暗号資産(仮想通貨)の代表格として知られるビットコイン(BTC)。
価格や知名度が上がってくるにつれて、これまで暗号資産に縁のなかった人々のあいだでも、ビットコインが話題に上ることが増えています。しかし、なかには「興味はあるけど、なんだか難しそう…」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、この記事ではビットコインの仕組みや特徴などを、初心者の方にもわかるように解説していきます。
ビットコインの購入方法をすぐに知りたい方は『
ビットコインの始め方・買い方を「初心者向け」に解説!仮想通貨(暗号資産)を購入する4つのステップ』をご覧ください。
目次
- ビットコイン(BTC)とは世界初のデジタル通貨!
- ビットコイン(BTC)ならではの仕組み・特徴とは?
- ビットコイン(BTC)3つのメリットとは?
- ビットコイン(BTC)の3つのデメリットとは?
- ビットコイン(BTC)でできること(使用事例)
- チャートから振り返るビットコイン(BTC)の価格推移
- ビットコイン(BTC)のマイニングとは?意味から種類まで解説
- ビットコイン(BTC)のハードフォークとは?意味から分裂の影響まで解説
- ビットコイン(BTC)から派生したアルトコイン
- ビットコイン(BTC)の購入方法
- ビットコイン(BTC)に関するFAQ
- 暗号資産を始めるなら、まずはビットコイン(BTC)から
ビットコイン(BTC)とは世界初のデジタル通貨!
ビットコインは世界で初のブロックチェーンを基盤としたデジタル通貨です。その大きな特徴は、法定通貨で言うところの中央銀行といった管理者が存在しないことです。
現在、流通する暗号資産の中でビットコインは最も知名度が高いことから、「ビットコイン=暗号資産」と思っている人も多いようです。しかし、ビットコインと暗号資産は同義語ではありません。
「通貨」というくくりの中に日本円やアメリカドル、ユーロなどが存在するように、ビットコインも数ある暗号資産の中の一種に過ぎません。
通貨単位 | BTC |
時価総額(2022年5月18日時点) | 約73兆7,000億円(1位) |
発行上限枚数 | 2,100万枚 |
コンセンサスアルゴリズム | Proof of Work |
ホワイトペーパー | Bitcoin.pdf |
公式サイト | Bitcoin.org |
一通の論文から始まったビットコイン(BTC)
ビットコインは、2008年10月、ネット上に「Satoshi Nakamoto(サトシ ナカモト)」と名乗る人物がある論文を投稿したことから始まりました。これは、国家や銀行を介することのない分散管理型の暗号資産について書かれたものでした。
その投稿から3ヵ月後の2009年1月、ナカモト氏の論文を基にしたオープンソースのソフトウェアが作られ、公開されます。これが、現在まで続くビットコインの最初の姿です。
しかし、従来の通貨とはまったく異なる「暗号資産」という発想や、ブロックチェーンの技術、中央集権的な管理者のいない金融システムなど、非常に斬新なビットコインは、まだ広く一般に受け入れられるものではありませんでした。
しかし、2010年2月には初のビットコインの取引所が開設され、すぐに取引が始められています。
ビットコイン(BTC)は電子マネーとも違う
暗号資産であるビットコインは、電子マネーとも違います。「通貨価値をデジタルデータとして記録したもの」という点では、どちらも同じです。
しかし、電子マネーは各種のプリペイドカードのように、国が発行した通貨をデジタル化したものです。例えば、電車やバスで使えるSuicaやPASMOは、日本円を電子マネー化したICカードです。
一方で、ビットコインをはじめとする暗号資産は、国や中央銀行によって発行・保証されている通貨とはまったく関係がありません。
また、ビットコインなどの暗号資産は銘柄ごとに価格が変動するのに対して、電子マネーは円を基準としたデジタル通貨のため、チャージした円の価格は変動しません。その他にも、送金の可否や使用できる地域などにおいて両者には違いがあります。
ビットコイン(BTC)ならではの仕組み・特徴とは?
次に、ビットコインならではの仕組み・特徴である以下の5つについて、初心者の方にもわかりやすくご説明します。
- 取引にブロックチェーンを使用している
- 中央銀行が存在しない
- インターネット上に分散保存される取引台帳
- 発行枚数に上限がある
- 世界中にリアルタイムで送金できる
取引にブロックチェーンを使用している
ビットコインは、取引に「ブロックチェーン」と呼ばれる技術を利用しています。
ブロックチェーンとはビットコイン取引の土台となる技術で、一言で言うとビットコイン取引の記録をまとめた台帳の役割を果たしています。
トランザクションと呼ばれる取引データをブロックで管理し、それらのブロックを一つのチェーン状にして分散管理していることからブロックチェーンと呼びます。
実にシンプルな構造ですが、データの改ざんに強く、取引履歴を記録しておくのに適しているため、ブロックチェーンはビットコインをはじめとする暗号資産の取引の記録方式として利用されています。
中央銀行が存在しない
ビットコインは、日本円やアメリカドルのように、国家や中央銀行が通貨として発行し、その価値を保証しているわけではありません。
中核的な開発者と協力者のグループは存在しますが、市場動向を見て流通量を調整したり、取引に介入したりする中央銀行は存在しません。例えば、日本ならば日本銀行、米国ならばFRB(連邦準備理事会)に相当する管理組織は存在しないのです。
国家という権威から離れた場所で、中央集権的な管理を受けない通貨がビットコインの目指した姿であり、後続する暗号資産にも共通する大きな特徴と言えます。
インターネット上に分散保存される取引台帳
中央銀行が存在しないということは、その取引情報もどこか1ヵ所にまとまっているわけではない、ということでもあります。
銀行では、本店の大金庫や厳重に管理されたメインサーバーなどで、通貨や取引情報が管理されます。しかし、ビットコインでは、プログラムをダウンロードして取引に参加している端末が、個別で相互につながるP2Pネットワークを構築しています。
従来のクライアントサーバシステムでは、サーバが故障するなどしてダウンすると、システム全体が停止してしまうという問題があります。その点、クライアント同士が分散して通信するP2Pネットワークなら、一部の端末が停止してもシステム全体がダウンすることはありません。
ビットコインの取引情報は、世界中に散らばる膨大な数のPCやスマホやタブレットといった端末群によって記録共有され、情報の整合性やセキュリティが担保されています。国家という権威ではなく、予め決められたプログラムに沿って取引を行う世界中のユーザーからの信頼によって、ビットコインの価値は保たれているのです。
発行枚数に上限がある
ビットコインは誕生した当時から、発行枚数が2,100万枚と決められています。これは、ビットコインの仕様であり、予めプログラムに組み込まれていますので、それ以上発行されることはありません。
現在、発行されている暗号資産の多くは、最終的な発行上限が決められています。ただし、その数量はまちまちで、数字の根拠もそれぞれ違います。
現実の法定通貨では、中央銀行の経済政策によって通貨の流通量を増減させることが可能で、それにより景気動向を誘導していくことができます。その一方で、必要以上の通貨を流通させてしまうと、通貨の価値が下がりインフレを引き起こしてしまいます。
ビットコインの場合、管理する中央組織がないため、漫然と発行していては、やがて市場にビットコインが余り出し、価値を下げることになってしまいます。そうした懸念もあって、あらかじめ発行枚数の上限が決められているのです。
このように発行上限が予め決められていることが、ビットコインの将来的な値上がりの予測や、それによる投機的な傾向に繋がっているとも言えるでしょう。
世界中にリアルタイムで送金できる
インターネット環境さえあれば、ビットコインは24時間365日、相手がどこにいても送金することが可能です。
また、従来の銀行を介した海外送金と比べて、着金までにかかる時間が圧倒的に早いのもビットコインならではの特長です。それまで数日かかっていた海外送金を、ほんの數十分のうちに完了させることが可能です。
これほどまでにスピーディーな海外送金が可能なのは、ビットコインをはじめとする暗号資産がブロックチェーンという特殊な技術を利用している点に理由があります。
ビットコイン(BTC)の3つのメリットとは?
株式や為替などと並ぶ新しいタイプの金融商品として、世界中から大きな注目を集めているビットコイン。
そんなビットコインには、現金やクレジットカードとは異なるさまざまな利点があります。そこでビットコインの持つ3つの利点について、初心者の方にもわかりやすくご説明します。
- 送金
- 手数料
- 海外での利用
1. 個人間で直接送金ができる
まず1つ目は、個人間で直接送金ができる点です。暗号資産は「直接送金」ができるといっても、あまりピンとこないかもしれません。しかし、これはとても大きなメリットです。
インターネット上での売買や、離れて暮らす子供などに送金するとき、銀行振込を使うのが一般的です。しかし、銀行を介する振込では、送金から着金までにタイムラグが発生することがあります。
また、例えば別の銀行に小切手を送ると信用調査のための時間がかかったり、さらに海外送金となると数日かかることも珍しくありません。
ところがビットコインなら、驚くほどスピーディーに海外送金が完了します。そのスピードは、理論的には10分、通常では長くとも40分程度あれば、相手がどこにいようと送金することが可能です。
2. 手数料が無料か格安
海外送金のための手数料が安いのも、ビットコインの利点です。もちろん、これはビットコインに限ったことではなく、暗号資産全体にいえることです。
円やドルなどの法定通貨の場合、銀行などを仲介しないと送金ができません。そのため、送金するには手数料が必要になります。一方、ビットコインには仲介する組織が存在しないため、個人間でやり取りする場合には、基本的に手数料を支払う必要がありません。
3. 世界中で両替せずに利用できる
最後に、世界中で両替せずに利用できる点があります。
海外旅行に出掛けるときは、渡航先の通貨を現金で用意しておかないと何かと不便です。大抵の場合、事前に日本の銀行で現地の通貨やトラベラーズチェックに替えておくか、現地の空港で両替することになります。しかし、この両替の手数料は意外と割高です。
例えば、アメリカドルの場合、国内の銀行での手数料は1ドルあたり約3円の場合が多いです。1,000ドル分を両替した場合、手数料だけで約3,000円もかかります。海外へ旅行に出掛けるときも、旅行から帰ってきて現地の通貨を日本円に両替するときにも、どちらもしっかり手数料を取られてしまうのです。
しかし、ビットコインで支払えば、両替の手数料は要らず、決済手数料のみで済ますことができるのです。
旅行先の飲食店でもショップでも、ビットコインの決済に対応している店なら、タブレットなどで支払い用のQRコードを表示してくれます。自分のスマホアプリでそのコードを読み取って送信するだけで、財布から現金を出して支払うのと同じ感覚で支払いができるのです。
ビットコイン決済が可能な店舗は年を追うごとに増えています。店側にとっても数%の手数料を支払わなくてはならないクレジットカードよりもビットコイン決済はメリットがあり、一部で普及している要因のひとつといえるでしょう。
ビットコイン(BTC)の3つのデメリットとは?
ビットコインの可能性に世界中が期待している反面、デメリットもあります。そこでビットコインの持つ欠点について、初心者の方にもわかりやすくご説明します。
- 価格の変動
- 決済時間
- 決済サービス
1. 価格の変動が激しい
1つ目は、価格の変動が激しいことです。ビットコインは価格の変動が激しく、1日のうちでも乱高下を繰り返すこともあります。
そのため、より価格が安定した金融アセットに投資を行いたい人にとってはデメリットになります。一方で、価格変動が激しいことを儲けるチャンスとして捉える人も存在します。
2. 即時決済が難しい
2つ目は、即時決済が難しいことです。ビットコインでは、送金などの取引が行われると、その内容に間違いがないかどうかを検証し、不正や間違いがないことが確認されたところで、その取引が確定します。そのため、送金してもすぐに相手先に着金するわけではなく、即時決済が難しいという側面があります。
しかし、ショッピングやグルメなどの店舗での支払いでは、店舗が指定する「ウォレット」を使うことで、即時決済が可能です。ただし、指定以外のウォレットを使うと送金に時間がかかったり、場合によってはビットコイン決済が無効とされてしまったりすることもあるため、注意が必要です。
3. 決済サービスが少ない
3つ目は、ビットコインの決済サービスが少ないことです。
実店舗がビットコイン決済に対応していれば、ウォレットから送金して、その場で決済ができますが、ネットショッピングの場合はそうはいきません。クレジットカードと同様に、ユーザーと店舗のあいだに立って決済を仲介する決済サービスが必要となります。
ユーザーから送金されたビットコインを即座に日本円に換算し、月ごとにまとめて振り込む仕組みしくみがあれば、店舗側にもユーザー側にもメリットは大きいはずです。
現在、ビットコインによる決済サービスを提供している企業はいくつかあり、導入しているECサイトも増えつつあります。しかし、まだ十分な数の企業が参入しているとは言えず、参入企業の増加が今後のビットコインの課題のひとつと言えるでしょう。
ビットコイン(BTC)でできること(使用事例)
次に、すでに実用化されているビットコインの使い方についてご紹介します。
現時点で、ビットコインには主に以下のような用途があります。
- 送金
- 決済(実店舗、ネットショッピング)
- 公共料金の支払い
- 寄付
- NFTの購入
- 海外では代替通貨や法定通貨として使われることも
- 投資・資産運用
一般的にビットコインの用途は投資や資産運用というイメージが強いかもしれませんが、実際にはネットショッピングや実店舗での利用、公共料金の支払い、海外送金など、使い道は数多くあります。
それぞれの詳しい内容については、こちらの記事をご覧ください。
チャートから振り返るビットコイン(BTC)の価格推移
2009年1月に誕生したばかりのビットコインは、まだ通貨としての価値が認められていませんでした。
ビットコインに初めて値が付いたのは、2009年10月に「New Liberty Standard」というサイトによって提示された、1BTC=約0.07円という価格でした。ちなみにこの価格は、ビットコインのマイニングにかかる電気代から算出されました。
その翌年の2010年5月には、フロリダ州に住むプログラマーがピザ2枚を1万BTCで購入するという出来事が起こります。この時のビットコインの価値は、1BTC=約0.2円。これが、ビットコインを用いた初めての決済と言われています。
その後、ビットコインは紆余曲折を経ながらも驚異的なスピードで成長していき、2021年11月には過去最高額となる1BTC=760万円を突破します。
およそ13年間で約3,800万倍も価値が上がったことは、非常に多くの人を驚かせました。そして、このような驚異的な成長を果たしたビットコインは、ROI(投資利益率)の高い金融商品として世界中の投資家から注目を集めるようになりました。
2022年のビットコイン(BTC)の価格推移【上半期:1月〜6月】
年月 |
出来事 |
1BTCの価格
|
---|---|---|
2021年末〜2022年1月 |
FRBによるテーパリング実施に対する懸念 | 600万円台→400万円台 |
2022年1月20日
|
ロシア中銀が国内における暗号資産の利用およびマイニングの禁止を提案
|
約480万円→約400万円 |
2022年2月24日 | ロシアがウクライナに侵攻を開始 | 約500万円→約430万円 |
2022年5月9日 | テラ(LUNA)問題により市場が急落 | 約515万円→約380万円 |
2021年に過去最高値となる「1BTC=約760万円」を記録したビットコインは、2022年になると一転して下落トレンドに突入。1月下旬には、一時約400万円まで下落します。
なお、この時の下落は米国のFRB(連邦準備制度)によるテーパリングの実施に対する懸念により、米国株をはじめとする株価が下落し、それと連動する形で暗号資産などの金融商品の価格も下落したことが要因とされています。
また、同時期にロシアの中央銀行が国内における暗号資産の利用とマイニングの禁止を提案したことも、価格下落の一因として挙げることができます。
その後、ビットコインの価格は緩やかに上昇し、400〜500万円台の往来を続けます。しかし、2月下旬にロシアがウクライナに侵攻を開始したことを受けて市場は下落。ビットコインは約500万円から約430万円まで下落します。
侵攻が続くなか軟調な推移を続けるビットコインでしたが、株価の反発に合わせる形で反転上昇し始め、3月下旬には約580万円まで回復します。
しかし、5月9日に※アルゴリズム型ステーブルコインのUST(TerraUSD)が「1ドル=1UST」の価格を維持できなくなるという問題が起き、USTのペグ(連動)を維持するためのガバナンストークンであるLUNA(テラ)に対する信用が低下し、価格も暴落します。
LUNAの運営組織である「Luna Foundation Guard(LFG)」は、USTのペグを維持するための準備資産として約35億ドル相当のビットコインを保有していましたが、今回の騒動を受けて「LFGがペグを維持するために、大量のビットコインを売却するのではないか?」という憶測が広がり、市場でビットコインの売りが加速。約515万円から約380万円まで下落します。
【補足】
UST(TerraUSD)は、テラ(LUNA)のブロックチェーン上で稼働する暗号資産(仮想通貨)です。
※UST(TerraUSD)は1UST=1米ドルを目標価格として設計しており、実際に1米ドル付近で価格が推移していることから、アルゴリズム型ステーブルコインと認識されていますが、1UST=1米ドルの価値を保証するための原資産が確保されているものではなく、相場の変動等により目標価格に対して大きく下落する可能性があります。
2022年のビットコイン(BTC)の価格推移【下半期:7月〜12月】
年月 |
出来事 |
1BTCの価格
|
---|---|---|
2022年7月20日 | 米EV大手「テスラ社」、保有するビットコインの75%を売却 | 約320万円→約290万円 |
2022年8月26日
|
米FRBパウエル議長、利上げ継続を示唆
|
約300万円→約270万円 |
2022年9月初旬 | イーサリアムの大型アップデート「The Merge」を間近に控え、市場全体が上昇 | 約278万円→約320万円 |
2022年11月 | FTXグループが破産申請 | 約310万円→約230万円 |
2022年7月20日には、米EV大手「テスラ」が保有するビットコイン(BTC)の75%を売却したと発表したことを受けて、BTCは約320万円から約290万円まで下落します。なお、同社CEOのイーロン・マスク氏は売却理由について、「中国のコロナロックダウンの影響による業績悪化に備えて、手許現金を最大化させるため」と説明しています。
また翌月の8月26日には、FRBのパウエル議長が「ジャクソンホール会議」の講演で利上げを継続する意思を表明したことを受けて、株式や暗号資産など金融市場全体が下落します。この影響で、BTCは約300万円から約270万円まで下落します。
度重なる悪材料により下落局面が続くと思われましたが、9月に入ると大型アップデート「The Merge」を控えたイーサリアム(ETH)を中心に、市場は復調していきます。BTCも連れ高となり、約278万円から約320万円まで上昇します。
しかし、11月に大手暗号資産取引所「FTX Trading」を運営するFTXグループが資金不足による破産の危機を迎えたことにより、相場は再び暗転します。FTXの経営破綻を受けてリスク回避ムードが広がるなか、BTCは約310万円から約230万円まで急落します。
FTXグループは、同月11日にFTX.USや姉妹会社のアラメダリサーチ、日本法人のFTX Japanを含む約130の関連会社が、米連邦破産法11条の適用を申請したことを発表しました。それに伴い、CEOのサム・バンクフリードマン氏が辞任を発表し、後任として米エネルギー会社「エンロン」の清算手続きを率いたジョン・J・レイ氏が着任しました。
2023年のビットコイン(BTC)の価格推移【上半期:1月〜5月時点】
年月 |
出来事 |
1BTCの価格 |
---|---|---|
2023年1月14日 |
ビットコインが2万ドル回復
|
約260万円 |
2023年3月 | 米国シリコンバレー銀行(SVB)とシグニチャーバンクが破綻 | 約360万円 |
2022年4月 | 米国ファースト・リパブリック銀行の株価が暴落・翌月破綻 3万ドル台へ | 約390万円 |
ビットコインは既存金融機関の不透明な融資や貸付などに問題を感じているユーザーが期待を寄せているため、2023年上半期のような金融危機ではビットコインへの注目・期待度が高まっています。
2023年1月中旬ごろ、FTXやTerraの破綻の余波が落ちつき、懸念材料が少なくなったビットコインは価格上昇を始めます。1月14日には1BTC=2万ドル(約250万円)を回復し、FTX破綻以降の最高水準となりました。
2023年2月17日には25,000ドルとなり、昨年末から続く市場低迷には歯止めがかかったように見えます。
3月には、米国シリコンバレー銀行(SVB)とシグニチャーバンクが破綻し、リーマンショック以来、最大規模の金融不安となりました。米国の銀行以外では、スイスの金融大手、クレディ・スイスが経営不安に陥りました。
スイス投資銀大手UBSによるクレディ・スイスが買収されるために懸念は一時後退したものの、世界的な利上げやインフレも重なり、価値保存が可能な資産への退避ムードが強まりました。3月20日ごろにはビットコインは一時28,000ドルを突破しました。
4月にはさらに米銀行のファースト・リパブリック銀行の株価が暴落し、金融不安が増大。翌月には破綻しました。ビットコインには好調な雰囲気が漂っており、4月11日に30,000ドルを突破しました。
2023年の上半期は世界的なインフレとドル高に加え、OpenAI社の「ChatGPT」を代表としてAI系企業への注目が多く集まりました。退避資産としてのビットコインの注目は集まっていますが、テック系・IT系のトレンドはAI関連に注目が集まっているため、過去のバブル期のような大きな値動きは見らませんが、FTX破綻以前の水準へ回復し、金融不安での強みが見られた価格推移と言えるでしょう。
ビットコイン(BTC)の価格は今後どうなる?価格上昇につながる5つのポイント
2020年の7月下旬から常に100万円台を維持し、好調な価格推移を見せるビットコインですが、今後の価格はどうなるのでしょうか?
ビットコインの今後の動向を左右するポイントとしては、以下の5つを挙げることができます。
- ビットコインETFが承認されると価格が上昇する可能性が高まる
- ビットコイン決済が拡大すれば価値が上がる
- ライトニングネットワークの実装で取引しやすくなる
- AIの活用でビットコイン予測がしやすくなる
- 法整備が整えば投資家が利用しやすくなる
それぞれの詳しい内容については、以下の記事をご覧ください。
ビットコイン(BTC)のマイニングとは?意味から種類まで解説
ビットコインのニュースなどで初心者が最初に疑問に感じる言葉が「マイニング」です。
日本語で「採掘」を意味するマイニングは、ビットコインの取引を成立させるうえで欠かせない非常に大切な作業です。ここでは、マイニングの概要や報酬の仕組みなどについて解説していきます。
取引記録の検証・確定作業がマイニング
マイニングとは「採掘する」という意味で、石炭や鉱石を地中から掘り出すようなイメージがあります。では、なぜビットコインと採掘が関係するのでしょうか?その理由をご説明します。
ビットコインでは、取引の情報を記録する方法として「ブロックチェーン」の技術が使われています。ブロックチェーンは、いくつかの取引情報をひとまとめにしたブロックを、鎖のようにつなげた形状をしています。もちろん、データ上でのことなので、目に見えるものではありません。
一つひとつのブロックには、ビットコインで行われた取引情報がまとめられ、さらに「ハッシュ関数」という特殊な計算方法で暗号化された状態で収められています。
この暗号を解読し、その取引に間違いがないかどうかを確認できれば、ひとつ前のブロックに関する情報を追加した上でつなげていきます。この作業をマイニングというのです。
マイニングに成功すると報酬が支払われる
ハッシュ関数は理論的に解くことができないため、解読するには適当な数値を当てずっぽうに入れていくしかありません。4桁の暗証番号を「0001、0002、0003…」と試していくような作業です。
そのため、膨大なデータを高速で処理する能力が必要で、効率良くマイニングするためには高性能のコンピュータと、それを長時間稼働させる電力が欠かせません。つまり、マイニング作業には、かなりのコストがかかるのです。
それでもマイニングに熱心な人々が絶えないのは、暗号を解き、ブロックをチェーンにつないだ人に対してビットコインが発行され、報酬として与えられるからです。現在、ビットコインが新たに発行されるのはマイニングに成功したときだけで、まさにコツコツと金鉱を掘り続ける作業に似ています。
この報酬のために、世界中の「マイナー(採掘者)」と呼ばれる人たちが熱心にマイニングを続けているのです。
ビットコイン(BTC)のハードフォークとは?意味から分裂の影響まで解説
ビットコイン初心者が首をひねる言葉に「ハードフォーク」があります。
ビットコインにおける「フォーク」とは何か、ソフトフォークとの違い、ビットコインキャッシュなど派生したアルトコインについて、詳しくご説明します。
そもそもハードフォークとは?
ハードフォークの「フォーク」とは、ブロックチェーンの分岐を意味します。それまで、一本の鎖としてつながってきたブロックチェーンが、ある時点で枝分かれすることから、このように呼ばれます。
ハードフォークが行われると、ブロックチェーンがAとA'の2本の鎖に分かれます。この2つに互換性がないと、それ以降はそれぞれ別々の暗号資産として使われるようになります。つまり、Aという暗号資産から、新たに分裂したA'という通貨が生まれるのです。
また、たとえチェーンが分岐しても、それぞれに互換性があれば、2本のチェーンは1つの通貨として存続していきます。これはソフトウェアのバージョン違いのようなもので、最終的にどちらのバージョンがユーザーに受け入れられるかによって、どちらか一方に収束していき、ブロックチェーンは再び1つに合流します。
こうした場合は、ハードフォークに対して「ソフトフォーク」と呼びます。
なぜハードフォークが行われるのか?
ハードフォークが実行されるおもな理由は、暗号資産のバージョンアップの必要が生じるため、つまりブロックサイズが上限に達してブロックに取引情報が入らなくなるスケーラビリティ問題を解決するためです。
暗号資産での取引を素早く進めるためには、スムーズなマイニング作業が求められます。ところがビットコインは取引量が多いため、検証・承認作業が滞りがちになります。
そして、ブロックサイズが小さく取引情報が入りきらなくなると、送金に時間がかかったり、送金要求が承認されなかったり、また取引手数料が高騰するといったスケーラビリティ問題が発生します。これでは取引の遅延が起こり、早く処理するために手数料が高額になりやすく、それを嫌って利用者が離れていくリスクもあります。
この問題を解決するため、新たにコインを生み出すハードフォークが行われるのです。
ビットコイン(BTC)から派生したアルトコイン
これまで、ビットコインでは何度もハードフォークが行われ、いろいろなアルトコインが生み出されてきました。
ビットコインのハードフォークにより誕生したおもなアルトコインを、一覧表にまとめてみました。
通貨名 |
誕生した年 |
主な特徴 |
価格(2020/11/12時点) |
---|---|---|---|
ビットコインキャッシュ(BCH)
|
2017年8月 |
ビットコインの8倍の容量 |
約2万6,700円 |
ビットコインゴールド(BTG) |
2017年10月 |
アルゴリズムの変更により、幅広い人がマイニングできるようにする
|
約782円 |
ビットコインダイヤモンド(BCD)
|
2017年11月 |
匿名性の担保、取引処理の迅速化 |
約48円 |
スーパービットコイン(SBTC) |
2017年12月 |
スマートコントラクトやライトニングネットワークの実装 |
約58円 |
ライトニングビットコイン(LBTC) |
2017年12月 |
ブロックサイズをビットコインの2倍となる2MBにし、送金速度を3秒にまで短縮
|
約112円 |
ビットコインゴッド(GOD) |
2017年12月 |
スマートコントラクト、ライトニングネットワーク、ゼロ知識証明などの実装 |
約17円 |
ビットコインシルバー(BTCS)
|
2018年1月 |
マイニングはグラフィックボードを使用したGPU方式で、誰でもマイニングに参加できる |
約760円 |
ビットコインプライベート(BTCP) |
2018年2月 |
高い匿名性を持つアルトコインであるジークラシック(ZCL)の要素を採り入れ、ゼロ知識証明を実装 |
約16円 |
ここ数年の間に、実にさまざまな種類のアルトコインがビットコインのハードフォークにより誕生しました。しかし、表からもわかる通り、現在のところそのほとんどが1,000円以下となっており、価格の面ではビットコインの一人勝ち状態となっています。
そんな中、唯一健闘しているのがビットコインキャッシュです。ビットコインキャッシュは、2017年8月にビットコインから分裂した、初のアルトコインです。
ビットコインキャッシュでは、取引情報を書き込むブロックサイズが上限8MBまで拡大され、ビットコインの8倍の容量を確保しました。これにより、長年にわたってビットコインの大きな問題とされていたスケーラビリティ問題の解決を目指しました。
ビットコイン(BTC)の購入方法
ビットコインの購入は、以下の3つの手順に沿って行います。
- 1.暗号資産取引所に登録する
- 2.銀行振込で日本円を入金する
- 3.ビットコインを購入する
それぞれの方法について、簡単に説明していきます。
※なお、当社にBTCを入金・送金される場合は、Bitcoinネットワークをご利用ください。異なるネットワークから送られた場合は通貨が失われる可能性がありますのでご注意ください。
詳しくはこちらをご参照ください。
1.暗号資産取引所に登録する
ビットコインをはじめとする暗号資産の取引を始めるには、まず最初に取引所で口座の開設をする必要があります。Coincheckの口座開設の手順は、以下の通りです。
- ①Coincheckのアカウント登録をする
- ②基本情報を入力する
- ③本人確認書類の提出
- ④顔と本人確認書類の撮影
2.銀行振込で日本円を入金する
Coincheckで暗号資産を購入するには、あらかじめ口座に日本円を入金する必要があります。
Coincheckが提供する「コインチェックアプリ」なら、メニュー画面を開いて「入出金」をタップするだけで、銀行振込・クイック入金・コンビニ入金の3種類の入金を簡単に行うことができます。
3.ビットコインを購入する
Coincheckでは、以下の2種類のビットコインの購入方法があります。
- ①販売所で購入する
- ②取引所で購入する
2つの購入方法の違いや具体的なやり方については、以下の記事で詳しく解説しています。これからビットコインの取引を始めようとお考えの方は、ぜひご覧ください。
ビットコイン(BTC)に関するFAQ
Q. ビットコインとは何ですか?分かりやすく教えてください。
A.ビットコインは世界で初めて誕生した暗号資産です。
2008年10月31日にビットコインに関する論文が発表され、2009年より取引が始まりました。暗号資産の中で時価総額が最も高く、認知度も一番ある通貨と言えるでしょう。ビットコイン以外の通貨をアルトコインと呼び、イーサリアムやリップルなどが当てはまります。
詳しくは記事前半をご覧ください。
Q. ビットコインの現在の価格を知りたいです。
A.現在のビットコインの価格はリアルタイムチャートページから確認できます。
Q. ビットコインの将来性を教えてください。
A.ビットコインを含む暗号資産の未来は現在より明るくなると思われます。
Q. ビットコインは危険ですか?
A. 一概にビットコインには危険性があるとは言い切れません。大きな価格変動にリスク(危険)を感じる人もいれば、儲けるチャンスだと感じる人もいるからです。
ビットコインで考えられる危険性は、例えば以下の3つが挙げられます。
- 価格変動が激しい
- 国や政府が規制をかける可能性がある
- 送金ミスやハッキングの可能性がある
暗号資産を始めるなら、まずはビットコイン(BTC)から
初めて世に出た暗号資産であり、今もその代名詞として君臨するビットコイン。
人気・時価総額ともにトップで、暗号資産を始めるなら、まず持っておきたいコインといえるかもしれません。現実世界でいうならば、さしずめ世界のハードカレンシー(国際決済通貨)であるアメリカドルのような存在でしょう。
いずれにせよビットコインを始めるならば、まずは十分な情報を集め、よく検討してからスタートするようにしてください。