力的に国内Web3企業にアプローチを行っていた印象を受けました。
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IVS 2023 Crypto KYOTOを終えて
暗号資産の相場は昨年と比較して落ち着いているものの、本イベントは昨年以上に参加者の熱気が感じられました。海外参加者の多くはクリプト企業であり、規制やIP・ゲームなどの文脈から日本市場が注目されていることを実感しました。各参加者の意見は総じて、日本のWeb3市場に期待が持てるものが多かったと思います。また、IVS全体では約1万人が参加しており、Web3に限らず日本のスタートアップシーンにとって象徴的なイベントとなったことは間違いありません。
2023年3月10日、アメリカのテクノロジー企業への融資で知られ、米西海岸シリコンバレーのエコシステムの中核を担ってきたシリコンバレー銀行(SVB)が経営破綻し、米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に入りました。
今回のシリコンバレー銀行の閉鎖およびシグネチャー銀行・シルバーゲート銀行の事業停止により、既存の金融システムが暗号資産市場に対しても大きな影響をもたらしていることが明らかとなりました。
一方で既存の金融システムに対する信用不安から、ビットコイン(BTC)へ資金が流入する動きも出てきています。
そこで今回の記事では、そもそもなぜシリコンバレー銀行は破綻してしまったのか、そして今回の破綻が暗号資産(仮想通貨)市場にどのような影響を及ぼすと考えられるのかについて解説します。
この記事でわかること
シリコンバレー銀行(SVB)とは
シリコンバレー銀行(SVB)はなぜ破綻してしまったのか
シリコンバレー銀行(SVB)破綻による暗号資産市場への影響
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寄稿者Coincheck Labs
Coincheck Labsは、コインチェック株式会社が運営する、Web3スタートアップの支援プログラムです。Web3に関する次の活動を行なっています。①スタートアップ支援 ②リサーチ・情報発信 ③株式・トークン投資
目次
シリコンバレー銀行(SVB)とは
シリコンバレー銀行(SVB)の破綻と連鎖的影響
なぜシリコンバレー銀行(SVB)は破綻したのか
要因①:急激なインフレから引き起された利上げによる影響
要因②:SNSを中心とした取り付け騒ぎの発生
シリコンバレー銀行(SVB)の破綻で暗号資産市場はどのような影響を受けたのか
シリコンバレー銀行(SVB)の破綻による暗号資産市場への短期的な影響
短期的影響①:ステーブルコイン全体への信用不安
短期的影響②:DEX(分散型取引所)の取引高増加
短期的影響③:ステーブルコインからビットコイン(BTC)への資金流入
シリコンバレー銀行(SVB)の破綻による暗号資産市場への長期的な影響
長期的影響①:暗号資産企業の資金調達が厳しくなる可能性がある
長期的影響②:暗号資産関連企業が利用するサービス変更によるビジネスの停滞
長期的影響③:金融システム全体の信用不安によりビットコイン(BTC)への資金流入
まとめ
シリコンバレー銀行(SVB)とは
シリコンバレー銀行(SVB)とはアメリカ合衆国カリフォルニア州に本社を置く銀行であり、主にテクノロジー業界のスタートアップやVC(ベンチャーキャピタル)を取引先として金融サービスを提供していました。
米連邦準備制度理事会(FRB)によると、2022年末時点でのシリコンバレーバンクの総資産は約2,090億ドル(約28兆円)であり、資産額で比較すると全米で16番目に大きい銀行となっています。
シリコンバレー銀行(SVB)の破綻と連鎖的影響
2023年3月10日、スタートアップ・VCを主な取引先としていたシリコンバレー銀行が破綻しました。それに加え、連鎖的に暗号資産関連企業を主な取引先としていたシグネチャー銀行とシルバーゲート銀行の事業停止が発生しました。
ここでは、発生した事象について時系列順にまとめています。
日付
事象
2023/3/8
シリコンバレー銀行が債券ポートフォリオを売却。
シルバーゲート銀行が、銀行業務の縮小および任意清算することを発表。預金は全額返済される予定。
2023/3/9
シリコンバレー銀行が、債券ポートフォリオの210億ドル(約2兆8,275億円)の売却を完了し、18億ドル(約2,423億円)の損失を計上したことを発表。
同社はこの損失をカバーするため、22.5億ドル(約3,037億円)の公募増資を行うと発表。
信用不安から取り付け騒ぎが発生。420億ドル(約5.7兆円)の預金解約が行われる。
2023/3/10
シリコンバレー銀行の株価は、3月9日の取引開始から10日までの間に86%下落し、取引停止を発表。
シリコンバレー銀行がカリフォルニア州金融保護当局に閉鎖され、米預金保険公社(FDIC)の管理下に入る。
2023/3/12
ニューヨーク州金融監督当局が、シグネチャー銀行の事業停止を発表。
米財務省と米連邦準備理事会(FRB)、米連邦預金保険公社(FDIC)は、シリコンバレー、シグネチャーの預金者を完全に保護すると共同声明を発表。
「銀行タームファンディングプログラム(BTFP)」を導入。米国債や住宅ローン担保証券を担保として、最長1年の融資をする。政府の基金から最大250億ドルを利用できるようにする。
2023/3/13
英 HSBCがシリコンバレー銀行の英国部門を1ポンドで買収。
シリコンバレー銀行, シグネチャー銀行の預金者は、完全に資金へのアクセスが可能に。
2023/3/19
NYCB傘下のフラッグスターがシグネチャーを買収することで合意。FDICが発表。
2023/3/27
ファーストシチズンズ・バンクシェアーズは、シリコンバレー銀行を買収することで合意。
シリコンバレー銀行の全預金とローンを引き継ぐ。シリコンバレー銀行の資産約720億ドル相当を、165億ドルのディスカウントで取得。
2023/4/3
FDICがシグネチャーの融資債権(約600億ドル)の売却手続きを進めることを発表。
なぜシリコンバレー銀行(SVB)は破綻したのか
シリコンバレー銀行が破綻したのは、大きく分けて以下の2つの要因が考えられます。
急激なインフレと利上げによる影響
SNSを中心とした取り付け騒ぎの発生
以下で詳しく解説していきます。
要因①:急激なインフレから引き起された利上げによる影響
1つ目の要因は「急激なインフレから引き起こされた利上げによる影響」です。
近年、シリコンバレー銀行は、コロナ禍の金融緩和の影響からスタートアップの資金調達増加に伴い、預金残高が大きく増えていました。そのためシリコンバレー銀行は一定の利息を得るために、800億ドル以上(約1兆円以上) の不動産担保証券(MBS)を購入していました。その後、2022年に連邦準備理事会(FRB)が利上げを実施したことでMBSの価値が急落しました。
また、この金利上昇から派生する債権価格の下落による影響は、今回破綻した銀行に限らず、多くの銀行において発生しています。
要因②:SNSを中心とした取り付け騒ぎの発生
2つ目の要因は「SNSを中心として取り付け騒ぎが発生したこと」です。
シリコンバレー銀行は、米国のスタートアップやVC(ベンチャーキャピタル)を主な取引先としていました。そしていくつかのVCは投資先企業に対して、シリコンバレー銀行は1口座25万ドルまでしか預金保険でカバーされないため、預金を引き出すように提言しました。
ピーター・ティール氏をはじめとする著名な投資家が呼びかけたことにより、SNSでも不安が広がり預金の引き出しが相次いだと見られています。その結果シリコンバレー銀行は、預金の流出に対応して債券を売却する必要が発生し、それまで含み損であった債券の損失が確定しました。
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シリコンバレー銀行の破綻で暗号資産市場はどのような影響を受けたのか
シリコンバレー銀行の破綻によって、暗号資産市場にも大きな影響を受けることになりました。ここでは、暗号資産市場で発生した事象について時系列順にまとめています。
日付
事象
2023/3/9
JP MorganがGeminiとの業務関係を終了との報道。Geminiは否定している。
2023/3/10
Circle社が発行するUSDCの準備金約400億ドル(約5兆4,000億円)のうち、33億ドル(約4,455億円)がシリコンバレー銀行に預金されていたことを発表。
2023/3/11
信用不安によりUSDCのデペッグが発生。3/11時点で一時0.87ドルまで下落。
(※)DAIが0.897ドルまでデペッグ。暗号資産担保型ステーブルコインDAIの担保のうち、USDCは51.87%を占め44.2億ドルに相当する。
USDDは0.925ドル、FRAXは0.85ドルまで下落。
Uniswapの24時間取引高が120億ドル(約1兆6,200億円)、Curveの24時間取引高が70億ドル(約9,500億円)となり過去最大となった。
CoinbaseはUSDC:USD の両替を一時的に停止。銀行営業時間内に清算される銀行からの米ドル送金に依存するためであり、月曜日に再開予定と発表。
2023/3/12
Binanceが、2022年9月に停止していたUSDCペアの取り扱いを一部再開。
Circle社は、引き続きUSDC:米ドルが1:1で償還できると発表。Circleの準備金のうち、シリコンバレー銀行預金以外の現金54億ドルは、BNYメロン銀行に移された。
Circle社の発表後、USDCのペグが回復。DAI, USDD, FRAXなどもペグを回復。
2023/3/13
CoinbaseがUSDC:USDの両替を再開。
Binanceが10億ドル(約1,343億円)相当のBUSDを、BTC, ETH, BNBに交換していくことを発表。
2023/3/14
MakerDAOにて、USDCの担保を減らす提案が可決。USDC担保DAIの1日の上限を9億5,000万DAIから2億5,000万DAIに引き下げた。
2023/3/17
銀行大手のState StreetがCopperとの業務関係を終了。
2023/3/21
Coinbaseは、シグネチャー銀行のSignetのサポート終了を顧客に通知。
※Dai(DAI)は1DAI = 1米ドルを目標価格として設定しています。実際にダイ(DAI)は1米ドル付近で価格が推移していることから、暗号資産(仮想通貨)型ステーブルコインと認識されていますが、1DAI = 1米ドルの価値を保証するための原資産が確保されているものではなく、相場の変動等により目標価格に対して大きく下落する可能性があります。
暗号資産(仮想通貨)ダイ(DAI)とは?他のステーブルコインとの違いや特徴を解説!
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シリコンバレー銀行(SVB)の破綻による暗号資産市場への短期的な影響
シリコンバレー銀行破綻による暗号資産市場への影響は、短期的には大きく分けて3つ発生しました。
ステーブルコイン全体への信用不安
DEX(分散型取引所)の取引高増加
ステーブルコインからビットコイン(BTC)への資金流入
以下で解説していきます。
短期的影響①:ステーブルコイン全体への信用不安
1つ目の短期的影響は「ステーブルコイン全体への信用不安」です。
2023年3月11日、USDCを手掛けるCircle社が、破綻したシリコンバレー銀行(SVB)にUSDCの準備金の8%にあたる33億ドルが未処理のまま滞留していることを発表しました。その結果、USDCは一時デペッグし、1USD付近から大きく価格乖離しました。
※デペッグとは、ステーブルコインと、米ドルなど特定の通貨とのレートが一定に保てず、乖離してしまった状態のこと
このUSDCのデペッグに伴い、ステーブルコイン全体への信用不安が広がり、他のステーブルコインもデペッグが発生しました。
短期的影響②:DEX(分散型取引所)の取引高増加
2つ目の短期的影響は「DEX(分散型取引所)の取引高増加」です。
DEXとはブロックチェーンを活用することで、管理者を介さずにユーザー同士で直接暗号資産の取引を行うことができる取引所のことです。
ステーブルコインの信用不安により売却が進んだことで、UniswapやCurveなどのDEXでの取引が増え、過去最高の24時間取引高を記録しました。さらにこの際、CEX(中央集権型取引所)からDEXへの暗号資産の流出が起きたことも指摘されています。
短期的影響③:ステーブルコインからビットコイン(BTC)への資金流入
3つ目の短期的影響は「ステーブルコインからビットコイン(BTC)への資金流入」です。
シリコンバレー銀行が破綻したあとビットコイン(BTC)の価格は上昇し、3月10日から3月13日までの3日間で18%以上も上昇しました。その後もビットコインの価格は上昇し、4月11日にはビットコインの価格は400万円(3万ドル)を超えました。
このビットコイン価格が上昇した背景には、ステーブルコインへの信用不安から資産の保全手段としてビットコインへ資金が流入したことも一因として推察されます。
また、Binanceなどの海外取引所やDeFiにおいては、ステーブルコインと法定通貨の取引ペアがないため、相対的に安全な資産としてビットコインが選ばれたという可能性も考えられます。
シリコンバレー銀行(SVB)の破綻による暗号資産市場への長期的な影響
シリコンバレー銀行の破綻によって今後起こり得る暗号資産市場への長期的な影響としては、次の3つが考えられます。
暗号資産企業の資金調達が厳しくなる可能性がある
暗号資産関連企業が利用するサービス変更によるビジネスの停滞
金融システム全体の信用不安によりビットコイン(BTC)への資金流入
以下で解説していきます。
長期的影響①:暗号資産企業の資金調達が厳しくなる可能性がある
1つ目の長期的影響は「暗号資産企業の資金調達が厳しくなる可能性がある」という点です。
今回のシリコンバレー銀行の破綻に連鎖して、暗号資産関連企業が主に利用しているシルバーゲート銀行やシグネチャー銀行も事業停止しました。そのため今後、長期的に暗号資産関連企業の資金調達が厳しくなる可能性があります。
長期的影響②:暗号資産関連企業が利用するサービス変更によるビジネスの停滞
2つ目の長期的影響は「暗号資産関連企業が利用するサービス変更による、ビジネスの停滞」です。
シルバーゲート銀行の事業停止に伴い、独自の暗号資産決済ネットワークである「SEN(シルバーゲート・エクスチェンジ・ネットワーク)」も停止されました。これによって、暗号資産関連企業の取引に時間がかかり、業界の成長性が一時的に損なわれることが考えられます。
さらに今回破綻した3つの銀行の代役として、クロスリバー銀行と新たにパートナーシップを契約する暗号資産関連企業も増えてきています。例えば、USDCを手がけるCircle社のジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)CEOは、3月12日に自動決済のためにクロス・リバー銀行と新たにパートナーシップを結んだと発表しました。
同様に、暗号資産関連企業が別銀行に取引先を変更するなど、利用するサービスや銀行の変更を余儀なくされる可能性があります。
長期的影響③:金融システム全体の信用不安によりビットコイン(BTC)への資金流入
3つ目の長期的影響は「金融システム全体の信用不安によるビットコインへの資金流入」です。
シリコンバレー銀行の破綻が起きたのと同じ月に、クレディ・スイス銀行の経営危機及びUBSによる買収が起こりました。このような一連の銀行の破綻及び経営危機により、既存の金融システム全体への信用不安が広がりました。
そのため、既存の金融システムに依存しない金や、デジタルゴールドとも呼ばれるビットコイン(BTC)へ長期的に資金流入する可能性があると考えられます。
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まとめ
今回の記事では、なぜシリコンバレー銀行は破綻してしまったのか、そして今回の破綻が暗号資産(仮想通貨)市場にどのような影響を及ぼすと考えられるのかについて解説しました。
2023年3月に起こったシリコンバレー銀行の破綻は金融市場だけではなく、暗号資産市場にも多大な影響を与えました。そして、今後もその影響は長期的に続いていくものだと考えられます。
今回のシリコンバレー銀行の破綻では、既存の金融システムに対する不安から、金やデジタルゴールドと呼ばれるビットコイン(BTC)ヘの資金流入をもたらしました。今後、同様の金融システムの不安が強まる事象が起こったとき、暗号資産市場にはどのような影響がもたらされるのか、引き続きチェックしていきたいです。
2023年3月、DeFi(分散型金融)のレンディングプロトコルであるEuler Finance(オイラーファイナンス)が「フラッシュローン攻撃」を受け、約1億9,700万ドル(当時のレートで約263億円)が流出する事件が発生しました。BalancerやAngle Protocolなど11のDeFiプロトコルにも連鎖被害が広がり、業界に大きな衝撃を与えています。
しかし攻撃者は最終的にほぼ全額をEuler Financeへ返還し、Euler Finance自身も2024年9月に再設計版「Euler v2」をローンチして完全復活を遂げています。
本記事では、攻撃の仕組みと連鎖被害、返還までの経緯、そして2026年4月時点でのEuler v2の現状やフラッシュローン攻撃を取り巻く環境までを通して解説します。
この記事でわかること
フラッシュローン攻撃の仕組み
Euler Financeが約263億円を流出させた攻撃の流れ
攻撃者がほぼ全額を返還するに至った経緯
Euler v2のローンチによる復活と、2026年4月時点の現在地
目次
Euler Finance(オイラーファイナンス)とは?
Euler Financeの特徴
フラッシュローン攻撃とは?
Euler Financeはどのように攻撃を受けたのか
トークン別に見た流出額の内訳
Euler Financeはなぜ攻撃を受けてしまったのか
理由①:Euler Financeチームによる見落とし
理由②:コード監査企業による見落とし
連鎖的被害を受けたプロトコルの一覧
多くの著名なプロトコルやユーザーから信頼を得ていた
運営の交渉により、返還に動いた攻撃者
被害直後:運営は攻撃者のアドレスへ交渉メッセージを送信
3月13日19時:攻撃者は資金の一部を分割してTornado Cashへ送金
3月16日10時:100ETHを被害者である個人ユーザーに返還
3月17日12時:100ETHをRonin Bridge攻撃の犯人アドレスへ送金
3月18日15時:3,000ETHを3回に分けてEuler Financeへ返還
3月25日12時:51,000ETHをEuler Financeへ返還
3月26日0時:ETHとDAIの一部を分割してEuler Financeへ返還
3月28日10時:攻撃者が謝罪のメッセージをEuler Financeのアドレスへ送信
4月3日19時:残っていた10,580ETHを2回に分けてEuler Financeへ返還
4月5日0時:Euler Financeから資金回収完了の発表
4月6日5時:Euler Financeが、ユーザーへの返還計画を公表
事件後のEuler Finance:Euler v2のローンチと復活
モジュラー型のレンディング基盤への進化
事件の教訓を踏まえた、桁違いのセキュリティ投資
TVLの劇的な回復とマルチチェーン展開
2026年4月時点のEuler Financeとフラッシュローン攻撃の現在
Euler Finance(オイラーファイナンス)とは?
出典:Euler Finance
Euler Finance(オイラーファイナンス)とは、イーサリアム(ETH)チェーン上で開発されたDeFi(分散型金融)レンディングプロトコルです。2021年12月にメインネット版がローンチされ、事件発生時点では多くの著名DeFiプロトコルから組み込まれる存在に成長していました。
Euler Financeでは、分散型取引所(DEX)であるUniswap(ユニスワップ)のV3上で、WETH(Wrapped Ethereum)との流動性ペアを持つほぼ全てのトークンを上場できる設計になっており、ユーザーは多様なトークンの貸し借りを行うことができました。
Euler Financeの特徴
出典:Euler Finance
Euler Financeの最も大きな特徴は、担保評価の仕組みとして「階層分け(Tier)」を採用していた点です。
通常のレンディングプロトコルでは、複数のトークンを共通プールにまとめて担保として扱える仕組みが多く採用されています。この仕組みは、複数の通貨で担保を分散できるため価格変動リスクを抑えやすい一方、悪意のあるユーザーが流動性の低いトークンの価格を吊り上げて担保化し、別のトークンを借りて持ち逃げするといったリスクも度々問題になってきました。
そこでEuler Financeでは、上場するトークンが持つリスク特性に応じて、以下の3階層に分類する仕組みを採用していました。
Isolation Tier
Cross Tier
Collateral Tier
3階層について、以下で詳しく解説していきます。
階層①:Isolation Tier
1つ目の階層は「Isolation Tier」です。この階層に分類されたトークンは、3つの階層のうち最もリスクが高いとみなされていました。
Isolation Tierに分類されたトークンは、そのトークンを担保として使用することができず、また、他のトークンと一緒に同じアカウントから借り入れることもできません。
階層②:Cross Tier
2つ目の階層は「Cross Tier」です。3つの階層のうち2番目にリスクが高いとみなされていました。
Cross Tierに分類されたトークンは、そのトークンを担保として使用することはできない一方で、他のトークンと一緒に同じアカウントから借り入れることはできました。
階層③:Collateral Tier
3つ目の階層は「Collateral Tier」です。3つの階層のうち最もリスクが低いとみなされていたトークンが分類されます。
Collateral Tierに分類されたトークンは、そのトークン自体を担保として使用することも、他のトークンと一緒に同じアカウントから借り入れることもできました。
このようにEuler Financeでは、階層分けによってリスクの高いトークンを担保として使用することを制限し、悪意のあるユーザーによる不正を防止する設計を採用していました。しかし後述するように、この階層設計とは別の場所に存在した脆弱性が、結果的に263億円規模の資金流出を招くことになります。
フラッシュローン攻撃とは?
そもそも「フラッシュローン」とは、DeFi特有の融資の仕組みです。1つのトランザクション(取引)の中で借り手が貸し手から無担保で融資を受け、その資金を使って何らかの取引を行い、最後に同じトランザクション内で返済するという、極めて短時間で完結する融資の総称を指します。
本来は、複数の取引所間で価格差を取りに行く「裁定取引(アービトラージ)」など、健全な利益機会のために設計された仕組みでした。融資から返済までは通常、数秒程度(1ブロック以内)で完結します。
しかし、このフラッシュローンによって瞬時に巨額の資金を動かせるという特性が、DeFiプロトコルに潜む脆弱性を突くための強力な道具にもなってしまいました。フラッシュローンで一時的に巨額の資金を借りて、暗号資産の価格やプロトコルの内部状態を不正に操作し、利益を得る行為が「フラッシュローン攻撃」です。
OWASPがまとめた2025年版のスマートコントラクトセキュリティ上位10件(SC07:2025)でも、フラッシュローン攻撃は独立したカテゴリとして挙げられており、2024年に発生したDeFi関連のセキュリティ事案のうち、その大部分がフラッシュローンを伴う攻撃だったと指摘されています。Euler Finance事件はその代表例の一つとして、現在もセキュリティ研究の事例として参照され続けています。
Euler Financeはどのように攻撃を受けたのか
Euler Financeへの攻撃は、フラッシュローンと、Euler Financeのコントラクトに存在した脆弱性(後述)を組み合わせた巧妙な手口で行われました。実際の攻撃トランザクションは細かく分けると10ステップ以上に及びますが、本質的な流れは以下の4ステップに整理できます。
ステップ①:フラッシュローンで巨額のDAIを調達する
攻撃者はまず、AaveやBalancerなどのフラッシュローン機能を活用し、3,000万DAIを借入。実際に攻撃を行う「攻撃者役のアカウント」へ送金し、ここからEuler Financeに対する一連の操作を開始します。
ステップ②:Euler Financeで担保とレバレッジを組み合わせ、巨額の負債ポジションを作る
攻撃者は調達したDAIをEuler Financeに預けて担保トークン(eDAI)を受け取った上で、Euler Financeのレバレッジ機能を10倍まで使い、巨額の借入トークン(dDAI)を発行します。さらに同じ操作を繰り返して、担保トークンと負債トークンを意図的に積み増していきました。
ステップ③:脆弱性のある「寄付機能」を悪用し、自らを債務超過に陥れる
ここがこの攻撃の核心部分です。攻撃者は、Euler Financeのコントラクトに搭載されていた「donateToReserves」(コントラクトに対して担保トークンを寄付する機能)を使い、自分の担保トークン1億eDAIをコントラクトに寄付しました。
本来、こうした寄付によって意図的に自らを債務超過に陥らせる行為はDeFi側で抑止されているはずですが、Euler Financeのこの機能には「寄付を行ったユーザーが債務超過に陥らないかをチェックする処理(ヘルスチェック)」が抜け落ちていました。攻撃者はこの脆弱性を突き、寄付直後に意図的な債務超過状態を作り出します。
ステップ④:別アカウントで「割増清算」を発動し、利益を確定する
Euler Financeでは、債務超過に陥ったアカウントを清算した清算人に対し、報酬として担保額が割増評価されたDAIが付与される仕組みになっていました。本来の最大割増率は20%ですが、今回は借入規模が大きすぎたため計算レートが歪み、実際には30%以上の割増評価となり、清算人役のアカウントに3,890万DAIが付与されます。
攻撃者は最後に、ステップ①でフラッシュローンから借りた3,000万DAIと手数料約2.7万DAIを返済。差し引きで攻撃者の手元には約887.8万DAIの利益が残り、これがDAIで奪い取られた額となります。
攻撃者はこの「巨大ポジションを作る → 寄付で債務超過にする → 割増清算で利益を抜き取る」という同じパターンを、DAI以外にもWETH、WBTC、wstETH、USDC、stETHなど主要な担保トークンに対して繰り返し実行しました。その結果、合計で約1億9,700万ドル(当時のレートで約263億円)もの資金がEuler Financeから流出することになります。
トークン別に見た流出額の内訳
攻撃者の犯行は、2023年3月13日の17時50分から18時8分までの、わずか18分間に集中しています。ブロックチェーン上のトランザクション履歴から確認できる、トークン別の流出額の内訳は以下の通りです。
発生時刻(日本時間)
流出トークン
当時のドル換算額
3月13日 17時50分
約890万 DAI
約880万ドル
3月13日 17時56分
約8,000 WETH
約1,410万ドル
3月13日 18時03分
849 WBTC
約1,860万ドル
3月13日 18時04分
約66,000 wstETH
約1億1,670万ドル
3月13日 18時04分
3,400万 USDC
約3,400万ドル
3月13日 18時08分
約3,800 stETH
約670万ドル
合計するとおおむね1億9,700万ドル前後となり、当時のレートで日本円にして約263億円規模の流出となりました。なお、各トランザクションの詳細はEtherscanなどのブロックエクスプローラーで現在も追跡可能です。
Euler Financeはなぜ攻撃を受けてしまったのか
今回のEuler Financeへの攻撃は、「寄付機能(donateToReserves)に、寄付者の財務状況をチェックする処理が組み込まれていない」という脆弱性が放置されていたことが直接の原因です。
なぜこのような脆弱性が約8か月もの間放置されていたのか、その背景には大きく分けて次の2つの要因があります。
理由①:Euler Financeチームによる見落とし
1つ目の理由は、Euler Finance開発チームによる見落としです。
今回のフラッシュローン攻撃を受ける直接的な原因となった寄付機能(donateToReserves)は、2022年7月のコントラクトアップグレード「eIP-14」で導入されました。
この際、Euler Finance開発チームが「寄付を行ったユーザーが寄付によって債務超過に陥らないかをチェックする処理(ヘルスチェック)」を組み込めていれば、今回の資金流出は阻止できた可能性が高いと考えられます。寄付という、それ自体は利益相反を生まないように見える機能の中に、清算ロジックとの相互作用が潜んでいた点が見落とされたといえます。
理由②:コード監査企業による見落とし
2つ目の理由は、コード監査企業によるレビューでも、この脆弱性が指摘されなかったことです。
Euler FinanceにeIP-14が導入された月(2022年7月)に、コード監査会社のSHERLOCK社がEuler Financeの監査を実施していました。しかし、寄付機能におけるヘルスチェックの欠落はこの監査でも検出されず、結果として脆弱性は約8か月間も放置されたままになりました。
事件後、SHERLOCK社はEuler Financeの脆弱性を見つけられなかった責任として、450万ドルの賠償金(クレーム保険金)をEuler Financeへ支払っています。コード監査企業が監査見落としを理由に賠償金を支払う事例は、当時の暗号資産業界において前例のないケースとなり、DeFi業界全体に「監査の限界と責任のあり方」を改めて問いかけることとなりました。
連鎖的被害を受けたプロトコルの一覧
今回のEuler Financeへの攻撃は、Euler Finance単体では収まりませんでした。Euler Financeを内部で利用していた他のDeFiプロトコルにも、合計11件もの連鎖的な被害が広がっています。代表的な被害プロトコルと、その被害規模・被害理由は以下の通りです。
プロトコル名
被害額(おおよそ)
被害が発生した理由
Balancer
約1,190万ドル
Euler Boosted USD(bb-e-USD)プールがEuler Financeを内部で利用しており、プールTVLの65%超を喪失。事件直後にプールを停止した
Angle Protocol
約1,700万ドル
USDCをEuler Financeで運用していたため、ユーロ連動型ステーブルコインagEURが過小担保状態に。agEURの発行と償還を一時停止
Idle Finance
約590万ドル
Best YieldとYield TranchesのEuler連動Vaultが影響。被害拡大を防ぐため対象Vaultを停止
Yearn Finance
約138万ドル
Angle ProtocolとIdle Financeへの間接的な投資による波及。残損失分はYearn Treasuryが補填する方針を表明
Yield Protocol
150万ドル未満
メインネットの流動性プールがEuler Finance上に構築されていたことによる影響
上記のほかにも、合計11のプロトコルで何らかの被害や運用停止が確認されています。レンディングプロトコルが他のDeFiプロダクトの「土台」として広く使われていたことから、被害が一気に広範囲へ波及した形でした。
多くの著名なプロトコルやユーザーから信頼を得ていた
連鎖被害がここまで拡大した背景には、Euler Financeが事件発生以前から多くの著名プロトコルやユーザーから厚い信頼を得ていたという事情があります。では、なぜEuler Financeは当時、ここまで信頼されていたのでしょうか。
大きな理由の一つは、過去に何度も第三者監査を受けていたことです。Euler Financeは、2021年12月のメインローンチに先立つ段階から2022年12月にかけて、6社のコード監査企業から10回以上の監査を受けていました。それでも結果的に、監査企業による脆弱性の見落としによって今回のフラッシュローン攻撃を許してしまった点は、DeFiセキュリティの難しさを象徴する事例となっています。
また、Euler Financeはバグを見つけたホワイトハッカー向けに最大100万ドルのバグバウンティを用意していたことも、外部からの信頼の高さに繋がっていたとされています。
運営の交渉により、返還に動いた攻撃者
Euler Financeは攻撃を受けた後、ただちに攻撃者のアドレスへコンタクトを取りました。その後、攻撃者は奪った資金をほぼ全額Euler Financeへ返還することになります。ここでは、攻撃発生から返還完了までの流れを時系列で整理します。
被害直後:運営は攻撃者のアドレスへ交渉メッセージを送信
Euler Financeは攻撃を受けた直後、攻撃者のアドレスに対してオンチェーンメッセージで交渉に応じるよう呼びかけます。実際に送信されたメッセージは以下の通りです。
【原文】
We understand that you are responsible for this morning's attack on the Euler platform. We are writing to see whether you would be open to speaking with us about any potential next steps.
【編集部訳】今朝のEulerのプラットフォームへの攻撃は、あなたの責任であると理解しています。次のステップについて、私たちと話すことに前向きであるかどうかを確認するため、このメッセージを送っています。
3月13日19時:攻撃者は資金の一部を分割してTornado Cashへ送金
3月13日19時、攻撃者は資金の一部(1,100ETH)を11回に分けて、追跡を困難にすることで知られるミキシングサービス「Tornado Cash」へ送金しました。
3月16日10時:100ETHを被害者である個人ユーザーに返還
3月16日10時、攻撃者は100ETHを被害者である個人ユーザー(アルゼンチン在住のSolidly開発者)に返還しました。この個人は、前日に攻撃者のアドレス宛に資金返還を懇願するメッセージを送っていました。
【原文】
Please consider returning 90%/80%. I'm just a user that only had 78 wstETH as my life savings deposited into Euler. I'm not [a] whale or millionaire.
You can't imagine the mess I'm into right now, completely destroyed. I'm pretty sure 20M is already life changing for you and you'll bring back joy to a lot of affected people.
【編集部訳】90%でも80%でも構わないので、返却を検討してもらえないでしょうか。私はEulerに人生の貯金である78wstETHを預けていただけの、ただのユーザーです。クジラでも富豪でもありません。今私が陥っている混乱は想像もつかないと思いますが、文字通り完全に破壊された状態です。あなたにとっての2,000万ドルは、もう人生を変えるのに十分な額のはずですし、それを返してくれるだけで多くの人々に喜びを取り戻せます。
3月17日12時:100ETHをRonin Bridge攻撃の犯人アドレスへ送金
3月17日12時、攻撃者は100ETHを、北朝鮮のラザルスグループによる犯行とされるRonin Bridge攻撃の犯人アドレスへ送金しました。攻撃者がラザルスグループの犯行と見せかけたかったのか、それとも本当にラザルスグループの一員だったのかは、現在に至るまで明らかになっていません。
3月18日15時:3,000ETHを3回に分けてEuler Financeへ返還
3月18日15時、攻撃者はEuler Financeに対し、3,000ETHを3回に分けて返還しました。同時に、イーサリアムネットワーク上に攻撃者からの謝罪文も投稿されています。
3月25日12時:51,000ETHをEuler Financeへ返還
3月25日12時、攻撃者は51,000ETHをEuler Financeへ返還しました。返還されたETHは、被害額全体の約43%に相当する規模でした。
3月26日0時:ETHとDAIの一部を分割してEuler Financeへ返還
3月26日0時、攻撃者は30,952ETHを4回、4,300万DAIを4回にそれぞれ分割してEuler Financeへ返還しました。
3月28日10時:攻撃者が謝罪のメッセージをEuler Financeのアドレスへ送信
3月28日10時、攻撃者はEuler Financeのアドレスへ、自らを「Jacob」と名乗る謝罪メッセージを送信しました。実際に送信された謝罪文は以下の通りです。
【原文】
Jacob here. I don't think what I say will help me in any way but I still want to say it. I fucked up. I didn't want to, but I messed with others' money, others' jobs, others' lives. I really fucked up. I'm sorry. I didn't mean all that. I really didn't fucking mean all that. Forgive me.
【編集部訳】Jacobです。何を言っても自分の弁護にならないことは分かっていますが、それでも言わせてほしい。本当にやらかしてしまった。そんなつもりじゃなかったのに、結果的に他人のお金や仕事、人生を巻き込んでしまった。本当に申し訳ない。あんなつもりじゃなかった。本当にあんなつもりじゃなかったんだ。許してほしい。
4月3日19時:残っていた10,580ETHを2回に分けてEuler Financeへ返還
4月3日19時、攻撃者は手元に残っていた10,580ETHを2回に分けてEuler Financeへ返還しました。これにより、合計で約9万5,000ETHと4,300万DAI(合計で約2億2,200万ドル相当)が返還されたことになります。
なお、ドル換算額が当初の流出額(約1億9,700万ドル)を上回っているのは、返還までの期間にETH価格が約17%上昇したためです。攻撃者の手元に残ったのは1,100ETHのみで、当初の流出額の1%にも満たない額となりました。
4月5日0時:Euler Financeから資金回収完了の発表
引用:@eulerfinance(X/旧Twitter)
4月5日0時、Euler Financeから資金回収完了のお知らせが正式に発表されました。
4月6日5時:Euler Financeが、ユーザーへの返還計画を公表
引用:@eulerfinance(X/旧Twitter)
4月6日5時、Euler Financeはユーザー向けの返還計画を発表しました。返還はETH、DAI、USDCの3つの資産で請求が可能であり、返還後に余剰となった資産はユーザー間で公平に分配される方針が示されています。
事件後のEuler Finance:Euler v2のローンチと復活
事件発生当時、多くの市場参加者は「Euler Financeは終わった」と評していました。しかし、それから約1年半後の2024年9月、Euler Financeは再設計版である「Euler v2」をローンチし、本格的な復活への道を歩み始めます。
モジュラー型のレンディング基盤への進化
Euler v2は、単一のレンディングプール型だった旧Euler Financeとは設計思想を大きく変え、「Vault」を組み合わせて使うモジュラー型のレンディング基盤として設計されました。中心となるコンポーネントは以下の2つです。
Euler Vault Kit(EVK):ERC-4626準拠のVault(金庫)を、開発者がパーミッションレスにデプロイ・組み合わせて、独自の貸付市場を構築できるツールキット
Ethereum Vault Connector(EVC):複数のVaultを相互接続し、あるVaultへの預け入れを別のVaultでの担保として認識できるようにする、イミュータブルな相互運用レイヤー
暗号資産だけでなく、トークン化された実物資産(RWA)や合成資産まで、用途に合わせたVaultを誰でも構築できる柔軟さが、Euler v2の最大の特徴です。
事件の教訓を踏まえた、桁違いのセキュリティ投資
Euler v2の開発・ローンチにあたっては、事件の反省を踏まえてかつてないレベルのセキュリティ投資が行われました。Euler Financeの公式情報によれば、ローンチ前には13社・31件の第三者監査と、約400万ドル規模のセキュリティ予算が投じられています。EVKの公開時には、Cantina上で開催されたコード監査コンペティションの賞金規模が125万ドルと、当時の業界記録を更新するものとなりました。
TVLの劇的な回復とマルチチェーン展開
その結果、事件直後にはわずか450万ドル程度まで落ち込んでいたTVL(Total Value Locked、預け入れ資産総額)は、Euler v2のローンチ後に急速に回復していきます。Alea Researchの「State of Euler Q1」レポートによれば、2025年第1四半期末時点でユーザーの預け入れ総額は約8.9億ドルに到達。さらにToken TerminalやOAK Researchなどのレポートによると、2025年後半から2026年初頭にかけてTVLは20億ドル規模を突破しており、事件以前の歴史的最高値の数倍に達する水準まで劇的な拡大を遂げています。
展開チェーンも、当初のEthereumとAvalancheに加え、2025年第1四半期だけでSonic Labs、Swellchain、BOB、Berachain、Baseの5つのチェーンへと拡大。プロトコル全体ではアクティブなVaultが300弱に達し、Wintermuteからの出資受け入れや、リスク管理のGauntlet社との連携など、機関投資家からの信頼回復も進んでいます。
Usual Stability Loan、Resolv、Apostro BTCなど、Euler v2をベースにした第三者プロダクトの台頭も顕著で、Euler v2は単なるレンディングアプリから、DeFiにおけるレンディング基盤レイヤーへと進化しているといえます。さらに、レンディング機能と統合された独自AMM「EulerSwap」も計画されており、今後のエコシステム拡大の起点として注目されています。
2026年4月時点のEuler Financeとフラッシュローン攻撃の現在
2026年4月時点でEuler Finance事件は、「DeFi史上最大級のフラッシュローン攻撃の一つ」として記憶されています。同時に「攻撃者から資金がほぼ全額返還され、その後プロトコル自身もv2で完全復活した」という、非常に稀なケーススタディとしても語られるようになりました。Coincheckコラム編集部としても、DeFiが抱える脆弱性とコミュニティの自浄力の両面を象徴する事例として、整理しておきたい出来事の一つです。
一方で、Euler事件で名乗り出た攻撃者「Jacob」については、本記事公開時点では公的に身元が特定・逮捕されたという正式な情報は確認できていません。ややこしい点として、2025年2月にカナダ国籍のAndean Medjedovic氏(当時22歳)がDeFiプロトコルへの攻撃で米司法省から起訴されていますが、起訴対象はKyberSwap(2023年11月、約4,880万ドル)とIndexed Finance(2021年、約1,600万ドル)への攻撃であり、Euler Finance事件は含まれていません。両者を直接結びつける公式情報も、現時点では公開されていません。
フラッシュローン攻撃そのものは、その後も完全に過去の話にはなっていません。OWASPがまとめた2025年版のスマートコントラクトセキュリティ上位10件(SC07:2025)でも、フラッシュローン攻撃は引き続き主要な脅威カテゴリに位置付けられており、2024年に発生したDeFi関連のセキュリティ事案のうち、相当割合がフラッシュローンを伴うものであったとされています。Radiant Capital、Gamma Strategies、Goledo Financeなど、2024年以降も中規模クラスのフラッシュローン関連事案は断続的に発生しているのが実情です。
主な対策としては、価格オラクルの操作を防ぐためのTWAP(時間加重平均価格)や複数オラクルの組み合わせ、フラッシュローン中の特定操作を制限する設計、そしてEuler v2のような桁違いのセキュリティ投資による事前検証などが挙げられます。Euler Finance事件はその後、こうした対策の重要性を語る上で必ず引き合いに出される、いわば「教科書事例」となりました。
DeFiは依然として進化途上の領域であり、こうした事件と再起の歴史を理解しておくことは、暗号資産との付き合い方を考える上でも有益です。日常的な暗号資産の購入・保有については、まずは金融庁登録済みの国内暗号資産交換業者(Coincheckなど)を入口にするのが分かりやすい選択肢です。DeFiやNFTといった応用領域に踏み込むかどうかは、本記事のような事例も参考にしつつ、それぞれのリスクとメリットを十分に理解した上で判断するのが安全です。
Coincheck(コインチェック)の安全性やセキュリティについて
Coincheck
高度な自然言語処理を行うことができるChatGPT。その万能性や利用可能性から大きな話題を呼んでいる生成系AIですが、ChatGPTでは実際に何ができるのでしょうか。
本記事では実際にChatGPTを使いながら、ChatGPTのできることや活用事例、利用の基礎知識、注意点、できないことを解説していきます。
この記事でわかること
ChatGPTの基礎知識「プロンプト」とは
ChatGPTでできること
ChatGPTではできないことや苦手なこと、注意点
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目次
ChatGPTとは
ChatGPTの基礎知識「プロンプト」や「呪文」とは
ChatGPTではできないことや苦手なこと、注意点
ChatGPTでできること
会話
翻訳
原稿作成
文章要約
プログラミング
楽譜作成
ChatGPTの活用事例
まとめ
Chat GPTとは
ChatGPTとは、文章生成系・自然言語処理系のAIです。アメリカのOpenAI社により開発・提供されている、チャットを通して会話形式でAIが利用できるサービスです。
ChatGPTは2023年4月18日時点で、OpenAIのアカウントを開設していれば無料で利用することができます。有料版のChatGPT Plusというサービスも存在し、無料版と比較して高性能な学習モデルのAIを使うことができます。無料版はGPT-3という学習モデル、有料版はGPT-4という学習モデルを用いており、GPT-4では画像処理を行うことが可能です。
なお、2023年4月18日時点、ChatGPTでは画像処理機能は提供されていません。
参考:OpenAI GPT-4
ChatGPTは生成系AIの中でも特に話題を集めていながら、各国の法整備などが追い付いていないため、国により対応や姿勢が異なります。
たとえば、イタリアでは2023年3月31日時点でChatGPTの利用を一時的に停止していますが、反対に日本ではOpenAI社のCEOサム・アルトマン氏が首相の岸田文雄氏と面会を行ったことが報じられ話題になってています。
ChatGPTの始め方・使い方とは 登録やログイン方法などを解説 料金や日本語対応などの注意点は?
Coincheck
ChatGPTの基礎知識「プロンプト」や「呪文」とは
ChatGPTほか、「Midjourney(ミッドジャーニー)」や「Stable Diffusion」、「Nobel AI」などの生成系AIを利用する際に、我々ユーザーが打ち込む文を「プロンプト」や「呪文」と呼びます。
ChatGPTでの生成は、プロンプトの質が生成物の質に直結するため、望む結果を得るために適切なプロンプトを入力する必要があります。
記事執筆時である2023年4月18日時点では、「プロンプト」という呼称のほうが浸透しているように伺えますが、2022年8月ごろの「Midjourney」の登場による生成系AI流行の発端では、「呪文」という言葉が浸透していました。また、「呪文」はサブカルチャー方面でのAI生成でよく使われている言葉でもあります。
プロンプトの情報を調べる際には、生成したいものにあわせて「プロンプト」と「呪文」を使い分けましょう。
ChatGPTでは、まず「プロンプト」として調べることをおすすめします。本記事内でも、指示文に関しては「プロンプト」と表記します。
ChatGPTでプロンプトを使う際は、他のユーザーの入力方法を参考にしたり、直接ChatGPTに聞いてみたりすると、より良質なプロンプトが作れる傾向にあります。たとえば、「このプロンプトにより正確な指示を追加してください」や「このプロンプトに足りない指示を教えてください」のように入力することで、プロンプト自体の情報量を増大させることができ、より望んだ結果に繋がりやすくなります。
また、ChatGPTの活用方法やプロンプトの解説と称した高額の情報商材も見受けられますが、広告としている映像や成果物が実際にAIで生成したものではない著作物だったり、中身が伴っていなかったりするケースが散見されます。
安易なプロンプト情報への課金は避けたほうが良いかもしれません。
ChatGPTではできないことや苦手なこと、注意点
ChatGPTを利用する上で、いくつかの注意点があります。
まず、ChatGPTは正確な情報を生成するとは限りません。あくまでも自然言語処理になるため、それっぽい回答を行うことに長けています。
また、リアルタイムの情報を扱うことができず、学習データも2021年までとなっているため、最新情報やリアルタイム情報は扱えません。そのため、「現在の渋谷の天気を教えて?」などのプロンプトは、正確な結果を得られません。
入力内容はChatGPTのトレーナーにより閲覧可能であるため、機密情報や秘密情報の入力も避けるべきです。
詳しくはこちらの記事内をご覧ください。
ChatGPTを利用する上での注意点
Coincheck
ChatGPTでできること
ChatGPTでは、テキストボックスに入力可能な文章や言語であれば、基本的には何でもできると言えるでしょう。
リアルタイム処理や正確性の担保、機密情報などの扱いはできませんが、それ以外のことはユーザーの想像力や、プロンプトの入力制度によって実現可能でしょう。想像次第で可能性が無限大であるということが、ChatGPTの熱狂を引き起こしているように見えます。
会話
ChatGPTは役割を理解させ、ロールプレイ的な会話ができます。
今回は、ChatGPTに「あなたはピザ屋の愉快な店主です。客とのやり取りを行い、ピザの注文を受け、会計を行ってください」と設定し、会話を行ってもらいました。
筆者は自分が客になる想定でしたが、ChatGPTが会話形式の文章を生成しました。
想定とは異なるものが生成されましたが、出来は良いでしょう。
プロンプトを改め、再度挑戦します。会話形式で修正が行えることも、ChatGPTの強みの一つです。
再び客になれなかったため、一度生成を停止し再度プロンプトを入力したところ、会話ができました。
現在利用しているGPT-3では、税金を含む会計は少々難しかったようですが、会話機能は満足できるクオリティのように見えます。
もっとも、税の対応は専門資格が設けられるレベルですから、自然言語処理としては及第点ではないでしょうか。
次に、GPT-4を用いて同様のやりとりを行いました。
GPT-4の出力結果はGPT-3と比べても詳細かつ具体的であり、消費税の計算も正しくできていました。
翻訳
学習モデルには日本語が含まれているため、ChatGPTでの処理・生成は行えますが、
ChatGPTはOpenAIのWEBページを含め、日本語に対応していません。
そこで、ChatGPTのページに記載されているChatGPTの説明・イントロダクションを翻訳してもらいました。
グローバル企業が扱う英語はわかりやすいためか、ChatGPTでも綺麗に翻訳することができました。
原稿作成
原稿作成の実験として、日本での自動車運転免許の取得方法を400文字程度で執筆してもらいました。
内容に若干の不足がありますが、文章としては成立しており、破綻も見られません。
具体的に不足や構成の不備を指摘するとなると、指定自動車教習所に通学すると技能試験が免除されるという制度があるため、こちらを先に記述しておくべきでしょう。
文章要約
前項で生成した400文字程度の原稿を、100文字程度に要約してみましょう。
前項で生成した文章を要約しているため内容の不足等はありますが、必要な情報は残っており、要約内容も概ね満足するクオリティでしょう。
一般に400文字から100文字への要約は、重要情報の抽出や取捨選択にある程度の労力がかかります。
生成にかかった時間も10秒程度であったため、要約は一般的な人間よりも優秀であるように見えます。AIと要約力を競ってみたい方は、同じテーマで戦ってみても面白いかもしれませんね。
プログラミング
ChatGPTでは、プログラムを生成したり、プログラミングのミス・バグを修正したりすることが可能です。
ChatGPTをプログラミングへ活用した事例は多く存在します。ルールに準拠して記述するプログラミング言語は自然言語に比べて機械学習との相性が良いとも言われており、プログラミングへの活用は多く試みられ、成果が出ているようです。
楽譜生成
エレキギターの譜面を生成してもらいました。
それっぽいものは生成できていますが、指定した通りにはできていません。
コードの押さえ方はしっかりと生成できていました。
GPT-4だと、特定のアーティストの雰囲気を指定し、楽譜を生成できるとの情報もあるため、音楽理論に則った楽譜や、譜面を大量に出しているアーティストへの活用はできそうです。
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ChatGPTの活用事例
ChatGPTは、日本の中央省庁での活用が前向きに検討されており、今後行政サービスや省庁内業務内での活用が行われる可能性があります。
農林水産省では、既存情報の簡略化や更新作業などに利活用する検討を進めていることを公表しています。ChatGPTは仕様上、入力した秘密情報の流出リスクがあるため、秘密情報を扱う分野での利活用は、検討段階ではないとみられます。
参考:農林水産省 野村農林水産大臣記者会見概要
要約すると、農水省では単純な言語処理としての利用は検討中と言えるでしょう。
日本の省庁では、すでにMicrosoft製品を多数導入しているため、Microsoft社とのパートナーシップ関係にあるOpenAI社のChatGPTは、導入の意思決定において有利に働くのかもしれませんね。
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まとめ
生成系AIとして大きな話題を呼んでいるChatGPT。すでに中央省庁での利用が検討されていることから、このようなAIが社会にインパクトを与えることは確実視する声があります。
ChatGPTの学習データは2021年のものまでですが、よく考えてみると日々の生活には最新情報はあまり必要なく、意図的に情報取得を試みない限りは不要なものともいえるかもしれません。
一般のWEBユーザーは検索を自然言語的に行う人も多いため、機械語的に「検索」を行うよりも、AIに「対話」してしまったほうが都合がよい事態は想像に容易いでしょう。
そのため、現在のWEBにおける検索エンジンが対話型AIに置き換わるといった事態も起こりえる可能性も論じられます。
ITにかかわる人たち以外も、AIによる社会の変化に対応できる柔軟な姿勢が、未来の明暗を分けるかもしれませんね。
話題沸騰中の自然言語処理・テキスト生成系AIの「ChatGPT」。
ChatGPTはOpnenAI社が開発・発表したアプリケーションですが、どのような活用方法があるのでしょうか。
本記事では、ChatGPTの特徴や機能を解説しながら、始め方や注意点、利用方法などをご紹介します。
この記事でわかること
ChatGPTの特徴
ChatGPTを使い始める手順
ChatGPTを利用する上での注意点
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目次
ChatGPTとは
ChatGPTの特徴
BingGPTとの違い
自身でデータセットを用意する必要はない
課金プランあるが、料金は無料で利用可能
GPT-3を超えた言語モデルGPT-4とは
ChatGPTを使い始める手順
Open AIにアカウントを登録する
ChatGPTにログインする
AIとチャットしてみる
ChatGPTを利用する上での注意点
機密情報を載せない
最新のデータがない
日本語版がない
Google翻訳などのブラウザ翻訳機能を使うとエラー
文章が途中で切れることがある
ChatGPTを謡った詐欺コインが多数
まとめ
ChatGPTとは
ChatGPTとは、OpenAI社が手掛ける自然言語処理系のチャットボットAIです。
2023年3月15日時点では、無料アカウントではGPT-3という言語の学習モデルをもとにしており、利用者とチャット形式で会話することができます。
利用者はChatGPTに対し、質問形式や支持形式などで動作・生成文章を制御することができ、単純な会話だけではなく、文章生成や質疑応答、文章添削、プラグラミングのコード生成などが可能です。
ChatGPTはインターネットにアップロードされた文章をもとに学習しているため、インターネットの集合知を取り出せるツールと例えられるでしょう。
なお、ChatGPTにより生成されている文章は、もっともらしい表現になりますが、内容が正確であるとは限らないため、利用方法には注意が必要です。
ChatGPTの特徴
ChatGPTの特徴は、LINEやMessengerのようなチャットアプリのように利用できることです。利用者はあたかもチャットの相手が人間であるかのような感覚になるでしょう。
また、ChatGPTは無料で利用することが可能であり、手軽に高性能なAIを試すことができます。
BingGPTとの違い
同じような自然言語処理AIとして、「BingGPT」というものが存在します。BingAIはMicrosoftが開発しており、同社が提供するWEBブラウザ「Microsoft Edge」のチャット機能に組み込まれています。
チャット機能のほか、メール用やブログ投稿用に文章生成や添削を行う機能などが標準で搭載されています。
こういった機能は、ChatGPTでは自身が指示文内で指定しなければならないため、便利さではBingAIに軍配が上がるでしょう。
また、BingAIの学習モデルは「GPT-4」と呼ばれるもので、無料版のChatGPT用いている「GPT-3」の次世代となっています。(有料版はGPT-4になっています。)
GPT-3と比較すると学習量が膨大であるため、学習モデル自体はBingAIのほうが優秀であると言えるでしょう。
自身でデータセットを用意する必要はない
ChatGPTは、先述の通りGPT-3という学習モデルを使っており、ユーザーが学習モデル自体を変更することはできません。そのため、自身で学習済みのデータセットを用意したり、特定の生成に特化するための学習をさせたりする必要はありません。
文章は基本的にルールに則って記述するため、画像生成などに比べてベーシックな学習モデルで幅広く対応が可能なのでしょう。
なお、自身で環境構築をして利用するAIでは、特定の分野に特化した学習済みのデータを用意すると生成データの質がよくなる傾向があります。
たとえば、Stable Diffusionというテキストから画像を生成するAIでは、生成したいものに合わせた学習データを用意する動きが活発です。
課金プランあるが、料金は無料で利用可能
ChatGPTは非常に高性能なテキスト生成AIですが、2023年3月15日時点では無料で利用することが可能です。BingAIは無料であるものの、一日当たりの利用可能回数が決まっているため、無料で何度でも利用可能というのはユーザーにとっては嬉しいポイントですよね。
なお、「ChatGPT plus」という有料プランもあります。
有料プランでは、学習データがGPT-4という無料版のChatGPTよりも高性能なものを使用しています。そのため、より質の高い文章の生成が可能になっており、さらに長い文章の生成、素早い生成などが可能になっています。
GPT-3を超えた言語モデルGPT-4とは
OpenAIは、2023年3月14日にGPT-4という言語モデルを公開しました。
GPT-4は、GPT-3やGPT-3.5と違い、画像の処理も可能です。
なお、2023年3月30日時点では、ChatGPT上では画像処理を行うことはできません。データモデルとしては画像処理機能が備わっているため、ChatGPTでの画像処理は実装を待つことになります。
開発元のOpenAIからは詳細な性能や学習モデル数、学習方法などは公表されていませんが、ベンチマークテストでは性能が高く、ユーザーの満足度も向上しているように伺えます。OpenAIは、これまでのモデルなどはオープンソース的な運用をしていましたが、GPT-4では従来型のクロードな運用を行っています。
GPT-4は、人間用の試験やテストでも高い得点を出せる性能であり、司法試験や医師試験でも優秀なスコアが出せるとの報告があります。
なお、GPT-4もGPT-3などに引き続き、回答が正確である確証はないため、利用には知識が必要です。
2023年3月29日時点では、GPT-4を使うにはBingAIか、ChatGPTの有料版が必要になります。
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ChatGPTを使い始める手順
ChatGPTは、提供元のOpenAIにアカウント登録をすれば無料で利用することができます。
ただし、OpenAIは日本語に対応していないため、英語に不慣れな方などはこの記事を参考にしてみてください。
Open AIにアカウントを登録する
出典:ChatGPT
OpenAIにアクセスし、「Try ChatGPT」を選択します。
出典:ChatGPT
Welcome to ChatGPT
Log in with your OpenAI account to continue
という画面で、アカウントを所有していない場合はSign UPを選択します。
出典:ChatGPT
メールアドレスとパスワードを入力し、Continueを選択します。
出典:ChatGPT
出典:ChatGPT
認証メールが届き、メール内の「Verify email address」を選択すると、ユーザー名の登録と、電話番号の認証になります。
出典:ChatGPT
SMSが届かない場合はスパムフォルダを確認しましょう。(筆者は電話認証の際にSMSがスパム扱いされていました。)
ChatGPTにログインする
出典:ChatGPT
OpenAIへアカウント開設が完了すると、Try ChatGPTからChatGPTの利用が可能になります。時間が経つとログアウトされてしまうため、その場合はログインしておきましょう。
出典:ChatGPT
AIとチャットしてみる
ChatGPTと実際に話してみましょう。今回は、ChatGPTにChatGPTの使い方を聞いてみました。
出典:ChatGPT
トークボックスにチャットを入力するだけで気軽に利用できます。
ChatGPTを利用する上での注意点
ChatGPTを利用する上で、機密情報や翻訳機能の扱いなど注意するポイントがあります。
利用時に注意事項は表示されますが、詳しくは下記を参考にしてください。
機密情報を載せない
ChatGPTでは、機密情報を入力しないようにしましょう。会話自体が直接学習されることはありませんが、会話内容をOpenAIのAIトレーナーが会話を閲覧することが可能です。
また、他の自然言語処理系の翻訳AI「Deep L」では、無料アカウントだと入力内容を学習しているため、同様のサービスでも機密情報の入力は避けるべきです。
以下原文
Conversations may be reviewed by our AI trainers to improve our systems.
Please don't share any sensitive information in your conversations.
最新のデータがない
2021年9月までのデータを学習データとして使用しているため、2021年以降の出来事や世界への知識がありません。
そのため、最新の事項については対応することが困難となっています。
以下原文
Limited knowledge of world and events after 2021
日本語版がない
ChatGPTには日本語版が存在しません。学習モデルでは日本語やその他言語も学習しているため日本語での利用は可能です。しかし、OpenAIのアカウント解説や、ChatGPTの操作で日本語は扱えないため注意が必要です。
Google翻訳などのブラウザ翻訳機能を使うとエラー
ChatGPTには日本語版が存在しませんが、ブラウザの翻訳機能を使いながらChatGPTを利用するとエラーが発生します、利用時には、ブラウザの翻訳機能はオフにしましょう。
文章が途中で切れることがある
ChatGPTは、生成した文章が途中で切れることがあります。無料アカウントでは生成可能な文字数が制限されていますが、「続き」と言えば続きを生成してくれることがあるようです。
ChatGPTを謡った詐欺コインが多数
あたかもChatGPTやOpenAIに関連しているかのような詐欺トークンが多数確認されています。ChatGPTやOpenAI自体が発行・開発している暗号資産(仮想通貨)は、2023年3月16日時点では存在しないため、投資の際には注意が必要です。
なお、OpenAIとの関連性はないですが、OpenAIの創業者、サム・アルトマン氏は共同で「Worldcoin」という暗号資産プロジェクトを立ち上げています。AI関連で大きな成果を上げた起業家が舵取りをするプロジェクトには、今後の注目を集めるかもしれませんね。
詐欺コインのような暗号資産への投資を避けるには、金融庁へ暗号資産交換業者登録を行っているCoincheckのような取引所を利用すると安心かもしれませんね。
仮想通貨詐欺に注意!手を出すと危険な詐欺コインの見分け方
Coincheck
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まとめ
序盤でチャット系AIは「知ったふり」をしているというような記述をしましたが、人類も「知ったふり」をして会話をしていることは少なくありませんよね。
AIが発展・台頭してくることにより、人間としての魅力や能力を再考・再発見しなければならない時代に突入していくのかもしれませんね。
ストラテジー(マイクロストラテジー/旧MicroStrategy)とは、企業向けBIソフトウェアを主力としつつ、ビットコインを財務資産として大量に保有することで知られる米国上場企業です。 特に2020年以降はビットコインを主要な財務資産として保有・拡大している点でも注目されています。この特徴から、市場では「ビットコイン関連株」として語られる場面があります。 ただし、ストラテジーは暗号資産そのものではなく、あくまで企業の株式です。ビットコイン価格だけでなく、資金調達や株式の需給など“株式ならでは”の要因も重なって値動きが形成されます。 本記事では、ストラテジーが注目される理由や仕組み、将来性を解説します。 ※本記事は、特定の銘柄や投資行動を推奨するものではありません。企業情報は公開情報をもとに整理しており、投資判断はご自身の責任で行ってください。 Coincheckの無料登録はこちら 目次 ストラテジー(マイクロストラテジー)とは ストラテジー(マイクロストラテジー)が注目される理由 ビットコインを財務戦略に取り入れ大量に保有している 保有状況や購入情報を継続的に開示している ストラテジー(マイクロストラテジー)はどうやってビットコインを買い増している? 転換社債などの発行で資金を調達する 株式発行で資金を調達する場合がある ストラテジー(マイクロストラテジー)の株価がビットコインに連動しやすい理由 保有資産としての比重が大きい 調達(負債・希薄化)が値動きを増幅することがある 現物やETFと違い「企業の株式」である ストラテジー(マイクロストラテジー)の株価とビットコイン価格の関係 ストラテジー(マイクロストラテジー)の将来性をどう見るか ビットコインとの関係 ビットコイン保有戦略が与える影響 ストラテジー(マイクロストラテジー)に投資する際のリスク・注意点 ビットコインの下落局面では株価も動きやすい 希薄化と負債(利払い・償還)のリスクがある 規制・会計ルールなど外部要因の影響も受ける ストラテジー(マイクロストラテジー)とは?まとめ ストラテジー(マイクロストラテジー)とは ストラテジー(マイクロストラテジー/Strategy Inc.)は、米ナスダックに上場する企業(ティッカー:MSTR)です。近年はビットコインを主要な財務資産として保有・拡大する方針を前面に掲げています。 項目 内容 企業名称 Strategy Inc.(旧MicroStrategy) 上場市場 Nasdaq ティッカー MSTR 主な事業内容 企業向け分析・BIソフトウェアビットコイン・トレジャリー(財務運用) ビットコイン蓄積開始 2020年8月 ビットコイン保有数 712,647 BTC(2026-01-26公式表示) 株価(参照時点) $160.58(2026/1/27 10:15 JST) 時価総額(参照時点) $46.87B(2026/1/27 10:15 JST) 引用:Strategy 公式サイト(Purchases)、Nasdaq(MSTR)、TradingView ストラテジー(Strategy Inc.)は、1989年に設立され、当初は企業向けの分析・BI(ビジネスインテリジェンス)ソフトウェアを主力事業として展開してきました。その後、2020年に企業の財務戦略としてビットコインを保有する方針を打ち出します。以降は、資金調達とビットコイン購入を組み合わせながら、保有量を段階的に増やしてきました。 ストラテジーは、ビットコインを企業の財務資産として位置づけることで、法定通貨の価値変動リスクへの備えに加え、ビットコインの中長期的な値動きを企業価値に反映させる考え方を示しています。こうした戦略を前面に掲げたことで、株式投資家に加えて、暗号資産市場に関心を持つ層からも注目される存在となっています。 ストラテジー(マイクロストラテジー)が注目される理由 ストラテジーが注目を集める理由は、単にビットコインを保有しているからではありません。まず押さえたいのは、ビットコインを財務戦略の中核に置き、保有量を大きく積み上げてきた点です。 さらに、企業の財務戦略としてビットコインを位置づけ、保有状況や購入履歴を誰でも確認できる形で公開しています。 ビットコインを財務戦略に取り入れ大量に保有している ストラテジーは、ビットコインを一時的な投資ではなく、企業の財務戦略の中核に位置づけています。2020年以降、継続的にビットコインを買い増し、現在では上場企業の中でも突出した保有量を持つ存在となりました。 特徴的なのは、単発の購入ではなく、長期的に保有量を積み上げる方針を明確にしている点です。この姿勢により、ストラテジーの企業価値はビットコイン価格と結びつけて語られやすく、市場でも「ビットコイン関連株」として意識されるようになっています。 保有状況や購入情報を継続的に開示している ストラテジーは、ビットコインの保有量や購入履歴を公式サイト上で継続的に公開しています。いつ、どの程度のビットコインを取得したのかを、投資家が自ら確認できる形で整理している点が特徴です。このような開示姿勢により、同社のビットコイン戦略は「ブラックボックス」になりにくく、財務戦略としての一貫性や継続性を市場が評価しやすくなっています。結果として、ビットコイン価格の動きとあわせて、ストラテジーの動向そのものが投資判断の材料として注目されやすい状況が生まれています。 ビットコインの保有量や購入履歴はStrategy 公式サイト(Purchases) で確認できます。 ストラテジー(マイクロストラテジー)はどうやってビットコインを買い増している? ストラテジーは、事業で得た利益だけでなく、資本市場を活用した資金調達によってビットコインを買い増してきました。これは、個人投資家や他の企業によるビットコイン保有とは異なる大きな特徴です。ストラテジーは、株式や債券といった金融手法を組み合わせながら、調達した資金をビットコイン購入に充てる戦略を掲げており、保有量を段階的に拡大する構造が作られています。 転換社債などの発行で資金を調達する ストラテジーが主に用いてきた手法の一つが、転換社債の発行です。転換社債とは、一定条件のもとで株式に轉換できる社債で、通常の社債よりも金利を低く抑えやすい特徴があります。ストラテジーは、この仕組みを活用し、比較的低コストで資金を調達しながら、その資金をビットコインの購入に充ててきました。株価が上昇した場合には株式へ転換される可能性があるため、負債と株式の中間的な手段として使われています。 株式発行で資金を調達する場合がある 状況によっては、新株発行による資金調達が行われることもあります。この場合、調達した資金はビットコインの購入に充てられる一方で、発行済み株式数が増えるため、既存株主にとっては希薄化が生じます。そのため市場では、どの手段で、どのタイミングで資金調達が行われるかが、株価を判断する材料として意識されやすくなっています。ビットコイン価格の動きに加えて、資金調達の内容そのものが株価に影響を与える点は、株式ならではの特徴といえるでしょう。 ストラテジー(マイクロストラテジー)の株価がビットコインに連動しやすい理由 ストラテジーの株価は、一般的な事業会社と比べて、ビットコイン価格の影響を受けやすい傾向があります。これは単なるイメージではなく、同社の財務構造や資金調達の仕組みが関係しています。 保有資産としての比重が大きい ストラテジーは、企業資産の中でビットコインが占める割合が非常に大きい企業です。そのため、ビットコイン価格が上昇すれば保有資産の評価額も増え、逆に下落すれば企業価値の見え方にも影響が及びます。株式市場では、こうした資産構成を踏まえて企業価値が評価されるため、ビットコイン価格の変動が株価に反映されやすくなります。 調達(負債・希薄化)が値動きを増幅することがある ストラテジーは、転換社債や新株発行といった資金調達を通じてビットコインを買い増しています。この仕組みにより、ビットコイン価格の変動に加えて、調達条件や希薄化への警戒感が株価に影響する場面があります。ビットコイン価格が上昇する局面では、保有資産の増加期待と相まって株価が大きく動きやすくなります。一方、価格が下落する局面では、負債や希薄化に対する懸念が強まり、下落が加速することもあります。 現物やETFと違い「企業の株式」である ストラテジーの株式は、ビットコインの現物やETFとは異なり、あくまで企業の株式です。そのため、ビットコイン価格だけでなく、株式市場の需給、金利環境、企業に関するニュースなど、株式特有の要因も重なって値動きが形成されます。結果として、ビットコインと方向感が似る場面はあるものの、値動きの幅やタイミングが一致しないケースも少なくありません。この点は、投資対象として捉える際に押さえておきたいポイントです。 ストラテジー(マイクロストラテジー)の株価とビットコイン価格の関係 ストラテジーの株価は、ビットコイン価格の動きと同じ方向に反応する場面が多く見られます。ただし、これは常に一致するという意味ではありません。両者の関係は、「完全な連動」ではなく、「強く意識されやすい関係」と整理するのが実態に近いといえます。 ビットコイン価格が上昇局面に入ると、ストラテジーは「ビットコインを大量に保有する企業」として注目されやすくなり、株価も上昇しやすい傾向があります。特に、ビットコインの価格上昇が市場全体で話題になる局面では、株式市場でも関連銘柄として買われる場面が見られます。一方で、ビットコイン価格が下落する局面では、ストラテジーの株価も調整しやすくなります。ただし、その下落幅やタイミングは必ずしもビットコインと一致するわけではありません。株式市場の取引時間、投資家の需給、企業固有の材料などが重なることで、短期的な乖離が生じることもあります。また、株価は将来の期待を織り込む性質を持つため、ビットコイン価格が大きく動く前後で、先行して動いたり、逆に反応が遅れたりするケースもあります。そのため、ストラテジーの株価は「ビットコイン価格を映す鏡」というより、「ビットコインを軸にした企業価値への評価」として形成されていると捉える方が適切でしょう。このように、ストラテジーの株価とビットコイン価格には強い関係性がある一方で、両者は同一の投資対象ではありません。値動きを確認する際には、ビットコイン価格だけでなく、株式市場特有の要因もあわせて見ていく必要があります。 ビットコインについては ビットコインとは? をご覧ください。 ビットコインの現在の値動きは リアルタイムチャート をご覧ください。 ストラテジー(マイクロストラテジー)の将来性をどう見るか ストラテジーの将来性を評価する際は、一般的な事業会社とは少し異なる視点で捉える必要があります。主な判断軸は、「ビットコイン価格の動向」と「ビットコイン保有戦略をどう継続していくか」の2点です。 ビットコインとの関係 ストラテジーは、ビットコインを企業の主要な財務資産として保有しているため、将来性はビットコイン価格の影響を強く受けます。価格が上昇すれば、保有資産の評価額が増え、企業価値の見え方も変わります。逆に、価格が下落すれば、その影響が財務や株価に反映されやすくなります。そのため、市場ではストラテジーの将来性を語る際に、「事業の成長性」よりも「ビットコイン市場の行方」が重視される傾向があります。ビットコインの中長期的な成長をどう見るかが、そのまま同社の評価につながりやすい構造といえるでしょう。 ビットコイン保有戦略が与える影響 もう一つのポイントは、ビットコインをどのような形で増やしていくかという戦略面です。ストラテジーは、資金調達を活用しながら保有量を拡大してきましたが、その手法やタイミングによって、株主への影響は変わります。調達がうまく機能し、ビットコイン価格が上昇する局面では、企業価値の拡大が意識されやすくなります。一方で、希薄化や負債に対する懸念が強まると、評価が慎重になる場面もあります。将来性を判断する際には、単に「ビットコインを持っている企業」として見るのではなく、どのような前提で保有を続けているのか、株主価値とどう結びつけているのかを確認していくことが重要です。 ストラテジー(マイクロストラテジー)に投資する際のリスク・注意点 ストラテジーは、ビットコインを財務戦略の中核に据えるという特徴から、一般的な事業会社とは異なるリスクを持っています。投資を検討する際には、以下の点を押さえておく必要があります。 ビットコインの下落局面では株価も動きやすい ストラテジーは大量のビットコインを保有しているため、ビットコイン価格が下落すると、保有資産の評価額も低下します。その影響は企業価値の見え方に直結し、株価が調整されやすくなります。株式市場では「ビットコイン関連株」として認識されている場面も多く、暗号資産市場が不安定な局面では、実際の事業動向とは別に売買が先行することがあります。 希薄化と負債(利払い・償還)のリスクがある ストラテジーは、転換社債や新株発行を通じて資金を調達し、その資金でビットコインを購入してきました。この手法は保有量を拡大できる一方で、株式数の増加による希薄化や、負債に伴う利払い・償還のリスクを伴います。ビットコイン価格が上昇している局面では評価されやすい一方、相場環境が悪化すると、こうした調達条件が株価の重荷として意識されることもあります。 規制・会計ルールなど外部要因の影響も受ける 暗号資産を企業の財務資産として大規模に保有する例は、まだ一般的とはいえません。そのため、今後の規制動向や会計ルールの見直しによって、企業の財務表示や市場評価が変わる可能性があります。特に米国では、金融政策や市場環境の変化が株価に与える影響も大きく、ビットコイン価格以外の外部要因にも注意が必要です。 ストラテジー(マイクロストラテジー)とは?まとめ ストラテジー(旧MicroStrategy)は、ビットコインを企業の主要な財務資産として保有・拡大している米国の上場企業です。資金調達と組み合わせながら保有量を増やし、その状況を継続的に公開している点が特徴です。株価はビットコイン価格の影響を受けやすい一方、資金調達や希薄化、株式市場の需給といった要因も重なって形成されます。ビットコインの現物やETFとは異なる性質を持つ点は、投資判断の際に押さえておく必要があります。将来性を考える際には、ビットコイン市場の動向だけでなく、同社の保有戦略や株主価値との関係をあわせて確認することが大切です。 ※本記事は、特定の銘柄や投資行動を推奨するものではありません。企業情報は公開情報をもとに整理しており、投資判断はご自身の責任で行ってください。
ビットコインの将来性に関心を持つ投資家の中には、ビットコインそのものだけでなく、関連する投資対象にも目を向ける人がいます。 その一つとして挙げられるのが、ビットコインを保有する日本の上場企業、メタプラネットの株式です。ビットコインと結びつけて語られることが多い一方で、株式としてどう捉えるべきかは分かりにくい面もあります。 本記事では、メタプラネットについて、特徴や仕組み、将来性を整理します。 Coincheckの無料登録はこちら 目次 メタプラネットとは メタプラネットの特徴とビットコイン戦略 ビットコインを財務戦略に取り入れている なぜビットコインを保有する戦略を選んだのか 「日本版マイクロストラテジー」と呼ばれる理由 メタプラネットの株価とビットコイン価格の関係 メタプラネットの株価推移 メタプラネットの将来性をどう見るか ビットコインとの関係 ビットコイン保有戦略が与える影響 新たな資金調達戦略「PHASE II」とは メタプラネットに投資する際のリスク・注意点 ビットコインの下落局面では株価も動きやすい 希薄化と負債(利払い・償還)のリスクがある 規制・会計ルールなど外部要因の影響も受ける まとめ|メタプラネットについて メタプラネットとは メタプラネットは、ビットコインを主要な財務資産として保有・運用する方針を掲げる、日本の上場企業です。 事業内容そのものよりも「ビットコイン財務戦略」を前面に打ち出している点が、大きな特徴とされています。 項目 内容 企業名称 株式会社メタプラネット(Metaplanet Inc.) 上場市場 東京証券取引所 スタンダード 証券コード 3350 設立 1999年6月11日 代表者 代表取締役社長CEO:サイモン・ゲロヴィッチ 本社所在地 東京都港区 主な事業内容 ビットコイン・トレジャリー(財務運用)ビットコイン教育・メディア(Bitcoin Magazine Japan)ビットコイン導入支援(ビットコインジャパン)拠点開発(THE BITCOIN HOTEL) ビットコイン蓄積開始 2024年4月 ビットコイン保有数 35,102 BTC(2025-12-30公表) 株価(参照時点) 541円(2026/1/19 15:30) 時価総額(参照時点) 617,970百万円(2026/1/19 15:30) ※引用:株式会社メタプラネット公式サイト、 東京証券取引所、 TradingView 株式会社メタプラネット(Metaplanet Inc.)は、東京証券取引所スタンダード市場に上場する日本の企業です。1999年にダイキサウンド株式会社として設立され、当初はCD・レコードの企画・制作・販売を手がけていました。 その後、持株会社制への移行やホテル運営事業への参入などを経て、2023年2月に当時の社名「レッド・プラネット・ジャパン」から「メタプラネット」へ社名を変更しました。同時期に、ビットコインへの投資と長期保有を柱とする「ビットコイン財務戦略(投資戦略)」を掲げています。 メタプラネットは、企業の資産としてビットコインを保有することで、円安リスクへの備えに加え、ビットコインの長期的な値動きの影響を財務面に反映させる方針を示しています。こうした戦略を前面に掲げたことで、株式投資家に加えて、暗号資産に関心を持つ層からも注目されるようになりました。 メタプラネットの特徴とビットコイン戦略 ここでは、メタプラネットが掲げる「ビットコイン財務戦略(投資戦略)」について、「財務戦略としての特徴」「その狙い」「日本版マイクロストラテジーと呼ばれる背景」の3点から整理します。 ビットコインを財務戦略に取り入れている メタプラネットは、自社を「ビットコイン財務企業」と位置づけ、ビットコインを企業の財務資産(トレジャリー資産)の一部として保有・積み上げる方針を打ち出しています。 まず押さえるべきは、「会社がビットコインを持っている」という事実だけでなく、どれだけ保有していて、どう増やしているかです。 メタプラネットは、公式サイトの 「アナリティクス」ページで、保有量などを公開しています。 もう一つポイントになるのが、メタプラネットがKPIとして示しているBTC Yieldです。これは、会社全体のビットコイン保有量だけでなく、増資などで株数が増える影響(希薄化)も踏まえて、「1株あたりで見たときにビットコインが増えたか」を確認するための指標です。株数が最大まで増えた場合(完全希薄化後)を想定して計算する点が特徴とされています。 なぜビットコインを保有する戦略を選んだのか メタプラネットがビットコイン保有を柱に置く理由は、企業が保有する資産を「円だけ」に寄せず、為替(円安)やインフレといった環境変化に備えて、資産の持ち方を分散させる狙いがあるためです。あわせて、ビットコインの中長期の値動きを、企業の財務に取り込むという考え方もあります。 もう一つの理由は、ビットコインの保有を「一度買って終わり」にせず、継続的に積み上げる設計にしている点です。株式の発行などで資金を集め、その資金でビットコインを購入して保有を増やす、という流れを取りやすくなります。 「日本版マイクロストラテジー」と呼ばれる理由 メタプラネットが「日本版マイクロストラテジー」と呼ばれるのは、米国のStrategy(旧MicroStrategy)が確立した「ビットコイントレジャリー企業」の見せ方と、共通点が多いからです。 メタプラネットも、ビットコインを財務資産として保有・拡大する方針を前面に出し、投資家が追える形で指標やデータを整理しています(BTC YieldをKPIとして置いている点も共通です)。 こうした「上場企業が、ビットコインの蓄積を企業評価の中心に据える」という構図が、投資家にとって理解しやすく、結果としてメディアや市場で“日本版”という呼び方につながっています。 メタプラネットの株価とビットコイン価格の関係 メタプラネットは株式ですが、ビットコインを財務資産として保有する方針を前面に出しているため、市場では「ビットコイン関連株」として扱われやすく、株価がビットコイン価格の動きに反応する場面があります。実際、公式サイトの「アナリティクスページ」では、ビットコイン価格と株価、BTC保有量などが並列で表示されています。 株価がビットコインと結びつきやすい主な理由は、①保有するBTCの価値が上がれば(下がれば)企業価値の見方にも影響しやすいこと、②資金調達→BTC購入という戦略が注目されるほど“BTCを増やす期待”が株価に反映されやすいこと、③株で「BTCエクスポージャーを取りに行く」資金が集まりやすいこと、の3点です。 一方で、株価が常にBTCと同じ割合で動くわけではありません。たとえば、株式には(1)増資などによる希薄化や負債の条件、(2)日本株の取引時間とBTCの24時間市場のズレ、(3)需給による過熱・冷却、といった“株式ならでは”の要因が上乗せされます。 メタプラネットの株価推移 メタプラネットは、2023年2月に現在の社名へ変更して以降、ビットコインを財務戦略に据える方針を明確にしたことで、株価の値動きが大きく変化しました。 2024年初頭まで、株価は低位で推移していました。しかし同年春、ビットコイン購入方針が示されたことで状況が一変します。「ビットコインを保有する企業」として市場で意識されるようになり、株価は上昇基調に入りました。 夏場にかけては、ビットコイン相場の上昇と重なる形で株価も急伸します。一方で、その後は相場環境の変化や利益確定売りを受け、短期間で大きく値を下げました。この局面では、ビットコイン価格も下落しており、両者が同時に調整局面に入っていた点が特徴です。 2024年後半から2025年初頭にかけては、ビットコイン価格の回復とともに株価も持ち直しました。暗号資産市場への資金流入が意識された場面では、メタプラネット株も「ビットコイン関連銘柄」として買われやすい動きが見られています。 2025年後半には、株価に影響する材料が増え、値動きの背景が分かりにくくなる場面がありました。この時期、暗号資産を財務に組み込む企業に対して、制度や規制が見直される可能性があるとの報道が出たことで、市場が慎重に反応したためです。 この報道について、メタプラネットは「関係当局から規制措置や調査を受けている事実はない」と説明しており、現時点で事業や財務に直接影響が生じているわけではないとしています。 直近の株価は、過去の高値圏から水準を切り下げた状態で推移しており、値動きの大きさは引き続き目立ちます。ビットコイン価格が上昇する局面では評価されやすい一方、相場が不安定になると調整が入りやすい傾向も見られます。 このように、メタプラネットの株価はビットコイン市場の影響を強く受けながら、資金調達や制度動向といった株式特有の要因も重なって形成されています。値動きを追う際には、ビットコイン価格だけでなく、同社がどのような財務戦略や施策を打ち出しているかにも目を向けておくことが重要です。 ビットコインについては ビットコインとは? をご覧ください。 ビットコインの現在の値動きは リアルタイムチャート をご覧ください。 メタプラネットの将来性をどう見るか メタプラネットの将来性は、「ビットコイン価格の行方」と「企業としての戦略運営」の二つの軸から考える必要があります。 ビットコインとの関係 メタプラネットの将来性を考えるうえで、大きな要素となるのがビットコイン価格の動向です。メタプラネットは、ビットコインを財務資産として保有しているため、価格が上昇すれば保有資産の価値が高まり、逆に下落すれば企業価値の見え方にも影響が及びます。 実際、これまでの株価推移を振り返ると、ビットコイン価格が上昇局面にあるときは評価されやすく、相場が調整に入ると株価も不安定になりやすい傾向が見られました。株式市場では「ビットコイン関連銘柄」として捉えられる場面が多く、価格連動性が意識されやすい点は特徴の一つといえます。 ただし、株価が常にビットコインと同じ割合で動くわけではありません。日本株特有の取引時間や需給、個別材料の影響が重なることで、短期的には乖離が生じることもあります。そのため、ビットコイン価格だけを見て株価を判断するのは難しい場面もあります。 ビットコイン保有戦略が与える影響 メタプラネットは、ビットコインとの関係が注目されやすい一方で、企業としてその戦略をどのように継続できるかも評価の対象になります。 メタプラネットは、ビットコインを一度購入して終えるのではなく、資金調達などを通じて保有量を段階的に増やしていく方針を示しています。この戦略が想定どおり進めば、ビットコイン価格の上昇局面では、企業価値の拡大につながる可能性があります。 一方で、増資による株式の希薄化や、調達条件によっては株主の負担が意識される場面も出てきます。そのため、将来性を判断する際には、「ビットコイン価格がどうなるか」だけでなく、「どのような手段で、どのタイミングでビットコインを増やしていくのか」という点にも目を向けておくことが重要です。 保有量の増加が、株主にとってどのような形で反映されるのかを継続的に確認していく必要があるでしょう。 新たな資金調達戦略「PHASE II」とは メタプラネットは、ビットコインの保有量を拡大するために、資金調達のあり方を含めた中長期的な戦略として「PHASE II」を掲げています。これは、単に「ビットコインを買う」だけでなく、その原資をどう確保し、株主への影響をどう抑えるかまでを含め示しています。 PHASE IIの大きな特徴は、資金調達手段として永久型優先株を活用する点です。永久型優先株とは返済期限を持たない株式で、一般的な新株発行に比べて、普通株の発行数を増やさずに資金を調達しやすい仕組みとされています。この手法を用いることで、ビットコイン購入の原資を確保しつつ、既存株主の希薄化リスクを抑える狙いがあると説明されています。 また、メタプラネットはビットコイン価格の上昇だけに収益を依存しない体制づくりにも取り組んでいます。その一環として「Bitcoin.jp」を軸に、ビットコインに関する情報発信や関連サービスの展開を進めています。これは、ビットコインを「保有するだけ」で終わらせず、国内市場に関わる事業基盤を育てていく動きと位置づけられます。 こうした事業から収益を生み出すことができれば、永久型優先株への配当を事業収益で支えることが可能になります。PHASE IIは、ビットコインの値動きに左右されるだけでなく、事業と財務の両面からビットコイン戦略を支える構造を目指す取り組みと整理できます。 メタプラネットに投資する際のリスク・注意点 メタプラネットは、ビットコインを財務戦略に組み込むという特徴的な方針を掲げていますが、その分、一般的な事業会社とは異なるリスクも伴います。投資を検討する際は、以下の点も理解しておきましょう。 ビットコインの下落局面では株価も動きやすい メタプラネットは、ビットコインを企業資産として保有しているため、ビットコイン価格が下落すれば、保有資産の評価額も低下します。その結果、企業価値の見え方が変わり、株価が調整される可能性があります。 株式である以上、価格は市場参加者の期待や心理にも左右されます。ビットコイン相場が不安定な局面では、「ビットコイン関連銘柄」として売りが先行しやすい点には注意が必要です。 希薄化と負債(利払い・償還)のリスクがある メタプラネットは、ビットコインの保有拡大にあたって、株式発行などの資金調達を活用する方針を示しています。この場合、発行済み株式数が増えることで、1株あたりの価値が薄まる可能性があります。 調達の条件やタイミングによっては、ビットコイン保有量が増えていても、株主にとってのメリットが分かりにくくなる場面も考えられます。資金調達に関する開示内容は、継続的に確認しておきたいポイントです。 規制・会計ルールなど外部要因の影響も受ける 暗号資産を企業の財務に組み込む取り組みは、日本ではまだ一般的とはいえません。そのため、今後の制度改正や会計ルールの見直しによって、企業の対応や市場評価が変わる可能性があります。 過去には、規制に関する報道をきっかけに株価が反応する場面もありました。現時点で具体的な措置が取られていなくても、外部環境の変化が株価に影響する可能性は念頭に置いておく必要があります。 まとめ|メタプラネットについて メタプラネットは、ビットコインを企業の財務戦略に組み込む方針を明確に掲げている、日本では珍しい上場企業です。ビットコインを保有・積み上げる姿勢が注目され、株価もビットコイン市場の動向と結びついて語られる場面が多く見られます。 一方で、同社の株式はあくまで企業価値を反映する株であり、価格はビットコインだけで決まるわけではありません。資金調達の方法やタイミング、制度や市場環境といった株式特有の要因も評価に影響します。 将来性を考える際には、ビットコイン価格の動向に加え、同社がどのような戦略で保有を増やし、その影響が株主価値にどう反映されているかを確認していくことが重要です。 ※本記事は、特定の銘柄や投資行動を推奨するものではありません。企業情報は公開情報をもとに整理したものであり、投資判断はご自身の責任で行ってください。
この週末に4回目となるビットコインの半減期が訪れます。暗号資産界隈では約4年に1度の一大イベントをお祝いするカウントダウンパーティーが企画されるなど、市場関係者の注目度の高さがうかがえます。簡単におさらいすると、半減期とはビットコインのマイニングあたりの報酬=新規発行量が半分に減少するタイミングを指します。仕組みの詳細や過去の値動きについてはコインチェックコラムの記事を参照いただきたいですが、過去3回では半減期の翌年末にかけて暗号資産のブル相場が起きており、今回も2025年末にかけてビットコインの価格が大きく上昇することが期待されています。 そこで今回は半減期を通過した後のビットコインの相場展開を予想します。 ※本レポートの記述は2024年4月19日公開日時点のものです Coincheckの無料登録はこちら 目次 ビットコインの半減期アノマリーとは?2025年の目標価格は控えめに見ても10万ドル以上 ビットコインの半減期後の相場を占うポイント ①米国の利下げ開始とソフトランディングへの期待 ②米国大統領選挙の行方 ③ビットコイン現物ETFへの資金流入 ④RWAトークンの拡大 ビットコインの半減期アノマリーとは?2025年の目標価格は控えめに見ても10万ドル以上 図1:ビットコインの半減期と価格動向(出所:Glassnodeよりマネックス証券作成) 図1はこれまでのビットコインの半減期ごとに半減期時点の価格からその後の高騰暴落までの価格動向を整理したものです。冒頭で述べたように、過去3回とも半減期の翌年末にかけてビットコインが大きく上昇していることがわかります。一方で、半減期の2年後には大きなハッキング事件や企業破綻が起こり、それらをきっかけに暴落が繰り返されています。このような半減期アノマリーに従い、今回もビットコインは2025年に最高値を記録し、その後2026年に暴落を引き起こす事件が起こるのではないかと言われているのです。 実際にどのような値動きになるのでしょうか。半減期時点のビットコインの価格を60,000ドルと仮定した場合、翌年の2025年末にかけては上昇率200%と控えめに予想しても120,000ドルまで高騰することになります。これが300%ならば180,000ドル、それ以上なら200,000ドルを超える可能性もあります。2024年は米国でビットコインの現物ETFが承認されたメモリアルイヤーでもあり、承認後にはビットコインがゴールド(金)と同じように上昇することが期待されています。ゴールド(金)は2004年に現物ETFが承認されてから10年以上かけて数倍の成長を遂げましたが、ビットコインはその成長を半減期後のわずか1年で達成する可能性があります。 一方で、ビットコインは半減期後に最高値を記録してから約80%前後暴落する傾向があります。今回もビットコインが2025年に200,000ドルの史上最高値を記録した場合、最大で40,000ドル付近まで暴落するリスクを警戒しなければなりません。何が暴落の引き金になるかは明言が難しいですが、現物ETFによって金融市場からより多くのお金が暗号資産市場へ流入するため、次のショックはこれまでよりも大規模な事件になる可能性があります。今ではグローバルの大手金融機関がデジタルアセット事業へ参入し、米国債や不動産、ファンドなどの金融資産をトークンとして流通させる取り組みも進んでいます。それらのトークンが分散型金融(DeFi)サービスに取り込まれることで暗号資産の売買が活発になることが予想されますが、その分、金融市場にも影響が及ぶシステマチックリスクが高まるでしょう。 半減期後のビットコインの暴落リスクを指摘しましたが、過去3回とも底値が半減期時点の価格より高い水準に留まっていることには注目です。次の4年間を考えた時に現在のビットコインの価格が最も低い水準である可能性があるというのは驚きでしょう。そのため、半減期後の調整局面を待っていると買い時を逃してしまう恐れがあり、例えば今から積み立て投資を始める方が価格の下落リスクも抑えながら中期的に大きなリターンが得られる期待が大きいでしょう。コインチェックつみたてサービスでは毎月1万円から積み立てすることができるのでぜひ活用を検討してみてください。 ビットコインの半減期後の相場を占うポイント さて、市場はビットコインの半減期アノマリーが継続するかどうかを注目しているわけですが、半減期を通過した後の相場を占うポイントを挙げましょう。 ①米国の利下げ開始とソフトランディングへの期待 一つ目は米国の金融政策と景気動向です。米国では経済指標が予想以上に強い結果となっており、利下げ開始時期が不透明な状況になっています。当初は年内2回の利下げが予想されていましたが、今ではその数が1回に減り、年内据え置きの可能性も出ています。たとえ利下げ開始時期が後ろ倒しになっても当局の利下げ方針がブレない限りは株式とともにビットコインの買いが継続すると予想します。量的引き締めの終了に向けた議論も始まっており、このような金融緩和への転換と米国経済のソフトランディングへの期待次第で上昇トレンドが継続するでしょう。 一方、米国のインフレが長期化し、追加利上げの議論に至った場合は相場全体が崩れる恐れがあります。 ②米国大統領選挙の行方 初めて気づく人もいるかもしれませんが、ビットコインの半減期の年は同じく4年に1度の米国大統領選挙と重なっています。2024年も選挙イヤーとなっており、支持率の低迷するバイデン民主党政権からの政権交代への期待によって株式とともにビットコインが堅調な値動きになる可能性があります。果たしてトランプ前大統領の再選によってトランプラリーと呼ばれる上昇トレンドが再び訪れるのかが注目されます。 米国大統領選挙は証券取引委員会(SEC)の体制が見直されるという意味でも重要です。これまでゲンスラーSEC委員長が暗号資産に対して厳しい姿勢を示してきましたが、共和党の勝利でその姿勢が変化し、暗号資産関連企業の訴訟問題も落ち着く可能性があります。トランプ前大統領はもともと暗号資産に対して否定的な見方をしていましたが、今回はビットコインやNFTへの理解も示しており、暗号資産市場の発展に向けた規制改革を推し進める期待があります。 ③ビットコイン現物ETFへの資金流入 米国ではブラックロックやフィデリティなどのビットコイン現物ETFへの資金流入が続いています。新しく現物ETFのオプション取引を申請する動きもあり、ビットコインが既存のデリバティブ取引に組み込まれることでより幅広い投資家が取引しやすくなるでしょう。また、今月15日には香港でビットコインおよびイーサリアムの現物ETFが承認され、5月には英国での承認を控えるなど、現物ETFのトレンドが米国外にも波及しています。このように現物ETFへの資金流入がグローバルに広がれば、より多くのお金が暗号資産市場へ流入し、ビットコインの相場はさらに上昇するでしょう。 しかし、ビットコイン現物ETFへの資金流入は株式の上昇があって初めて加速することに注意が必要です。一部ではビットコインを金に代わるデジタルゴールドとして購入する投資家もいますが、多くの投資家はビットコインを株式に並ぶリスク資産として購入します。そのため米国経済の見通しが崩れて株式が大きく下落した時は、現物ETFからの資金流出によって下落するリスクが高いでしょう。 ④RWAトークンの拡大 2023年以降はビットコイン中心の相場が続いていますが、暗号資産市場が盛り上がるためにはビットコイン以外の投資先が増える必要があります。最近では先述した金融機関によるデジタルアセット事業、すなわち米国債や不動産、ファンドなどの金融資産をトークン化する「現実資産(RWA)」という分野が注目されています。この分野においてもブラックロックは先行してファンドトークン「BUIDL」を発表し、ブロックチェーン上でステーブルコインを活用した決済も可能にしています。この動きにJPモルガンやUBS、シティグループなど大手金融機関が追随し、今後はあらゆる金融資産がトークンとして取引されるようになるでしょう。さらにはRWAトークンがDeFiをはじめとするブロックチェーン上のサービスに組み込まれることで暗号資産市場が拡大することが予想されます。 一方で、米国ではSECがイーサリアム財団やユニスワップなど暗号資産プロジェクトの取り締まりに動いています。DeFiは依然として無法地帯で詐欺やハッキング事件も度々起きているため、数年のうちに規制整備が進む可能性が高いです。DeFi規制の整備が先か、RWAトークンの取引本格化が先か、どちらにしても規制強化にともなう下落には警戒が必要でしょう。 最後に、2024年は現物ETFを中心に金融市場からより多くのお金が暗号資産市場へ流入する年になり、半減期アノマリーへの期待で2025年にかけても上昇相場が継続することが期待されます。しかし、価格が高騰しブル相場が再び訪れた後には大きな暴落が起こりうることにも注意が必要です。だからこそ目先の値動きに振り回されず中長期的な成長を見越して投資戦略を立てることが重要になるでしょう。
まもなく到来するビットコイン半減期に寄せて、ブロックチェーン/暗号資産/web3領域をリードする方々からメッセージをご寄稿いただきました。 業界のリーダーたちが4回目のビットコイン半減期にどのようなことを考えているのか、示唆にあふれるメッセージをぜひご一読ください。 ※寄稿者の所属・役職およびコメントは2024年4月18日公開日時点のものです 寄稿者(50音順、カッコ内はご所属および役職) 圷 健太さん(Bunzz pte ltd, CEO) 石川裕也さん(株式会社Gaudiy代表) 石濵嵩博さん(Yay! ファウンダー) 小笠原啓祐さん(有限責任監査法人トーマツ監査アドバイザリー事業部ビジネスアシュアランス部シニアマネジャー) 木村 優さん (Sunrise / Gluon co-founder) 熊谷祐二さん(Emoote(エムート)ジェネラル・パートナー) 坂井豊貴さん(慶応義塾大学経済学部教授) 澤村周平(当社執行役員 Crypto Asset事業本部長) 内藤裕紀さん(株式会社ドリコム 代表取締役社長) 中野泰輔さん(株式会社woorth 代表取締役) 長瀬威志さん(弁護士 アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業) 沼澤健人さん(株式会社Aerial Partners 代表取締役) 畑 圭輔さん(株式会社スクウェア・エニックス インキュベーションセンター ブロックチェーン・エンタテインメントディビジョン ディレクター) 馬場功淳さん(株式会社Brilliantcrypto代表取締役社長 / 株式会社コロプラ 代表取締役会長チーフクリエイター) 房安陽平さん(株式会社Ginco 取締役副社長) 藤本真衣さん(Japan Blockchain Week / INTMAX 創業者) 松本 大さん(マネックスグループ株式会社代表執行役会長 / 当社取締役会長 ) ヨーロピアンさん(クリプト投資家) Coincheckの無料登録はこちら 圷 健太さん(Bunzz pte ltd, CEO) 寄稿者圷 健太さん(Bunzz pte ltd, CEO) 2017年からWeb3領域に携わり始めてから、これが私にとって2回目のBTC半減期です。前回と大きく異なる点は、業界がもはや単に「Web3に閉じたもの」ではなくなったということです。BTCのETF承認は、単なる流動性増加の意味を超え、伝統的な金融市場と暗号技術によるプロトコルとの融合が加速する新たな金融の歴史のフェーズと見ることができます。Bunzzは、Web3領域への参入を目指す方々をサポートする開発インフラとして、新たな時代を切り拓くためのテクノロジー、そしてセキュリティを今後も提供して参ります。 Bunzz:https://www.bunzz.dev/audit 石川裕也さん(株式会社Gaudiy CEO) 寄稿者石川裕也さん(株式会社Gaudiy CEO) ビットコインの半減期に際して、価格の大幅な変動が見られることは過去にもありました。このような状況下で、しばしばWeb3の未来について議論が交わされます。個人的には、価格変動とWeb3の未来は直接的な関係はないと考えています。この点は、株式市場においても同様です。仮想通貨の価格が上昇している現在において、Web3業界全体が価格の動向と連動して盛り上がっているわけではありません。実際に業界が活気づくのは、NFTやPlay to Earn、DeFiなど、サービス面で新たな波が到来した時に感じられる熱量の高まりからです。そのことからもweb3の価格に注目するのでなく、web3で解決される課題や新しい価値を踏み出すことに僕らはフォーカスするべきだと個人的には考えています。 X:@yuya_gaudiy note:https://note.com/yuyasan 石濵嵩博さん(Yay! Founder) 寄稿者石濵嵩博さん(Yay! Founder) アメリカにてビットコインのETF登録がなされ、既存金融からの大規模な資金流入が続いています。更に半減期を迎えるとマイナーの売り圧が半減するために、ビットコインの需給バランスが再調整されるに当たって価格が大きく上昇すると過去の事例から予想できます。ビットコインに一度集中した資金は、価格が落ち着いたあとETHやSolanaなどに移行し、それぞれのチェーン上に存在しているアルトコインにまで行き渡ることで、web3領域が一回り進捗することが期待できます。 特に先進国では少子高齢化が進み、政府は国家の維持のために大量の紙幣を発行し市中投下をし続けています。昨今、日本では円安や物価高が話題ですが、単年で解決する問題ではなく、今後何十年にもわたって複利で衰退を続ける可能性があります。現状のビットコインは4年周期でとても大きなボラティリティがありますが、今後は政府が無限に発行し続ける法定通貨のヘッジとして一般的に利用されるようになれば、ボラティリティも徐々に落ち着き、金のような安定資産になっていくと信じています。 X:@takachan114 小笠原啓祐さん(有限責任監査法人トーマツ監査アドバイザリー事業部ビジネスアシュアランス部シニアマネジャー) 寄稿者小笠原啓祐さん(有限責任監査法人トーマツ監査アドバイザリー事業部ビジネスアシュアランス部シニアマネジャー) ビットコインの半減期は約4年に1回で、前回のビットコイン半減期は2020年5月12日でした。当時のメールを改めて振り返ってみたところ、JVCEAから公表された「暗号資産取引業における主要な経理処理例示」(2020年6月12日公表)に基づいた会計整理に勤しんでいたようです。それ以来、4年間でweb3.0分野に関して企業会計基準委員会から3つの公表物(注1)、日本公認会計士協会から2つの公表物(注2)が公開され、会計・監査の分野でも地道ながらもweb3.0ビジネスを前に進めていく取り組みが続けられてきています。 4年間を一つの周期の節目と考えたうえで今後のweb3.0業界全体に目を向けると、個人的には今後の4年間で、日本特有のIEO制度の利用拡大に大きく期待しています。明確な法規制に基づいたトークン発行が、web3.0ビジネスの健全な成長を大きく牽引していく可能性を感じています。ただし、この分野もより一層の会計・監査の実務慣行の積み上げ・整理が急務です。web3.0業界のインフラ整備の歩みが止まらないように、粉骨砕身の覚悟で邁進したいと思っています。 ※執筆者の私見であり、有限責任監査法人トーマツの公式見解ではないことにご留意ください。 ブロックチェーンアドバイザリーサービス|監査アドバイザリー|デロイト トーマツ グループ|Deloitte 注1 2022年3月15日 「資金決済法上の暗号資産又は金融商品取引法上の電子記録移転権利に該当するICOトークンの発行及び保有に係る会計処理に関する論点の整理」 2022年8月26日 実務対応報告第43号 「電子記録移転有価証券表示利等の発行及び保有の会計処理及び開示に関する取扱い」 2023年11月17日 実務対応報告第45号「資金決済法における特定の電子決済手段の会計処理及び開示に関する当面の取扱い」 注2 2021年4月23日 保証業務実務指針3701「非パブリック型のブロックチェーンを活用した受託業務に係る内部統制の保証報告書に関する実務指針」 2023年11月20日 業種別委員会研究資料第2号「Web3.0関連企業における監査受嘱上の課題に関する研究資料」 木村 優さん( Sunrise / Gluon co-founder) 寄稿者木村 優さん( Sunrise / Gluon co-founder) ビットコインはこれまでの複数回の半減期において、暗号資産相場の熱に影響を与えているものであると多くの人に考えられています。それにより今回の半減期でも相場に期待感をもたらしていますが、それらの相場の熱は毎回とも単なるバブルにとどまらず、ハッキングによる各種プロトコルの資産流出といった痛みを伴いながらも、ブロックチェーン関連技術の発展に大きく寄与してきました。ビットコインがデジタルゴールドとしてのポジションを一定確保するだけでなく、この業界の技術発展に投資が流入することで、これまでのウェブ技術だけではなし得ない自立分散駆動のエコシステムが各種生まれてきたと考えられます。 最近は、ステーキング、リステーキングといった技術がトレンドの一つになっており、ビットコインはより広範な分散型アプリのエコシステムのセキュリティを支える有限資源になる可能性があります。 デジタルゴールド、ETF承認によるより広く受け入れられるアセットクラスを経て、次のビットコインの受容のされ方に目が離せません。 X:@KimuraYu45z 熊谷祐二さん(Emoote(エムート)ジェネラル・パートナー) 寄稿者熊谷祐二さん(Emoote(エムート)ジェネラル・パートナー) 恒例イベントの半減期に加えて、ビットコインETFによってクリプトへの更なる資金流入は必至。 個人、機関投資家ともに長期を見据えたお金が業界を下支えすることは大きなプラス。主要通貨はもちろん、アルトコインやNFTまで徐々にエコシステムが潤っていく。 RWAs(実物資産のトークン化)は次なる大きな波で、クリプト先進国の規制策定をきっかけに機関投資家マネー流入が期待される。 2024年になってもミームコインが話題になってることから目を背けることができない。クリプト、そして人間の本質。 2025年までの潤ったエコシステムから、本質を捉えたイノベーションがエンターテイメント、ライフスタイル分野から生まれるか否かが業界の大きな分岐点になる。 X:@yujikumagai_ 坂井豊貴さん(慶応義塾大学経済学部教授) 寄稿者坂井豊貴さん(慶応義塾大学経済学部教授) 金とビットコインの差異について 金とビットコインの最高値更新が止まりません。市中に増え続ける法定通貨に見切りをつけ、「価値の保存」を求める人類のニーズは高まる一方だということです。金とビットコインの特徴は、誰も発行の上限値を変えられないこと。金は自然が、ビットコインはプログラムが上限値を定めています。 とはいえ金は活発に採掘がなされており、少なくとも当面、産出量が減る様子はありません。一方ビットコインはこの春、どれだけ採掘をしても、産出量が半減することが確定しています。持ち運びと保管についていうと、ビットコインは金よりはるかに簡単です。 現在、金の時価総額は2,200兆円ほど、ビットコインは200兆円ほどです。金には目を奪われる煌めきが、ビットコインには心を奪われるサトシの神話があります。どちらがより優れているというつもりはありません。ただ、ビットコインはまだ随分と過小評価されているように思います。 ビットコインの最高値が更新されると、よくホルダーは「ビットコインおめでとう」と言います。金でそんな言い方は聞いたことがない。目を奪う美と、心を奪う美の違いによるのだと思っています。 X:https://twitter.com/toyotaka_sakai ONGAESHI:https://www.ongaeshi-pj.com/ Chainsight:https://chainsight.network/ 澤村周平(当社執行役員 Crypto Asset事業本部長) 寄稿者澤村周平(当社執行役員 Crypto Asset事業本部長) 今回の半減期企画では、複数の業界・お立場の方から、それぞれ個性豊かなコメントをいただくことができ、業界の変化に感慨深い気持ちをいだいています。 私がクリプトに初めて触ったのは、2017年です。今回コメントを寄稿いただいた皆様のお顔ぶれを見ると、様々な時期にクリプト業界に参入された方がいらっしゃる中で、共通の話題としてビットコインの半減期をこうして語り合えることを、嬉しく思います。 プロジェクトに資金を提供する投資家、技術者を始めとするプロジェクトに直接関与する人々、個人向けまたは事業者向けのサービスを提供する事業者、市場に流動性をもたらす投機家など、様々な立場や思想の人々のインセンティブを適切に設計し、目的とすることを持続可能な形で、分散化された仕組みの中で達成するというのが、クリプトの重要な発想のひとつです。その始祖たるビットコインの半減期が来るたびに、そのような仕組みが成り立ちうることを証明し続けてくれていると感じます。 次回の半減期には、さらに多様な業界の方が、クリプトに関わるようになっているのでしょうが、想像を超える未来の到来にワクワクしつつ、皆様それぞれの挑戦が実り多きものとなるようお祈りし、コインチェック、そして私自身も挑戦を続けていきたいと思います。 内藤裕紀さん(株式会社ドリコム 代表取締役社長) 寄稿者内藤裕紀さん(株式会社ドリコム代表取締役社長) 2016年、2020年の半減期の経験から、今回の半減期はちょっと違うなと思っています。 前の2回は半減期後、半年ぐらいから価格が上昇トレンドになり、そのさらに半年後ぐらいにピークになって大きく下落していきましたが、今回は半減期の1年前ぐらいから上昇トレンドに転換して、すでに過去最高価格を超えています。 ここから期待したいのは、いよいよクリプト業界がBTCの半減期というビッグイベントからデペッグして、半減期の大きなボラティリティの影響が少なくなり、金融以外の様々な事業がやりやすくなっていくことです。 大きなボラは金融ビジネスにとってはチャンスですが、他の事業からすると厄介な面も大きいため、ボラが減ることでさまざまなクリプトサービスが浸透していくことを期待しています。 中野泰輔さん(株式会社woorth 代表取締役) 寄稿者中野泰輔さん(株式会社woorth 代表取締役) これまでのビットコインの歴史を振り返って、この半減期までの4年間が最も多くの出来事があり、色濃い期間になったと思います。特に、今年初めにSECが承認したビットコインの現物ETFの暗号資産市場への影響は大きく、この出来事が市場への資金流入を加速させた上に、アセットクラスとしての存在感を高めました。一方で、未だクリプトのマスアダプションのためには、課題が山積みです。 半減期前後に、クリプト系プロダクトのリリースが相次いでいることから分かるように、来たる半減期に向けてプロダクトを仕込んでいた企業やチームは非常に多いです。今回の半減期後のトレンドを作るのは、こういったプロダクトであると感じています。ベアマーケットを耐え凌いだ人々が生み出すプロダクトや、大きな仕組みの改善が、クリプトのマスアダプションとブロックチェーン本来の良さを活かしたイノベーションを加速させ、半減期後の市場を明るいものとしていくことを期待しています。 X:@ta1suke 長瀬威志さん(弁護士 アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業) 寄稿者長瀬威志さん(弁護士 アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業) まもなく半減期を迎えるビットコインを中心に多くの暗号資産の高騰が続いていますが、ビットコインの最大の魅力は「すべては相対的なもの」であることを世に知らしめたことではないかと思います。 私が初めてビットコインの存在を知ったのは金融庁出向時代の2013年でしたが、当時はもちろん、私がブロックチェーン分野に専念しようと決意した2017年においても、法定通貨こそが唯一絶対であり、発明者の正体すら不明なデジタルデータはお金にはなり得ない、と繰り返し言われてきました。 しかし、世界的なインフレ・急激な円安が進んだ現在、政府・中央銀行がコントロールする法定通貨と比べて、供給量に上限がありブロックチェーン技術に立脚したビットコインに対する信用が増してきており、それが市場価格にも反映されているように見えます。法定通貨もビットコインも形は違えどその価値は「信用」を裏付けとするものです。ビットコインは法定通貨に対する盲目的な「信用」に対する健全な猜疑心の象徴として、さらに魅力を増していくことでしょう。 沼澤健人さん(株式会社Aerial Partners 代表取締役) 寄稿者沼澤健人さん(株式会社Aerial Partners 代表取締役) その誕生からおよそ15年、サトシの思想に自由主義をみた分散型コミュニティの中で成長を遂げたビットコインは、今や200兆円の時価総額を超え、現物ETFの承認によって伝統的金融の枠組みにも含まれるアセットクラスの一つになりました。 今日、全世界的に起こっているビットコインの価値に関する議論や、web3を取り巻くイノベーションのすべてが、サトシの一本の論文と、そのメカニズムデザインの美しさに端を発しているのです。 私たちは、直前に迫る半減期や、ビットコイン・ピザ・デー等を「おめでとう!」と祝福します。 ビットコインに魅せられる私たち一人ひとりの胸の中で、価値革命を告げる鐘の音が鳴り響いているのかもしれません。 株式会社Aerial Partners:https://www.aerial-p.com/ 畑 圭輔さん(株式会社スクウェア・エニックス インキュベーションセンター ブロックチェーン・エンタテインメントディビジョン ディレクター) 寄稿者畑 圭輔さん(株式会社スクウェア・エニックス インキュベーションセンター ブロックチェーン・エンタテインメントディビジョン ディレクター) 2024年のWeb3事業はどう変化していくか? ブロックチェーンを活用したエンターテインメントは、デジタル資産であるNFTを保有するオーナーシップの概念があるからこそ、その価値醸成、愛着を増すための仕組みを提供できると考え、我々もその思想のもとプロダクトをリリースし、そのニーズや手応えを感じてきました。 ブロックチェーン上に刻まれるデータは、発行から償却、マーケットを通じた取引等に至るまで記録の透明性があります。こうしたユーザーによるデータの操作が可視化されることで、価値が醸成されていく様子はこれまでにない体験であり、ユーザーの新しいエンゲージメントになっています。そうしたデジタル時代の新しい推し活として様々なものが今後生まれていくと考えています。 馬場功淳さん(株式会社Brilliantcrypto代表取締役社長 / 株式会社コロプラ代表取締役会長 チーフクリエイター) 寄稿者馬場功淳さん(株式会社Brilliantcrypto代表取締役社長 / 株式会社コロプラ代表取締役会長 チーフクリエイター) 『Brilliantcrypto』はビットコインの「Proof of Work」から着想を得た「Proof of Gaming」という新しいコンセプトで開発をスタートしました。 4年に一度の半減期の年に『Brillinatcyrpto』のリリース、IEOを迎える予定であることを運命的に感じております。 いまやデジタルゴールドと呼ばれるようになったビットコインのように、『Brilliantcrypto』で創出される本物のデジタル宝石が、世界中の人々に受け入れられるよう全力で頑張ってまいります。 ゲーム公式サイト:https://brilliantcrypto.net/jp/ Discord:https://discord.gg/brilliantcrypto X:https://twitter.com/Brypto_Official X[日本語]:https://twitter.com/Brypto_JP YouTube:https://www.youtube.com/@Brilliantcrypto Medium:https://brilliantcryptoblog.medium.com/ 房安陽平さん(株式会社Ginco 取締役副社長) 寄稿者房安陽平さん(株式会社Ginco 取締役副社長) RWA(現実資産)のトークン化市場は現在の約1160億ドルから今後10年で10兆ドルに達すると言われています。年初に米国で承認されたビットコイン現物ETFは、歴史上最も速く成長したETFとなりました。このようにWeb3の経済圏は既存金融に広がり、急拡大を遂げています。半減期は一つの節目に過ぎませんが、節目を意識して市場参加者が増えることは過去の経緯を見ても概ね確実と言ってよいでしょう。この節目に合わせ、企業も様々なプロダクトを投入するかと思います。暗号資産の法整備が高度に進んだ日本は、制約はあれど、この分野で世界でトップに躍り出るまたとない好機です。そのために一緒に業界を盛り上げていきたいと強く思っています。 藤本真衣さん(Japan Blockchain Week / INTMAX 創業者 ) 寄稿者藤本真衣さん(Japan Blockchain Week / INTMAX 創業者 ) マイニングの設計は、芸術的な美しさにさえ感じます。初期段階のBitcoinは世界の誰でも自分の家のパソコンからマイニングに参加できました。殆どの人が「おもちゃだ!」と馬鹿にして笑っている間に、ひっそりと始まり、地球が破滅しない限りもう誰にも止められない分散した土台を作りました。その後、Bitcoinの可能性に多くの人が気づき、マイニングの参加者がどんどん増えより堅牢なネットワークになりました。最初から全員が注目していたら、絶対に政府や既得権益者に止められていたでしょう。何よりもハッシュパワーを占領の問題も見越して、誰かが占領するとBitcoinの信頼性も落ちて価格も下がるから誰もそんな事をしないという設計になっている。悪い人はこの世から居なくならない。だから悪い事をするインセンティブさえ無くしてしまう設計も素晴らしいです。この半減期の機会に改めてSatoshiが作ったBitcoinの美しさに浸りたいです。 松本 大(マネックスグループ株式会社代表執行役会長 / 当社取締役会長 ) 寄稿者松本 大(マネックスグループ株式会社代表執行役会長 / 当社取締役会長 ) ビットコイン(BTC)は半減期を迎える中で価格を大きく上げてきた。しかし本当の因果関係は、個人か機関かに関わらず投資家が買ってきたからだ。なぜか?BTCは現代に於いて極めて重要な資産クラスだからだ。天然ダイアモンドと同等かそれ以上のダイアがラボで作れる現代、中央銀行が貨幣を大量に発行し続ける現代、世界一フェイクが作りにくく、かつ発行量に上限があるBTCが、特別な資産価値を持つのは当然だ。私が持つ様々な資産の中で、一番最後まで持ち続ける資産はBTCと決まっている。ビバ・ビットコイン! ヨーロピアンさん(クリプト投資家) 寄稿者ヨーロピアンさん(クリプト投資家) あらためてビットコインの魅力や存在価値について ビットコインの最大の魅力は国境の存在しないボーダーレスな資産であることです。 誰にも支配されない民主的な資産であり続けたからこそ人々は安心してお金を投じてきましたし、総供給量が不変であることから金になぞらえて「デジタルゴールド」と呼ばれ資産クラスとしての地位を確立してきました。 ビットコインの設計は極めて堅牢です。誕生当初の思想を変えることなくそのまま受け継いだまま、現在も小さな進化を積み重ねています。 半減期は今回で4度目となり、繰り返してきた歴史を再確認するイベントでもあります。 直近では現物ETFが承認されたことで大相場を形成していますが、変わったのはあくまでビットコインに対する人々の認識であり、ビットコイン自身が大きく姿を変えたわけではありません。そしてそれこそが変わらないビットコインの価値であると考えています。 X:@sen_axis
Coincheckでは、2023年6月にユーザーアンケートを実施いたしました。アンケートでは、暗号資産投資家の投資目的やビットコインの価格など計10問の質問に回答していただきました。 今回の記事では、アンケート結果を参照し、2023年時点での暗号資産投資家の傾向や考えを紹介します。 【調査概要】調査期間 : 2023年6月21日(水)〜 2023年6月28日(水) 調査方法 : WEBアンケート調査調査対象 : Coincheckのユーザー 3,256名 (※)数値は小数点第二位で四捨五入で記載しています Coincheckの無料登録はこちら 目次 【暗号資産投資の目的】暗号資産・Web3.0の将来性への投資が目的に 【日本のWeb3.0業界】暗号資産に対する税制改革を望む声が多数 【ポートフォリオの傾向①】ポートフォリオの40%未満で暗号資産投資を行うユーザーが多数 【ポートフォリオの傾向②】半数以上が暗号資産に10万円以上を投資 【ビットコイン価格】ビットコイン価格、半数以上が「3年以内に最高値を更新」と回答 【暗号資産投資の目的】暗号資産・Web3.0の将来性への投資が目的に まず、暗号資産投資の目的についてご紹介します。Q3「あなたはどのような理由で、暗号資産の投資を決めましたか?(複数可)」という質問に対して、半分以上のユーザーは「暗号資産の将来性に投資をしたいと思った」と回答(52.7%)し、「他の金融資産に比べて、値上がりが期待できると思った」を上回りました。 また、「Web3の将来性に投資をしたいと思った」と答えたユーザーも一定数いる(15.4%)など、純粋な値上がりに対する予想だけではなく、将来性を含めて投資を選択しているユーザーが多いことが分かりました。 【日本のWeb3.0業界】暗号資産に対する税制改革を望む声が多数 次に、「今後、日本の暗号資産業界に期待していることを教えてください」という質問に対する回答をご紹介します。 最も多くを占めたのが、「暗号資産に対する税制を改革する」で約7割のユーザーが回答をしました。次いで「暗号資産決済が可能な場面を増やす」(43.3%)「売買可能な暗号資産を増やす」(33.8%)であったことから、特に多くのユーザーが暗号資産の税制改革を望んでいることがうかがえます。 また、「その他」の回答には、詐欺対策などを含めたセキュリティ向上や、流動性の高まりを期待する意見などが寄せられました。 Coincheckの無料登録はこちら 【ポートフォリオの傾向①】ポートフォリオの40%未満で暗号資産投資を行うユーザーが多数 投資ポートフォリオに関しては他の金融資産も含めたものと、暗号資産だけのものの2つを調査しました。 まず、他の金融資産を含めたポートフォリオについてです。投資ポートフォリオに占める暗号資産の割合で最も多数であったのは、「5%未満」(43.6%)という結果になりました。約8割のユーザーが40%未満であったことから、暗号資産をポートフォリオの一部に組み込むスタイルで投資を行っているユーザーが多いことが分かりました。 最も多く組み合わされているのは国内株式で、NISAや積立NISAなども併用して暗号資産投資を行っていると考えられます。 【ポートフォリオの傾向②】半数以上が暗号資産に10万円以上を投資 一方で、日本円換算で10万円以上暗号資産投資を行っているユーザーは約6割を占めています。さらに、最も回答が多かったのは「100万円以上(26.2%)」でした。 また、投資の時間軸として多くを占めたのは「長期(3年~)」で、7割以上のユーザーが長期投資を考えていることが分かりました。長期投資を選択したユーザーは、2020年8月に実施したアンケートに比べて約20%増加しています。短期(~半年)」で捉えているユーザーは10%に満たないことから、暗号資産投資家は中~長期で投資を行っている傾向が強い、と言うことができそうです。 アプリダウンロード数No.1を記念して、ユーザーアンケートを実施!コロナショック以降の暗号資産投資家の心理は? Coincheck Coincheckの無料登録はこちら 【ビットコイン価格】半数以上が「3年以内に最高値を更新」と回答 暗号資産の象徴的存在であり、今回のアンケートでも最も多くの期待を集めたビットコイン(BTC)については、2023年末と今後の2つの価格予想を集計しました。 まず、2023年末の価格予想です。最も割合が大きかったのは「401〜600万円」(44%)で、2023年7月現在の価格周辺~やや上値を予想しているユーザーが半数近くを占めました。一方、400万円以下を選択したユーザーも約1/4を占めていることから、2023年内に最高値更新といった大きな値上がりを予想しているユーザーは比較的少ないことが分かりました。 一方で、「ビットコインは過去最高値(約780万円)をいつ更新すると考えていますか」という質問に対しては、約半数のユーザーが3年以内に過去最高値を更新すると考えていました。最も多くを占めたのが「1~2年以内(半減期を越えてから1年以内)」(26.4%)、次いで「2~3年以内(半減期を越えてから2年以内)」(20.2%)と回答しました。 期待が大きい暗号資産は、「ビットコイン(BTC)」(43.4%)、次いで「イーサリアム(ETH)」(22%)と、時価総額が大きく知名度も高い暗号資産に回答が集まりました。XRP(エックスアールピー)やIOSTも引き続き期待を集めていますが、約10%のユーザーはシンボル(XYM)やカルダノ(ADA)といったその他の暗号資産を選択している点も着目したい傾向です。
2023年6月28日から30日の3日間、国内外の起業家や投資家などが集う日本最大級のスタートアップカンファレンス「IVS 2023 KYOTO / IVS Crypto 2023 KYOTO」が京都市勧業館「みやこめっせ」やロームシアター京都で開催されました。 当社からはCoincheck Labsのメンバーがカンファレンスに参加しました。今回のカンファレンスの様子は、昨年のIVSと比較すると、大企業や海外からの参加者、学生など参加者の属性に広がりが見られました。特に海外参加者はクリプト関係者が多く、日本のWeb3市場が注目されていることが肌で感じられました。 本記事では、Coincheck Labsメンバーが「IVS Crypto 2023 KYOTO」での交流で感じた様々な視点からの「国内Web3市場への今後の見解」をイベントレポートとして紹介していきます。 Coincheckの無料登録はこちら 寄稿者Coincheck Labs Coincheck Labsは、コインチェック株式会社が運営する、Web3スタートアップの支援プログラムです。Web3に関する次の活動を行なっています。①スタートアップ支援 ②リサーチ・情報発信 ③株式・トークン投資 目次 IVS 2023 CRYPTO KYOTOの概要 各事業会社からみた国内Web3市場への見解 【大手上場企業】自社ビジネスとの親和性を模索中 国内大手製造企業 国内大手サービス関連企業 【ゲーム関連企業】Web3業界への参入に意欲的かつ積極的 【VC(Venture Capital)】起業家や開発者は増えたのの投資対象としては消極的 【海外事業会社】日本Web3市場に対して大きな期待 IVS 2023 Crypto KYOTOを終えて IVS 2023 Crypto KYOTOの概要 2023年6月28日から3日間にかけて開催された「IVS Crypto 2023 KYOTO」は、世界中のWeb3起業家、投資家、開発者、メディア、政府機関、そしてWeb3の世界に踏み込みたい人にとって最高峰のイベントです。2000名が集まったIVS Crypto 2022 NAHAの成功を受けて、今年のIVS Cryptoは、豊かな歴史とグローバルな人気がある京都で開催されました。 今回のカンファレンスでは、250にもおよぶトークセッションの他、参加者や企業、自治体が主導するサイドイベントも100件近く開催され、会場の周りは日夜問わず大きな盛り上がりを見せていました。 各事業会社からみた国内Web3市場への見解 ここからは、Coincheck Labsメンバーが「IVS Crypto 2023 KYOTO」での交流で感じた様々な視点からの「国内Web3市場への今後の見解」をイベントレポートとして紹介していきます。 【大手上場企業】自社ビジネスとの親和性を模索中 大手上場企業はWeb3の可能性に対して懐疑的な様子で、かなり慎重な姿勢を見せていました。特にWeb3と自社ビジネスとの親和性に関して、具体的な意義を見出せていない状況でした。 国内大手製造企業 ある国内大手製造企業はWeb3を活かした事業を模索中との見解を示していました。相対的に参入しやすいNFTを中心に参入を考えているものの、予算が少なく各事業体でWeb3の取り組みを担当者ベースで行っていることから、本腰を入れての参入は難しいという状況にあるようです。 また、Web3企業及び市場への投資に対しても消極的であり、リード投資家としてではなく、必ずフォロワーとして入り静観するという姿勢であることが多いです。 さらに現場レベルでは、ブロックチェーン技術を用いた物流の改善へのニーズはほぼ無いという現状があります。物流の改善という観点ではWMS(倉庫管理システム)を中心としたWeb2とAIを駆使したニーズが高く、大手のみならず製造業全体として、Web3技術を活かした市場参入へは一定の時間がかかることが明らかになりました。 国内大手サービス関連企業 次に、国内大手サービス関連企業は、Web3技術を活かした事業を具体的に検討していました。しかしながら、そのアプローチの仕方は模索中であり、特定の答えを見つけられている企業は現状なかった印象を受けました。 特に、NFTマーケットプレイスを利用した自社NFTへの興味は高いものの、①「付与するユーテリティのコンセプトが定まらないこと」、②「クリプトユーザーの年齢層と自社顧客がマッチしていないこと」からターゲットユーザーと市場が定まりづらく、自社の強みをどのように活かせるのかに対して苦慮している様子が伺えました。 【ゲーム関連企業】Web3業界への参入に意欲的かつ積極的 一部の事業会社、特にゲーム関連企業がWeb3業界への参入に意欲的かつ積極的である印象を受けました。特に、Oasysエコシステムのステークホルダーが増えているなど、ゲームを中心に国内Web3市場が発展する兆しが見られました。 そのためCoincheck Labsでは、2023-24年には国内ゲームのトークン発行・IEO・新規上場の増加が見込まれると予想しています。 【VC(Venture Capital)】起業家や開発者は増えたのの投資対象としては消極的 国内スタートアップでは、昨年の那覇で開催されたIVSと比較して起業家が増えた印象を受けました。昨年のIVS以降、数多くのハッカソンやETH Global Tokyoが開催された影響もあり、日本人の開発者が着実に増えていると見られます。 また、Web3企業への投資に対しては、やや消極的な態度でした。その理由は、大きく分けて2つあります。 1つ目の理由は「投資先が見つからない」という点です。 その背景として、昨年度のFTX問題、昨今のコインベースおよびBinanceの訴訟以降、Web3起業家の資金調達が難しくなっている現状があります。そのため、エッジの効いたサービスを展開している企業が減少しており、投資先が見つからず投資を実行できていないというのが理由として挙げられます。 2つ目の理由は「Web3の技術を活かした企業が少ない」という点です。 現状として、Web3企業としてマネタイズができている企業は純粋なWeb3企業ではなく、Web2.5のようなSaaS型ビジネスが主流となっています。そのため、本質的にWeb3の技術を活かした企業が少ないことも理由として挙げられている。 【海外事業会社】日本Web3市場に対して大きな期待 日本での海外クリプト企業は、日本クリプト市場に対してかなり明るい未来を描いている様子でした。 彼らが共通して日本クリプト市場に参入したい理由として挙げていたのが「日本の持つ文化とWeb3の親和性の高さ」でした。 日本は、原宿のストリート文化、京都の伝統的文化、秋葉原のアニメ文化など、世界的に著名で多種多様なIP(知的財産)を保持しています。世界中を見渡しても、これだけのIPを保有している国はありません。 そしてこのような日本の持つ文化は、NFT及びメタバースとの相性が極めて高いです。そして彼らは「今後、技術的なブレイクスルーや規制緩和などが起これば、これら(NFT及びメタバース)を起点とした取引所の活性化、およびARやVR市場の拡大まで見込まれる」という見解を持っていました。 そのため、海外クリプト企業のIVS京都2023への参加目的は、足元低迷しているグローバルなクリプト市場に対して、日本進出をきっかけに打開していき企業としてのプレゼンスを高めるため、日本人起業家及び日本の大手Web3企業とのリレーションを作ることでした。 特に、ドイツや韓国のWeb3企業の日本市場への熱量は非常に大きく、すぐにでも日本市場へ参入できるよう業界問わず精力的に国内Web3企業にアプローチを行っていた印象を受けました。 Coincheckの無料登録はこちら IVS 2023 Crypto KYOTOを終えて 暗号資産の相場は昨年と比較して落ち着いているものの、本イベントは昨年以上に参加者の熱気が感じられました。海外参加者の多くはクリプト企業であり、規制やIP・ゲームなどの文脈から日本市場が注目されていることを実感しました。各参加者の意見は総じて、日本のWeb3市場に期待が持てるものが多かったと思います。また、IVS全体では約1万人が参加しており、Web3に限らず日本のスタートアップシーンにとって象徴的なイベントとなったことは間違いありません。
2023年3月10日、アメリカのテクノロジー企業への融資で知られ、米西海岸シリコンバレーのエコシステムの中核を担ってきたシリコンバレー銀行(SVB)が経営破綻し、米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に入りました。 今回のシリコンバレー銀行の閉鎖およびシグネチャー銀行・シルバーゲート銀行の事業停止により、既存の金融システムが暗号資産市場に対しても大きな影響をもたらしていることが明らかとなりました。 一方で既存の金融システムに対する信用不安から、ビットコイン(BTC)へ資金が流入する動きも出てきています。 そこで今回の記事では、そもそもなぜシリコンバレー銀行は破綻してしまったのか、そして今回の破綻が暗号資産(仮想通貨)市場にどのような影響を及ぼすと考えられるのかについて解説します。 この記事でわかること シリコンバレー銀行(SVB)とは シリコンバレー銀行(SVB)はなぜ破綻してしまったのか シリコンバレー銀行(SVB)破綻による暗号資産市場への影響 Coincheckの無料登録はこちら 寄稿者Coincheck Labs Coincheck Labsは、コインチェック株式会社が運営する、Web3スタートアップの支援プログラムです。Web3に関する次の活動を行なっています。①スタートアップ支援 ②リサーチ・情報発信 ③株式・トークン投資 目次 シリコンバレー銀行(SVB)とは シリコンバレー銀行(SVB)の破綻と連鎖的影響 なぜシリコンバレー銀行(SVB)は破綻したのか 要因①:急激なインフレから引き起された利上げによる影響 要因②:SNSを中心とした取り付け騒ぎの発生 シリコンバレー銀行(SVB)の破綻で暗号資産市場はどのような影響を受けたのか シリコンバレー銀行(SVB)の破綻による暗号資産市場への短期的な影響 短期的影響①:ステーブルコイン全体への信用不安 短期的影響②:DEX(分散型取引所)の取引高増加 短期的影響③:ステーブルコインからビットコイン(BTC)への資金流入 シリコンバレー銀行(SVB)の破綻による暗号資産市場への長期的な影響 長期的影響①:暗号資産企業の資金調達が厳しくなる可能性がある 長期的影響②:暗号資産関連企業が利用するサービス変更によるビジネスの停滞 長期的影響③:金融システム全体の信用不安によりビットコイン(BTC)への資金流入 まとめ シリコンバレー銀行(SVB)とは シリコンバレー銀行(SVB)とはアメリカ合衆国カリフォルニア州に本社を置く銀行であり、主にテクノロジー業界のスタートアップやVC(ベンチャーキャピタル)を取引先として金融サービスを提供していました。 米連邦準備制度理事会(FRB)によると、2022年末時点でのシリコンバレーバンクの総資産は約2,090億ドル(約28兆円)であり、資産額で比較すると全米で16番目に大きい銀行となっています。 シリコンバレー銀行(SVB)の破綻と連鎖的影響 2023年3月10日、スタートアップ・VCを主な取引先としていたシリコンバレー銀行が破綻しました。それに加え、連鎖的に暗号資産関連企業を主な取引先としていたシグネチャー銀行とシルバーゲート銀行の事業停止が発生しました。 ここでは、発生した事象について時系列順にまとめています。 日付 事象 2023/3/8 シリコンバレー銀行が債券ポートフォリオを売却。 シルバーゲート銀行が、銀行業務の縮小および任意清算することを発表。預金は全額返済される予定。 2023/3/9 シリコンバレー銀行が、債券ポートフォリオの210億ドル(約2兆8,275億円)の売却を完了し、18億ドル(約2,423億円)の損失を計上したことを発表。 同社はこの損失をカバーするため、22.5億ドル(約3,037億円)の公募増資を行うと発表。 信用不安から取り付け騒ぎが発生。420億ドル(約5.7兆円)の預金解約が行われる。 2023/3/10 シリコンバレー銀行の株価は、3月9日の取引開始から10日までの間に86%下落し、取引停止を発表。 シリコンバレー銀行がカリフォルニア州金融保護当局に閉鎖され、米預金保険公社(FDIC)の管理下に入る。 2023/3/12 ニューヨーク州金融監督当局が、シグネチャー銀行の事業停止を発表。 米財務省と米連邦準備理事会(FRB)、米連邦預金保険公社(FDIC)は、シリコンバレー、シグネチャーの預金者を完全に保護すると共同声明を発表。 「銀行タームファンディングプログラム(BTFP)」を導入。米国債や住宅ローン担保証券を担保として、最長1年の融資をする。政府の基金から最大250億ドルを利用できるようにする。 2023/3/13 英 HSBCがシリコンバレー銀行の英国部門を1ポンドで買収。 シリコンバレー銀行, シグネチャー銀行の預金者は、完全に資金へのアクセスが可能に。 2023/3/19 NYCB傘下のフラッグスターがシグネチャーを買収することで合意。FDICが発表。 2023/3/27 ファーストシチズンズ・バンクシェアーズは、シリコンバレー銀行を買収することで合意。 シリコンバレー銀行の全預金とローンを引き継ぐ。シリコンバレー銀行の資産約720億ドル相当を、165億ドルのディスカウントで取得。 2023/4/3 FDICがシグネチャーの融資債権(約600億ドル)の売却手続きを進めることを発表。 なぜシリコンバレー銀行(SVB)は破綻したのか シリコンバレー銀行が破綻したのは、大きく分けて以下の2つの要因が考えられます。 急激なインフレと利上げによる影響 SNSを中心とした取り付け騒ぎの発生 以下で詳しく解説していきます。 要因①:急激なインフレから引き起された利上げによる影響 1つ目の要因は「急激なインフレから引き起こされた利上げによる影響」です。 近年、シリコンバレー銀行は、コロナ禍の金融緩和の影響からスタートアップの資金調達増加に伴い、預金残高が大きく増えていました。そのためシリコンバレー銀行は一定の利息を得るために、800億ドル以上(約1兆円以上) の不動産担保証券(MBS)を購入していました。その後、2022年に連邦準備理事会(FRB)が利上げを実施したことでMBSの価値が急落しました。 また、この金利上昇から派生する債権価格の下落による影響は、今回破綻した銀行に限らず、多くの銀行において発生しています。 要因②:SNSを中心とした取り付け騒ぎの発生 2つ目の要因は「SNSを中心として取り付け騒ぎが発生したこと」です。 シリコンバレー銀行は、米国のスタートアップやVC(ベンチャーキャピタル)を主な取引先としていました。そしていくつかのVCは投資先企業に対して、シリコンバレー銀行は1口座25万ドルまでしか預金保険でカバーされないため、預金を引き出すように提言しました。 ピーター・ティール氏をはじめとする著名な投資家が呼びかけたことにより、SNSでも不安が広がり預金の引き出しが相次いだと見られています。その結果シリコンバレー銀行は、預金の流出に対応して債券を売却する必要が発生し、それまで含み損であった債券の損失が確定しました。 Coincheckの無料登録はこちら シリコンバレー銀行の破綻で暗号資産市場はどのような影響を受けたのか シリコンバレー銀行の破綻によって、暗号資産市場にも大きな影響を受けることになりました。ここでは、暗号資産市場で発生した事象について時系列順にまとめています。 日付 事象 2023/3/9 JP MorganがGeminiとの業務関係を終了との報道。Geminiは否定している。 2023/3/10 Circle社が発行するUSDCの準備金約400億ドル(約5兆4,000億円)のうち、33億ドル(約4,455億円)がシリコンバレー銀行に預金されていたことを発表。 2023/3/11 信用不安によりUSDCのデペッグが発生。3/11時点で一時0.87ドルまで下落。 (※)DAIが0.897ドルまでデペッグ。暗号資産担保型ステーブルコインDAIの担保のうち、USDCは51.87%を占め44.2億ドルに相当する。 USDDは0.925ドル、FRAXは0.85ドルまで下落。 Uniswapの24時間取引高が120億ドル(約1兆6,200億円)、Curveの24時間取引高が70億ドル(約9,500億円)となり過去最大となった。 CoinbaseはUSDC:USD の両替を一時的に停止。銀行営業時間内に清算される銀行からの米ドル送金に依存するためであり、月曜日に再開予定と発表。 2023/3/12 Binanceが、2022年9月に停止していたUSDCペアの取り扱いを一部再開。 Circle社は、引き続きUSDC:米ドルが1:1で償還できると発表。Circleの準備金のうち、シリコンバレー銀行預金以外の現金54億ドルは、BNYメロン銀行に移された。 Circle社の発表後、USDCのペグが回復。DAI, USDD, FRAXなどもペグを回復。 2023/3/13 CoinbaseがUSDC:USDの両替を再開。 Binanceが10億ドル(約1,343億円)相当のBUSDを、BTC, ETH, BNBに交換していくことを発表。 2023/3/14 MakerDAOにて、USDCの担保を減らす提案が可決。USDC担保DAIの1日の上限を9億5,000万DAIから2億5,000万DAIに引き下げた。 2023/3/17 銀行大手のState StreetがCopperとの業務関係を終了。 2023/3/21 Coinbaseは、シグネチャー銀行のSignetのサポート終了を顧客に通知。 ※Dai(DAI)は1DAI = 1米ドルを目標価格として設定しています。実際にダイ(DAI)は1米ドル付近で価格が推移していることから、暗号資産(仮想通貨)型ステーブルコインと認識されていますが、1DAI = 1米ドルの価値を保証するための原資産が確保されているものではなく、相場の変動等により目標価格に対して大きく下落する可能性があります。 暗号資産(仮想通貨)ダイ(DAI)とは?他のステーブルコインとの違いや特徴を解説! Coincheck Coincheckの無料登録はこちら シリコンバレー銀行(SVB)の破綻による暗号資産市場への短期的な影響 シリコンバレー銀行破綻による暗号資産市場への影響は、短期的には大きく分けて3つ発生しました。 ステーブルコイン全体への信用不安 DEX(分散型取引所)の取引高増加 ステーブルコインからビットコイン(BTC)への資金流入 以下で解説していきます。 短期的影響①:ステーブルコイン全体への信用不安 1つ目の短期的影響は「ステーブルコイン全体への信用不安」です。 2023年3月11日、USDCを手掛けるCircle社が、破綻したシリコンバレー銀行(SVB)にUSDCの準備金の8%にあたる33億ドルが未処理のまま滞留していることを発表しました。その結果、USDCは一時デペッグし、1USD付近から大きく価格乖離しました。 ※デペッグとは、ステーブルコインと、米ドルなど特定の通貨とのレートが一定に保てず、乖離してしまった状態のこと このUSDCのデペッグに伴い、ステーブルコイン全体への信用不安が広がり、他のステーブルコインもデペッグが発生しました。 短期的影響②:DEX(分散型取引所)の取引高増加 2つ目の短期的影響は「DEX(分散型取引所)の取引高増加」です。 DEXとはブロックチェーンを活用することで、管理者を介さずにユーザー同士で直接暗号資産の取引を行うことができる取引所のことです。 ステーブルコインの信用不安により売却が進んだことで、UniswapやCurveなどのDEXでの取引が増え、過去最高の24時間取引高を記録しました。さらにこの際、CEX(中央集権型取引所)からDEXへの暗号資産の流出が起きたことも指摘されています。 短期的影響③:ステーブルコインからビットコイン(BTC)への資金流入 3つ目の短期的影響は「ステーブルコインからビットコイン(BTC)への資金流入」です。 シリコンバレー銀行が破綻したあとビットコイン(BTC)の価格は上昇し、3月10日から3月13日までの3日間で18%以上も上昇しました。その後もビットコインの価格は上昇し、4月11日にはビットコインの価格は400万円(3万ドル)を超えました。 このビットコイン価格が上昇した背景には、ステーブルコインへの信用不安から資産の保全手段としてビットコインへ資金が流入したことも一因として推察されます。 また、Binanceなどの海外取引所やDeFiにおいては、ステーブルコインと法定通貨の取引ペアがないため、相対的に安全な資産としてビットコインが選ばれたという可能性も考えられます。 シリコンバレー銀行(SVB)の破綻による暗号資産市場への長期的な影響 シリコンバレー銀行の破綻によって今後起こり得る暗号資産市場への長期的な影響としては、次の3つが考えられます。 暗号資産企業の資金調達が厳しくなる可能性がある 暗号資産関連企業が利用するサービス変更によるビジネスの停滞 金融システム全体の信用不安によりビットコイン(BTC)への資金流入 以下で解説していきます。 長期的影響①:暗号資産企業の資金調達が厳しくなる可能性がある 1つ目の長期的影響は「暗号資産企業の資金調達が厳しくなる可能性がある」という点です。 今回のシリコンバレー銀行の破綻に連鎖して、暗号資産関連企業が主に利用しているシルバーゲート銀行やシグネチャー銀行も事業停止しました。そのため今後、長期的に暗号資産関連企業の資金調達が厳しくなる可能性があります。 長期的影響②:暗号資産関連企業が利用するサービス変更によるビジネスの停滞 2つ目の長期的影響は「暗号資産関連企業が利用するサービス変更による、ビジネスの停滞」です。 シルバーゲート銀行の事業停止に伴い、独自の暗号資産決済ネットワークである「SEN(シルバーゲート・エクスチェンジ・ネットワーク)」も停止されました。これによって、暗号資産関連企業の取引に時間がかかり、業界の成長性が一時的に損なわれることが考えられます。 さらに今回破綻した3つの銀行の代役として、クロスリバー銀行と新たにパートナーシップを契約する暗号資産関連企業も増えてきています。例えば、USDCを手がけるCircle社のジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)CEOは、3月12日に自動決済のためにクロス・リバー銀行と新たにパートナーシップを結んだと発表しました。 同様に、暗号資産関連企業が別銀行に取引先を変更するなど、利用するサービスや銀行の変更を余儀なくされる可能性があります。 長期的影響③:金融システム全体の信用不安によりビットコイン(BTC)への資金流入 3つ目の長期的影響は「金融システム全体の信用不安によるビットコインへの資金流入」です。 シリコンバレー銀行の破綻が起きたのと同じ月に、クレディ・スイス銀行の経営危機及びUBSによる買収が起こりました。このような一連の銀行の破綻及び経営危機により、既存の金融システム全体への信用不安が広がりました。 そのため、既存の金融システムに依存しない金や、デジタルゴールドとも呼ばれるビットコイン(BTC)へ長期的に資金流入する可能性があると考えられます。 Coincheckの無料登録はこちら まとめ 今回の記事では、なぜシリコンバレー銀行は破綻してしまったのか、そして今回の破綻が暗号資産(仮想通貨)市場にどのような影響を及ぼすと考えられるのかについて解説しました。 2023年3月に起こったシリコンバレー銀行の破綻は金融市場だけではなく、暗号資産市場にも多大な影響を与えました。そして、今後もその影響は長期的に続いていくものだと考えられます。 今回のシリコンバレー銀行の破綻では、既存の金融システムに対する不安から、金やデジタルゴールドと呼ばれるビットコイン(BTC)ヘの資金流入をもたらしました。今後、同様の金融システムの不安が強まる事象が起こったとき、暗号資産市場にはどのような影響がもたらされるのか、引き続きチェックしていきたいです。
2023年3月、DeFi(分散型金融)のレンディングプロトコルであるEuler Finance(オイラーファイナンス)が「フラッシュローン攻撃」を受け、約1億9,700万ドル(当時のレートで約263億円)が流出する事件が発生しました。BalancerやAngle Protocolなど11のDeFiプロトコルにも連鎖被害が広がり、業界に大きな衝撃を与えています。 しかし攻撃者は最終的にほぼ全額をEuler Financeへ返還し、Euler Finance自身も2024年9月に再設計版「Euler v2」をローンチして完全復活を遂げています。 本記事では、攻撃の仕組みと連鎖被害、返還までの経緯、そして2026年4月時点でのEuler v2の現状やフラッシュローン攻撃を取り巻く環境までを通して解説します。 この記事でわかること フラッシュローン攻撃の仕組み Euler Financeが約263億円を流出させた攻撃の流れ 攻撃者がほぼ全額を返還するに至った経緯 Euler v2のローンチによる復活と、2026年4月時点の現在地 目次 Euler Finance(オイラーファイナンス)とは? Euler Financeの特徴 フラッシュローン攻撃とは? Euler Financeはどのように攻撃を受けたのか トークン別に見た流出額の内訳 Euler Financeはなぜ攻撃を受けてしまったのか 理由①:Euler Financeチームによる見落とし 理由②:コード監査企業による見落とし 連鎖的被害を受けたプロトコルの一覧 多くの著名なプロトコルやユーザーから信頼を得ていた 運営の交渉により、返還に動いた攻撃者 被害直後:運営は攻撃者のアドレスへ交渉メッセージを送信 3月13日19時:攻撃者は資金の一部を分割してTornado Cashへ送金 3月16日10時:100ETHを被害者である個人ユーザーに返還 3月17日12時:100ETHをRonin Bridge攻撃の犯人アドレスへ送金 3月18日15時:3,000ETHを3回に分けてEuler Financeへ返還 3月25日12時:51,000ETHをEuler Financeへ返還 3月26日0時:ETHとDAIの一部を分割してEuler Financeへ返還 3月28日10時:攻撃者が謝罪のメッセージをEuler Financeのアドレスへ送信 4月3日19時:残っていた10,580ETHを2回に分けてEuler Financeへ返還 4月5日0時:Euler Financeから資金回収完了の発表 4月6日5時:Euler Financeが、ユーザーへの返還計画を公表 事件後のEuler Finance:Euler v2のローンチと復活 モジュラー型のレンディング基盤への進化 事件の教訓を踏まえた、桁違いのセキュリティ投資 TVLの劇的な回復とマルチチェーン展開 2026年4月時点のEuler Financeとフラッシュローン攻撃の現在 Euler Finance(オイラーファイナンス)とは? 出典:Euler Finance Euler Finance(オイラーファイナンス)とは、イーサリアム(ETH)チェーン上で開発されたDeFi(分散型金融)レンディングプロトコルです。2021年12月にメインネット版がローンチされ、事件発生時点では多くの著名DeFiプロトコルから組み込まれる存在に成長していました。 Euler Financeでは、分散型取引所(DEX)であるUniswap(ユニスワップ)のV3上で、WETH(Wrapped Ethereum)との流動性ペアを持つほぼ全てのトークンを上場できる設計になっており、ユーザーは多様なトークンの貸し借りを行うことができました。 Euler Financeの特徴 出典:Euler Finance Euler Financeの最も大きな特徴は、担保評価の仕組みとして「階層分け(Tier)」を採用していた点です。 通常のレンディングプロトコルでは、複数のトークンを共通プールにまとめて担保として扱える仕組みが多く採用されています。この仕組みは、複数の通貨で担保を分散できるため価格変動リスクを抑えやすい一方、悪意のあるユーザーが流動性の低いトークンの価格を吊り上げて担保化し、別のトークンを借りて持ち逃げするといったリスクも度々問題になってきました。 そこでEuler Financeでは、上場するトークンが持つリスク特性に応じて、以下の3階層に分類する仕組みを採用していました。 Isolation Tier Cross Tier Collateral Tier 3階層について、以下で詳しく解説していきます。 階層①:Isolation Tier 1つ目の階層は「Isolation Tier」です。この階層に分類されたトークンは、3つの階層のうち最もリスクが高いとみなされていました。 Isolation Tierに分類されたトークンは、そのトークンを担保として使用することができず、また、他のトークンと一緒に同じアカウントから借り入れることもできません。 階層②:Cross Tier 2つ目の階層は「Cross Tier」です。3つの階層のうち2番目にリスクが高いとみなされていました。 Cross Tierに分類されたトークンは、そのトークンを担保として使用することはできない一方で、他のトークンと一緒に同じアカウントから借り入れることはできました。 階層③:Collateral Tier 3つ目の階層は「Collateral Tier」です。3つの階層のうち最もリスクが低いとみなされていたトークンが分類されます。 Collateral Tierに分類されたトークンは、そのトークン自体を担保として使用することも、他のトークンと一緒に同じアカウントから借り入れることもできました。 このようにEuler Financeでは、階層分けによってリスクの高いトークンを担保として使用することを制限し、悪意のあるユーザーによる不正を防止する設計を採用していました。しかし後述するように、この階層設計とは別の場所に存在した脆弱性が、結果的に263億円規模の資金流出を招くことになります。 フラッシュローン攻撃とは? そもそも「フラッシュローン」とは、DeFi特有の融資の仕組みです。1つのトランザクション(取引)の中で借り手が貸し手から無担保で融資を受け、その資金を使って何らかの取引を行い、最後に同じトランザクション内で返済するという、極めて短時間で完結する融資の総称を指します。 本来は、複数の取引所間で価格差を取りに行く「裁定取引(アービトラージ)」など、健全な利益機会のために設計された仕組みでした。融資から返済までは通常、数秒程度(1ブロック以内)で完結します。 しかし、このフラッシュローンによって瞬時に巨額の資金を動かせるという特性が、DeFiプロトコルに潜む脆弱性を突くための強力な道具にもなってしまいました。フラッシュローンで一時的に巨額の資金を借りて、暗号資産の価格やプロトコルの内部状態を不正に操作し、利益を得る行為が「フラッシュローン攻撃」です。 OWASPがまとめた2025年版のスマートコントラクトセキュリティ上位10件(SC07:2025)でも、フラッシュローン攻撃は独立したカテゴリとして挙げられており、2024年に発生したDeFi関連のセキュリティ事案のうち、その大部分がフラッシュローンを伴う攻撃だったと指摘されています。Euler Finance事件はその代表例の一つとして、現在もセキュリティ研究の事例として参照され続けています。 Euler Financeはどのように攻撃を受けたのか Euler Financeへの攻撃は、フラッシュローンと、Euler Financeのコントラクトに存在した脆弱性(後述)を組み合わせた巧妙な手口で行われました。実際の攻撃トランザクションは細かく分けると10ステップ以上に及びますが、本質的な流れは以下の4ステップに整理できます。 ステップ①:フラッシュローンで巨額のDAIを調達する 攻撃者はまず、AaveやBalancerなどのフラッシュローン機能を活用し、3,000万DAIを借入。実際に攻撃を行う「攻撃者役のアカウント」へ送金し、ここからEuler Financeに対する一連の操作を開始します。 ステップ②:Euler Financeで担保とレバレッジを組み合わせ、巨額の負債ポジションを作る 攻撃者は調達したDAIをEuler Financeに預けて担保トークン(eDAI)を受け取った上で、Euler Financeのレバレッジ機能を10倍まで使い、巨額の借入トークン(dDAI)を発行します。さらに同じ操作を繰り返して、担保トークンと負債トークンを意図的に積み増していきました。 ステップ③:脆弱性のある「寄付機能」を悪用し、自らを債務超過に陥れる ここがこの攻撃の核心部分です。攻撃者は、Euler Financeのコントラクトに搭載されていた「donateToReserves」(コントラクトに対して担保トークンを寄付する機能)を使い、自分の担保トークン1億eDAIをコントラクトに寄付しました。 本来、こうした寄付によって意図的に自らを債務超過に陥らせる行為はDeFi側で抑止されているはずですが、Euler Financeのこの機能には「寄付を行ったユーザーが債務超過に陥らないかをチェックする処理(ヘルスチェック)」が抜け落ちていました。攻撃者はこの脆弱性を突き、寄付直後に意図的な債務超過状態を作り出します。 ステップ④:別アカウントで「割増清算」を発動し、利益を確定する Euler Financeでは、債務超過に陥ったアカウントを清算した清算人に対し、報酬として担保額が割増評価されたDAIが付与される仕組みになっていました。本来の最大割増率は20%ですが、今回は借入規模が大きすぎたため計算レートが歪み、実際には30%以上の割増評価となり、清算人役のアカウントに3,890万DAIが付与されます。 攻撃者は最後に、ステップ①でフラッシュローンから借りた3,000万DAIと手数料約2.7万DAIを返済。差し引きで攻撃者の手元には約887.8万DAIの利益が残り、これがDAIで奪い取られた額となります。 攻撃者はこの「巨大ポジションを作る → 寄付で債務超過にする → 割増清算で利益を抜き取る」という同じパターンを、DAI以外にもWETH、WBTC、wstETH、USDC、stETHなど主要な担保トークンに対して繰り返し実行しました。その結果、合計で約1億9,700万ドル(当時のレートで約263億円)もの資金がEuler Financeから流出することになります。 トークン別に見た流出額の内訳 攻撃者の犯行は、2023年3月13日の17時50分から18時8分までの、わずか18分間に集中しています。ブロックチェーン上のトランザクション履歴から確認できる、トークン別の流出額の内訳は以下の通りです。 発生時刻(日本時間) 流出トークン 当時のドル換算額 3月13日 17時50分 約890万 DAI 約880万ドル 3月13日 17時56分 約8,000 WETH 約1,410万ドル 3月13日 18時03分 849 WBTC 約1,860万ドル 3月13日 18時04分 約66,000 wstETH 約1億1,670万ドル 3月13日 18時04分 3,400万 USDC 約3,400万ドル 3月13日 18時08分 約3,800 stETH 約670万ドル 合計するとおおむね1億9,700万ドル前後となり、当時のレートで日本円にして約263億円規模の流出となりました。なお、各トランザクションの詳細はEtherscanなどのブロックエクスプローラーで現在も追跡可能です。 Euler Financeはなぜ攻撃を受けてしまったのか 今回のEuler Financeへの攻撃は、「寄付機能(donateToReserves)に、寄付者の財務状況をチェックする処理が組み込まれていない」という脆弱性が放置されていたことが直接の原因です。 なぜこのような脆弱性が約8か月もの間放置されていたのか、その背景には大きく分けて次の2つの要因があります。 理由①:Euler Financeチームによる見落とし 1つ目の理由は、Euler Finance開発チームによる見落としです。 今回のフラッシュローン攻撃を受ける直接的な原因となった寄付機能(donateToReserves)は、2022年7月のコントラクトアップグレード「eIP-14」で導入されました。 この際、Euler Finance開発チームが「寄付を行ったユーザーが寄付によって債務超過に陥らないかをチェックする処理(ヘルスチェック)」を組み込めていれば、今回の資金流出は阻止できた可能性が高いと考えられます。寄付という、それ自体は利益相反を生まないように見える機能の中に、清算ロジックとの相互作用が潜んでいた点が見落とされたといえます。 理由②:コード監査企業による見落とし 2つ目の理由は、コード監査企業によるレビューでも、この脆弱性が指摘されなかったことです。 Euler FinanceにeIP-14が導入された月(2022年7月)に、コード監査会社のSHERLOCK社がEuler Financeの監査を実施していました。しかし、寄付機能におけるヘルスチェックの欠落はこの監査でも検出されず、結果として脆弱性は約8か月間も放置されたままになりました。 事件後、SHERLOCK社はEuler Financeの脆弱性を見つけられなかった責任として、450万ドルの賠償金(クレーム保険金)をEuler Financeへ支払っています。コード監査企業が監査見落としを理由に賠償金を支払う事例は、当時の暗号資産業界において前例のないケースとなり、DeFi業界全体に「監査の限界と責任のあり方」を改めて問いかけることとなりました。 連鎖的被害を受けたプロトコルの一覧 今回のEuler Financeへの攻撃は、Euler Finance単体では収まりませんでした。Euler Financeを内部で利用していた他のDeFiプロトコルにも、合計11件もの連鎖的な被害が広がっています。代表的な被害プロトコルと、その被害規模・被害理由は以下の通りです。 プロトコル名 被害額(おおよそ) 被害が発生した理由 Balancer 約1,190万ドル Euler Boosted USD(bb-e-USD)プールがEuler Financeを内部で利用しており、プールTVLの65%超を喪失。事件直後にプールを停止した Angle Protocol 約1,700万ドル USDCをEuler Financeで運用していたため、ユーロ連動型ステーブルコインagEURが過小担保状態に。agEURの発行と償還を一時停止 Idle Finance 約590万ドル Best YieldとYield TranchesのEuler連動Vaultが影響。被害拡大を防ぐため対象Vaultを停止 Yearn Finance 約138万ドル Angle ProtocolとIdle Financeへの間接的な投資による波及。残損失分はYearn Treasuryが補填する方針を表明 Yield Protocol 150万ドル未満 メインネットの流動性プールがEuler Finance上に構築されていたことによる影響 上記のほかにも、合計11のプロトコルで何らかの被害や運用停止が確認されています。レンディングプロトコルが他のDeFiプロダクトの「土台」として広く使われていたことから、被害が一気に広範囲へ波及した形でした。 多くの著名なプロトコルやユーザーから信頼を得ていた 連鎖被害がここまで拡大した背景には、Euler Financeが事件発生以前から多くの著名プロトコルやユーザーから厚い信頼を得ていたという事情があります。では、なぜEuler Financeは当時、ここまで信頼されていたのでしょうか。 大きな理由の一つは、過去に何度も第三者監査を受けていたことです。Euler Financeは、2021年12月のメインローンチに先立つ段階から2022年12月にかけて、6社のコード監査企業から10回以上の監査を受けていました。それでも結果的に、監査企業による脆弱性の見落としによって今回のフラッシュローン攻撃を許してしまった点は、DeFiセキュリティの難しさを象徴する事例となっています。 また、Euler Financeはバグを見つけたホワイトハッカー向けに最大100万ドルのバグバウンティを用意していたことも、外部からの信頼の高さに繋がっていたとされています。 運営の交渉により、返還に動いた攻撃者 Euler Financeは攻撃を受けた後、ただちに攻撃者のアドレスへコンタクトを取りました。その後、攻撃者は奪った資金をほぼ全額Euler Financeへ返還することになります。ここでは、攻撃発生から返還完了までの流れを時系列で整理します。 被害直後:運営は攻撃者のアドレスへ交渉メッセージを送信 Euler Financeは攻撃を受けた直後、攻撃者のアドレスに対してオンチェーンメッセージで交渉に応じるよう呼びかけます。実際に送信されたメッセージは以下の通りです。 【原文】 We understand that you are responsible for this morning's attack on the Euler platform. We are writing to see whether you would be open to speaking with us about any potential next steps. 【編集部訳】今朝のEulerのプラットフォームへの攻撃は、あなたの責任であると理解しています。次のステップについて、私たちと話すことに前向きであるかどうかを確認するため、このメッセージを送っています。 3月13日19時:攻撃者は資金の一部を分割してTornado Cashへ送金 3月13日19時、攻撃者は資金の一部(1,100ETH)を11回に分けて、追跡を困難にすることで知られるミキシングサービス「Tornado Cash」へ送金しました。 3月16日10時:100ETHを被害者である個人ユーザーに返還 3月16日10時、攻撃者は100ETHを被害者である個人ユーザー(アルゼンチン在住のSolidly開発者)に返還しました。この個人は、前日に攻撃者のアドレス宛に資金返還を懇願するメッセージを送っていました。 【原文】 Please consider returning 90%/80%. I'm just a user that only had 78 wstETH as my life savings deposited into Euler. I'm not [a] whale or millionaire. You can't imagine the mess I'm into right now, completely destroyed. I'm pretty sure 20M is already life changing for you and you'll bring back joy to a lot of affected people. 【編集部訳】90%でも80%でも構わないので、返却を検討してもらえないでしょうか。私はEulerに人生の貯金である78wstETHを預けていただけの、ただのユーザーです。クジラでも富豪でもありません。今私が陥っている混乱は想像もつかないと思いますが、文字通り完全に破壊された状態です。あなたにとっての2,000万ドルは、もう人生を変えるのに十分な額のはずですし、それを返してくれるだけで多くの人々に喜びを取り戻せます。 3月17日12時:100ETHをRonin Bridge攻撃の犯人アドレスへ送金 3月17日12時、攻撃者は100ETHを、北朝鮮のラザルスグループによる犯行とされるRonin Bridge攻撃の犯人アドレスへ送金しました。攻撃者がラザルスグループの犯行と見せかけたかったのか、それとも本当にラザルスグループの一員だったのかは、現在に至るまで明らかになっていません。 3月18日15時:3,000ETHを3回に分けてEuler Financeへ返還 3月18日15時、攻撃者はEuler Financeに対し、3,000ETHを3回に分けて返還しました。同時に、イーサリアムネットワーク上に攻撃者からの謝罪文も投稿されています。 3月25日12時:51,000ETHをEuler Financeへ返還 3月25日12時、攻撃者は51,000ETHをEuler Financeへ返還しました。返還されたETHは、被害額全体の約43%に相当する規模でした。 3月26日0時:ETHとDAIの一部を分割してEuler Financeへ返還 3月26日0時、攻撃者は30,952ETHを4回、4,300万DAIを4回にそれぞれ分割してEuler Financeへ返還しました。 3月28日10時:攻撃者が謝罪のメッセージをEuler Financeのアドレスへ送信 3月28日10時、攻撃者はEuler Financeのアドレスへ、自らを「Jacob」と名乗る謝罪メッセージを送信しました。実際に送信された謝罪文は以下の通りです。 【原文】 Jacob here. I don't think what I say will help me in any way but I still want to say it. I fucked up. I didn't want to, but I messed with others' money, others' jobs, others' lives. I really fucked up. I'm sorry. I didn't mean all that. I really didn't fucking mean all that. Forgive me. 【編集部訳】Jacobです。何を言っても自分の弁護にならないことは分かっていますが、それでも言わせてほしい。本当にやらかしてしまった。そんなつもりじゃなかったのに、結果的に他人のお金や仕事、人生を巻き込んでしまった。本当に申し訳ない。あんなつもりじゃなかった。本当にあんなつもりじゃなかったんだ。許してほしい。 4月3日19時:残っていた10,580ETHを2回に分けてEuler Financeへ返還 4月3日19時、攻撃者は手元に残っていた10,580ETHを2回に分けてEuler Financeへ返還しました。これにより、合計で約9万5,000ETHと4,300万DAI(合計で約2億2,200万ドル相当)が返還されたことになります。 なお、ドル換算額が当初の流出額(約1億9,700万ドル)を上回っているのは、返還までの期間にETH価格が約17%上昇したためです。攻撃者の手元に残ったのは1,100ETHのみで、当初の流出額の1%にも満たない額となりました。 4月5日0時:Euler Financeから資金回収完了の発表 引用:@eulerfinance(X/旧Twitter) 4月5日0時、Euler Financeから資金回収完了のお知らせが正式に発表されました。 4月6日5時:Euler Financeが、ユーザーへの返還計画を公表 引用:@eulerfinance(X/旧Twitter) 4月6日5時、Euler Financeはユーザー向けの返還計画を発表しました。返還はETH、DAI、USDCの3つの資産で請求が可能であり、返還後に余剰となった資産はユーザー間で公平に分配される方針が示されています。 事件後のEuler Finance:Euler v2のローンチと復活 事件発生当時、多くの市場参加者は「Euler Financeは終わった」と評していました。しかし、それから約1年半後の2024年9月、Euler Financeは再設計版である「Euler v2」をローンチし、本格的な復活への道を歩み始めます。 モジュラー型のレンディング基盤への進化 Euler v2は、単一のレンディングプール型だった旧Euler Financeとは設計思想を大きく変え、「Vault」を組み合わせて使うモジュラー型のレンディング基盤として設計されました。中心となるコンポーネントは以下の2つです。 Euler Vault Kit(EVK):ERC-4626準拠のVault(金庫)を、開発者がパーミッションレスにデプロイ・組み合わせて、独自の貸付市場を構築できるツールキット Ethereum Vault Connector(EVC):複数のVaultを相互接続し、あるVaultへの預け入れを別のVaultでの担保として認識できるようにする、イミュータブルな相互運用レイヤー 暗号資産だけでなく、トークン化された実物資産(RWA)や合成資産まで、用途に合わせたVaultを誰でも構築できる柔軟さが、Euler v2の最大の特徴です。 事件の教訓を踏まえた、桁違いのセキュリティ投資 Euler v2の開発・ローンチにあたっては、事件の反省を踏まえてかつてないレベルのセキュリティ投資が行われました。Euler Financeの公式情報によれば、ローンチ前には13社・31件の第三者監査と、約400万ドル規模のセキュリティ予算が投じられています。EVKの公開時には、Cantina上で開催されたコード監査コンペティションの賞金規模が125万ドルと、当時の業界記録を更新するものとなりました。 TVLの劇的な回復とマルチチェーン展開 その結果、事件直後にはわずか450万ドル程度まで落ち込んでいたTVL(Total Value Locked、預け入れ資産総額)は、Euler v2のローンチ後に急速に回復していきます。Alea Researchの「State of Euler Q1」レポートによれば、2025年第1四半期末時点でユーザーの預け入れ総額は約8.9億ドルに到達。さらにToken TerminalやOAK Researchなどのレポートによると、2025年後半から2026年初頭にかけてTVLは20億ドル規模を突破しており、事件以前の歴史的最高値の数倍に達する水準まで劇的な拡大を遂げています。 展開チェーンも、当初のEthereumとAvalancheに加え、2025年第1四半期だけでSonic Labs、Swellchain、BOB、Berachain、Baseの5つのチェーンへと拡大。プロトコル全体ではアクティブなVaultが300弱に達し、Wintermuteからの出資受け入れや、リスク管理のGauntlet社との連携など、機関投資家からの信頼回復も進んでいます。 Usual Stability Loan、Resolv、Apostro BTCなど、Euler v2をベースにした第三者プロダクトの台頭も顕著で、Euler v2は単なるレンディングアプリから、DeFiにおけるレンディング基盤レイヤーへと進化しているといえます。さらに、レンディング機能と統合された独自AMM「EulerSwap」も計画されており、今後のエコシステム拡大の起点として注目されています。 2026年4月時点のEuler Financeとフラッシュローン攻撃の現在 2026年4月時点でEuler Finance事件は、「DeFi史上最大級のフラッシュローン攻撃の一つ」として記憶されています。同時に「攻撃者から資金がほぼ全額返還され、その後プロトコル自身もv2で完全復活した」という、非常に稀なケーススタディとしても語られるようになりました。Coincheckコラム編集部としても、DeFiが抱える脆弱性とコミュニティの自浄力の両面を象徴する事例として、整理しておきたい出来事の一つです。 一方で、Euler事件で名乗り出た攻撃者「Jacob」については、本記事公開時点では公的に身元が特定・逮捕されたという正式な情報は確認できていません。ややこしい点として、2025年2月にカナダ国籍のAndean Medjedovic氏(当時22歳)がDeFiプロトコルへの攻撃で米司法省から起訴されていますが、起訴対象はKyberSwap(2023年11月、約4,880万ドル)とIndexed Finance(2021年、約1,600万ドル)への攻撃であり、Euler Finance事件は含まれていません。両者を直接結びつける公式情報も、現時点では公開されていません。 フラッシュローン攻撃そのものは、その後も完全に過去の話にはなっていません。OWASPがまとめた2025年版のスマートコントラクトセキュリティ上位10件(SC07:2025)でも、フラッシュローン攻撃は引き続き主要な脅威カテゴリに位置付けられており、2024年に発生したDeFi関連のセキュリティ事案のうち、相当割合がフラッシュローンを伴うものであったとされています。Radiant Capital、Gamma Strategies、Goledo Financeなど、2024年以降も中規模クラスのフラッシュローン関連事案は断続的に発生しているのが実情です。 主な対策としては、価格オラクルの操作を防ぐためのTWAP(時間加重平均価格)や複数オラクルの組み合わせ、フラッシュローン中の特定操作を制限する設計、そしてEuler v2のような桁違いのセキュリティ投資による事前検証などが挙げられます。Euler Finance事件はその後、こうした対策の重要性を語る上で必ず引き合いに出される、いわば「教科書事例」となりました。 DeFiは依然として進化途上の領域であり、こうした事件と再起の歴史を理解しておくことは、暗号資産との付き合い方を考える上でも有益です。日常的な暗号資産の購入・保有については、まずは金融庁登録済みの国内暗号資産交換業者(Coincheckなど)を入口にするのが分かりやすい選択肢です。DeFiやNFTといった応用領域に踏み込むかどうかは、本記事のような事例も参考にしつつ、それぞれのリスクとメリットを十分に理解した上で判断するのが安全です。 Coincheck(コインチェック)の安全性やセキュリティについて Coincheck
高度な自然言語処理を行うことができるChatGPT。その万能性や利用可能性から大きな話題を呼んでいる生成系AIですが、ChatGPTでは実際に何ができるのでしょうか。 本記事では実際にChatGPTを使いながら、ChatGPTのできることや活用事例、利用の基礎知識、注意点、できないことを解説していきます。 この記事でわかること ChatGPTの基礎知識「プロンプト」とは ChatGPTでできること ChatGPTではできないことや苦手なこと、注意点 Coincheckの無料登録はこちら 目次 ChatGPTとは ChatGPTの基礎知識「プロンプト」や「呪文」とは ChatGPTではできないことや苦手なこと、注意点 ChatGPTでできること 会話 翻訳 原稿作成 文章要約 プログラミング 楽譜作成 ChatGPTの活用事例 まとめ Chat GPTとは ChatGPTとは、文章生成系・自然言語処理系のAIです。アメリカのOpenAI社により開発・提供されている、チャットを通して会話形式でAIが利用できるサービスです。 ChatGPTは2023年4月18日時点で、OpenAIのアカウントを開設していれば無料で利用することができます。有料版のChatGPT Plusというサービスも存在し、無料版と比較して高性能な学習モデルのAIを使うことができます。無料版はGPT-3という学習モデル、有料版はGPT-4という学習モデルを用いており、GPT-4では画像処理を行うことが可能です。 なお、2023年4月18日時点、ChatGPTでは画像処理機能は提供されていません。 参考:OpenAI GPT-4 ChatGPTは生成系AIの中でも特に話題を集めていながら、各国の法整備などが追い付いていないため、国により対応や姿勢が異なります。 たとえば、イタリアでは2023年3月31日時点でChatGPTの利用を一時的に停止していますが、反対に日本ではOpenAI社のCEOサム・アルトマン氏が首相の岸田文雄氏と面会を行ったことが報じられ話題になってています。 ChatGPTの始め方・使い方とは 登録やログイン方法などを解説 料金や日本語対応などの注意点は? Coincheck ChatGPTの基礎知識「プロンプト」や「呪文」とは ChatGPTほか、「Midjourney(ミッドジャーニー)」や「Stable Diffusion」、「Nobel AI」などの生成系AIを利用する際に、我々ユーザーが打ち込む文を「プロンプト」や「呪文」と呼びます。 ChatGPTでの生成は、プロンプトの質が生成物の質に直結するため、望む結果を得るために適切なプロンプトを入力する必要があります。 記事執筆時である2023年4月18日時点では、「プロンプト」という呼称のほうが浸透しているように伺えますが、2022年8月ごろの「Midjourney」の登場による生成系AI流行の発端では、「呪文」という言葉が浸透していました。また、「呪文」はサブカルチャー方面でのAI生成でよく使われている言葉でもあります。 プロンプトの情報を調べる際には、生成したいものにあわせて「プロンプト」と「呪文」を使い分けましょう。 ChatGPTでは、まず「プロンプト」として調べることをおすすめします。本記事内でも、指示文に関しては「プロンプト」と表記します。 ChatGPTでプロンプトを使う際は、他のユーザーの入力方法を参考にしたり、直接ChatGPTに聞いてみたりすると、より良質なプロンプトが作れる傾向にあります。たとえば、「このプロンプトにより正確な指示を追加してください」や「このプロンプトに足りない指示を教えてください」のように入力することで、プロンプト自体の情報量を増大させることができ、より望んだ結果に繋がりやすくなります。 また、ChatGPTの活用方法やプロンプトの解説と称した高額の情報商材も見受けられますが、広告としている映像や成果物が実際にAIで生成したものではない著作物だったり、中身が伴っていなかったりするケースが散見されます。 安易なプロンプト情報への課金は避けたほうが良いかもしれません。 ChatGPTではできないことや苦手なこと、注意点 ChatGPTを利用する上で、いくつかの注意点があります。 まず、ChatGPTは正確な情報を生成するとは限りません。あくまでも自然言語処理になるため、それっぽい回答を行うことに長けています。 また、リアルタイムの情報を扱うことができず、学習データも2021年までとなっているため、最新情報やリアルタイム情報は扱えません。そのため、「現在の渋谷の天気を教えて?」などのプロンプトは、正確な結果を得られません。 入力内容はChatGPTのトレーナーにより閲覧可能であるため、機密情報や秘密情報の入力も避けるべきです。 詳しくはこちらの記事内をご覧ください。 ChatGPTを利用する上での注意点 Coincheck ChatGPTでできること ChatGPTでは、テキストボックスに入力可能な文章や言語であれば、基本的には何でもできると言えるでしょう。 リアルタイム処理や正確性の担保、機密情報などの扱いはできませんが、それ以外のことはユーザーの想像力や、プロンプトの入力制度によって実現可能でしょう。想像次第で可能性が無限大であるということが、ChatGPTの熱狂を引き起こしているように見えます。 会話 ChatGPTは役割を理解させ、ロールプレイ的な会話ができます。 今回は、ChatGPTに「あなたはピザ屋の愉快な店主です。客とのやり取りを行い、ピザの注文を受け、会計を行ってください」と設定し、会話を行ってもらいました。 筆者は自分が客になる想定でしたが、ChatGPTが会話形式の文章を生成しました。 想定とは異なるものが生成されましたが、出来は良いでしょう。 プロンプトを改め、再度挑戦します。会話形式で修正が行えることも、ChatGPTの強みの一つです。 再び客になれなかったため、一度生成を停止し再度プロンプトを入力したところ、会話ができました。 現在利用しているGPT-3では、税金を含む会計は少々難しかったようですが、会話機能は満足できるクオリティのように見えます。 もっとも、税の対応は専門資格が設けられるレベルですから、自然言語処理としては及第点ではないでしょうか。 次に、GPT-4を用いて同様のやりとりを行いました。 GPT-4の出力結果はGPT-3と比べても詳細かつ具体的であり、消費税の計算も正しくできていました。 翻訳 学習モデルには日本語が含まれているため、ChatGPTでの処理・生成は行えますが、 ChatGPTはOpenAIのWEBページを含め、日本語に対応していません。 そこで、ChatGPTのページに記載されているChatGPTの説明・イントロダクションを翻訳してもらいました。 グローバル企業が扱う英語はわかりやすいためか、ChatGPTでも綺麗に翻訳することができました。 原稿作成 原稿作成の実験として、日本での自動車運転免許の取得方法を400文字程度で執筆してもらいました。 内容に若干の不足がありますが、文章としては成立しており、破綻も見られません。 具体的に不足や構成の不備を指摘するとなると、指定自動車教習所に通学すると技能試験が免除されるという制度があるため、こちらを先に記述しておくべきでしょう。 文章要約 前項で生成した400文字程度の原稿を、100文字程度に要約してみましょう。 前項で生成した文章を要約しているため内容の不足等はありますが、必要な情報は残っており、要約内容も概ね満足するクオリティでしょう。 一般に400文字から100文字への要約は、重要情報の抽出や取捨選択にある程度の労力がかかります。 生成にかかった時間も10秒程度であったため、要約は一般的な人間よりも優秀であるように見えます。AIと要約力を競ってみたい方は、同じテーマで戦ってみても面白いかもしれませんね。 プログラミング ChatGPTでは、プログラムを生成したり、プログラミングのミス・バグを修正したりすることが可能です。 ChatGPTをプログラミングへ活用した事例は多く存在します。ルールに準拠して記述するプログラミング言語は自然言語に比べて機械学習との相性が良いとも言われており、プログラミングへの活用は多く試みられ、成果が出ているようです。 楽譜生成 エレキギターの譜面を生成してもらいました。 それっぽいものは生成できていますが、指定した通りにはできていません。 コードの押さえ方はしっかりと生成できていました。 GPT-4だと、特定のアーティストの雰囲気を指定し、楽譜を生成できるとの情報もあるため、音楽理論に則った楽譜や、譜面を大量に出しているアーティストへの活用はできそうです。 Coincheckの無料登録はこちら ChatGPTの活用事例 ChatGPTは、日本の中央省庁での活用が前向きに検討されており、今後行政サービスや省庁内業務内での活用が行われる可能性があります。 農林水産省では、既存情報の簡略化や更新作業などに利活用する検討を進めていることを公表しています。ChatGPTは仕様上、入力した秘密情報の流出リスクがあるため、秘密情報を扱う分野での利活用は、検討段階ではないとみられます。 参考:農林水産省 野村農林水産大臣記者会見概要 要約すると、農水省では単純な言語処理としての利用は検討中と言えるでしょう。 日本の省庁では、すでにMicrosoft製品を多数導入しているため、Microsoft社とのパートナーシップ関係にあるOpenAI社のChatGPTは、導入の意思決定において有利に働くのかもしれませんね。 Coincheckの無料登録はこちら まとめ 生成系AIとして大きな話題を呼んでいるChatGPT。すでに中央省庁での利用が検討されていることから、このようなAIが社会にインパクトを与えることは確実視する声があります。 ChatGPTの学習データは2021年のものまでですが、よく考えてみると日々の生活には最新情報はあまり必要なく、意図的に情報取得を試みない限りは不要なものともいえるかもしれません。 一般のWEBユーザーは検索を自然言語的に行う人も多いため、機械語的に「検索」を行うよりも、AIに「対話」してしまったほうが都合がよい事態は想像に容易いでしょう。 そのため、現在のWEBにおける検索エンジンが対話型AIに置き換わるといった事態も起こりえる可能性も論じられます。 ITにかかわる人たち以外も、AIによる社会の変化に対応できる柔軟な姿勢が、未来の明暗を分けるかもしれませんね。
話題沸騰中の自然言語処理・テキスト生成系AIの「ChatGPT」。 ChatGPTはOpnenAI社が開発・発表したアプリケーションですが、どのような活用方法があるのでしょうか。 本記事では、ChatGPTの特徴や機能を解説しながら、始め方や注意点、利用方法などをご紹介します。 この記事でわかること ChatGPTの特徴 ChatGPTを使い始める手順 ChatGPTを利用する上での注意点 Coincheckの無料登録はこちら 目次 ChatGPTとは ChatGPTの特徴 BingGPTとの違い 自身でデータセットを用意する必要はない 課金プランあるが、料金は無料で利用可能 GPT-3を超えた言語モデルGPT-4とは ChatGPTを使い始める手順 Open AIにアカウントを登録する ChatGPTにログインする AIとチャットしてみる ChatGPTを利用する上での注意点 機密情報を載せない 最新のデータがない 日本語版がない Google翻訳などのブラウザ翻訳機能を使うとエラー 文章が途中で切れることがある ChatGPTを謡った詐欺コインが多数 まとめ ChatGPTとは ChatGPTとは、OpenAI社が手掛ける自然言語処理系のチャットボットAIです。 2023年3月15日時点では、無料アカウントではGPT-3という言語の学習モデルをもとにしており、利用者とチャット形式で会話することができます。 利用者はChatGPTに対し、質問形式や支持形式などで動作・生成文章を制御することができ、単純な会話だけではなく、文章生成や質疑応答、文章添削、プラグラミングのコード生成などが可能です。 ChatGPTはインターネットにアップロードされた文章をもとに学習しているため、インターネットの集合知を取り出せるツールと例えられるでしょう。 なお、ChatGPTにより生成されている文章は、もっともらしい表現になりますが、内容が正確であるとは限らないため、利用方法には注意が必要です。 ChatGPTの特徴 ChatGPTの特徴は、LINEやMessengerのようなチャットアプリのように利用できることです。利用者はあたかもチャットの相手が人間であるかのような感覚になるでしょう。 また、ChatGPTは無料で利用することが可能であり、手軽に高性能なAIを試すことができます。 BingGPTとの違い 同じような自然言語処理AIとして、「BingGPT」というものが存在します。BingAIはMicrosoftが開発しており、同社が提供するWEBブラウザ「Microsoft Edge」のチャット機能に組み込まれています。 チャット機能のほか、メール用やブログ投稿用に文章生成や添削を行う機能などが標準で搭載されています。 こういった機能は、ChatGPTでは自身が指示文内で指定しなければならないため、便利さではBingAIに軍配が上がるでしょう。 また、BingAIの学習モデルは「GPT-4」と呼ばれるもので、無料版のChatGPT用いている「GPT-3」の次世代となっています。(有料版はGPT-4になっています。) GPT-3と比較すると学習量が膨大であるため、学習モデル自体はBingAIのほうが優秀であると言えるでしょう。 自身でデータセットを用意する必要はない ChatGPTは、先述の通りGPT-3という学習モデルを使っており、ユーザーが学習モデル自体を変更することはできません。そのため、自身で学習済みのデータセットを用意したり、特定の生成に特化するための学習をさせたりする必要はありません。 文章は基本的にルールに則って記述するため、画像生成などに比べてベーシックな学習モデルで幅広く対応が可能なのでしょう。 なお、自身で環境構築をして利用するAIでは、特定の分野に特化した学習済みのデータを用意すると生成データの質がよくなる傾向があります。 たとえば、Stable Diffusionというテキストから画像を生成するAIでは、生成したいものに合わせた学習データを用意する動きが活発です。 課金プランあるが、料金は無料で利用可能 ChatGPTは非常に高性能なテキスト生成AIですが、2023年3月15日時点では無料で利用することが可能です。BingAIは無料であるものの、一日当たりの利用可能回数が決まっているため、無料で何度でも利用可能というのはユーザーにとっては嬉しいポイントですよね。 なお、「ChatGPT plus」という有料プランもあります。 有料プランでは、学習データがGPT-4という無料版のChatGPTよりも高性能なものを使用しています。そのため、より質の高い文章の生成が可能になっており、さらに長い文章の生成、素早い生成などが可能になっています。 GPT-3を超えた言語モデルGPT-4とは OpenAIは、2023年3月14日にGPT-4という言語モデルを公開しました。 GPT-4は、GPT-3やGPT-3.5と違い、画像の処理も可能です。 なお、2023年3月30日時点では、ChatGPT上では画像処理を行うことはできません。データモデルとしては画像処理機能が備わっているため、ChatGPTでの画像処理は実装を待つことになります。 開発元のOpenAIからは詳細な性能や学習モデル数、学習方法などは公表されていませんが、ベンチマークテストでは性能が高く、ユーザーの満足度も向上しているように伺えます。OpenAIは、これまでのモデルなどはオープンソース的な運用をしていましたが、GPT-4では従来型のクロードな運用を行っています。 GPT-4は、人間用の試験やテストでも高い得点を出せる性能であり、司法試験や医師試験でも優秀なスコアが出せるとの報告があります。 なお、GPT-4もGPT-3などに引き続き、回答が正確である確証はないため、利用には知識が必要です。 2023年3月29日時点では、GPT-4を使うにはBingAIか、ChatGPTの有料版が必要になります。 Coincheckの無料登録はこちら ChatGPTを使い始める手順 ChatGPTは、提供元のOpenAIにアカウント登録をすれば無料で利用することができます。 ただし、OpenAIは日本語に対応していないため、英語に不慣れな方などはこの記事を参考にしてみてください。 Open AIにアカウントを登録する 出典:ChatGPT OpenAIにアクセスし、「Try ChatGPT」を選択します。 出典:ChatGPT Welcome to ChatGPT Log in with your OpenAI account to continue という画面で、アカウントを所有していない場合はSign UPを選択します。 出典:ChatGPT メールアドレスとパスワードを入力し、Continueを選択します。 出典:ChatGPT 出典:ChatGPT 認証メールが届き、メール内の「Verify email address」を選択すると、ユーザー名の登録と、電話番号の認証になります。 出典:ChatGPT SMSが届かない場合はスパムフォルダを確認しましょう。(筆者は電話認証の際にSMSがスパム扱いされていました。) ChatGPTにログインする 出典:ChatGPT OpenAIへアカウント開設が完了すると、Try ChatGPTからChatGPTの利用が可能になります。時間が経つとログアウトされてしまうため、その場合はログインしておきましょう。 出典:ChatGPT AIとチャットしてみる ChatGPTと実際に話してみましょう。今回は、ChatGPTにChatGPTの使い方を聞いてみました。 出典:ChatGPT トークボックスにチャットを入力するだけで気軽に利用できます。 ChatGPTを利用する上での注意点 ChatGPTを利用する上で、機密情報や翻訳機能の扱いなど注意するポイントがあります。 利用時に注意事項は表示されますが、詳しくは下記を参考にしてください。 機密情報を載せない ChatGPTでは、機密情報を入力しないようにしましょう。会話自体が直接学習されることはありませんが、会話内容をOpenAIのAIトレーナーが会話を閲覧することが可能です。 また、他の自然言語処理系の翻訳AI「Deep L」では、無料アカウントだと入力内容を学習しているため、同様のサービスでも機密情報の入力は避けるべきです。 以下原文 Conversations may be reviewed by our AI trainers to improve our systems. Please don't share any sensitive information in your conversations. 最新のデータがない 2021年9月までのデータを学習データとして使用しているため、2021年以降の出来事や世界への知識がありません。 そのため、最新の事項については対応することが困難となっています。 以下原文 Limited knowledge of world and events after 2021 日本語版がない ChatGPTには日本語版が存在しません。学習モデルでは日本語やその他言語も学習しているため日本語での利用は可能です。しかし、OpenAIのアカウント解説や、ChatGPTの操作で日本語は扱えないため注意が必要です。 Google翻訳などのブラウザ翻訳機能を使うとエラー ChatGPTには日本語版が存在しませんが、ブラウザの翻訳機能を使いながらChatGPTを利用するとエラーが発生します、利用時には、ブラウザの翻訳機能はオフにしましょう。 文章が途中で切れることがある ChatGPTは、生成した文章が途中で切れることがあります。無料アカウントでは生成可能な文字数が制限されていますが、「続き」と言えば続きを生成してくれることがあるようです。 ChatGPTを謡った詐欺コインが多数 あたかもChatGPTやOpenAIに関連しているかのような詐欺トークンが多数確認されています。ChatGPTやOpenAI自体が発行・開発している暗号資産(仮想通貨)は、2023年3月16日時点では存在しないため、投資の際には注意が必要です。 なお、OpenAIとの関連性はないですが、OpenAIの創業者、サム・アルトマン氏は共同で「Worldcoin」という暗号資産プロジェクトを立ち上げています。AI関連で大きな成果を上げた起業家が舵取りをするプロジェクトには、今後の注目を集めるかもしれませんね。 詐欺コインのような暗号資産への投資を避けるには、金融庁へ暗号資産交換業者登録を行っているCoincheckのような取引所を利用すると安心かもしれませんね。 仮想通貨詐欺に注意!手を出すと危険な詐欺コインの見分け方 Coincheck Coincheckの無料登録はこちら まとめ 序盤でチャット系AIは「知ったふり」をしているというような記述をしましたが、人類も「知ったふり」をして会話をしていることは少なくありませんよね。 AIが発展・台頭してくることにより、人間としての魅力や能力を再考・再発見しなければならない時代に突入していくのかもしれませんね。