NFTアートとは?作り方や始め方を【初心者向け】解説

近年の世界的なNFTブームに後押しされるように、いま「NFTアート」が大きな注目を集めています。

2024年のNFT市場全体の取引高は137億ドル(約2兆円)、販売数は約5,000万件となりました。前年から比較すると取引高は19%減少し、販売数も18%減少しています。しかし、2025年は幅広い実用化やセカンダリー市場の盛り上がりにより、NFTの普及は加速すると予想されます。

本記事では、「NFTアートを購入(販売)したい」という方に向けて、NFTアートについてわかりやすく解説していきます。

NFTアートとは?

NFTアートとは

NFTアートとは、PCやタブレットなどのデジタルデバイスを使って作られるデジタルアートをNFT化したものです。これにより、デジタルアートに唯一無二の価値を付与できるようになりました。

従来までのデジタルアートの問題は、容易に複製、改ざんができてしまうことです。しかし、NFTアートの登場でデジタルアートの複製や改ざんが理論上では不可能となり、絵画、動画など幅広いジャンルで活用されるようになりました。

そもそもNFTとは?


NFTとは

NFT(Non-Fungible Token)は、「代替不可能なトークン」を指します。主にイーサリアム(ETH)やイーサリアム系のブロックチェーン上で構築され、デジタル資産に唯一無二の価値を付与します。

NFTアート流通の流れ

NFTのリスク

NFTアートは、NFTマーケットプレイスで取引されるのが一般的です。マーケットプレイスでは、ユーザー同士でNFTアートと暗号資産を売買・交換します。ユーザーは、取引時に出品手数料や販売手数料などをマーケットプレイスに支払う必要があります。

高額で取引されたNFTアートの事例

NFT

2017年に誕生したNFTの市場は、年々目を見張るスピードで拡大してきました。NFTアートの需要も徐々に高まり、長期目線では取引高が増加傾向です。また、NFTアートの中には、数十億円で取引される事例があります。ここでは、高額で取引されたNFTアートをご紹介します。

海外の作品・アーティスト:約27億円

CryptoPunks

引用:cryptopunks.app

海外のNFTアートで、高額で取引されているプラットフォームは「CryptoPunks(クリプトパンクス)」です。CryptoPunksは24×24ピクセルのドットアートで、世界で10,000体しか流通していないという希少性が特徴です。CryptoPunksでの最高取引額のNFTアートは「#5822」で、約27億円で取引されました。

国内の作品・アーティスト:約5,300万円

Astro Boy/鉄腕アトム

引用:From the Fragments of Tezuka Osamu(手塚治虫のかけらたちより)

国内では「手塚プロダクション」が作成したNFTアートが高額で取引されました。漫画界の巨匠・手塚治虫の代表作品を題材としたモザイクアートNFT、「Astro Boy/鉄腕アトム」は、120ETH(当時の価格で約5,300万円)で落札されています。

本作品は、手塚治虫が長年にわたって描いてきた原稿のデータを40,000点以上の小さい正方形に裁断、再配置してお馴染みのキャラクターを描き出しています。

NFTの始め方・必要なもの

Astro Boy/鉄腕アトム

NFTの取引を始めるには、NFTマーケットプレイスのアカウント以外にも下記が必要です。

  • 暗号資産(仮想通貨)のウォレット
  • 取引する暗号資産(仮想通貨)

ウォレットにはホットウォレットやコールドウォレットなど、様々な種類があります。運用目的に合ったものを選ぶといいでしょう。また、NFTマーケットプレイスでは、暗号資産:イーサリアム(ETH)が使われるため、対応しているウォレットかどうかを確認する必要があります。

NFTアートの作り方

NFTアートの作り方

NFTアートは、NFTマーケットプレイスにデジタルアートをアップロード(NFT化)することで作成できます。デジタルアートは、PhotoshopやIllustratorなどを利用すれば制作可能ですが、この時点ではNFTと紐づいていません。作成後には、NFTマーケットプレイスで作品をアップロードする必要があります。

NFTアートの購入方法

NFTアートの購入方法

NFTアートを購入する場合には、NFTマーケットプレイスを利用するのが一般的です。NFTマーケットプレイスによっては、運営会社へ販売手数料を支払う必要があります。詳細は、利用するマーケットプレイスの利用規約を確認してみましょう。

Coincheck NFTでNFTアートを購入する方法

NFTアートを購入する方法

  1. 購入したいNFTを選択する
    ホーム画面で、購入したいNFTを選択します。ホーム画面には、全てのNFTが表示されているため、画像左上に「出品中」と記載があるものを選びましょう。
  2. 詳細を確認して「購入確認」をクリックする
    購入金額は、出品者が指定した通貨でのみ購入できます。NFTアートの詳細を確認後、「購入確認」→「購入」をクリックすれば、購入は完了です。

Coincheck NFTで購入するメリット

Coincheck NFTで購入するメリット

国内でも、様々なNFTマーケットプレイスが増えてきました。各マーケットプレイスの特徴を知った上で、目的にあったものを選びたいものです。弊社が運用する「Coincheck NFT」を利用するメリットは、下記の3つが挙げられます。

  • ネットワーク手数料がかからない
  • NFTだけではなく、複数の暗号資産が購入できる
  • 秘密鍵の管理を行う必要がない

通常、NFTマーケットプレイスでNFTを購入する場合には、「ガス代」と呼ばれるブロックチェーン上での取引手数料がかかります。しかし、Coincheck NFTでは、購入時のガス代は不要です。

Coincheck NFTは、暗号資産取引サービス「Coincheck」と一体化しています。NFTの取引だけではなくビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など、Coincheckで取り扱いのある暗号資産を売買できます。

また、取引にはCoincheckのNFT専用ウォレットを用います。秘密鍵を管理する必要がないため「秘密鍵を忘れてウォレットが開けない」というトラブルを回避できます。

NFTアートの売却方法

NFTアートの売却方法

NFTアートを売却する方法は、各NFTマーケットプレイスによって異なります。一般的には下記の内容を設定し、売却(出品)したいNFTアートを決定します。

  • タイトル
  • 作品の説明
  • 販売方法
  • 価格
  • 販売期間

Coincheck NFTで購入・売却して利益を出す方法

NFTアートを購入・売却して利益を出すには、NFTの価格が上がったときに売却して利益を得ます。NFTの価格は、市場の需要と供給のバランスで決まります。NFTアートの需要が高まったときに売却すれば、大きな利益が得られるでしょう。

Coincheck NFTで自身で制作した作品を出品・販売する方法

Coincheck NFTでは制作したデジタルアートをNFT化し、出品・販売できます。NFTアートの出品・販売方法の流れは以下の通りです。

  1. ①Coincheck NFTにログインし、マイページに移動する
  2. ②入庫済みのNFTから、出品したいNFTを選択する
  3. ③「売却時に受け取る暗号資産」と「出品金額」を決定する

NFTアートの特徴・今後

NFTアートの特徴・今後

NFTアートは、従来のデジタルアートの問題点を解決しました。活用方法によっては、新たなビジネス展開が可能です。

唯一性:デジタルアートに資産価値を持たせられる

NFTアートの特徴は、デジタルアートに「唯一性」を持たせられることです。従来のデジタルアートはコピーや改ざんが容易で、資産価値が生まれにくいという問題がありました。しかし、NFTアートはブロックチェーン上で保管されているため、コピーや改ざんが極めて困難です。NFTアートの誕生により、デジタルアートは資産価値を生み出せるようになるでしょう。

相互運用性:異なるブロックチェーンやマーケットプレイスでも利用可能

イーサリアムやイーサリアム系のブロックチェーンには、「ERC(イーサリアム改善提案)」と呼ばれる規格が存在します。多くのNFTアートは「ERC721」という共通の規格で発行され、異なるマーケットプレイスやウォレットでも取引が可能です。

不労所得:二次流通時にも収益の一部が作者に還元される

NFTを利用すれば、「二次流通時のロイヤリティを得る」「取引数量を制限する」など、不労所得の仕組みを作り出せる可能性があります。「プログラマビリティ」と呼ばれる機能を利用し、システムや資産に様々な機能を付加できるためです。JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)のような著作権を管理する団体を介さずに、手数料を徴収できる可能性があります。

著作権:基本的に作者に帰属する

著作権:基本的に作者に帰属する

NFTアートの著作権は、基本的に作者に帰属します。著作権者の許諾を得ない限り、NFTアートを複製したり、二次的著作物を作成したりできません。

NFTは法整備が十分にされておらず、法律的な解釈が異なる場合があります。NFT購入時には、マーケットプレイスの利用規約やNFTの詳細情報に目を通し「購入後に著作権や商標権などが誰に帰属するのか」を把握しておきましょう。

公共利用:【番外編】地方自治体によるNFTアート

地方自治体が関係人口創出を目的として、NFTアートを活用する事例も増えてきています。総務省によると、関係人口とは地域と多様に関わる人々を指し、これからは地域づくりの担い手不足を解消するために関係人口の増加が期待されています。

各自治体では、その地域でしか見られない景色や特色をNFTアートとして販売、配布して、地方創生を目指しています。近年では、ふるさと納税の返礼品としてNFTアートを採用する事例も増えてきました。

暗号資産取引も可能なNFTマーケットプレイス:CoincheckNFT

弊社が運営する「Coincheck NFT」は、ユーザー同士でNFTと暗号資産の交換取引ができる国内初のマーケットプレイスです。ネットワーク手数料(Gas代)や複雑な取引方法などの問題を解決し、出品・購入にかかるGas代を無料にしました。Coincheckの口座をお持ちの方はどなたでも、NFTの出品・購入・保管が可能です。

NFTアートに関するQ&A

ここでは、NFTアートに関するQ&Aを紹介します。

Q.NFTアートは買ってどうするんですか?

A.NFTアートは「投機目的でしか利用できない」と考えられがちです。しかし、その用途は幅広く、投機やコレクションだけではなくビジネス目的にも使用できます。具体的にはSNSのアイコンとして利用したり、メタバース上の美術館で展示したりする活用方法が挙げられます。

Q.NFTアートはオワコンですか?

A.最近では、NFTアートが地域再生や新たなビジネスに展開されるようになったため、NFTアートがオワコンとは断言できないでしょう。2025年現在では課題とされている法整備について、政府が動き始めています。今後、NFTアートが当たり前になる日がくるかもしれません。

Q.NFTアートは誰でも制作・販売できますか?

A.NFTアートは、PCやタブレットなどの端末を使えば、誰でも制作が可能です。ただし、元となるデジタルデータを、NFTマーケットプレイスでアップロード(NFT化)する必要があります。NFTアート作成後には、NFTマーケットプレイスで出品してください。

Q.NFTアートはスマホでも作れますか?

A.NFTアートはスマホでも作成できます。NFTアートは、デジタルデータをNFTマーケットプレイスでアップロードをするだけです。ディスプレイの大きさにより作業のしやすさは異なりますが、最近ではスマホ上でイラストが描けるアプリも充実してきました。簡単にNFTアートが作成できるでしょう。

まとめ

NFTアートは暗号資産(仮想通貨)ウォレット・暗号資産(仮想通貨)・NFTマーケットプレイスのアカウントがあれば、誰でも簡単に作成できます。デジタルアートに唯一性を付与できるため、クリエイターが作品を容易に出品・販売できる環境になってきているといえるでしょう。

執筆柳田孝介

出版社でテレビ情報誌や映画雑誌の編集を経験した後、2019年からフリーライターとして活動。暗号資産の取引は2017年から開始。推し通貨はイーサリアム(ETH)。最近はNFTマーケットでデジタルアートの取引を始め、日々、審美眼磨きにいそしんでいる。