「イーサリアムとリップルの将来性はどうなんだろう?」
「ビットコイン以外の暗号資産(仮想通貨)も買ってみたい。イーサリアムとリップルなら、どっちがおすすめ?」
暗号資産はビットコインから入る人が多いですが、次のステップとして他の通貨を買いたいと考えたとき、選択肢として挙がりやすいのが「イーサリアム(Ethereum/ETH)」と「リップル(Ripple/XRP)」の2つ。
結論からお伝えするとイーサリアムもリップルも将来性が期待できる銘柄です。それぞれの暗号資産の特徴を学び、将来性を見極めた上で購入を検討してみてください。
そのための参考情報として、今回はイーサリアムとリップルの主たる特徴を解説します。実は、この2つの暗号資産は、まったく異なる顔を持っているのです。
目次
イーサリアム(ETH)とリップル(XRP)は両方ともに将来性に期待できる
それぞれの特徴を解説する前に、暗号資産全体の中で、イーサリアム(Ethereum/ETH)とリップル(Ripple/XRP)がどのような位置にいるのか、確認しておきましょう。
下の図は、暗号資産の時価総額トップ10を表示した図です。
時価総額で圧倒的な1位をひた走るビットコインは別格として、イーサリアムが2位をリップルが6位と追い掛ける形になっています。(※2022/7/22時点 )
初めての暗号資産はビットコインを買う人が多く、次にイーサリアムやリップルにチャレンジしたいと考える人が多いのも納得の結果といえるでしょう。
このイーサリアムとリップルは、ユニークな特徴を持っています。詳しく解説してきます。
イーサリアム(ETH)の特徴
最初にイーサリアム(Ethereum/ETH)の特徴から解説します。
イーサリアムには、大きく分けて5つの際立った特徴があります。
① スマートコントラクトが実装されている
② DApps(分散型アプリケーション)の開発プラットフォームを提供している
③ ブロック作成時間が短い
④ 発行上限・半減期がない
⑤ EEA(イーサリアム企業連合)の存在
順に見ていきましょう。
スマートコントラクトが実装されている
イーサリアムの1つめの特徴は「スマートコントラクトが実装されている」ことです。
スマートコントラクトは「既存の社会システムを変えるかもしれない」と期待される技術です。それが実装されているイーサリアムへの期待も、おのずと大きくなります。
スマートコントラクトとは、ごく簡単にいえば「契約の自動化」。
ブロックチェーン上に複雑な情報を記録する仕組みを利用し、時間や手数料などのコストをかけずに、自動的に契約することが可能になります。
具体的には、ネット投票の実現や保険の支払いの自動化など、生活の中での活用を目指して実証実験が行われています。実現すればその影響力は計り知れないでしょう。
DApps(分散型アプリケーション)の開発プラットフォームを提供している
2つめの特徴は「DApps(ダップス、分散型アプリケーション)の開発プラットフォームを提供している」ことです。
イーサリアムが提供するDAppsからヒット商品が出れば、それに引っ張られる形でイーサリアムの成長も見込めます。
DAppsは、Decentralized Applicationsの略語。中央管理者やベンダーが存在しないアプリケーションのことを指します。オープンソースで提供され、仕様変更や改良は利用者の合意によって行われます。
イーサリアムは金融以外のサービスでも容易にDAppsを開発できるプラットフォームを提供しており、数多くのDAppsがイーサリアム上で開発され、さまざまなヒット商品も出ています。
一例として、ゲームの「くりぷ豚レーシングフレンズ」があります。
くりぷ豚って何?
『くりぷ豚(トン)』は、日本初のブロックチェーンゲーム(DApps)です。
およそ3京6,000兆通りのパターンがある不思議な生き物「くりぷトン」をお見合いして新しいトンを収集したり、育成して他のオーナーとレースで競いあいます。
従来のゲームとは異なる点は、イーサリアムを利用してつくられたプラットフォーム内で使われている暗号資産イーサ(Ether)を用いた事により、キャラクターやアイテムが「オーナー制」「資産性」「改ざん耐性」を持ったことです。
例えば、所持している「くりぷトン」をイーサリアムを介して、他のオーナーとトレードすることが可能です。
出典:くりぷ豚レーシングフレンズ
イーサリアム上で開発されたゲームでは、ゲーム内で使用される通貨がイーサリアムであったり、プレイすることでイーサリアムを得られたりします。
これは、イーサリアムの普及に一役買っており、今後もヒット商品が出る度に、イーサリアムの認知度が上がっていくでしょう。
ブロック作成時間が短い
3つめの特徴として「ブロック作成時間が短い」ことが挙げられます。
利用者にとっては決済が早いというメリットがあるため、イーサリアム普及の強みとなります。
具体的なイーサリアムのブロック作成時間は、約12秒。ビットコインの約10分と比較すると、かなりブロック作成にかかる時間が短いことがわかります。
ブロック作成時間が短いことで、処理スピードが早くなり、スピーディーな決済が可能になっています。
発行上限・半減期がない
4つめの特徴として、イーサリアムには「発行上限・半減期」はありません。
安定した価格を維持しやすいので、暴落するリスクが少ないといえます。
他の暗号資産と比べると、例えば、ビットコイン(BTC)は2,100万枚と発行上限が決められています。また、およそ4年に1度のペースで半減期(マイニング報酬が半減するタイミング)を迎え、半減期の前後では価格が変動しやすくなります。
一方、発行上限・半減期がないイーサリアムでは、半減期による相場の影響を受けることがないので、安定した価格を維持しやすいといえます。
EEA(イーサリアム企業連合)の存在
5つめの特徴として「EEA(イーサリアム企業連合)」の存在にも注目です。
簡単にいえば、イーサリアムのバックには、強い力を持った企業が付いているということです。
EEAとは、イーサリアムの技術を開発している企業連合のことです。EEAには、マイクロソフト、インテル、トヨタ自動車の子会社TRI、三菱UFJフィナンシャル・グループなど、そうそうたる企業が参画しています。
イーサリアムにそれだけ期待が寄せられていることの証でもありますし、大企業にサポートされていることで、これからも安定的な運用の継続を見込むことができます。
イーサリアムをもっと知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
イーサリアムの最新チャート
最後に、イーサリアムのリリースから現在までのチャートを確認しておきましょう。
出典:
CoinMarketCap
2017年末〜2018年初頭の暗号資産ブーム以降は価格が下落しましたが、その後は安定的な価格推移をしていることがわかります。
特に2020年以降は上昇傾向も見られ、期待をかけている人も多いと思われる状況です。
イーサリアムの今後が気になる方は、以下の記事をご覧ください。
リップル(Ripple/XRP)の特徴
次に、リップル(Ripple/XRP)の特徴を見ていきましょう。こちらも、イーサリアムに負けず劣らず、魅力的な通貨です。
① リップル社が管理し、マイニングを採用していない
② 決済スピードが速い
③ 発行上限1,000億枚が発行済み
④ Google Venturesなどが出資し、世界中の金融機関と提携している
リップル社が管理しマイニングを採用していない
1つめの特徴は「リップル社が管理している」こと。
一般ユーザーはリップルのマイニングに参加できず、リップルが許可した特定のバリデーター(承認者)だけが取引記録の追加ができます。
マイニングを採用していないため、マイニングの影響で価格が変動するリスクがありません。価格が安定していれば、その分、リップルの使い勝手は良くなり、利用者が増えていくことになります。
さらに、マイニングを採用していなメリットには以下が挙げられます・マイニングにかかるコストが不要(コンピューターなどの設備費、電気代、手数料など)
・マイナーの意図による影響がない
・管理者がいることで改良が早く、ネットワークが安定する
決済スピードが速い
2つめの特徴は「決済スピードが速い」ことです。リップルは、もともと高速な国際送金の実現を目的に開発された暗号資産です。
国際送金に利用するインフラとしての使い勝手が良いことは、リップルが普及している大きな理由の一つです。
リップル社の公式発表によれば、1件あたりの送金にかかる時間はわずか4秒ほど。ビットコイン(BTC)は1件の送金に約10分かかるといわれているのでので、その早さはダントツです。
リップルは1秒あたりで1,500件のトランザクション処理が行えるとされ、非常に処理能力の高い暗号資産であるといえます。
ロックアップが発表されている
3つめの特徴は「ロックアップが発表されている」ことです。
ロックアップが発表されていることにより、リップルは暴落の危険性が低いと考える投資家が多く、リップルの成長に寄与しています。
ここでいうロックアップとは、リップル社が保有するリップル(XRP)を、一度に大量放出しないようにすることを意味します。
リップルの発行上限枚数は1,000億枚で、すべて発行済みです(追加の発行は行わないことを、リップル社が表明しています)。
1,000億枚のうちリップル社が半分以上を保有しているのですが、これはロックアップにより、少しずつしか放出されません。
通貨が大量に放出されないことから、「リップルは急激な価格の変化は起きにくい」といえます。安定志向の人にとっては、投資しやすい通貨でしょう。
世界中の金融機関と提携している
リップルが世界中の金融機関と提携していることは、今後の普及が大きく期待できる要因です。
2019年3月末時点では、国内外の100を超える銀行と提携しています。日本からは三菱UFJ銀行、みずほ銀行などのメガバンクがリップルと提携しているのです。
世界的に有名なクレジット会社であるアメリカン・エキスプレスなども、リップルの技術を利用した実証実験に関するリリースを出しています。
さらに、Google VenturesやAndreessen Horowitzなどの有名ベンチャーキャピタルが出資していることからも、期待値の高さがうかがえます。
リップルをもっと知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
リップルの最新チャート
最後に、リップルの最新動向として、チャートを確認しておきましょう。
出典:
CoinMarketCap
暗号資産ブームで高騰した後は値を下げていますが、2020年に入ってから上昇の兆しを見せています。
リップルの今後が気になる方は、以下の記事をご覧ください。
イーサリアムとリップルの違い比較表
イーサリアムとリップルの特徴を見てきましたが、ここで違いを比較表にまとめておきましょう。
イーサリアムとリップルの特徴比較まとめ
イーサリアム(ETH)の特徴は以下の通りです。
① スマートコントラクトが実装されている
② DAppsの開発プラットフォームを提供している
③ ブロック作成時間が短い
④ 発行上限・半減期がない
⑤ EEA(イーサリアム企業連合)の存在
リップル(Ripple/XRP)の特徴は以下の通りです。
① リップル社が管理しマイニングを採用していない
② 決済スピードが速い
③ 発行上限1,000億枚が発行済み
④ 世界中の金融機関と提携している
それぞれの特徴を見定め、自分が期待できると感じる方の暗号資産を購入しましょう。将来性を考えると両方保有しておくというのも、賢い選択といえます。