アスター(Astar/ASTR)とは?特徴・価格・将来性を解説

暗号資産アスター(Astar/ASTR)は、2022年1月にローンチした日本発のブロックチェーン「Astar Network」のガバナンストークンです。

日本人起業家の渡辺創太氏がCEOを務めるStake Technologiesによって開発・運営されているAstar Networkは、DApps(分散型アプリ)の開発プラットフォームとして多くのエンジニアたちから利用されています。

この記事では、すでにBinanceやKuCoinなどの大手取引所に上場しており、世界中の投資家から注目を集めているアスター(Astar/ASTR)と、日本発のブロックチェーンとして将来を期待されているAstar Networkについて解説していきます。

【2023年最新】アスター(Astar / ASTR)の最新ニュース

Astar

2023年のアスター(Astar/ASTR)に関する最新情報をご紹介します。

JR九州のNFT販売サイト、アスターネットワークを採用

2023年7月19日、JR九州は独自のNFT販売サイト「JR九州NFT」をローンチしました。

JR九州NFTは、NFTを活用することで利用者との多様な接点を築きながら九州の新しい魅力を提案することを目指しており、基盤となるブロックチェーンにアスターネットワークを採用しています。

第1弾の販売商品である「かもめシリーズ」は、最新の西九州新幹線かもめから国鉄色485系まで、1976年以降に九州で運行している列車の中から6種類が商品化され、動画形式のNFTとして各3,300円、各100個限定で販売されています。

参考:「JR九州NFT」プロジェクト 独自のマーケットプレイスにてNFTを販売開始!

渡辺氏率いるStartale Labs、ソニー子会社と資本提携

2023年6月28日、アスター創設者の渡辺創太氏が率いるStartale Labs(スターテイル・ラボ)は、ソニー子会社のソニーネットワークコミュニケーションズと資本提携を行い、約5億円の資金調達を実施したことを発表しました。

シンガポールを拠点とするStartale Labsは、アジアにおけるWeb3の普及を目的として設立された、アプリやインフラ開発に特化したテック企業です。

両者は今回の提携を通じて、Web3のグローバル化に必要となるインフラの確立に取り組んでいくとしています。なお、渡辺氏はSNSのX(旧Twitter)上で、「協業についてすでに議論を開始しており、日本から世界をとるプロダクトを作っていく」と意気込みを述べています。

Astar

引用:X(@Sota_Web3)

アスター(Astar / ASTR)とは

Astar

引用:Astar Network

アスター(Astar/ASTR)は、2022年1月にローンチした日本発のブロックチェーンである「Astar Network」のガバナンストークンです。

人の手を介さずに契約内容を自動で実行できるスマートコントラクト機能を実装していることから、DApps(分散型アプリ)を開発するためのプラットフォームとして多くのエンジニアから利用されています。

Astar Networkのガバナンストークンであるアスターは、ネットワーク内における取引手数料の支払いやステーキング報酬、運営の方針を決めるための投票権を得る手段などに使用されます。

通貨名 アスター(Astar)
ティッカーシンボル ASTR
発行上限枚数 7,000,000,000 枚
リリース 2022年1月
運営会社 STAKE TECHNOLOGIES PTE. LTD.
コンセンサスアルゴリズム NPoS(Nominated Proof-of-Stake)
価格(2023年9月21日時点) 約8.5円
時価総額ランキング(2023年9月21日時点) 105位 ※CoinGecko調べ
過去最高値 44.23円(2022年1月)※CoinGecko調べ
公式サイト https://astar.network/

アスター(Astar / ASTR)の5つの特徴

Astar

Astar Networkおよびアスター(Astar/ASTR)には、主に以下の5つの特徴があります。

  • ポルカドットのパラチェーンの1つ
  • DApps開発のプラットフォーム
  • 国内発のブロックチェーン・プロジェクト
  • EVMとWASM、2つの仮想マシンに対応
  • DAppsステーキング(Build2Earn)

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ポルカドットのパラチェーンの1つ

Astar Networkの1つ目の特徴は、「ポルカドットのパラチェーンの1つである」という点です。

ポルカドットとは、異なるブロックチェーン同士を接続して相互運用することを目的としたプロジェクトで、「リレーチェーン」と「パラチェーン」という2種類のブロックチェーンによって構成されています。

メインチェーンである「リレーチェーン」は、ポルカドットネットワーク全体のセキュリティ維持などを目的としています。

一方の「パラチェーン」は、リレーチェーンに接続されたレイヤー1ブロックチェーンです。リレーチェーンに接続されていることで、メインネット同様のセキュリティの担保が可能で、カスタムによって目的に応じた独自のトークン・経済圏を構築することができます。

また、「ブリッジ」という機能を使うことで、ビットコインやイーサリアムといった外部のブロックチェーンとパラチェーンを接続することも可能です。

Polkdot

引用:Polkdot Whitepaper

アスター(Astar / ASTR)はオークションでパラチェーン枠を獲得

ポルカドットのパラチェーンのスロット(枠)には100個という上限があり、希望者はオークションに参加してスロットに接続する権利を獲得する必要があります。

Astar Networkは、2021年12月に行われた第一弾オークションでスロットに接続する権利を獲得し、ポルカドットのリレーチェーンに接続されるパラチェーンとなりました。

ポルカドットのパラチェーンとなったことで、Astar Networkはメインチェーンと同様の高いセキュリティを享受しながら、他のパラチェーンや外部のブロックチェーンとも相互運用することが可能になりました。

DApps開発のプラットフォーム

2つ目の特徴は、「DApps開発のプラットフォーム」であることです。

Astar Networkには、事前に設定しておいたルールに従って契約や取引を自動で実行できる「スマートコントラクト機能」が備わっています。そのため、多くのエンジニアがAstar Network上でDApps(分散型アプリ)の開発を行なっています。

以下は、Astar Network上で展開されている主なDAppsです。

・Starlay Finance
・ArthSwap
・Kagla Finance
・Astar Exchange
・Algem など

国内発のブロックチェーン・プロジェクト

3つ目の特徴は、「国内発のブロックチェーン・プロジェクト」であることです。

Astar Networkおよび暗号資産アスターは、起業家の渡辺創太氏がCEOを務めるStake Technologiesによって運営されています。渡辺氏はWeb3.0の普及活動を牽引する人物として、ForbesやYahoo!Financeなどの海外メディアでも紹介されるほど注目を集めています。

なお、Stake Technologies社は現在シンガポールを拠点としています。

渡辺創太

引用:Yahoo Finance

EVMとWASM、2つの仮想マシンに対応

4つ目の特徴は、「EVMとWASMという2つの仮想マシンに対応している」点です。

EVM(Ethereum Virtual Machine:イーサリアム仮想マシン)は、イーサリアムの構成要素の1つで、スマートコントラクトを実行する際に必要となる機能を指します。Astar NetworkはEVMに対応しているため、いつでもイーサリアムのスマートコントラクト機能を利用することができます。

一方のWASM(WebAssembly)は、さまざまなプログラミング言語をサポートするアセンブリ言語のことを指します。Astar NetworkはWASMにも対応しているため、エンジニアはC++、Rust、Go、Pythonなどさまざまな言語を用いてDAppsを開発することが可能です。

このように、Astar NetworkはEVMとWASMの2つの仮想マシンに対応しており、さまざまな機能やプログラミング言語を用いてDAppsの開発を行うことができます。開発環境が整っていることで多くのエンジニアがAstar Networkを利用し、結果的にプラットフォームの成長にも繋がるという相乗効果が生まれているのです。

DAppsステーキング(Build2Earn)

5つ目の特徴は、「DAppsステーキングを採用している」点です。

DAppsステーキングとは、Astar Network上でDApps(分散型アプリ)の開発を行うエンジニアに報酬を与えるための仕組みです。DAppのエンジニアは、Astar Network上で開発を行うことで継続的な収入(ステーキング報酬)が得られるので、金銭面の心配をせずに開発に専念することができます。

また、エンジニアでない一般のアスター保有者も、自身が保有するアスターを希望するDAppsプロジェクトにステーキングすることで、一定期間が経過した後に報酬を得ることが可能です。

このように、Astar Networkではエンジニアに継続的な収入を提供する「Build2Earn(開発して利益を出す)」モデルを採用しています。こうした配慮も、多くのエンジニアがAstar Networkを選ぶ動機となっているようです。

アスター(Astar / ASTR)の価格推移【チャート解説】

Astar

引用:CoinGecko

上の画像は、リリース(2022年1月)から現在(2023年2月中旬)に至るまでのアスター(Astar / ASTR)のチャートです。

2022年1月17日にリリースされたアスターは、リリース直後に約33円という値をつけます。しかし、数日と経たないうちに急落し、同月25日には10円台まで下落します。

その後2か月ほど10円台前半で推移していたアスターは、2021年3月下旬になると一転して急騰し、4月10日にはこれまでの最高値となる44円台を記録します。なお、この時の高騰はAatar Network上で新規のDappsが数多くリリースされ、それを市場が好意的に受け取ったことが原因と見られます。

しかし、その後価格は再び下落し、2022年12月まで5円〜7円のレンジで軟調に推移していきます。

2023年になってから価格は緩やかな上昇傾向に

Astar

引用:CoinGecko

2023年に入ると、市場全体が回復基調に転じたことも手伝い、アスターの価格は緩やかに上昇していきます。そして、2022年12月末に約5円だったアスターの価格は、2023年1月末には約7.5円まで回復します。

さらに、2月9日には韓国の大手取引所「Upbit」に上場することが発表されたことを受け、アスターは一時約12円まで急騰します。その後はやや落ち着き、記事執筆時の2023年2月中旬の価格は約10円となっています。

「アスターの価格は今後どうなっていくのか?」

次の章では、アスターの今後を左右する重要なポイントについて解説していきます。

アスター(Astar / ASTR)の将来性・今後の動向

Astar

Astar Networkおよびアスター(Astar / ASTR)の将来性を占う上でのポイントとしては、主に以下の4つがあります。

  • 豊富な出資・提携実績
  • Astar Network上のDAppsの増加
  • DeFi(分散型金融)の普及
  • ポルカドットの発展

どのような内容なのか、順番に解説していきます。

豊富な出資・提携実績

1つ目は「豊富な出資・提携実績」です。

Astar Networkは、その将来性の高さからさまざまな企業や個人投資家から出資を受けています。

【Astar Networkの主な出資者】

  • Coinbase
  • Crypto.com Capital
  • Alchemy Ventures
  • ギャビン・ウッド(イーサリアム共同創設者、ポルカドット創設者)
  • 本田圭佑
  • コインチェック など

参考:Web3.0時代を牽引する暗号資産・NFT関連のスタートアップを 支援する「Coincheck Labs」始動

また出資だけでなく、Astar Networkはさまざまな企業との提携も積極的に進めています。

【Astar Networkが提携している主な企業】

  • Microsoft
  • Amazon Web Services(AWS)
  • NTTドコモ
  • SMBC日興証券
  • 博報堂 など

このような出資・提携実績から、Astar Networkが多くの企業から将来性を高く評価されていることがわかります。

Astar Network上のDAppsの増加

2つ目は「Astar Network上のDAppsの増加」です。

Astar Networkは、DApps開発のプラットフォームとして多くのエンジニアに利用されています。

2023年2月現在、Astar Network上で運営されているDAppsの数は50を超えています。今後さらにネットワーク上でDAppsの数が増えていけば、それに伴いAstar Networkの知名度も上昇していくことが考えられます。

DeFi(分散型金融)の普及

3つ目は、「DeFi(分散型金融)の普及」です。

Astar Network上で開発・運営されているDAppsは、DeFi(分散型金融)に関連したプロジェクトが中心となっています。

DAppsに関するさまざまなデータを提供している「DappRadar」で、Astar NetworkのDApps取引量ランキング(2023年2月14日時点)を見ても、DeFi関連のアプリが多くランクインし、ネットワークの主力となっていることがわかります。

DappRadar

引用:Top Astar Dapps | DappRadar

ポルカドットの発展

4つ目は、「ポルカドットの発展」です。

前述したように、Astar Networkはポルカドットにパラチェーン接続しているため、ポルカドットのセキュリティ性能を享受しながら、他のパラチェーンの機能も利用することが可能です。

そのため、今後ポルカドットの開発が進み性能が向上したり、ポルカドットに接続されるブロックチェーンが増えたりすることがあれば、それに伴いAstar Networkの利便性や需要も高まっていくことが考えられます。

アスター(Astar / ASTR)はいくらまで上がる?海外サイトの価格予想

Astar

アスター(Astar / ASTR)に興味をお持ちの方は、今後アスターの価格がどのように変化していくのかに関心があるのではないでしょうか。

暗号資産関連のニュースの掲載や価格予想を行っている海外のサイトでは、2023年のアスターの価格を以下のように予想しています。

Price Prediction → 最低価格 = 0.079ドル(約10.3円)、最高価格 = 0.092ドル(約12円)
BitcoinWisdom → 最低価格 = 0.068181ドル(約9円)、最高価格 = 0.085226ドル(約11円)
DigitalCoinPrice → 最低価格 = 0.0785ドル(約10.3円)、最高価格 = 0.19ドル(約25円)
※2023年2月9日の為替レートで計算

現在(2023年2月9日)、アスターの価格は約9円です。海外の価格予想サイトの多くは、現時点の価格が2023年の最低ラインだと考えているようです。

※本記事はアスター(Astar/ASTR)の価格上昇を保証するものではありません。予想に反して損失を被る可能性もあるため、投資はご自身の判断と責任において行ってください。

アスター(Astar / ASTR)を購入できる取引所

アスター(Astar / ASTR)を取り扱っている取引所としては、主に以下が挙げられます(2023年2月9日時点)。

(国内)
・bitbank

(海外)
・Binance
・Gate.io
・KuCoin
・BKEX など

※2023年2月9日現在、Coincheckではアスター(Astar / ASTR)を取り扱っていません。

アスター(Astar / ASTR)に関するQ&A

アスター(Astar/ASTR)に関するよくある疑問を、Q&A形式でご紹介します。

Q.アスター(Astar/ASTR)とは何ですか?

アスターは、2022年1月にローンチした日本発のブロックチェーンである「Astar Network」のガバナンストークンです。Astar Network内における取引手数料の支払いやステーキング報酬、運営の方針を決めるための投票権を得る手段などに使用されます。

Q.アスター(Astar/ASTR)にはどんな特徴がありますか?

アスターには、主に以下の5つの特徴があります。

  • ポルカドットのパラチェーンの1つ
  • DApps開発のプラットフォーム
  • 国内発のブロックチェーン・プロジェクト
  • EVMとWASM、2つの仮想マシンに対応
  • DAppsステーキング(Build2Earn)

Q.アスター(Astar/ASTR)の過去最高値はいくらですか?

アスターの過去最高値は、44.23円です(2022年1月)。

Q.アスター(Astar/ASTR)の将来性について教えてください。

アスターの将来性を占う上でのポイントとしては、主に以下の4つがあります。

  • 豊富な出資・提携実績
  • Astar Network上のDAppsの増加
  • DeFi(分散型金融)の普及
  • ポルカドットの発展

まとめ

アスター(Astar/ASTR)の特徴、価格推移、将来性などについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

日本発のブロックチェーンでスマートコントラクトを実装しているAstar Networkは、DApps(分散型アプリ)を開発するためのプラットフォームとしてすでに多くのエンジニアから利用されています。

また、Astar Networkのガバナンストークンであるアスター(Astar/ASTR)も、BinanceやKuCoinなどの大手取引所に上場されており、将来性のある暗号資産として多くの投資家から注目されています。

今後、Astar Networkおよびアスターがさらに成長していけるかどうかは、Astar Network上で開発・運営されるDAppsの増加や、DeFi(分散型金融)の発展・普及などに影響を受ける可能性が高いでしょう。

※本記事はアスター(Astar/ASTR)の価格上昇を保証するものではありません。予想に反して損失を被る可能性もあるため、投資はご自身の判断と責任において行ってください。