
ビットコインとは、世界で初めて誕生したブロックチェーン技術を基盤とする暗号資産(仮想通貨)です。
これまで暗号資産に縁のなかった方でも、ビットコインを耳にする機会が増えていると思います。しかしながら「興味はあるけどなんだか難しそう…」と感じているのではないでしょうか。
本記事では、ビットコインの基本的な仕組みや特徴、注目される理由を初心者の方にもわかりやすく解説します。
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目次
ビットコイン(BTC)とは
ビットコイン(BTC)とは、ブロックチェーン技術を基盤とした世界初の暗号資産(デジタル通貨)です。
国家や銀行などの中央管理者が存在せず、世界中の人々がネットワークを通じて取引を検証・記録する仕組みを採用しています。これにより、改ざんが困難で透明性の高い取引が可能となっています。
日本では2017年の改正資金決済法により、ビットコインは「暗号資産」として正式に定義されました。これにより、暗号資産交換業者の登録制度や利用者保護の仕組みが整備されています。
現在、流通する暗号資産の中でビットコインは最も知名度が高いことから、「ビットコイン=暗号資産」と思っている人も多いようです。しかし、ビットコインと暗号資産は同義語ではありません。
通貨単位 | BTC |
時価総額(2025年10月15日時点) | 約313兆5,000億円(1位) |
発行上限枚数 | 2,100万枚 |
コンセンサスアルゴリズム | Proof of Work(PoW) |
ホワイトペーパー | Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System |
公式サイト | Bitcoin.org |
一通の論文から始まったビットコイン(BTC)
ビットコインは、2008年にサトシ・ナカモトを名乗る人物が発表した論文をきっかけに誕生しました。2009年にオープンソースソフトウェアとして公開され、中央機関に頼らずに価値を送受信できる仕組みとして注目されるようになりました。
現在では、数ある暗号資産の中でも最も時価総額が大きく、代表的なデジタル通貨として世界中で取引されています。
ビットコイン(BTC)は電子マネーとも違う
暗号資産であるビットコインは、電子マネーとも異なります。電子マネーは法定通貨(円など)をデジタル化したもので、発行体が存在します。一方ビットコインは、発行体や中央管理者がいない分散型のデジタル資産です。価格は市場で変動し、送金や保有はウォレットを通じて行います。
ビットコイン(BTC)の仕組みと5つの特徴
ビットコイン(BTC)は、中央管理者を持たずにネットワーク全体で運用される仕組みを持っています。ここでは、その基盤技術であるブロックチェーンを中心に、ビットコインの特徴を5つに分けて解説します。
- 取引にブロックチェーンを使用している
- 中央管理者(中央銀行)が存在しない
- インターネット上に分散保存される取引台帳
- 発行枚数に上限がある
- 世界中に比較的短時間で送金できる
取引にブロックチェーンを使用している
ビットコインの取引は、「ブロックチェーン」と呼ばれる分散型台帳に記録されています。ブロックチェーンは、複数の取引データ(トランザクション)をまとめたブロックを時系列で連結し、ネットワーク全体で共有・管理する仕組みです。取引データは暗号化され、改ざんが極めて困難な構造となっています。
中央管理者(中央銀行)が存在しない
ビットコインは、政府や中央銀行のような発行・管理主体が存在しません。市場のルールはプログラムで定義されており、供給量や取引の承認は世界中のユーザーの合意(コンセンサス)によって決定されます。この分散的な運用こそが、ビットコインの最大の特徴です。
インターネット上に分散保存される取引台帳
ビットコインの取引記録は、世界中のノード(参加端末)が共有するP2Pネットワーク上に保存されます。特定のサーバーに依存しないため、一部の端末が停止してもネットワーク全体が維持される仕組みです。これにより、取引データの透明性と耐障害性が高まっています。
発行枚数に上限がある
ビットコインの発行上限は2,100万枚に設定されており、この上限を超えて新たに発行されることはありません。これはプログラムで厳密に管理されており、通貨の過剰供給によるインフレを防ぐ仕組みになっています。希少性が高いことから、長期的な資産価値に注目する投資家も多くいます。
世界中に比較的短時間で送金できる
ビットコインは、インターネットを通じて24時間365日、世界中どこへでも送金できます。従来の国際送金に比べて手続きが簡単で、数分から数十分程度で完了するケースが一般的です。ただし、ネットワークの混雑状況や設定手数料によって時間が前後することがあります。
ビットコイン(BTC)の3つのメリット
ビットコインは、株式や為替とは異なる仕組みを持つ新しい金融資産として注目を集めています。ここでは、ビットコインの主な3つのメリットを紹介します。
- 個人間で直接送金できる
- 手数料が比較的安い
- 国境を越えて利用できる
1. 個人間で直接送金できる
最大の特徴は、銀行などの仲介機関を通さずに個人間で直接送金できる点です。インターネットを利用してビットコインアドレスに直接送金する仕組みのため、世界中どこにいてもやり取りが可能です。
従来の銀行送金や国際送金では、仲介機関の営業時間や確認手続きにより時間がかかる場合がありますが、ビットコインでは通常数分から数十分で取引が確定します。
2. 手数料が比較的安い
ビットコインの送金では、取引所やネットワークの状況に応じて少額の手数料が発生しますが、従来の国際送金に比べて低コストです。特に、少額送金や海外への個人送金ではメリットが感じられやすいでしょう。
手数料はネットワーク混雑時に変動しますが、銀行を経由する場合のような数千円単位の固定費は基本的にかかりません。
3. 国境を越えて利用できる
ビットコインは世界共通のデジタル通貨として設計されており、国や通貨の壁を越えて利用できる点が魅力です。法定通貨のような為替手続きや両替を行わずに送金や決済が可能です。
旅行先や海外のネットショップなど、ビットコイン決済に対応する店舗では、QRコードを読み取るだけで簡単に支払いが完了します。対応店舗は年々増加しており、今後さらに利便性が高まることが期待されています。
ビットコイン(BTC)の3つのデメリットと注意点
ビットコインは世界的に注目を集める一方で、理解しておくべきリスクや注意点も存在します。ここでは、代表的な3つのデメリットを紹介します。
- 価格変動が大きい
- 取引の確定に時間がかかる
- 決済対応店舗・サービスが限られている
1. 価格変動が大きい
ビットコインの価格は市場の需給によって変動するため、短期間でも価格が大きく上下することがあります。わずか1日で数%〜数十%動くことも珍しくありません。
このようなボラティリティ(価格変動の大きさ)は、長期的な資産運用を行う投資家にとってリスクとなる一方、短期売買を行うトレーダーにとっては利益機会ともなります。投資目的やリスク許容度に応じた判断が重要です。
2. 取引の確定に時間がかかる
ビットコインの取引は、ブロックチェーン上で複数の承認(コンファメーション)を経て確定します。そのため、送金から着金までに数分〜数十分かかる場合があります。ネットワークが混雑している時期にはさらに遅延することもあります。
一部の決済サービスやウォレットでは独自の即時処理機能を備えていますが、すべての取引が瞬時に完了するわけではありません。重要な送金では、承認完了を確認してから次の取引を行うようにしましょう。
3. 決済対応店舗・サービスが限られている
ビットコインは世界的に普及が進んでいますが、実際に決済に対応している店舗やサービスはまだ限られています。
特に日本国内では、ビットコイン決済が利用できる実店舗やECサイトは増えつつあるものの、クレジットカードやQRコード決済と比較すると少数です。対応店舗ではQRコードを読み取るだけで簡単に決済できますが、普及の広がりは今後の課題と言えるでしょう。
また、決済サービスを提供する企業もまだ限られているため、店舗側の導入ハードルも存在します。将来的な法整備や技術の発展により、利用範囲の拡大が期待されています。
ビットコイン(BTC)でできること|主な使い道と実用例
ビットコインは投資だけでなく、日常生活の中でもさまざまな使い方ができます。ここでは、すでに実用化されている主な用途を紹介します。
- 国内外への送金
- 実店舗・ネットショップでの決済
- 公共料金やサービスの支払い
- 寄付・クラウドファンディングへの活用
- NFTやデジタル資産の購入
- 一部の国では代替通貨・法定通貨として利用
- 投資・長期保有による資産形成
国内外への送金
ビットコインは、銀行を介さずに個人間で直接送金できます。ネットワークが稼働していれば、国境を越えた送金でも24時間いつでも利用できる点が特徴です。銀行送金に比べて手続きが簡単で、手数料が低く抑えられるケースもあります。
実店舗・ネットショップでの決済
ビットコイン決済に対応している店舗やオンラインショップでは、QRコードを読み取るだけで支払いが完了します。カフェや飲食店、家電量販店など、国内でも対応店舗が増加しています。
支払い後は即時に取引がブロックチェーンに記録されるため、現金のように持ち歩く必要がなく安全です。
公共料金やサービスの支払い
一部の事業者では、ビットコインを使って電気やガスなどの公共料金を支払うことができます。Coincheckでも、CoincheckでんきやCoincheckガスなど、ビットコイン決済を利用できるサービスを提供しています。
寄付・クラウドファンディングへの活用
ビットコインは、寄付やクラウドファンディングの手段としても活用されています。海外の非営利団体や災害支援プロジェクトでは、国際送金手数料を抑えつつ迅速に資金を集められる手段として注目されています。
NFTやデジタル資産の購入
NFT(非代替性トークン)やゲーム内トークンの購入など、デジタル資産の取引にもビットコインが活用されています。特にNFT市場では、ビットコインを起点とした新しい取引形態(Ordinalsなど)が広がりつつあります。
一部の国では法定通貨として採用
エルサルバドルをはじめとする一部の国では、ビットコインを法定通貨として採用しています。これにより、日常の買い物や公共料金の支払いにビットコインが使える環境が整備されつつあります。
投資・資産運用
ビットコインは分散型資産として、長期的な価値保存手段(デジタルゴールド)としての側面も注目されています。価格変動リスクはあるものの、少額から購入できるため、積立や長期保有を目的とした投資家も増えています。
ビットコイン(BTC)に関するよくある質問
ビットコインの仕組みや特徴について、初心者の方から寄せられる質問をいくつか紹介します。
Q. ビットコインとは何ですか?簡単に教えてください。
A. ビットコインは、世界で初めて誕生した暗号資産(仮想通貨)です。ブロックチェーン技術をもとに、中央銀行などの管理者を介さずに個人間で価値をやり取りできます。詳しくは本記事の冒頭「ビットコイン(BTC)とは」をご覧ください。
Q. ビットコインの現在の価格を知りたいです。
A. 最新の価格は以下のリアルタイムチャートから確認できます。
Q. ビットコインはどこで購入できますか?
A. Coincheckなどの暗号資産取引所で、スマートフォンから簡単に購入できます。手順は以下の記事で解説しています。
Q. ビットコインは危険ですか?
A. 投資商品として価格変動リスクはありますが、適切に理解した上で利用すれば、資産の一部として保有することも可能です。価格変動やセキュリティ、税金などのリスクについては、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ|ビットコイン(BTC)は「分散型のデジタル通貨」
ビットコイン(BTC)は、世界で初めてブロックチェーン技術を活用して誕生した分散型のデジタル通貨です。中央銀行のような管理者を持たず、インターネット上で個人間の直接取引を可能にしました。
その仕組みや価値は難しく感じるかもしれませんが、今や世界中で注目される主要な資産クラスのひとつです。まずは少額から学びながら、仕組みを理解することから始めてみましょう。
※Coincheckでは500円〜始めることができます。