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Coincheck Column
コインチェックコラム

2026-08-25Web3・新しい活用

ブロックチェーンには、「性能(scalability)・安全性(security)・分散性(decentralization)」の3つが同時に成立しないというトリレンマが存在します。 ブロックチェーンのトリレンマとはどういうものなのか、またユーザーとしてブロックチェーンのトリレンマをどう意識すればよいのかを詳しく解説していきます。 また、事前知識として、トリレンマとは三者択一(3つのうち1つは捨てなければいけない)という言葉で、二者択一のジレンマ(2つのうち1つは捨てなければいけない)に似たものということを覚えておきましょう。 Coincheckの無料登録はこちら 目次 ブロックチェーンのトリレンマとは 京都大学が「ブロックチェーンのトリレンマを表現する数式を発見」 ブロックチェーンのトリレンマの要素 性能・スケーラビリティ 安全性・セキュリティ 分散性 製造業のQCD(トリレンマ)が類似の概念 ユーザーからみたトリレンマの重要性 ブロックチェーンのトリレンマが発生する理由 ブロックチェーンのトリレンマを克服する取り組み レイヤー2ソリューション シャーディング コンセンサスアルゴリズムの変更 ブロックチェーンのトリレンマに関するまとめ ブロックチェーンのトリレンマとは ブロックチェーンのトリレンマとは、ブロックチェーンにおいて性能(scalability)・安全性(security)・分散性(decentralization)が3つ同時に成立することはなく、同時には2つずつしか成立しないという経験則です。 例えば、性能(スケーラビリティやスループット)が高いブロックチェーンでは、安全性(セキュリティ)か分散性のどちらかしか高められないといったものです。 実際に性能が高いブロックチェーンでは、プライベート型のブロックチェーンのような形を取り、安全性(セキュリティ)は高いものの分散性が低いことが多いです。 京都大学が「ブロックチェーンのトリレンマを表現する数式を発見」 これまで、ブロックチェーンのトリレンマは経験則的には正しいといえるものの、トリレンマを証明・表現することはされていませんでした。 しかし、京都大学の研究グループが「ブロックチェーンのトリレンマを表現する数式を発見―性能・安全性・分権性のうち2つだけが成立することを立証―」という研究成果を発表しました。 同研究は2024年6月5日に、国際学術誌「IEEE Access」掲載され、ブロックチェーンのトリレンマに関する数理的な表現が公開されています。 引用:京都大学 ブロックチェーンのトリレンマの要素 ブロックチェーンのトリレンマは「性能(scalability)・安全性(security)・分散性(decentralization)」の三要素により構成されています。 それぞれの概念を詳細に解説します。 性能・スケーラビリティ ブロックチェーンの性能とは、スケーラビリティやスループット力を指します。 ブロックチェーンの性能を測るためには、「TPS」などの指標が使われることが多いです。TPSとは、「Transactions Per Second」の略で、一秒間あたりに処理可能な取引(トランザクション)の数を示しています。 ブロックチェーンにより、一秒間あたりに処理可能な取引数、つまりTPSには差があり、ブロックチェーンの性能として注目されます。 また、単純な取引処理件数だけでなく、1ブロックに書き込めるデータ量の上限などもあります。ブロックチェーンの性能をより細かく考える場合、基本的には1ブロックあたりに処理できるデータ量と、どれだけの速度で1ブロックが生成可能かを考えればよいです。 安全性・セキュリティ 安全性・セキュリティが最も重視される点では、トランザクション履歴、つまりブロックチェーンが改ざんされないかということです。 ブロックチェーンの安全性・セキュリティは、一般的にブロックチェーンへの計算難易度と分散性に依存します。 なお、安全性・セキュリティにおいて分散性は重視されますが、分散性が重要なのはパブリックチェーンにおける場合です。プライベートチェーンでは、安全性・セキュリティを高めるためには、分散性はあまり重要ではないとも言えます。 そのため、ブロックチェーンのトリレンマにおける安全性・セキュリティでは、ブロックチェーンやそれを取り巻く環境のアルゴリズム的な安全性・セキュリティの高さや、全体的なエコシステムの強固さと考えると良いでしょう。 分散性 ブロックチェーンの分散性とは、多くのノードやマイナー、バリデータなど、ブロックチェーンを維持するユーザーが多数、多くの地域にいることを指します。 ブロックチェーンの分散性が高いと、不正なデータ改ざんへの耐性が高くなります。 分散性が低下することで発生する一般的なトラブルとしては、51%攻撃などが挙げられます。 また、ブロックチェーンを維持するユーザーが特定の地域等に集中していると、なんらかの地政学リスクが生じる可能性もあるでしょう。 製造業のQCD(トリレンマ)が類似の概念 ブロックチェーンのトリレンマに類似する概念では、「製造業のQCD(トリレンマ)」が挙げられます。 製造業のQCDとは、「Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)」の頭文字をとったもので、これら3つの要素は同時に高レベルに達成することができないといわれています。 ブロックチェーンのトリレンマというと体感的にわかりにくい方も多いかもしれませんが、製造業における類似のトリレンマに当てはめて考えることで、ブロックチェーンのトリレンマに関しての理解が進むでしょう。 ユーザーからみたトリレンマの重要性 ブロックチェーンのトリレンマは、暗号資産の取引やブロックチェーンを利用するユーザーにとって、取引のしやすさやブロックチェーンの持続性において重要です。 ブロックチェーンのトリレンマとは、先ほどの通り「性能・安全性・分散性」のうち、2つしか同時に達成しにくいというものです。 例えば、高額な資金量を確実に決済したい場合、着実な送受金などの信頼性を重視したいため、「性能」よりも「安全性・分散性」を重視することになります。その場合、選択できるブロックチェーンはビットコイン(BTC)などになるでしょう。 反対に、複雑なスマートコントラクトを処理したい場合、分散性よりも「性能・安全性」を重視することとなり、イーサリアム(ETH)を選択するといったようなものです。 このように、ブロックチェーンのトリレンマは、利用するユーザーの間でも、ある程度無意識下では意識されるような概念であるため、より合理的・効率的にブロックチェーンを利用する上では、ある程度重要であるといえるでしょう。 ブロックチェーンのトリレンマが発生する理由 ブロックチェーンのトリレンマは、ブロックチェーンにおいて1秒間に処理できるトランザクションの数や、データ量に限りがあることで発生します。 ブロックチェーンにはスケーラビリティ問題を解決するために、単位時間あたりに処理可能な取引数を引き上げようとする試みが多く存在します。 しかし、ブロックチェーンの性能を引き上げると1ブロックあたりのデータ量が増加したり、取引承認に必要な計算力が大きくなってしまったりします。その結果として、参加できるノードやバリデータ、マイナーなどのブロックチェーンを維持するユーザーの参入障壁が上がり分散性が低下したり、ブロックチェーンのセキュリティ自体が低下してしまうことがあります。 ブロックチェーンのトリレンマを克服する取り組み ブロックチェーンのトリレンマは、ブロックチェーンにおいて避けられない問題ですが、トリレンマを克服する取り組みも行われています。 レイヤー2ソリューション レイヤー2ソリューションは、ブロックチェーンのトリレンマが重視されるレイヤー1ブロックチェーンに対して、別の場所で取引処理などを行ってまとめた結果を書き込むようなソリューションです。 主にイーサリアムなどで活発な取り組みであり、ArbitrumやOptimismなどが著名です。 レイヤー2ソリューションのメリットとして、元のレイヤー1ブロックチェーンへの大規模な変更を行わず、レイヤー1ブロックチェーンの処理を減らすことでスケーラビリティ(性能)を向上させることができるといった特徴があります。 シャーディング シャーディングとは、ブロックチェーンの処理を分割して行う仕組みです。 ブロックチェーン全体を細かく分割して取引処理することで、トランザクションを並列処理することが可能になります。 コンセンサスアルゴリズムの変更 ブロックチェーンのトリレンマが生じた場合、コンセンサスアルゴリズムの変更も解決手段のひとつです。 ビットコインやイーサリアムも、トランザクション処理の仕組みは定期的に変更されることがあり、スケーラビリティ問題を中心としてトリレンマ克服の取り組みが随時試みられています。 ブロックチェーンのトリレンマに関するまとめ ブロックチェーンのトリレンマは、暗号資産を取引するユーザーが知らず知らずのうちに意識している概念です。 今後のブロックチェーン関連の成長を占う上でも欠かせない概念であるため、ブロックチェーンのトリレンマを意識して、ブロックチェーン関連の動向に注目しても良いのではないでしょうか。

2026-08-21NFT

フラクショナルNFTは、高額になりやすい1つのNFTの持ち分を、複数人で分け合って取引できるしくみです。 仕組みや従来型NFTとの違い、メリットとリスク、活用例について、本記事でわかりやすく解説します。 Coincheckの無料登録はこちら 目次 フラクショナルNFTとは フラクショナルNFTの価格の考え方は? フラクショナルNFTの仕組み NFTを分割する フラクショナルNFTを統合する 権利の範囲 フラクショナルNFTのメリット・従来型NFTの違い 購入のしやすさや流動性が向上する NFTの価値の判定がしやすくなる クリエイター収益源の増加 分割を統合することができる 区分所有を効率的に管理できる フラクショナルNFTのデメリットやリスク 法的な整備が整っていない 国境を越えた場合の規制の違い スマートコントラクトの脆弱性 フラクショナルNFTが活用できる場面 高額なアートや芸術作品 不動産 RWA的な動産 フラクショナルNFTの実例 CryptoPunks NOT A HOTEL PleasrDAO フラクショナルNFTのまとめ フラクショナルNFTとは フラクショナルNFT(Fractional NFTs)とは、1つのNFTの持ち分を複数人が分け合って保有・取引できるしくみのことです。部分NFTや分割型NFTとも呼ばれ、高額になりやすい1点もののNFTに、より少ない金額から関与しやすくする考え方です。 分割の具体的な方法はプロジェクトごとに異なり、多くはスマートコントラクトを用います。具体的な流れは「フラクショナルNFTの仕組み」の箇所で詳しく解説します。 従来型の1点ものNFTと比べると、付随する権利の範囲や持分の意味合いは大きく異なり、持ち分の比率やプロジェクトの設計によって権利が整理されます。 売買の大まかな流れは似ていることもありますが、取引される単位や利用するマーケット・サービスは異なることが多いです。 フラクショナルNFTの価格の考え方は? フラクショナルNFTの価格の考え方は、「1つのフラクショナルNFTの価格×分割数」で算定することができます。 しかし、全てのフラクショナルNFTがその価格で市場で売却できるとは限らないため、実際の価格は「1つのフラクショナルNFTの価格×分割数」よりも小さくなると考えたほうが適切です。 フラクショナルNFTの仕組み フラクショナルNFTとは分割されたNFTで、基本的な仕組みや売買の方法はNFTと同様です。 一方で、フラクショナルNFT特有の仕組みがいくつか存在するため、一般的な仕組みを解説します。 NFTを分割する フラクショナルNFTを作成するには、何らかのスマートコントラクトを用いてNFTを分割する必要があります。 一般的には、NFTをスマートコントラクト上に保管したうえで、持ち分を表すトークンを発行することで、NFTを分割してフラクショナルNFTとします。 フラクショナルNFTを統合する フラクショナルNFTは、一般的にNFTに対してすべてのフラクショナルNFTを集めることで、元々の統合されたNFTに戻すこともできます。 ただし、あくまでもこれは理論的に可能というだけで、何千、何万と分割されたフラクショナルNFTをすべて買い集めることは困難であるため、フラクショナルNFTの規模感によるといった前提は必要です。 また、すべてのフラクショナルNFT所有者が売却・譲渡に同意する必要もあることが一般的です。 権利の範囲 フラクショナルNFTは、元々のNFTが有する権利がすべて分割されているとは限りません。 フラクショナルNFTのメリット・従来型NFTの違い フラクショナルNFTは従来型のNFTを分割したNFTで、場面によりNFTの利便性を向上させることができます。 フラクショナルNFTのメリットと、従来型NFTとの違いを解説します。 購入のしやすさや流動性が向上する 従来型のNFTは分割して所有することができず、例えば人気のNFTなどは高額になるため、購入がしにくいうえに売却時もスムーズではないことが一般的です。 一方でフラクショナルNFTは分割されていることから一小口が少額になるため、購入のしやすさや流動性が向上します。 NFTの価値の判定がしやすくなる フラクショナルNFTは分割されている結果、流動性が向上するため、部分部分への価格が適宜つきやすく、NFTの価値が判定しやすくなります。 もちろん、全てのフラクショナルNFTが同時期に売却されれば需要と供給の問題で価値は下落しますが、フラクショナルNFTが想定される使い方をされていれば、価値判定には有用です。 クリエイター収益源の増加 高額なNFTを販売しているクリエイターは、NFTが高額であるがゆえに売却できるタイミングも限られるでしょう。 フラクショナルNFTを用いることで、高額なNFTを分割して市場に供給できるため、参入者が増加している局面では、フラクショナルNFTを用いることでクリエイターの収益源が増加します。 分割を統合することができる フラクショナルNFTはその名の通り分割NFTですが、一般的には全てのフラクショナルNFTを集合させることでNFTを統合することが可能です。 そのため、何らかの理由によりフラクショナルNFTを従来型のNFTに戻したい需要にもこたえることができます。 区分所有を効率的に管理できる 区分所有には制度的な不都合や手続きの煩雑さが伴いますが、フラクショナルNFTを用いてブロックチェーン上で権利管理をすることで、区分所有を効率的に管理することができます。ただし、トークンを保有することで登記上の所有権が移るわけではありません。 フラクショナルNFTのデメリットやリスク フラクショナルNFTには、主に法整備や国境を越えた場合の規制の違い、スマートコントラクトの脆弱性がある可能性など、様々なデメリットやリスクが存在します。 それぞれ詳しく解説していきましょう。 法的な整備が整っていない フラクショナルNFTに限らず、NFTや暗号資産、ブロックチェーンに関連する法整備は十分とは言えない状況であるため、フラクショナルNFTに何らかの法的なリスクが発生する可能性があります。 フラクショナルNFTの持ち分を保有しても、元々のNFTが有する権利がそのまま持ち分に応じて分割されるとは限りません。何が認められるかは、スマートコントラクトの仕様や利用規約によって決まります。 国境を越えた場合の規制の違い 先述の通りブロックチェーンに関する規制は不十分であるため、フラクショナルNFTが国境を越えて所有された場合、規制や権利の範囲がことなり、フラクショナルNFTに付随する権利が行使できなかったり、規制が行われたりする可能性があります。 フラクショナルNFTを所有し、なんらかの権利を使いたい場合は、自身に適用される国や地域の法律を一度確認する必要があります。 スマートコントラクトの脆弱性 フラクショナルNFTはスマートコントラクトにより分割されますが、スマートコントラクトに脆弱性がある可能性もあるでしょう。 フラクショナルNFT自体が、従来型NFTと比較して新しい技術です。そのため、フラクショナルNFTに関連するスマートコントラクトの脆弱性などはまだ十分に対策・検証されているとはいいにくく、なんらかの脆弱性が発現する可能性も否定できません。 フラクショナルNFTが活用できる場面 フラクショナルNFTは分割可能なNFTという性質上、比較的高額になりやすいアート作品や不動産、RWAなどに活用できると考えられています。 どのような場面で特に活用が期待できるかを解説します。 高額なアートや芸術作品 高額なアート・芸術作品は、億単位以上の価格がつけられることがあります。 個人投資家の範囲では投資が難しいジャンルですが、それらに紐づくNFTが分割されることにより、ある程度手が届きやすい価格となり、投資が活発化する可能性があるでしょう。 また、分割して保有できることにより、部分部分の流動性が向上し、より価格反映が密になることが想定されます。 不動産 不動産は区分所有に関する法規制が複雑であるため、フラクショナルNFTとして扱うことに比較的適しているものだといえるでしょう。 似たような概念では不動産のREITなどがありますが、REITは実際の所有権には結びついておらず、不動産から得られる利益を受け取れる仕組みです。 不動産をフラクショナルNFTで扱う場合、不動産のREITと似た構造になることが多いと考えられますが、より規模や案件を絞った投資などに活用できる可能性があります。ただし、不動産から生じる収益の分配を伴う場合、設計によっては金融商品取引法などの規制対象となる可能性があります。 RWA的な動産 RWAとは「Real World Asset(リアルワールドアセット)」の略称で、現実にある資産をブロックチェーン上でトークンにしたものです。 現実にある資産をトークン化したものですから、基本的には高額になることが一般的です。また、現実の資産であるため、それを物理的に分割することは困難であるため、フラクショナルNFTを用いることで投資が活発化される可能性があります。 フラクショナルNFTの実例 フラクショナルNFTはすでに一部のNFTやNFTプロジェクトにおいて、概念的なものも含めて実装されています。 これまで実施されたフラクショナルNFTの実例を解説します。 CryptoPunks CryptoPunksは、ひとつのNFTが数千万円〜数億円になることもあるアート系のNFTです。 イーサリアムブロックチェーン上で発行された最古のNFTであるため、NFTコレクターからの需要が高いです。 CryptoPunks(クリプトパンクス)とは?NFTの特徴や過去の高額取引、将来性について解説 Coincheck NOT A HOTEL NOT A HOTELとは、別荘やホテルなどの施設の宿泊権利を分割してNFT化しています。 NFTを分割したフラクショナルNFTではありませんが、RWAの権利を分割化したNFTであるため、フラクショナルNFTとも表現できるプロジェクトといえるでしょう。 NOT A HOTELとは?NFTの特徴、購入方法や使い方について解説 Coincheck PleasrDAO PleasrDAOとは、DogeのNFTのような有名なNFTを共同購入・共同所有するDAOです。 保有しているNFTをフラクショナルNFTとして流通させており、高額NFTのフラクショナルNFT化が試みられています。 フラクショナルNFTのまとめ フラクショナルNFTは一見難しそうな概念ですが、基本的には「1つのNFTの持ち分を、スマートコントラクトなどで複数人が分け合う」と捉えるとよいです。 フラクショナルNFTの機能は分割された従来型NFTであるため、フラクショナルNFTに対して何らかのメリットを感じた場合、フラクショナルNFTを利用してみても良いかもしれません。

2026-08-21暗号資産を知る

ブロックチェーンやDAO(分散型自律組織)に触れていると、ガバナンストークンという言葉を見かける人は多いでしょう。 ガバナンストークンはブロックチェーンやDAOの自治、運営を決定するための暗号資産で、ガバナンストークンを備えたプロジェクトでは欠かせない存在です。 本記事では、ガバナンストークンの概要や特徴、仕組み、メリットやデメリットをわかりやすく解説します。 Coincheckの無料登録はこちら 目次 ガバナンストークンとは ガバナンストークンの特徴・仕組み 投票権などの意思決定が行える 取引所などで売買ができる ガバナンストークンとネイティブトークンの違いとは ガバナンストークンのメリット プロジェクトの意思決定に参加できる 保有による特典・利益が得られる場合がある インターネット上で誰でも参加できる ガバナンストークンのデメリット トークンが初期ホルダーなどにより独占される可能性がある プロジェクトの暗号資産とは別の値動きになることがある 投票結果の合理性は担保されない ガバナンストークンの代表銘柄 マスクネットワーク(MASK) エイプコイン(ApeCoin/APE) アクシーインフィニティ(AXS) メイカー(MKR) ガバナンストークンに関するよくある質問 Q. ガバナンストークンとは何ですか? Q. ガバナンストークンとユーティリティトークンの違いは何ですか? Q. ガバナンストークンは誰でも買えますか? ガバナンストークンに関するまとめ ガバナンストークンとは ガバナンストークンとは、主にブロックチェーンやDAO(分散型自律組織)などに対して、プロジェクトの投票権・議決権となる暗号資産のことをいいます。 ガバナンス(Governance)とは、組織の成長や目標達成を行うための統治といった意味合いを持っており、ガバナンストークンは名前の通り、ブロックチェーンやDAO等のガバナンスを行うトークン(暗号資産)です。 既存の金融システムでいうと、株による議決権に似た性質を持っています。 ガバナンストークンの保有量が多ければ多いほど、意思決定力が高くなります。 ガバナンストークンの特徴・仕組み ガバナンストークンとは、先ほどの解説の通り、ブロックチェーンやDAO等での投票権・議決権となる暗号資産です。 ガバナンストークンのもつ特徴や仕組みを解説します。 投票権などの意思決定が行える ブロックチェーンやDAOは、基本的には自律分散的に稼働しているといえます。そのため、ブロックチェーンやDAOの変更やルールの追加などを行うには、ユーザー間での合意を形成する必要があります。 ビットコインなど、ガバナンストークンが存在しないブロックチェーンでは、マイナーやコミュニティなどでの合意形成によりルール変更が行われます。 一方で、ガバナンストークンを用いたプロジェクトの場合は、ガバナンストークンの保有量により合意形成が行われるといった仕組みを採用していることが特徴です。 ガバナンストークンの保有量が多いほど決定権が大きく、例えば一人がガバナンストークンを過半数保有している場合、一人でプロジェクトの変更等が行えることが一般的です。 取引所などで売買ができる ガバナンストークンは、通常の暗号資産(ネイティブトークン)と同様、暗号資産取引所などでの売買ができます。 ガバナンストークンに紐づくプロジェクトに注目が集まると、ガバナンストークンの価値が上がる傾向にあるといえるでしょう。 そのため、通常の暗号資産(ネイティブトークン)がプロジェクト全体のエコシステム等に関連して注目される性質と若干異なり、ガバナンストークンは株式的な性質を持つともいえます。 ガバナンストークンとネイティブトークンの違いとは プロジェクトの決定権を持つ暗号資産は、先ほどの説明の通りガバナンストークンと表現されます。 反対に、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの、純粋にブロックチェーン上のトークンとして存在する暗号資産を、「ネイティブトークン」と表現することがあります。 ネイティブトークンはブロックチェーンのエコシステム全体に関わり、手数料の支払いや、マイニングやステーキングなどのブロックチェーン維持への報酬として使われます。 ビットコイン(BTC)が代表例ですが、BTCというネイティブトークンそのものには、ガバナンストークン的な決定権の機能は必ずしも備わっているわけではなく、ネットワーク維持者による意思決定が一般的だといえます。 ガバナンストークンのメリット 株式の議決権のような機能を持つガバナンストークンには、「プロジェクトの意思決定に参加できる」「保有による特典・利益が得られる場合がある」「インターネット上で誰でも参加できる」といったメリットが存在します。 それぞれ詳しく解説します。 プロジェクトの意思決定に参加できる ガバナンストークンは、ガバナンストークンに紐づくプロジェクトの注目度や利用度によって価格が変動する傾向にあります。 そのため、ガバナンストークンを持ち、プロジェクトの意思決定に参加することで、ガバナンストークンの価値の向上につながる場合があります。 ガバナンストークンを保有していればプロジェクトの意思決定に関わりやすいことは、メリットのひとつでしょう。 保有による特典・利益が得られる場合がある ガバナンストークンを保有している場合、プロジェクトから発生する利益や何らかの特典が得られる場合があります。 DAOとして稼働しているプロジェクトは、プロジェクトを利用する際に手数料がかかることが多く、その手数料はガバナンストークンの保有者に還元されることがあります。 ガバナンストークン保有量が多いほど、利益の分配も大きくなる傾向にあります。 インターネット上で誰でも参加できる ガバナンストークンによる投票等の意思決定は、条件等を満たす保有者であればインターネット上で誰でも参加することができます。 既存の株式等による議決は場所や時間による制限を受ける場合があるため、投票や議決における自由度の高さといったメリットがあります。 ガバナンストークンのデメリット ガバナンストークンには多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。 ガバナンストークンのもつデメリットを解説します。 トークンが初期ホルダーなどにより独占される可能性がある ガバナンストークンの分配は、ネイティブトークンのようにマイニング等で分配されず、初めはプロジェクトの創立者などが保有することがあります。 その後、資金調達としてガバナンストークンを販売する流れとなることが一般的ですが、プロジェクトの初期に関わった人が、ある程度ガバナンストークンを独占する可能性があります。 ガバナンストークンが独占されると、決定権が分散しないといったデメリットが発生します。 プロジェクトの暗号資産とは別の値動きになることがある ガバナンストークンはあくまでもプロジェクトの決定権となる暗号資産であるため、プロジェクト自体で使われる暗号資産とは別物となる場合が一般的です。 そのため、プロジェクトで使われる暗号資産とガバナンストークンの値動きは連動しないこともあり、それぞれが別の値動きとなる予測のしにくさといったデメリットもあります。 投票結果の合理性は担保されない ガバナンストークンは、あくまでも多く保有している人の意思決定が優先されます。 そのため、ガバナンストークンを用いて行った投票の結果が、ブロックチェーンやDAOなどのプロジェクトに対する合理性を欠く可能性があります。決定権を人間が持つため、エコシステムとしての最適解を導くのではなく、個人としての経済的メリットが追及される可能性が否定できないからです。 ガバナンストークンの代表銘柄 ガバナンストークンはこれまで数多く登場しています。 代表的なガバナンストークンの例と、それぞれの暗号資産の特徴を紹介します。 マスクネットワーク(MASK) 暗号資産マスクネットワーク(MASK)とは、X(旧Twitter)やInstagramのようなWeb2的なSNS上でWeb3サービスを扱えるMask Network上で使われる暗号資産です。 暗号資産マスクネットワーク(MASK)は同プロジェクトのガバナンストークンとして使うことができます。 暗号資産(仮想通貨)MASKとは?SNSを匿名化するプロジェクトの将来性を解説 Coincheck エイプコイン(ApeCoin/APE) 引用:Yuga Labs エイプコイン(APE)とは、ApeCoin DAOでのガバナンストークンとして使える暗号資産です。 有名NFTプロジェクトであるBAYC(Bored Ape Yacht Club)などを手掛けるYuga Labsとの関係が深く、Yuga Labsの公式サイトでは「WE RUN ON ApeCoin(エイプコインの上で稼働する※意訳)」との記載があります。 エイプコイン(ApeCoin/APE)とは?特徴・将来性・購入方法を解説 Coincheck アクシーインフィニティ(AXS) 暗号資産アクシーインフィニティ(AXS)とは、NFTゲーム「Axie Infinity」で使われるガバナンストークンです。 同NFTゲームの開発や運営に関する方針決定に使用することができるほか、ステーキングやゲーム内マーケットなどで使用することができます。 Axie Infinity(アクシーインフィニティ)とは?始め方や暗号資産AXSの特徴も解説! Coincheck メイカー(MKR) 暗号資産メイカー(MKR)とは、暗号資産担保型ステーブルコインを発行するDeFiプロジェクト「MakerDAO」のガバナンストークンです。 「MakerDAO」では、イーサリアムなどの暗号資産を担保として1DAI=1米ドルを目標価格として設定する暗号資産ダイ(DAI)を発行することができます。 暗号資産メイカー(MKR)は、このMakerDAOのガバナンストークンとして機能しており、暗号資産ダイ(DAI)はCoincheckでも購入することができます。 ※Dai(DAI)は1DAI = 1米ドルを目標価格として設定しており、実際に1米ドル付近で価格が推移していることから、暗号資産(仮想通貨)型ステーブルコインと認識されていますが、1DAI = 1米ドルの価値を保証するための原資産が確保されているものではなく、相場の変動等により目標価格に対して大きく下落する可能性があります。 暗号資産(仮想通貨)メイカー(Maker/MKR)とは?特徴や将来性、DAIとの関係についてわかりやすく解説 Coincheck ガバナンストークンに関するよくある質問 Q. ガバナンストークンとは何ですか? A. ガバナンストークンとは、ブロックチェーンやDAOのプロジェクトに対して決定権をもつ暗号資産です。 株式の議決権のような機能を持っている暗号資産ともいえるでしょう。 普通選挙のように一人一票ではなく、ガバナンストークンを持っていれば持っているほど投票権が強くなります。 Q. ガバナンストークンとユーティリティトークンの違いは何ですか? A. ユーティリティトークンとは、ブロックチェーン上で提供されるサービスの使用権や参加権としての暗号資産です。 ガバナンストークンもブロックチェーンやDAO、DAppsへの投票権、つまりはコミュニティへの参加権としても解釈できるため、ガバナンストークンはユーティリティトークンの一種とする場合もあります。 Q. ガバナンストークンは誰でも買えますか? A.取引所などに上場していれば、口座を開設して購入できます。 取り扱う銘柄は取引所によって異なるため、購入したいガバナンストークンを扱っているかを確認しましょう。投票への参加や特典の受け取りは、銘柄ごとに決められた条件によって変わります。 ガバナンストークンに関するまとめ ガバナンストークンは、ブロックチェーンやDAOなどへの決定権を持ち、コミュニティやエコシステムの維持に欠かせない暗号資産です。 自分が気になったり、注目したりしているガバナンストークンを保有することで、ブロックチェーンなどのコミュニティの一員となれるため、Web3時代の体験ができるでしょう。 Coincheckでもいくつかのガバナンストークンの取り扱いがあるため、気になる方は他の記事もチェックしてみてください。

ライトコイン(LTC)は、高速な決済を目指して開発された暗号資産(仮想通貨)です。実用性の高さから海外では決済サービスだけではなく、実店舗での利用が進んでいます。本記事では、ライトコインが期待される理由や注目のニュースについて触れていき、ライトコインの将来性について解説していきます。 Coincheckの無料登録はこちら 目次 ライトコイン(LTC)の将来性 デジタルシルバーの立ち位置の確保が鍵 ライトコイン(LTC)の特徴 ライトコイン(LTC)の今後を左右するニュース リップル社出資のFlare Networks「ライトコインの統合」を発表 ETF承認が期待されている 機関投資家や大手金融機関からの注目が高まっている BitPay(ビットペイ)で最も利用されている ライトコインの将来性に関する注意点 ライトコイン(LTC)の優位性が薄れている 技術革新のスピードが遅い 時価総額ランキングが下がっている ライトコイン(LTC)を購入するならCoincheckで ライトコイン(LTC)の将来性 ライトコイン(LTC)はスケーラビリティ問題を改善し、ビットコイン(BTC)と比較して約4倍の決済速度を実現しています。すでに海外では、BitPay(ビットペイ:米国の暗号資産決済サービス)などの大手決済サービスだけでなく、実店舗での利用が広がっています。 また、ライトコインの現物ETF承認も、将来性が期待される理由です。現物ETFが承認されれば、多くの投資家たちがライトコインを購入でき、価値の上昇が期待されます。 デジタルシルバーの立ち位置の確保が鍵 ライトコイン(LTC)は、実用性と流動性が評価され「日常的な決済や送金ができる資産:デジタルシルバー」と比喩されています。ライトコインの将来性は、デジタルゴールドと呼ばれるビットコイン(BTC)に次ぐポジションを確保し続けられるかが鍵となるでしょう。 ビットコインは暗号資産業界でも独自の地位を確立し、多くの投資家から愛される存在となりました。ライトコインがコンセンサスアルゴリズムであるPoWを採用する通貨としてポジションを確保できれば、脚光を浴び続けられる可能性があるでしょう。 ライトコイン(LTC)の特徴 ライトコイン(LTC)の特徴は、ビットコイン(BTC)のスケーラビリティ問題が改善されていることです。「Segwit(セグウィット)」と呼ばれる技術でブロックサイズの圧縮を実現し、ブロックの生成速度(ブロックタイム)をビットコインと比較して約4倍にしました。 くわえて、Segwitの導入により、ライトニングネットワーク(ブロックチェーンの外で取引を行うオフチェーン技術)を可能にしています。 また、セカンドレイヤー(Layer2)にも注目です。ライトコインでは、2021年9月にセカンドレイヤー「OmniLite」が実装されました。OmniLiteでは、ステーブルコインなどの独自トークンやNFTを発行できます。 ライトコイン(LTC)とは?今後の将来性や価格高騰につながる最新ニュースを解説! Coincheck ブロックチェーン・暗号資産(仮想通貨)のレイヤー2(L2)とは?銘柄やメリットを解説 Coincheck ライトコイン(LTC)の今後を左右するニュース ライトコイン(LTC)には、今後を左右するニュースが多く発表されています。実用性の高さが投資家から評価されれば、さらに価値を伸ばしていくでしょう。 リップル社出資のFlare Networks「ライトコインの統合」を発表 2021年1月8日「Flare Networks(フレアネットワークス)」は、ライトコイン(LTC)を統合することを発表しました。Flare Networksは、暗号資産XRP(エックスアールピー)にスマートコントラクト機能を導入するプロジェクトです。Flare Networksを利用して、手軽にライトコインを使用できる可能性があります。 ETF承認が期待されている 2024年9月から米国の複数の資産運用会社は、ライトコイン(LTC)の現物ETFの申請を提出しています。その後の2025年10月28日には、ライトコインの現物ETFが承認されました。機関投資家などの新規参入が見込まれ、価値の上昇が期待されます。 機関投資家や大手金融機関からの注目が高まっている 大手金融機関のフィデリティやブラックロックなどが、ライトコイン(LTC)を含めた暗号資産向けの投資サービスを拡大しています。これまで主要な金融機関は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などを優先的に扱ってきましたが、ライトコインやXRP(エックスアールピー)などのアルトコインを対象に広げる動きが見られています。 BitPay(ビットペイ)で最も利用されている 2026年に米国の暗号通貨決済サービスプロバイダー「BitPay(ビットペイ)」で、ライトコイン(LTC)は最も支払い件数が多い暗号資産と報じられました。ビットペイは、ウォレット機能と暗号資産決済を備えたサービスで、主に米国で使用されています。 ライトコインはビットペイにおいて、年間20万件以上の支払いに利用され、全体の約35〜40%を占めるとするデータもあります。一方、暗号資産の代表格であるビットコイン(BTC)の取引件数は、13万件程度とされます。実用性の面では、ライトコインが大きく上回っている結果だと言えるでしょう。 ライトコインの将来性に関する注意点 ライトコイン(LTC)は10年以上の運用実績があり、一度も重大なセキュリティ問題が報告されていません。しかし、ライトコインの将来性に対して、注意すべき点もあります。 ライトコイン(LTC)の優位性が薄れている ライトコイン(LTC)に対する否定的な意見として、「優位性が薄れている」との声が挙がっています。例えば、ビットコイン(BTC)は技術改善やライトニングネットワークの発展により、ライトコインに迫る実用性を獲得しつつあります。 また、XRP(エックスアールピー)やソラナ(SOL)のような高速決済が可能な暗号資産の登場により、ライトコインの優位性が低下していると考える投資家も少なくありません。 技術革新のスピードが遅い 技術革新のスピードが遅いことは、ライトコイン(LTC)の成長を妨げる要因です。ライトコインは新しい暗号資産と比較すると、スマートコントラクト機能やDApps開発プラットフォームとしての機能が限定的であると言われています。 時価総額ランキングが下がっている ライトコイン(LTC)の時価総額ランキングの低下は深刻な問題です。これまでは上位に位置していたライトコインですが、2026年8月時点で20位以下まで落ち込んでいます。時価総額は、暗号資産市場からの注目具合を示すものです。ライトコインが堅実な運用をしているとはいえ、見逃せない要素でしょう。 ライトコイン(LTC)を購入するならCoincheckで ライトコイン(LTC)を購入するならCoincheckがおすすめです。弊社が運営する「Coincheck」は、関東財務局登録済みの暗号資産交換業者です。 直感的で扱いやすいUI(ユーザーインターフェース)を採用し、ライトコインを最低金額500円から購入できます。また、2段階認証とコールドウォレットを用い、ハッキングに強いシステムを採用しています。暗号資産取引所でお悩みの際には、ぜひ、ご利用ください。

2026-08-12暗号資産を知る

金・ゴールドの価格に概ね連動することを目指す暗号資産ジパングコイン(ZPG)は、2022年2月に三井物産デジタルコモディティーズが発行していることで注目を集めています。 本記事では、ジパングコイン(ZPG)についての概要や特徴、仕組みから、メリットとデメリット、将来性を解説していきます。 この記事でわかること ジパングコイン(ZPG)が金1gとの連動を目指す暗号資産であること 発行・流通の仕組みと、金連動ならではの特徴 メリット・デメリットと、将来性 Coincheckの無料登録はこちら 目次 ジパングコイン(ZPG)とは ジパングコイン(ZPG)の意味と金価格連動の考え方 ジパングコイン(ZPG)の特徴 金(ゴールド)の価格に連動することを目指す 三井物産デジタルコモディティーズが発行している ジパングコイン(ZPG)の仕組み ロンドン市場から金現物を購入している ジパングコイン(ZPG)の発行には銀行保証がある 複数のブロックチェーンで発行されている ジパングコイン(ZPG)のメリット 保管手数料がかからない インフレ対策に使える 金連動商品を気軽に扱える 売却時の手数料や手間を抑えられる ジパングコイン(ZPG)のデメリット・注意点 現時点では金現物と交換できない 金ETFなどと比べると税制が不利になりやすい ディペッグ(価格乖離)の可能性がある ジパングコイン(ZPG)の将来性 金以外の貴金属連動の暗号資産も登場 決済手段としての活用が見込まれる 金現物との交換が可能になる予定 ジパングコイン(ZPG)のまとめ ジパングコイン(ZPG)とは ジパングコイン(ZPG)とは、金・ゴールドの価格と連動することを目指す暗号資産です。メディアなどでは、金連動型のステーブルコインとして紹介されることもあります。 1ZPGが金1gと連動するように設計されています。 価格の安定を目指すステーブルコインには米国ドルや日本円などの法定通貨に連動するものが多くあります。一方、ジパングコイン(ZPG)はゴールド価格への連動を目指す点で特徴的だといえます。 暗号資産としての移動や保管のしやすさと、金・ゴールドの安定性を併せ持つ点から、注目が集まっています。 ジパングコイン(ZPG)の意味と金価格連動の考え方 出典:株式会社デジタルアセットマーケッツ 「ZIPANG COIN」 ジパングコイン(ZPG)は先述の通り、1ZPGが金1gと連動するように設計されています。 金現物1gにつき1ZPGが発行されるようになっており、金現物は三井物産を通してロンドン市場から調達されています。 金を裏付けとする設計のため、基本的には金価格と連動すると考えられています。 ジパングコイン(ZPG)の特徴 ジパングコイン(ZPG)の大きな特徴は、金・ゴールド価格への連動を目指す点と、発行元が三井物産系列の三井物産デジタルコモディティーズである点です。 それぞれ詳しく解説します。 金(ゴールド)の価格に連動することを目指す ジパングコイン(ZPG)の大きな特徴として、金・ゴールド価格に連動することを目指す点が挙げられます。 暗号資産は、株や債券、不動産などの他の資産クラスと比較して価格変動・ボラティリティが大きいです。 そのため、比較的価格や価値が安定している金・ゴールドと連動するジパングコイン(ZPG)は暗号資産市場において、特徴的なはたらきが期待されるでしょう。 三井物産デジタルコモディティーズが発行している 出典:株式会社デジタルアセットマーケッツ 「ZIPANG COIN」 ジパングコイン(ZPG)は三井物産系列の三井物産デジタルコモディティーズが発行しています。 金連動を目指す暗号資産はこれまでにいくつか登場していますが、大資本のもとで発行されたものは少ないため、ジパングコイン(ZPG)は比較的信頼しやすい選択肢といわれることがあります。 ジパングコイン(ZPG)の仕組み 出典:株式会社デジタルアセットマーケッツ 「ZIPANG COIN」 金・ゴールドと連動するジパングコイン(ZPG)ですが、どのような仕組みで稼働しているのでしょうか。 この章では、ジパングコイン(ZPG)の仕組みを解説します。 ロンドン市場から金現物を購入している ジパングコイン(ZPG)の裏付けとなる金現物は、三井物産によりロンドン市場で調達されます。 三井物産により金が調達されたのちに、三井物産デジタルコモディティーズによりジパングコイン(ZPG)が発行され、金を裏付けとして1ZPG=金1gとなるように発行されます。 ジパングコイン(ZPG)の発行には銀行保証がある 三井物産デジタルコモディティーズによりジパングコイン(ZPG)が発行された後、同じく三井物産グループであるデジタルアセットマーケッツにジパングコイン(ZPG)が移動され、デジタルアセットマーケッツにより市場にジパングコイン(ZPG)が供給されます。 このデジタルアセットマーケッツに移動する際に、ジパングコイン(ZPG)に銀行保証が付きます。銀行保証では、三井物産デジタルコモディティーズ株式会社が破綻した場合、銀行を通してデジタルアセットマーケッツからジパングコイン(ZPG)の時価相当額が全てのZPGの保有者に支払われるようになっています。 複数のブロックチェーンで発行されている ジパングコイン(ZPG)は、プライベート型のブロックチェーン「Miyabi」と、パブリック型ブロックチェーン上で発行・流通しています。パブリック型としては、Ethereumのレイヤー2である「OP Mainnet」と、Ethereumのメインネット(レイヤー1)が用いられています。 対応するブロックチェーンは暗号資産取引所によって異なり、取引可能なパブリック型の対応チェーンは今後順次拡大される予定といわれています。 購入・利用する取引所の案内を確認しておくとよいでしょう。 ジパングコイン(ZPG)のメリット ジパングコイン(ZPG)は金・ゴールド価格への連動を目指す暗号資産ですが、金現物などへの投資と比較したときのメリットがいくつか存在します。 ジパングコイン(ZPG)そのもののメリットとあわせて解説します。 保管手数料がかからない 金現物などとジパングコイン(ZPG)を比較したときに、ジパングコイン(ZPG)に保管手数料がかからない点は大きなメリットです。 特に金現物などを保管する場合、量が多い場合は銀行の貸金庫に保管したり、自宅に金庫を設置して保管したりなど、物理的な保有に関わるコストが発生する場合が多いです。 インフレ対策に使える 金・ゴールドは、基本的にインフレ対策などに使える安全資産といわれています。なかでも、金・ゴールドは他の金融市場と比較した際に相対的に価値を保ちやすく、経済危機の局面で有効だといわれています。 ジパングコイン(ZPG)はそんな金・ゴールドを裏付けとして持つ性質があるため、インフレ対策の選択肢の一つとして検討されることもあります。 金連動商品を気軽に扱える 金連動商品はETFや現物の購入などで、手間がかかってしまうことが多いです。特に、金現物を売買する際には、売買時の本人確認などが必要になることがあり、そもそもの保管コスト等も発生するため、あまり気軽ではないといえる状況です。 ジパングコイン(ZPG)は暗号資産のように、売却・保管・移動等が非常に簡単かつ低コストで行えるため、金連動商品を気軽に扱えるといったメリットがあります。 売却時の手数料や手間を抑えられる 金現物は売却する際に本人確認が必要になることがあります。また、小口の売却では売却時の手数料が発生することも多いです。 そのため、金の価値を売買することだけを目的とした場合、ジパングコイン(ZPG)を活用することで、売却時の手数料や手間を抑えることができます。 ジパングコイン(ZPG)のデメリット・注意点 ジパングコイン(ZPG)を取り扱ううえでは、下記のようなデメリットや注意点が存在します。 現時点では金現物と交換できない 金ETFなどと比べると税制が不利になりやすい ディペッグ(価格乖離)の可能性がある それぞれ解説します。 現時点では金現物と交換できない 出典:株式会社デジタルアセットマーケッツ 「ZIPANG COIN」 ジパングコイン(ZPG)の裏付け資産は金現物であるものの、2026年5月時点ではジパングコイン(ZPG)を金現物と交換することはできません。 仮に三井物産デジタルコモディティーズ株式会社が破綻した場合には銀行保証がありますが、その際に返還されるのは金現物ではなく、銀行保証の条件に沿った時価相当額の支払い等となる点が、公式説明の趣旨です。 金ETFなどと比べると税制が不利になりやすい 金現物投資や金ETFなど、金連動商品は多岐にわたります。 金現物を売買して利益が出た場合、利益は原則として譲渡所得で課税されます。 また、ジパングコイン(ZPG)は暗号資産であるため、2026年5月時点では、売買時の利益は雑所得により課税されます。 一方で、金ETFは売却益に対して一律20.315パーセントの申告分離課税となるため、税金面では金連動商品のなかでは金ETFが有利になりやすい性質があります。 参考:国税庁「No.3161 金地金の譲渡による所得」 ディペッグ(価格乖離)の可能性がある ジパングコイン(ZPG)は金価格への連動を目指す暗号資産ですが、需給バランスによっては金の価格とジパングコイン(ZPG)の価格が乖離するディペッグが発生する可能性は否定できません。 ジパングコイン(ZPG)の将来性 ジパングコイン(ZPG)をめぐっては、ほかの貴金属を裏付けとして持つ暗号資産が登場していることや、今後金現物との交換が予定されています。 これらのジパングコイン(ZPG)の将来性について、詳しく解説します。 金以外の貴金属連動の暗号資産も登場 ジパングコイン(ZPG)に加え、銀・シルバーを裏付けとするジパングコインシルバー(ZPGAG)と、白金・プラチナを裏付けとするジパングコインプラチナ(ZPGPT)も登場しています。 ジパングコインシルバー(ZPGAG)とジパングコインプラチナ(ZPGPT)は、ジパングコイン(ZPG)と基本的な仕組み・特徴は共通しています。 なお、ジパングコインプラチナ(ZPGPT)では、白金・プラチナ現物の調達先がロンドン市場だけでなく、チューリッヒ市場も調達先となっています。 決済手段としての活用が見込まれる ジパングコイン(ZPG)のホワイトペーパーでは、用途の一つとして「送金・決済手段」が挙げられており、決済手段としての利用促進が発行の目的として掲げられています。 ジパングコイン(ZPG)は、金現物と同等の資産特性や投資特性を持ちながら、暗号資産としての送金のしやすさも併せ持つため、既存の金関連商品にない小口決済の手段としての活用が期待されています。 出典:三井物産デジタルコモディティーズ株式会社「Zipangcoin ホワイトペーパー Version 11.0.0 (2026/4/20)」 金現物との交換が可能になる予定 ジパングコイン(ZPG)は、2026年5月時点では金現物との交換はできませんが、将来的に金現物と交換できるようになる予定です。 金現物との交換が可能になることで、より金価格との連動が強固になる可能性があり、ジパングコイン(ZPG)の使い道が広がることも見込まれます。 出典:株式会社デジタルアセットマーケッツ「ZIPANG COIN Q.ジパングコイン(ZPG)を実際の金と交換することはできますか?」 ジパングコイン(ZPG)のまとめ ジパングコイン(ZPG)は、金を裏付けとし、金価格に連動することを目指す暗号資産として登場しました。 裏付けとなる金の調達や発行を三井物産グループが行っている点が、ジパングコイン(ZPG)の特徴です。金連動型の暗号資産として、市場での立ち位置を確立することが期待されています。 金連動型の資産を簡単に扱える点に加え、今後の金現物との交換の予定なども含め、目が離せない暗号資産の一つでしょう。

2026年2月のイスラエル・米国のイラン介入や、2022年のロシアのウクライナ侵攻、また予期される中国の台湾進攻による危機感などにより、金融市場は大荒れといえる状況です。 このような世界情勢の緊張に加え、インフレ等の金融市場の急落や急変により、資産防衛という言葉が注目されることが多いです。 本記事では、資産防衛についての解説と、資産防衛にビットコインが使えるかについて解説します。 Coincheckの無料登録はこちら 目次 資産防衛とは 資産防衛はどのような場面で必要なのか 預金封鎖 通貨切り替え 通貨危機 大規模な国際紛争 資産防衛はインフレ下で重要視される これまで取られていた資産防衛の手段と安全資産 ゴールド・金 基軸通貨(現在では米ドル) 先進国(特に米国)の国債 スイスフラン ビットコイン(暗号資産)を資産防衛で使う際の注意点やリスク 価格変動が大きく時価総額は小さめ 出口がある保証はない 紛失・ハッキングのリスク ビットコイン(暗号資産)で資産防衛を図る際のポイント 厳重なウォレットの管理 ほかの資産クラスも活用する 持ち出し先についても考慮する ビットコイン(暗号資産)はCoincheckでかんたんに購入できる つみたてサービスを使えばボラティリティを抑えられる ビットコインでの資産防衛まとめ 資産防衛とは 資産防衛とは、世界情勢の緊張や通貨危機、金融市場の急変動が発生している、または発生が予想される局面で、自身の持つ資産の価値を守るための行動です。 私たちは普通に生活していると、給与所得や金融所得などを得て生活しています。日本に在住している場合、一般的には日本円で各所得を得て、貯金をしていきます。 つまり、平時での生活では、特定の通貨や、値動きが似たような資産を集中して保有しています。 しかし、有事になった場合や金融危機が発生した場合では、資産の価格が急落することが多く発生するため、金融市場から見て「安全」と判断される資産に交換する動きが金融市場では一般的になります。 資産防衛はどのような場面で必要なのか 資産の価格の急変動が発生する際に行う資産防衛ですが、実際にどのような場面で必要になるのでしょうか。 この章では、資産防衛が必要になる場面を紹介します。 預金封鎖 国が債務超過に陥り、財政破綻やハイパーインフレが発生した際、国や中央銀行は預金封鎖という行動をとることがあります。 預金封鎖とは、銀行が預金を引き出せなくすることです。第二次世界大戦後の日本でも預金封鎖的な動きが取られたことがあります。戦後日本の場合は預金封鎖と同時に通貨を切り替える「新円切替」を行ったことがあり、当時を知る高齢者の間では「円が紙くずになった」と表現している人もいます。 預金封鎖が起きるシチュエーションでは、基本的に封鎖された預金の価値は、インフレにより日を追うごとに下落していくため、資産防衛が必要になります。 通貨切り替え 前項で触れた通貨切り替えは、通貨切り替えが発生したタイミングで旧紙幣の価値が通用しなくなり、今まで貯めた法定通貨の価値がほぼゼロになります。 戦後日本で行われた通貨切り替えでは、旧紙幣から新紙幣の切り替えに、一人あたりの金額制限が設けられていました。 通貨危機 通貨危機とは、何らかの事情により特定の国の通貨の価格が下落することです。1990年代後半のアジア通貨危機や2000年代のジンバブエドルの急落、第1次世界大戦後のドイツの通貨危機などが挙げられます。 ジンバブエやドイツの例は通貨危機が極端であり、札束があってもパン一斤が購入できるかどうかといった状況になりました。 つまり、通貨危機下では現物資産の価値が相対的に上昇しやすくなります。 大規模な国際紛争 大規模な国際紛争が発生すると、それにあわせて国際金融市場が同時安になることが一般的です。 基本的に先進国は政治的なイデオロギーの違いによる対立こそあれ、平時にはある程度国境を越えた商取引が行われています。しかし、大規模な国際紛争が勃発すると、経済制裁や戦火による商取引の停止などにより、瞬間的に経済の動きが大幅に鈍化します。 そのため、金融市場に結び付いた株などの価格が急落する傾向にあります。 資産防衛はインフレ下で重要視される 資産防衛は、先ほど紹介したようなわかりやすい危機だけでなく、慢性的なインフレ下でも重要視されます。 例えば、日本円で年に5%のインフレが発生している場合では、日本円の価値が年に5%下落しているということになります。 そのため、インフレ下ではインフレの影響を受けない資産を活用することで、資産防衛を行うことが可能です。 これまで取られていた資産防衛の手段と安全資産 これまで、様々な世界情勢の変化や通貨危機、インフレなどにより資産防衛が行われてきましたが、実際にどのような資産を活用して資産防衛を行ってきたのでしょうか。 資産防衛に使われてきた、インフレや価格変動に強い「安全資産」と呼ばれる資産クラスと、有効な場面を解説します。 ゴールド・金 ゴールド・金は有史以来、人類が広く変わらない価値として信仰している物質です。 金は物質的な安定性が高く時間がたっても輝きと美観を維持することができ、希少性も高いことから、歴史的に人々から価値を感じられてきました。工業化以降の時代では、金の物質的特性による需要もあります。 資産としてゴールドを見た場合では、実質的な物価等を考慮した場合、価値が不変的だと表現されることが一般的です。物価ベースで考えた際、金の価格は長期的には上昇も下落もしないとされることが多いです。 基軸通貨(現在では米ドル) 国際貿易や金融取引で世界中で価値が認められる、信用力が最も強い通貨のことを基軸通貨といいます。現在では米ドル(アメリカ・ドル)が基軸通貨ですが、第二次世界大戦前はポンド・スターリング(イギリス・ポンド)、大航海時代には金貨や銀貨のスペイン・ペソが基軸通貨でした。 基軸通貨は国際的な商取引で使われるため、シーレーンがある程度安全になっている必要があるといえます。そのため、基軸通貨の価値は、基本的に経済力だけでなく軍事力に大きく依存しているといえるでしょう。 現在は米中の対立や、ロシアと欧州の対立など国際情勢が不安定化しており、特に米中間の争いにより、世界の覇権が入れ替わる可能性もある状況です。 そのため、基軸通貨が入れ替わるタイミングだと予想するエコノミストが多く、実際に米ドルはユーロやゴールドなどと比較して安くなっている傾向があるといえるでしょう。つまり、大きな国際情勢の変化が起きる最中は、基軸通貨というものが存在しなくなるため、資産防衛には適さない可能性もあります。 先進国(特に米国)の国債 国債とは国家が発行する債券であり、先進国の国債はその国力に依存して価値が維持される傾向にあります。 基本的に先進国は国が経済力や生産力を持っているため、国自体が破綻することは稀です。 国債は利息収入も発生し、概ねインフレ率以上の利息となることが多いため、安全資産といわれ、資産防衛に適しているといえるでしょう。 スイスフラン 国際金融市場では、スイスフランは安全資産だといわれています。永世中立国を掲げるスイスは地政学的・財政的に安定しているといわれており、プライベートバンクなども集中しています。 これまで、世界経済が荒れた際は資産をスイスフランに交換する動きが活発化し、有事の際に注目される通貨の一つです。 過去には日本円もスイスフランと同様、有事の際の避難先に該当していましたが、2020年頃よりプライマリーバランスの悪化や、中国との地政学的リスクなどが危険視され、「有事の円買い」は発生しにくくなっています。 ビットコイン(暗号資産)を資産防衛で使う際の注意点やリスク 資産防衛手段として注目されつつあるビットコインや暗号資産ですが、注意点やリスクももちろん存在します。 また、ビットコインをはじめとした暗号資産は登場してからの歴史が短いため、世界的な危機ではどのような動きをするか、全く予想がつきにくいとも言えます。 そのため、資産防衛を行う際はビットコイン・暗号資産だけに頼らず、総合的に判断して複数のポートフォリオを組むべきです。 ビットコイン・暗号資産をもちいた資産防衛の注意点やリスクを紹介します。 価格変動が大きく時価総額は小さめ ビットコインをはじめとした暗号資産は、ゴールドや米ドル・日本円などの法定通貨などのほかの資産クラスと比較すると時価総額が小さく、価格変動が大きいです。 そのため、資産防衛として長期間ビットコイン・暗号資産を保有していると、売却したいタイミングで価格が下落している可能性もあるでしょう。 出口がある保証はない 暗号資産はシェアを拡大しているものの、まだ実店舗などで使うことは一般的ではありません。また、有事の際などに暗号資産を法定通貨や現物資産に交換可能な信頼できる業者が存在するという確証も得られないため、暗号資産を使うための「出口」がある保証はできないのが現実です。 紛失・ハッキングのリスク 暗号資産を保管する場合、紛失やハッキングのリスクは常に付きまといます。 通貨危機や財政危機などの場面ではあまり想定できませんが、国際紛争などの場面ではハッキングが多発します。利用している暗号資産取引所やその他サービスだけでなく、幅広いインターネット回線も攻撃される可能性があることは注視しなければなりません。 ビットコイン(暗号資産)で資産防衛を図る際のポイント ビットコインや暗号資産を用いた資産防衛を行う際のリスクや注意点を踏まえた上で、実際に行うときのポイントを紹介します。 厳重なウォレットの管理 ハッキングやインターネット回線の脆弱化を懸念したうえで、自身でウォレット管理を行いましょう。緊迫した状況下では、ウォレットは特定の事業者等が管理しているものではなく、自身で管理できるものを選択することが良いです。 自分の考えうる最悪の状況を考慮し、その状況でも対応できるウォレット運用方法を構築していくことが資産防衛につながります。 ほかの資産クラスも活用する 資産防衛ではビットコインや暗号資産のみに頼らず、ほかの資産クラスも活用しましょう。暗号資産は価値の移転という側面においては非常に優れた性質を持ちますが、高い安定性を狙う場合は、ほかの手段が適しているからです。 幅広いポートフォリオを組むことで、リスクを分散することにつながります。 持ち出し先についても考慮する 有事の際の資産防衛としてビットコインや暗号資産を選択した場合、持ち出し先でどう扱うかも考えておく必要があります。 先述の通り、ビットコインや暗号資産はまだ店舗決済などでは使用しにくいため、暗号資産のみを持って生活することは困難だといえるでしょう。 ビットコイン(暗号資産)はCoincheckでかんたんに購入できる 今回、資産防衛と関連して解説したビットコインは、Coincheckでかんたんに購入することができます。 Coincheckでは、ビットコインをはじめとした暗号資産を500円相当から購入することができ、ビットコインや暗号資産の性質を知りたい・試してみたいという方にもおすすめです。 これまで暗号資産を取引したことがない方や、初めて投資を行う方でもかんたんに操作できるスマホアプリを用意しています。 Coincheckの無料登録はこちら つみたてサービスを使えばボラティリティを抑えられる Coincheckでは、ビットコインや暗号資産のつみたてサービスを提供しています。 値動きが激しい暗号資産を定期的に自動で積み立てることで、ドルコスト平均法を用いた購入をかんたんに続けることができます。 つみたてサービスの詳細については、下記ページをご覧ください。 Coincheckつみたて 公式 ビットコインでの資産防衛まとめ 国際情勢や金融市場の緊張が高まる中、資産防衛の手段としてビットコインが注目されつつあります。 ビットコインをはじめとした暗号資産は登場してまだ日が浅いため、実際に資産防衛として使うには、本記事で紹介したような知識が必要になるでしょう。 資産防衛が必要になる場面には遭遇したくないですが、万が一に備えることも重要です。実際に資産防衛としてビットコインや暗号資産を使わなくとも、知識として覚えておいても良いのではないでしょうか。

本記事では、CoinbaseとMorphoが共同で提供する「Bitcoin-Backed Loans with Morpho」を題材に、CeFi(中央集権型金融)とDeFi(分散型金融)のそれぞれの役割と、両者を組み合わせたCeDeFiというアーキテクチャが金融事業者に対して何をもたらすのかを整理します。 なお本記事は情報提供を目的とした調査・解説であり、特定の金融商品や暗号資産の投資を勧誘するものではありません。 このレポートでわかること CeDeFi(セディファイ/シーディファイ)とは何か、CeFi・DeFi との違い Coinbase と Morpho の Bitcoin 担保ローンが示す、海外 CeDeFi の実装イメージ 普及のメリットとリスク、金融事業者が押さえるべき論点 Coincheckの無料登録はこちら 目次 Coinbaseとは何か Morphoとは何か レンディング市場における違い Bitcoin-Backed Loans with Morphoとは何か サービスのトラクション サービスの仕組み 借入条件と担保資産 金利・手数料 サービスにおけるCoinbaseのスタンス CeDeFiのメリットとデメリット そもそもCeDeFi(セディファイ/シーディファイ)とは CeDeFiのメリット CeDeFiのデメリット・リスク まとめ 免責事項 References Coinbaseとは何か Coinbaseは2012年に創業した米国の暗号資産プラットフォームです。登録ユーザー数は約1.08億人、2025年通年の取引総額は5.2兆ドルに達し、暗号資産取引所としての規模は業界最大級です。ただし現在のCoinbaseは、単なる取引所の枠を超えたブロックチェーンインフラ企業としての側面が強まっています。 Coinbaseの取り組みは多岐に渡り、以下のようなものが挙げられます。これら以外にも予測市場のような新しいアセットクラスや証券トークナイズによるオンチェーン金融などの取り組みも進めています。 取り組み内容 概要 暗号資産取引所 リテール・機関向け取引プラットフォーム Base Coinbaseが開発・運営するEthereum L2ブロックチェーン トークンの発行 ビットコインなどのトークンを1:1で裏付けたラップドトークンの発行 x402 HTTPの決済レイヤーを拡張するペイメントプロトコル Bitcoin-Backed Loans 本記事が取り上げるBitcoin担保ローンサービス クリプトカード USDCなどのステーブルコインをはじめとした決済 KYC・AMLを含む規制対応の実績と1億人超のユーザー基盤を持ちながら、DeFiプロトコルと接続するためのゲートウェイ機能を担うという立ち位置が、今回のサービスを理解する上での前提となります。 Morphoとは何か Morphoは、Ethereumエコシステム上に構築されたパーミッションレス・ノンカストディアルのオンチェーンレンディングインフラです。 暗号資産の貸し借りを実現するDeFiプロトコルとしては、AaveやCompoundが広く知られています。これらは「共有プール型」と呼ばれ、複数の担保資産と貸出資産が一つの大きなプールを共有し、利用率に応じて金利が自動調整される仕組みです。プールを共有する構造上、あるマーケットの不良債権リスクが他のマーケットに波及する可能性があります。 比較軸 Aave / Compound Morpho Blue 市場構造 共有流動性中心 市場ごとに分離 リスク管理 プロトコル全体管理 市場単位で隔離 市場作成 DAO主導 Permissionless 金利モデル 標準化IRM 市場ごとに選択可能 柔軟性 低〜中 高 流動性 集約されやすい 分散しやすい 主な強み 深い流動性 カスタマイズ性 レンディング市場における違い 一方で、Morphoは各市場が独立しており、「担保資産・貸出資産・価格オラクル・金利モデル・清算閾値(LLTV)」の5パラメータで独立して定義されていることで、あるマーケットのリスクが他のマーケットに伝播しない設計になっています。 出典:Morpho Docs TVLは2026年5月時点で約76億ドルを超えており、DeFi貸付プロトコルとして急速に存在感を高めています。 出典:DefiLlama Bitcoin-Backed Loans with Morphoとは何か Bitcoin-Backed Loans with Morphoは、Coinbaseのリテールユーザーがアプリ上で完結した借入体験を得ながら、バックエンドではMorphoのオンチェーンレンディング市場を利用する構造の金融サービスです。 ユーザーの体験はシンプルです。Coinbaseのアプリ上で担保となる暗号資産を選択し、借入額を入力し、利用規約に同意するだけです。その裏側では、次のプロセスが自動的に処理されています。 CoinbaseがBTCを受け取り、cbBTC(ビットコインを1:1で裏付けたラップドトークン)に変換する cbBTCをBase上のMorphoスマートコントラクトにロックする MorphoプロトコルがUSDCを貸し出す ユーザーはDeFiプロトコルやスマートウォレットを直接操作した感覚がないまま、オンチェーンのローンを利用することになります。「フロントはCeFi、バックはDeFi」という設計が、このサービスの本質です。 サービスのトラクション サービスは2025年1月に米国でローンチされ、その後ETH・cbETH担保への対応拡張、借入上限の引き上げ、英国への展開と段階的に規模を拡大してきました。 ローンチから約1年3ヶ月で累計23.9億ドル(約3,500億円)の借り入れが実行されています。2025年5月時点でアクティブな借入ユーザーは約3万人です。 借入金額・ユーザーのトラクション 借入の担保資産は、約90%がBTC、ついで約5%がETHが使われており、LTV・LLTVの水準が高い資産が担保資産のほとんどを占めていることがわかります。 実行中の借入金額は、約11.8億ドル(約1,770億円)で、以下のグラフに示すような推移で増加しています。2025年11月頃や2026年2月頃で借入額の落ち込みが確認できるのは、BTCの価格変動時に清算が発生したため、2026年2月6日頃に発生した1日で約1万ドル近くの値動きによって清算が発生していることが予想されます。 実行されている借入額の日次推移 2026/2/6のタイミングで1日で1万ドル近くの上下幅が発生 また、CoinbaseはMorphoを使ったUSDCの貸し付けもサービスとして組み込んでおり、ユーザーはCoinbaseのアプリ上からUSDCを預け入れることで、Morpho市場の需給に応じた変動利回りを受け取る仕組みとなっています(2026年5月時点の参考値:年率4.1%〜4.5%程度。市場環境により変動します)。このサービスは累計22.4億ドル近くが預け入れられており、2026年5月時点で約2.8億ドル近くのステーブルコインの残高があります。 この残高はMorphoが提供するVaultのうちの2割近くを占めており、一時は4割近くの供給をCoinbaseによって供給されていました。Coinbaseが提供することによる安心感やUXの簡便さとDeFiの透明性や利回りを組み合わせることで、DeFiの複雑性をCoinbaseのブランドで包んで一般ユーザーに届けることに成功している事例と言えます。 サービスの仕組み 借入条件と担保資産 ユーザーは担保資産を預け入れることでLTV(残高÷担保時価)が49〜75%を上限として借入を実行することができます。例えば、1BTCが80,000ドルの時、60,000ドルまで借入を実行することができます。 一方で、借入実行後に1BTCが80,000→69,767ドルまで下がると、担保資産の清算ラインとなる86%を下回るため清算が実行されます。Morphoのスマートコントラクトが自動・即時に清算を執行します。清算時にはペナルティとして担保の4.38%が追加徴収されます。 LTVが上昇する主な要因は以下の3つです。 担保資産の価格下落 利息の蓄積による借入残高の増加 追加借入による借入残高の増加 借入する際の通貨はUSDCで統一されています。信用審査はなく、返済期日も設けられていません。利用資格は「米国在住(ニューヨーク州を除く)かつ本人確認済みのCoinbaseアカウント保有者」で、英国では2026年4月から限定的なアクセスが開始されています。借入をする際には、以下の対応する担保資産を預け入れることで借入を実行することができます。 担保資産 最大借入額(USDC) 最大借入LTV 清算ライン BTC 500万ドル 75% 86% ETH・cbETH 100万ドル 75% 86% XRP・DOGE・ADA・LTC 未公表 49% 62.5% 注記: SOLの取り扱いもありますが、表には未記載(Coinbase)。 金利・手数料 金利は変動制で、Morpho市場の需給に応じて毎ブロック生成時(数秒ごと)に更新されます。BTC担保での現在水準は年率約6%程度です。 米国の金利水準は市場環境によって異なりますが、平常時では概ね年率4〜8%程度で推移することが多く、借入需要が高まる局面では10%を超える場合もあります。暗号資産担保ローンとしては比較的低い金利水準に位置付けられます。 また、手数料は借入時に一括で発生します。借入額25万ドルまでは2%、超過分については1%が適用されます。この手数料は元本に加算されるため、以降の利息計算にも含まれます。 サービスにおけるCoinbaseのスタンス Bitcoin-Backed Loans with Morphoにおいて、Coinbaseが自社を「UIプロバイダー」として位置づけていることは、本サービスの構造を理解する上で重要な点です。 ローンの実行主体はMorphoのスマートコントラクトであり、Coinbaseは清算プロセスに介入できません。規約上、Coinbaseは清算損失・サービス障害・価格変動に起因する損失に対して一切の責任を負わず、損害賠償の上限は「支払済み利用料または100ドルのいずれか高い方」と定められています。 また、借り入れたUSDCをCoinbase上のトレードに使用することは禁止されています。これはレバレッジ取引に類する行為を回避するための措置と考えられます。担保中の暗号資産は取引・移動が不可能なロック状態に置かれます。 項目 Coinbaseの立場 ローン実行主体 Morphoスマートコントラクト(Coinbaseではない) 清算への介入 不可 損害賠償上限 支払済み利用料 or 100ドルの高い方 担保中の暗号資産の扱い 取引・移動不可(ロック状態) 借入USDCの利用制限 Coinbase上のトレードへの使用禁止 従来のCeFiレンディングサービスでは、プラットフォーム事業者が貸付業者として一定の責任を負い、清算や債権管理を含むオペレーションを自社で担います。これに対しBitcoin-Backed Loans with Morphoは、Coinbaseがフロントエンドとしてユーザー体験を提供しながら、貸付に関わるリスクの所在をスマートコントラクトに移転した設計です。 CeDeFiのメリットとデメリット Bitcoin-Backed Loans with Morphoが体現するCeDeFiモデルの特徴を、既存のCeFiのレンディングやDeFiのレンディングとの比較で整理します。 そもそもCeDeFi(セディファイ/シーディファイ)とは CeDeFi(セディファイ/シーディファイ)は、Centralized DeFi の略称で、取引所など CeFi の使いやすさと、DeFi プロトコルの自動実行・透明性を組み合わせた金融の形です。ユーザーは従来型の取引所と同様の操作感のまま、裏側ではスマートコントラクト上でレンディングや清算が動きます。 CeDeFiのメリット 信用審査コストのカット 過剰担保(借入時のLTV上限は75%)によって信用審査を代替しており、借り手の属性評価プロセスが不要です。与信審査にかかる人件費・システムコスト、および不良債権リスクが原理的に発生しない設計です。 清算・回収業務のスマートコントラクトへの委任 LTV 86%到達時の清算は、スマートコントラクトが判断・執行します。清算タイミングの判断や債権回収の交渉といった、従来の貸付業務で大きなコストを占める工程がコードに置き換えられています。 DeFiへのアクセシビリティを向上し、ユーザー体験の向上 DeFiのオープン性・利回り・透明性とCEXの使い慣れている環境・安心感を組み合わせてトレードオフを縮めることができます。特にマスアダプションの文脈では、技術的ハードルを下げることが参加者層の拡大に直結します。 CeDeFiのデメリット・リスク 価格急落時の自動清算リスク 担保資産の価格が急落した場合、LTVが短時間で86%を超えるケースがあります。スマートコントラクトは猶予なく清算を執行するため、2022年のような急落局面では連鎖的な清算が発生しうる構造です。従来の貸付では貸し手が清算判断に裁量を持てる場面がありますが、このモデルでは一切介入できません。 規制上の利用可能地域の制約 現在は米国(ニューヨーク州を除く)と英国(限定)のみで利用可能です。暗号資産担保ローンに関する規制整備の状況が国ごとに異なるため、グローバル展開には時間を要する見通しです。 Coinbaseによる損失補償の不在 CoinbaseはUIプロバイダーとして定義されており、清算損失・システム障害・価格変動に起因する損失への賠償責任を原則として負いません。ユーザーはスマートコントラクトの動作リスクを自己負担することになります。 まとめ Bitcoin-Backed Loans with Morphoは、Coinbaseが提供するユーザー体験(KYC・UI・ブランド)と、Morphoが提供するオンチェーンレンディングインフラを組み合わせた、CeDeFiアーキテクチャの現時点での代表的な実装例です。 サービス開始から約1年3ヶ月で累計23.9億ドルの貸付実行額を達成した事実は、「CeFiのUIをDeFiのインフラに接続する」アプローチが市場から受け入れられていることを示しています。信用審査なし・清算の自動化・オープンな流動性市場による低金利という組み合わせは、従来の貸付ビジネスとは異なるコスト構造を実現しており、その設計思想は既存の金融事業者にとって参照価値があります。 一方で、価格急落時の自動清算リスク、事業者による損失補償の不在、地域規制による展開制約といった課題は、従来のCeFiが担保していた要素をスマートコントラクトと利用者自身が引き受ける形になっています。 ユーザーがより簡単にDeFiにアクセスする新しい手段として、今後もCeDeFiに注目が集まります。 免責事項 本レポートは、キリフダ株式会社が情報提供を目的として作成したものです。 本レポートの内容は、人工知能(AI)を活用して生成・編集されています。情報の正確性・完全性については万全を期しておりますが、AIによる生成物であることの性質上、誤りや不正確な情報が含まれる可能性があります。内容については必ずご自身でご確認ください。 本レポートは、特定の金融商品・暗号資産への投資を勧誘・推奨するものではありません。掲載されている情報は、いかなる投資判断の根拠となるものでもなく、投資に関する最終的な決定はご自身の判断と責任においてお願いいたします。 暗号資産への投資には価格変動リスクをはじめとするさまざまなリスクが伴います。投資を行う際は、関連法令・規制を遵守の上、必要に応じて専門家にご相談ください。 © 2026 キリフダ株式会社 All Rights Reserved. References [1] Morpho, Variable Rate Market (Morpho Blue) —docs.morpho.org [2] DefiLlama —defillama.com [3] Dune, Morpho, Coinbase Onchain Borrowing & Lending —dune.com

2026-07-23暗号資産を知る

高市政権と暗号資産(仮想通貨)の関係について、ニュースなどで目にしたことがある方もいるかもしれません。 2025年10月に高市早苗氏が内閣総理大臣に就任し、その後2026年2月には第二次高市政権が発足しました。 政権の経済政策や制度の方向性は、暗号資産市場や投資家の期待に影響することがあります。 本記事では、高市政権の政策スタンスや税制議論、最近話題となった出来事などを整理しながら、政治と暗号資産(仮想通貨)の関係についてわかりやすく解説します。 Coincheckの無料登録はこちら 目次 高市政権で暗号資産(仮想通貨)の税制改正に期待 税制改正・減税に前向きな姿勢 財務大臣に元・財務官僚の片山さつき氏を起用 暗号資産(仮想通貨)に関わる高市政権の特徴 世論の関心が高い分野を重視する傾向 アメリカの政策と歩調を合わせる傾向 政治による暗号資産(仮想通貨)への影響 日本の政治動向と暗号資産市場 暗号資産(仮想通貨)の規制動向には注意 高市政権で暗号資産(仮想通貨)の税制改正に期待 高市氏は責任ある積極財政を掲げ、成長分野への投資や国内需要の活性化を重視する姿勢を示しています。 こうした経済政策の方向性を踏まえると、暗号資産(仮想通貨)分野についても、制度面の見直しや環境整備が進むのではないかと期待する見方があります。 税制改正・減税に前向きな姿勢 高市氏は、経済活動を活発にすることで国全体の成長を促すスタンスを示しています。その一環として、税制の見直しや減税についても前向きな姿勢を打ち出しています。 日本の暗号資産(仮想通貨)をめぐる税制では、現在は総合課税の対象であり、税率の高さが課題として指摘されることも少なくありません。こうしたなか、株式などと同様の申告分離課税への移行に向けた議論が重ねられてきました。 政府は金融商品取引法への移行を前提に、暗号資産(仮想通貨)への申告分離課税を導入する方針を示しており、高市政権のもとで、税制設計がどのように具体化していくのかが、業界関係者や投資家から注目されています。 また、2026年2月の施政方針演説では、食料品の消費税率を一定期間ゼロとする法案の提出に言及しました。実現には財源確保などの課題があるとみられますが、経済刺激策に積極的な姿勢を示している点は特徴といえるでしょう。 このように、暗号資産(仮想通貨)に直接関わる制度改正だけでなく、景気全体を押し上げる政策が間接的に市場環境へ影響を与える可能性もあります。 財務大臣に元・財務官僚の片山さつき氏を起用 暗号資産(仮想通貨)の税制や制度設計を考えるうえでは、財務大臣や金融担当大臣の方針も重要なポイントとなります。 高市政権では、元財務官僚の片山さつき氏が財務大臣・金融担当大臣を務めています。財政や税制に精通した経歴を持つ人物が大臣を担当している点は、市場からも一定の関心を集めています。 片山氏はデジタル分野への関心を示しており、2026年を「デジタル元年」と言及するなど、ブロックチェーン技術やデジタル資産に関連する発言もみられます。暗号資産(仮想通貨)の分離課税への見直しを含め、制度整備の議論がどのように進むのか、今後の政策動向が注目されるところです。 暗号資産(仮想通貨)に関わる高市政権の特徴 暗号資産(仮想通貨)への影響は、税制改正のような直接的な政策に限られません。政権全体の運営の方向性やスタンスが、間接的に市場環境へ作用することもあります。 では、高市政権にはどのような特徴があり、それが暗号資産(仮想通貨)市場にどのように関わりうるのでしょうか。 世論の関心が高い分野を重視する傾向 高市政権については、「世論の関心が高い分野に重点的に政策を打ち出す傾向がある」との見方があります。こうした姿勢を評価する声がある一方で、批判的に捉える意見もみられます。 たとえば、電気代やガス代への支援策を積極的に打ち出してきた点や、消費税減税に向けた検討に言及している点などが挙げられます。 こうした家計の負担を軽減する政策によって国民の可処分所得(手元に残るお金)に余裕が生まれれば、その一部が投資資金へと回る可能性があり、結果として暗号資産(仮想通貨)を含む市場全体に間接的な影響が波及することも考えられます。 アメリカの政策と歩調を合わせる傾向 高市政権は、安全保障分野などを中心に、アメリカの政策に足並みを揃える傾向にあるという見方があります。 アメリカのトランプ政権は、暗号資産(仮想通貨)に対して前向きな姿勢を打ち出しており、ステーブルコインに関する法整備や、国家戦略としての暗号資産(仮想通貨)活用に向けた動きを加速させています。 こうした背景を踏まえると、日本の暗号資産(仮想通貨)政策においても、日本固有の規制環境や慎重論は残しつつも、長期的にはトランプ政権の動向に歩調を合わせる形で緩和や環境整備が進むのではないかという見方もあります。 トランプ大統領の影響でビットコイン(BTC)が急上昇?公約や発言をわかりやすく解説 Coincheck 政治による暗号資産(仮想通貨)への影響 ここまで、高市政権と暗号資産(仮想通貨)というキーワードを中心に見てきましたが、最後に視点を広げ、政治が暗号資産(仮想通貨)市場に与えるであろう一般的な影響について整理します。 日本の政治動向と暗号資産市場 政治が暗号資産(仮想通貨)市場に与える影響は国によって異なります。日本では長らく、利用者保護を目的とした法規制や実務を、金融庁をはじめとする行政機関が中心に進めてきました。 一方で、近年は与党でもオンチェーン金融の推進に向けた提言がまとまるなど、政治主導で市場環境の整備を後押しする動きがみられます。 参考:次世代AI・オンチェーン金融構想PT提言 こうした流れを受け、2026年7月21日に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針2026、骨太の方針では、オンチェーン金融の推進が盛り込まれました。政府の重点施策を示す文書に明記されたことで、国家戦略としての位置づけがより明確になったといえます。 参考:経済財政運営と改革の基本方針2026 あわせて、令和8年度税制改正では、金融商品取引法の改正を前提に、一定の暗号資産取引から生じる所得を総合課税から申告分離課税へ見直す枠組みが決まりました。2026年7月には、暗号資産を金融商品取引法の枠組みで位置づける改正法も成立しています。 参考:金融庁「国会提出法案等」 分離課税の適用開始は、改正金商法の施行日が属する年の翌年1月1日以降とされており、2028年開始が見込まれます。対象取引の範囲や施行時期の詳細は、政省令等の整備状況によって変わり得るため、最新の制度を確認することが大切です。税制改正の論点整理は、令和8年度の暗号資産税制改正でも解説しています。 このように日本では、厳格な利用者保護のスタンスを維持しつつ、政府方針や業法・税制の両面でルール作りが進みつつあります。政権や国会の動向が、暗号資産(仮想通貨)の将来的な制度設計に影響を与え続ける点には引き続き留意が必要です。 暗号資産(仮想通貨)の規制動向には注意 地政学的な緊張が高まる局面では、政治動向が暗号資産(仮想通貨)に比較的強く作用し、規制強化につながる可能性もあります。 典型的な例が、戦争等の国際的な有事です。暗号資産(仮想通貨)は特定の国に依存しない決済手段としての利便性を持つ反面、経済制裁を受ける国にとっては、資金入手の抜け道になり得る側面も持ち合わせています。 こうした問題意識を背景に、国際的なマネーロンダリング・テロ資金供与対策(AML/CFT)の枠組みでは、送金者・受取人の情報を事業者間で共有する「トラベルルール」の運用が広がってきました。日本でも2023年以降、暗号資産交換業者等に通知義務が課されており、対象となる国・地域の見直しも続いています。 平時には制度整備や環境改善を掲げる政権であっても、安全保障上の要請があれば、一転して規制強化へ舵を切る可能性があります。平時の政策だけでなく、世界情勢の変化が規制の引き締めに直結し得るリスクを理解し、多角的な視点で動向を注視しておくことが重要です。

2026-07-23暗号資産を知る

モネロ(XMR)は、高い匿名性・プライバシー性を持つ暗号資産であり、匿名通貨の代表的な存在と言われています。 2025年終盤~2026年初頭にかけ、アメリカを中心とした暗号資産関係の動向の変化が大きな原因のひとつとされる価格の大幅高騰を受け、再び注目が集まった暗号資産です。 本記事では、モネロ(XMR)の特徴や将来性、注意点などを幅広く解説していきます。 なお、モネロ(XMR)は現在日本国内での取扱いがなく、本記事は同通貨の取引や購入、海外取引所の利用を推奨するものではありません。 Coincheckの無料登録はこちら 目次 モネロ(XMR)とは モネロ(XMR)の特徴 高い匿名性を持ち匿名通貨とも呼ばれる ステルスアドレスやリング署名などの匿名化技術を採用している ビットコインとは異なるPoWを採用している モネロ(XMR)の将来性 国による規制の可能性がある 制裁下や通貨危機下で活用される可能性がある プライバシーを優先したいユーザーから注目される可能性がある モネロ(XMR)の注意点 日本国内の暗号資産取引所では購入できない 51%攻撃を仕掛けられたことがある ダークマーケットでも活用される Coinhive事件とは モネロ(XMR)はどこで買えるか まとめ|モネロ(XMR)について モネロ(XMR)とは モネロ(XMR)とは、匿名性の高い暗号資産・アルトコインで、代表的な匿名通貨のひとつです。 匿名通貨とは、暗号資産のなかでも特に匿名性・プライバシー性の高いものを指し、モネロ(XMR)のほかにはZcash(ジーキャッシュ・ZEC)やDash(ダッシュ・DASH)などが挙げられます。 モネロ(XMR)を代表とした匿名通貨は、一般的にビットコインやイーサリアムと異なり、取引の詳細内容や相手などが見えにくいような仕組みとなっていることが多いです。 モネロ(XMR)の特徴 匿名通貨として名高いモネロ(XMR)の代表的な特徴を紹介します。 高い匿名性を持ち匿名通貨とも呼ばれる 先述の通り、モネロ(XMR)は高い匿名性から「匿名通貨」とよばれる暗号資産・アルトコインのカテゴリに属しています。 匿名通貨はその高い匿名性から身代金要求型のマルウェアであるランサムウェアによる支払いなどに使われてしまう一方、検閲への対策としても活用できる暗号資産としても注目されています。 ステルスアドレスやリング署名などの匿名化技術を採用している モネロはすべての取引がデフォルトで匿名性を持っています。 ステルスアドレスやリング署名、RingCTという3つの技術により、取引の送信者・受信者・金額が秘匿されています。 そのため、モネロ(XMR)の取引は追跡が極めて困難とされ、送受信の履歴が第三者から見えにくい設計です。 ビットコインとは異なるPoWを採用している モネロのコンセンサスアルゴリズムはPoWですが、PoWで代表的なビットコインとは異なるマイニングアルゴリズムを採用しています。 モネロは誰もがマイニングできること、平等なマイニング機会を維持することを理念として掲げています。RandomXというマイニングアルゴリズムを採用しており、GPUよりもCPUでの採掘効率が高いとされています。そのため、ビットコインなどのマイニングに用いられるASIC(特定の計算に特化した専用機器)に対する耐性があり、私たちの持つスマートフォンやPCでのマイニングが可能です。 反対に、ビットコインはSHA-256d(Double SHA-256)というコンセンサスアルゴリズムを採用しており、これに対応した専用機器のASICが多数登場しています。 そのため、マイナーの分散性に関してはビットコインよりもモネロに優位性があるといえるでしょう。 モネロ(XMR)の将来性 モネロ(XMR)は高い匿名性を持つことが強みの暗号資産であるため、将来性を考える際にポジティブな面とネガティブな面が極端になりがちです。モネロ(XMR)の将来性を紹介します。 国による規制の可能性がある モネロ(XMR)は高い匿名性から、資金洗浄などを危惧して規制に乗り出す国が多く存在します。後述しますが、日本でもアンチマネーロンダリング(AML)の観点から、暗号資産交換業者に関連する制度が整備された段階でモネロ(XMR)を取引できる国内暗号資産取引所は消滅しました。 しかし、各国が規制に動くことは、モネロの匿名性の高さを示しているともいえ、高いプライバシー性が求められる場面では注目される可能性があります。 制裁下や通貨危機下で活用される可能性がある 経済制裁や通貨危機といった有事の局面で、資産を保全する手段のひとつとして活用が見込まれるケースがあります。 実際、2025年末~2026年初頭にかけ、アメリカの規制強化下で高い匿名性が評価されたとされ、価格が急騰したケースがあります。 なんらかの政治的・経済的な危機が発生した場合、暗号資産を用いて資産防衛を行うにしても、ビットコイン(BTC)などは取引履歴が公開されているため、専門的な知識がなければ、第三者から取引を追跡されやすいといえます。 一方で、モネロ(XMR)は追跡が難しいため、プライバシーを保ちやすいといえます。また、コンセンサスアルゴリズム的にビットコインよりも省エネルギー的であるため、国際情勢が悪化しても電力的な問題でモネロのセキュリティが大幅に下がることは考えにくいといえます。 プライバシーを優先したいユーザーから注目される可能性がある 現状、暗号資産取引において、高いプライバシー性を重視したいというユーザーの声は多数を占めているわけでは無いでしょう。 しかし、上記のような何らかの危機下などにおいては、プライバシー性を重視するユーザーが増加し、結果としてモネロ(XMR)が注目される可能性もあるといえます。 モネロ(XMR)の注意点 モネロ(XMR)は高い匿名性から注目されている暗号資産ですが、その高いプライバシー性に起因する注意点が存在します。 日本国内の暗号資産取引所では購入できない モネロ(XMR)は日本国内の暗号資産取引所で購入することができません。 先述の通り、暗号資産交換業者の制度が制定されたタイミングで、アンチマネーロンダリング(AML)の観点から、国内での取り扱いが廃止されました。 Coincheckでも、2018年5月にモネロ(XMR)の取り扱い廃止が発表され、同年6月に廃止されています。 参考:仮想通貨 Watch「コインチェックがモネロ(XMR)の取り扱いを廃止」 また、この規制動向は日本国内に留まりません。近年では、国際的なAML/CFT基準の厳格化に伴い、海外の大手暗号資産取引所(BinanceやOKXなど)においても、モネロをはじめとする匿名通貨の取扱終了(上場廃止)や欧州等の一部地域での取引制限に踏み切る事例が相次いでいます。 参考:Binance公式サポート 51%攻撃を仕掛けられたことがある 2025年8月、Qubicというブロックチェーンプロジェクトが、モネロに対し51%攻撃を行ったと主張しています。実際に51%攻撃が成功したかは定かではないという意見も存在しますが、少なくとも30%前後のハッシュパワーは独占されていたようです。そのため、51%攻撃ではない「セルフィッシュマイニング」という異なる攻撃手法が取られたとする意見もあります。 また、Qubicはモネロのブロックチェーンの破壊を狙って51%攻撃を仕掛けたわけではないようで、この事件後もモネロは安定的に稼働しています。 モネロに限らず、51%攻撃のような行為が行われる際は、ブロックチェーンコミュニティやエンジニアによるイデオロギー的なものが大きく、ブロックチェーンから大きく資金が流出することは稀です。攻撃を受けたブロックチェーンに熱心な開発コミュニティが残っていれば、反対に攻撃に対する対策が議論・実装されることもあるため、モネロの場合は必ずしもネガティブになりすぎる必要はないかもしれません。 参考:CRYPTO TIMES「モネロ、51%攻撃で暴落|事実上の乗っ取り状態へ」 ダークマーケットでも活用される モネロ(XMR)は、インターネット上の犯罪行為における決済手段として使われる側面も存在します。 金融庁の資料では、ダークウェブ上の決済手段で匿名通貨であるモネロ(XMR)とダッシュ(DASH)が使われているとの調査結果が掲載されています。 このように、送信者や金額が完全に秘匿されるモネロ(XMR)の仕組みは、国際的なマネーロンダリング・テロ資金供与対策(AML/CFT)の観点から非常に大きなリスクとみなされています。 規制当局や捜査機関による不正取引の追跡が極めて困難であるため、プライバシーコイン一般が犯罪組織に悪用されやすいという本質的な課題を抱えています。 出典:金融庁「ブロックチェーンを用いた金融取引のプライバシー保護と追跡可能性に関する調査研究」引用:金融庁公式サイト Coinhive事件とは モネロを巡った国内の大きな事件として、「Coinhive事件」が挙げられます。 Coinhive事件とは、Webページに訪れたユーザーの端末を用いてモネロ(XMR)のマイニングを行う「Coinhive」を設置したことが不正指令電磁的記録保管罪に問われるとして起訴された事件です。 この事件は2018年ごろ周知され、一審無罪、二審有罪となるものの、最終的に最高裁まで争う形となり、2022年1月に最高裁で無罪を獲得しています。 Coinhive事件を巡っては、そもそもWebサイトで表示される広告や、特に動画広告などの動作はCoinhiveよりも悪質ではないかといった意見も多く散見され、検挙を行った警察などへの批判も見られました。 モネロ(XMR)はどこで買えるか モネロ(XMR)は、2026年5月時点では日本国内の暗号資産取引所で購入することができません。先述の通り、アンチマネーロンダリング(AML)の観点から、国内での取り扱いが廃止されたためです。 海外の暗号資産取引所では取り扱いがある場合もありますが、海外取引所の利用には、国内の法規制や各取引所の利用規約、税務上の取り扱いなどに注意が必要です。匿名性の高い暗号資産は各国で規制の対象となることもあるため、最新の制度や取り扱い状況を確認することが大切です。 まとめ|モネロ(XMR)について モネロ(XMR)は高い匿名性をもつ暗号資産であり、匿名通貨の代表的なコインです。 高いプライバシー性を持つ一方で、マネーロンダリング等の不正利用リスクや、各国政府・主要取引所による規制・取扱終了の動向など、投資家として留意すべき厳格なリスクが存在します。 日本国内からは購入できず、今後の国際的な規制強化の流れも含め、その動向には慎重な見極めが必要です。

2026-06-02暗号資産を知る

暗号資産(仮想通貨)やNFTの取引をする際に、ガス代というものを支払うことがあります。 サービスを利用しているとなんとなく支払っているガス代ですが、利用するタイミングなどによりガス代が変動することが気になった方も少なくないのではないでしょうか。 本記事では、ガス代の概要や特性、ガス代を払う必要性や、ガス代が高騰する場面、ガス代を安くする方法などを解説します。 Coincheckの無料登録はこちら 目次 暗号資産(仮想通貨)のガス代とは何か ガス代はブロックチェーンにより異なる 暗号資産(仮想通貨)のガス代はなぜ支払う必要があるのか ネットワークを維持する必要がある スパムや攻撃の防止になる ガス代が発生するタイミング ガス代は自分で設定することができる NFT取引でガス代が発生する理由 暗号資産(仮想通貨)のイーサリアムにおけるガス代とは イーサリアムのガス代の計算方法や調べ方 暗号資産(仮想通貨)のガス代が高くなる理由 NFT取引が活発化する DEXなどのDAppsの利用が増加する トークン発行・売買が頻発する 暗号資産(仮想通貨)のガス代を安くする方法 利用者が少ない時間に利用する 安いガス代で設定して待つ レイヤー2などを利用する まとめ|仮想通貨のガス代 暗号資産(仮想通貨)のガス代とは何か 暗号資産(仮想通貨)のガス代とは、主にイーサリアムのネットワーク利用手数料のことを指します。 現在では、スマートコントラクトを搭載した暗号資産が増えており、イーサリアム以外のスマートコントラクトを搭載した暗号資産でも、ネットワーク手数料をガス代と表記することが多いです。 反対に、スマートコントラクトを搭載していないビットコインなどでは、ガス代と呼ばずに単にネットワーク手数料・送金手数料・手数料などということが一般的です。 ガス代はブロックチェーンにより異なる ガス代とはブロックチェーンに支払う手数料であるため、一般的にブロックチェーンの処理能力などにより異なります。 一般的にはソラナなどの処理能力が高いブロックチェーンのほうがガス代は安価になりやすく、イーサリアムのように処理能力が低いブロックチェーンではガス代が高価になる傾向にあります。 暗号資産(仮想通貨)のガス代はなぜ支払う必要があるのか 暗号資産やブロックチェーンは、非中央集権で分散的に管理されているのに、なぜ、どこにガス代という手数料を支払う必要があるのかと思う方も少なくありません。 ここでは、ガス代を払う必要性を解説します。 ネットワークを維持する必要がある 暗号資産のガス代とは、先述の通りブロックチェーンの利用手数料です。 ブロックチェーンは、一般に非中央集権的・分散的に世界中のマイナーやバリデータと呼ばれるネットワーク維持者が維持しています。ブロックチェーンの維持のインセンティブとして暗号資産が得られる仕組みになっており、ガス代がインセンティブの一部、もしくは全部となるのです。 つまり、ガス代がなければバリデータやマイナーの収益性が悪化し、ブロックチェーンが維持されなくなる可能性もあるため、ガス代を支払う必要があります。 スパムや攻撃の防止になる 悪意のあるユーザーが、スパム行為や攻撃を行うと仮定してみましょう。 攻撃時に、スマートコントラクトの実行が無料で行えてしまうと、無限にスマートコントラクトの実行リクエストをすることができてしまいます。バリデータやマイナーは、そういった攻撃やスパム的なスマートコントラクトを無限に処理していかなければならず、本来スマートコントラクトの実行を必要としている善良なユーザーを処理することが困難になります。 しかし、スマートコントラクトの実行に手数料が必要な場合、スパム的な攻撃を行うにも金銭的な制約が発生するため、理論上どこかで攻撃を止めざるをえません。 そのため、スマートコントラクトやブロックチェーンの利用に手数料を設定することで、自律分散的に稼働するブロックチェーンを仕組みとして保護することができるのです。 ガス代が発生するタイミング ガス代は、ブロックチェーンにデータを書き込む操作をするときに発生します。代表例は以下の通りです。 暗号資産の送金 NFTの作成(ミント)や売買 DAppsの操作やスマートコントラクトの実行(スワップなど) ガス代は自分で設定することができる ガス代は、取引をどれくらい急ぐかに応じて、自分で設定できる場合があります。 バリデータやマイナーは、基本的に設定されたガス代が高いものから優先的に処理していきます。急ぎで行いたいスマートコントラクトでは高いガス代を、急がない場合は比較的安めのガス代を設定するなど、場面に合わせて合理的にガス代を設定してみることも良いでしょう。 ただし、あまりにも安いガス代を設定すると、かなりの長時間承認されない可能性もあるため、使うブロックチェーンのガス代の相場は調べておきましょう。 急ぎ具合に合わせて3段階程度でガス代を自動で設定してくれる機能を持っているサービスもあるため、ガス代の設定に自信がない方は、サービス内で設定されるガス代を支払うほうが安全です。 NFT取引でガス代が発生する理由 NFTはブロックチェーン上で発行されているトークンです。そのため、NFTの発行や送信などではスマートコントラクトを使用する必要があり、ガス代が必要になります。スマートコントラクトを用いたNFT売買を行う際にも、当然ながらガス代が必要です。 暗号資産(仮想通貨)のイーサリアムにおけるガス代とは イーサリアムのガス代は、イーサリアムのブロックチェーン・スマートコントラクトを利用する際の手数料です。 主にガス代が発生する場面は、ETHの送金・送信やトークン発行、NFT発行、DApps利用、DEX利用など、基本的にほとんどの場面でガス代が必要です。 反対にガス代が不要な場面は、ETHやトークン、NFTを受け取るときや、イーサリアムアドレスを調べるとき、ガス代を調べるときなどです。 イーサリアムのガス代の計算方法や調べ方 ガス代の計算方法や調べ方では、まずGweiというイーサリアムのガス代にかかわる単位を覚えておきましょう。 イーサリアムのガス代は、Gweiという単位で表されています。 Gweiは新しい暗号資産・トークンではなく、GweiはETHを細かく分割した単位で「1Gwei=0.000000001ETH」(10億分の1ETH)で計算されます。 ガス代はネットワークの混雑状況によって目安が変わるため、取引や操作の前に「いまの相場」を確認しておくと安心です。スマートコントラクトに必要なガス代は、Etherscanのgastrackerや、beaconcha.inのGasNowなどで確認することができます。 引用:Etherscanのgastracker 引用:beaconcha.in - GasNow なお、イーサリアムのガス代は、スワップやNFT売却など、行いたい処理によって異なりますが、各ツールでそれぞれ確認できます。 暗号資産(仮想通貨)のガス代が高くなる理由 ガス代の高騰は、ネットワークが混雑した結果として発生します。 ブロックチェーンが処理できる取引以上に取引の需要が発生した場合、設定されているガス代が安いとスマートコントラクトが処理されなくなってしまう可能性があるため、ユーザーは他者よりも高いガス代を設定する動きをとるため、ガス代が断続的に高騰していきます。 このような状況はスケーラビリティ問題にもつながるため、より詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。 暗号資産のスケーラビリティ問題とは?言葉の意味や問題になる理由・解決策を解説 Coincheck どのような場面でガス代が高騰するか解説します。 NFT取引が活発化する NFT取引が活発化すると、その分処理したいスマートコントラクトの量が増加し、より早く取引を行いたい需要によってガス代が高騰していきます。 また、これまでのNFTブームはある程度投機的な目的で参加しているユーザーが多かったため、より早くNFTを購入・売却したいという心理も加わり、ガス代が高騰していました。 DEXなどのDAppsの利用が増加する 分散型取引所のDEXや、分散型アプリケーションのDAppsは、ブロックチェーン・スマートコントラクト上で自律分散的に稼働しているサービスです。そのため、利用にはガス代が必要です。 特にDEXの利用が活発化している際はNFT取引の時と同様、より早くトークンを購入・売却したいという需要から、ガス代が高騰していきます。 トークン発行・売買が頻発する 新規トークンの発行、売買にもガス代が必要です。特にスマートコントラクト上で発行されたミームコインなどがブームになっているタイミングでは、トークンの売買、新規発行が頻発するため、このような場面でもガス代が高騰します。 暗号資産(仮想通貨)のガス代を安くする方法 ガス代を安くする基本は、混雑を避けること、急がない取引は低めのガス代で待つこと、レイヤー2など手数料が安くなりやすい仕組みを使うことの3つです。 これまで解説したように、ガス代高騰は需要が集中するタイミングで発生します。人間には生活リズムがあるので、人間の行動によってガス代は高騰します。 一方で、トラブルがなければ、ブロックチェーンは365日24時間、コンスタントにスマートコントラクトを処理・実行しています。 そのため、需要が集中していないタイミングを狙うことで、ガス代を安くすることができます。 利用者が少ない時間に利用する ブロックチェーンは利用者が少ない時間帯が存在します。先ほど紹介したEtherscanのgastrackerや、beaconcha.inのGasNowでは、過去のガス代を時間別にソートしたグラフなどで確認できるため、ガス代が安い時間を予測することができます。 安いガス代で設定して待つ 極端に安いガス代を設定しなければ、処理が集中していない時間などにスマートコントラクトは処理されます。 ある程度時間に余裕がある時は、安めのガス代を設定して時間の経過を待つことも、ガス代を安くするのに有効な手段です。 レイヤー2などを利用する 若干使い方は難しいですが、特定の処理に特化したレイヤー2というブロックチェーンを使うことでガス代が圧縮できます。 レイヤー2とは、特定の分野の処理を別のブロックチェーンなどで行い、処理の結果だけを本体のブロックチェーンに書き込む仕組みです。 特にNFTに特化したレイヤー2などがあり、場面に合わせてレイヤー2を使うことでガス代を安くすることができます。 ブロックチェーン・暗号資産(仮想通貨)のレイヤー2(L2)とは?銘柄やメリットを解説 Coincheck まとめ|仮想通貨のガス代 利用時取られる手数料であるため煩わしく感じる人も少なくありませんが、スマートコントラクトを利用する際に発生するガス代はブロックチェーンの維持に欠かせないものです。 しかし、ガス代の特性を理解することで、ガス代を節約することもできます。仕組みをしっかりと把握し、取引の遅延やガス代の高騰などの影響を受けにくくすることが望ましいでしょう。 さらに理解を深めたい方は、目的に合わせて次の記事も参考にしてください。 ガス代が高くなる根本原因を知りたい方は「スケーラビリティ問題」 手数料を抑える方法を広げたい方は「レイヤー2」 NFTの手数料や操作で迷っている方は「NFT取引の基礎」 これらを確認すると整理しやすくなります。