
ブロックチェーンゲームとは、仮想通貨の基盤技術であるブロックチェーンを利用したゲームのことです。
ブロックチェーンは分散型取引台帳とも呼ばれていて、取引履歴などをユーザー同士で管理する仕組みになっています。
そのため、ブロックチェーン技術を利用したゲームには、下記のような特徴があります。
- ゲーム内取引の不正や改ざんがしにくい
- ゲーム内で取得したアイテムが自分の資産になる
- 取得したアイテムを自由に売買することができる
このようにブロックチェーンゲーンには、既存のゲームにはない特徴を持つために、その将来性に注目が集まっています。
本記事では、
- ブロックチェーンゲームとは何か
- ブロックチェーンゲームと既存ゲームとの違い
- ブロックチェーンゲームの課題
- ブロックチェーンゲームの現状
- おすすめのブロックチェーンゲーム4選
- ブロックチェーンゲームの将来性
について、解説していきます。
本記事を読むことでブロックチェーンゲームについて、あらゆる角度から情報を網羅的に得ることができますよ。

執筆Coincheck Column編集部
Coincheck Column編集部は仮想通貨の取引経験者やブロックチェーンの知見に深いメンバーで構成されています。これから仮想通貨を始める方々に「仮想通貨について正しく理解していただき安心して取引できる」ことを目的に執筆しています。/ 運営元:コインチェック株式会社
目次
ブロックチェーンゲームとはブロックチェーン技術を利用したデジタルなゲーム
前述した通り、ブロックチェーンゲームとは、仮想通貨(暗号資産)の基盤技術であるブロックチェーンを活用したデジタルなゲームのことです。
ブロックチェーンは、取引のデータ履歴がブロックに記録され、チェーンのように連なる仕組みであることからその名前がつきました。そして、取引履歴などをユーザー同士で管理するという特徴があります。
ブロックチェーンはこれらの仕組みや特徴を持つために、ゲームに利用することで、既存ゲームの問題を解決し、新たなゲームの楽しみ方をもたらすと期待されているのです。
ブロックチェーンゲームと聞くと、難しそうと感じる人もいるかもしれませんが、プレーヤーは既存のゲーム同様にパソコンやスマホで気軽に楽しむことができます。
ブロックチェーンゲームについては想像がつきにくく難しいところもあるので、ブロックチェーンならではの特徴について詳しく解説していきます。
特徴①ゲーム内取引の不正や改ざんがしにくい
ゲームユーザーが制作したキャラクターやアイテムがブロックチェーン上にアップロードされると、実質改ざんが不可能になります。
なぜ不正や改ざんができないのかと言うと、取引などのデータであるトランザクションをユーザー同士で管理しているためです。
例えば、ゲーム内で誰かが不正や改ざんを行っても、すべてのユーザーが同じ台帳を閲覧でき、内容を確認することができるので、データの改ざんが疑われる場合には、その部分のデータを他のユーザーが保管しているデータと比較すれば、正しいかどうかがすぐにわかります。世界中のユーザーが保管しているデータを同時に改ざんすることは、現実的には不可能です。
つまり「世界中のユーザーが証人」という環境下で取引できる、というわけです。
そのため、ブロックチェーンゲームは、取引の不正や改ざんがしにくく、ゲームの透明性が担保されやすいという特徴があります。
特徴②取得したアイテムやキャラクターが自分の資産になる
ブロックチェーンゲームは、NFTと言う技術を活用することで、取得したお気に入りのアイテムやキャラクターを他のゲームで利用したり、マーケットプレイスと呼ばれる場所で、自由に売買することが可能です。
ブロックチェーンの仕組上、ゲーム内で取得したアイテムやキャラクターはユーザーの管理下にあるため、ゲームが終了したとしても資産としてデータを残すことができるのです。
ブロックチェーンゲームと既存ゲームとの違い
ブロックチェーンゲームについてより深く理解してもらうために、既存ゲームとの違いを分かりやすく解説していきます。
【既存ゲームとブロックチェーンゲームの違い】
既存のゲーム
|
ブロックチェーンゲーム
|
---|---|
・チートプレイが行われることがある ・ゲームが終われば取得したアイテムやキャラクターは消える ・ゲーム内で稼いだお金はゲーム外では利用できない |
・チートプレイをしてもすぐにバレてしまう ・ゲームが終わってもアイテムやキャラクターは消えない ・ゲーム内で稼いだお金が現実世界でも通用する |
ひとつひとつ詳しく解説していきます。
チートプレイに悩まされる心配がない
既存ゲームにおいては、プレイヤーがコードの改ざんなどによってキャラクターを強くする「チートプレイ」と呼ばれる行為が問題になっています。
例えば、旅を進めていくことやアイテムをゲットすることでキャラクターを強くしていくゲームであるのに、コードを改変してキャラクターのレベルを最大まであげてしまうようなことを指します。
チーム戦や対戦ゲームにおいて、チートプレイを行っているキャラクターに出会ってしまったら、真面目にゲームをしている人が損をしてしまうことがあるのです。
一方で、ブロックチェーンゲームは、分散管理を行っており、不正をしても世界中の参加者(ノード)の合意形成が必要なので、すぐにバレてしまいます。なので、ブロックチェーンゲームならチートプレイに悩まされることなく安心してプレイができます。
苦労して集めたアイテムやキャラクターが消えない
既存のゲームでは開発会社などが中央管理者となり、ゲームに関するあらゆることをコントロールしています。
そのため、例えば、ゲームのサービスが終了すれば苦労して取得したゲーム内のアイテムやキャラクターは消えてしまいます。
また、開発会社が主導するアップデートによって不利益を被り、ガッカリしたという経験をしたことがある人もいるかもしれません。
一方で、ブロックチェーンゲームは中央管理者に依存しない分散管理の仕組みを持ったゲームであるために、このような心配をせずに済みます。
たとえゲームのサービスが終了しても、資産としてキャラクターやアイテムを残すことが可能です。
ゲーム内で取得したアイテムが資産になる
既存のゲームでは、ゲーム内で通貨やコインを得たとしても、基本的にゲーム外での利用は不可能でした。
しかしブロックチェーンゲームにおいては、取得したアイテムやキャラクター(NFT)を自由にマーケットプレイス上などで売買することができます。
つまり、ブロックチェーンゲームは既存のゲームにはない稼ぎ方ができ、ビジネス化の可能性も含んでいると言えるのです。
ブロックチェーンゲームの課題
ブロックチェーンゲームは既存のゲームにはない素晴らしい特徴を持っているものの、実は、現在のところ下記のような課題があります。
- ゲームの種類やユーザー数が多くない
- キャラクターやアイテムの資産化が理論止まり
ひとつひとつ解説していきます。
ゲームの種類やユーザー数が多くない
ブロックチェーンゲームの種類やユーザー数は、スマホゲームのような既存ゲームと比べると多くないという課題があります。
ゲームの種類が増えきらないのは、新しい技術であるブロックチェーンを扱える開発者がまだ多くないからというのが理由のひとつとして挙げられます。
また、ユーザー数が増えないのは、ブロックチェーンゲームを難しいものに感じたり、実際に仮想通貨やウォレットを用意しないと遊べないゲームがあったりなど、ゲームを始めるハードルが高いと捉えられているところに課題があります。
このようにブロックチェーンゲームにおいては、一般の人を大きく抱き込むには課題が残されているのです。
上の図のように、既存のゲームと同等くらいにゲームの種類やユーザー数を増やすためには、ゲームの開発者を増やしたりゲームを始める難易度を下げたりすることが必要となります。
キャラクターやアイテムの資産化が理論止まり
ブロックチェーンゲームにおいては、ブロックチェーンの性質上キャラクターやアイテムの資産化が可能です。そのため、取得したお気に入りのアイテムやキャラクターを他のゲームで利用したり、マーケットプレイスと呼ばれる場所で、売買をしたりすることができます。
しかし、実際にゲームをまたいで使えるアイテムやキャラクターは多くはなく、開発会社がそのような設計をしない限り使うことはできません。
また、ユーザー数が増えきらないという状況にあるために、マーケットプレイスで活発にアイテムやキャラクターの売買がなされているとは言えない状況です。ゲームで稼ぐというのも、現状では簡単ではないでしょう。
ゲーム内キャラクターやアイテムの二次流通が可能であるという点は、ブロックチェーンゲームの大きな強みであるために、これらの課題を解決することが早急に求められています。
上の図のように、ブロックチェーンゲームを実際に稼げるゲームにするためには、他のゲームで使えるキャラクターやアイテムを増やすこと、マーケットプレイスの活性化などが必要となります。
ここまでに言及した上記2つの課題が解決されてくると、ブロックチェーンゲームの市場は伸びていく可能性があります。
ブロックチェーンゲームの現状について
ブロックチェーンゲームの市場規模は、スマホゲームの市場規模などと比べるとまだ大きくはなく、今後の市場拡大が期待されています。
ブロックチェーンゲームは、特に2019年に『クリプトスペルズ』『The Sandbox』といったゲームのユーザー数が増え、大いに注目されました。2018年と比べると全体的なユーザー数は数倍に伸びたとも言われており、2020年もブロックチェーンゲームの規模の拡大が期待されました。
しかし、2019年と比べて2020年に飛躍的にユーザー数が増えているとは言えず、知名度もまだ低い状況です。
ブロックチェーンゲームのランキングやユーザー数をまとめているDappRadarというサイトによると、現在(2020年12月時点)ユーザー数1位のブロックチェーンゲームは、月間で2万人ほどがプレイしていると報告されています。
じわじわとシェアを拡大しているところではありますが、人気スマホゲームにおける数百万ダウンロードといったインパクトと比べると、ブロッチェーンゲームはまだ市場が弱いと言えます。
最近では、既存ゲームの大手企業がブロックチェーンゲームへの出資を表明するなどの明るいニュースも話題になってきているため、今後、ブロックチェーンゲームの課題がひとつひとつ解消され、知名度がアップし、市場が拡大することが期待されています。
おすすめのブロックチェーンゲーム4選
「ブロックチェーンゲームってどんなもの?」「面白いゲームや人気ゲームはあるの?」と疑問を持つ人に向けて、おすすめの人気ブロックチェーンゲーム下記4つを紹介します。
- My Crypto Heroes(マイクリプトヒーローズ)
- The Sandbox(ザ・サンドボックス)
- CRYPTO SPELLS(クリプトスペルズ)
- CryptoKitties(クリプトキティーズ)
どのゲームもファンが多く、あらゆる世代の人が楽しめるものになっているので、ぜひチェックしてみてください。
My Crypto Heroes(マイクリプトヒーローズ)
出典:『My Crypto Heroes(マイクリプトヒーローズ)』公式サイト
『My Crypto Heroes(マイクリプトヒーローズ)』は、ブロックチェーンゲームの代表的な存在で、日本の会社が提供している人気のゲームです。
織田信長やジャンヌダルクといった歴史上のヒーローを集め、マイクリワールドの制覇を目指すというRPGゲームになっています。
オリジナルヒーローとアイテムをゲットし、売却することで仮想通貨を手に入れることができるのも人気の秘訣です。ゲットできる数が限られているレアキャラクターもいて、マーケットプレイスにおいて高額売買されたことも注目を集めました。
SNSアカウントでログインして始める方法と、仮想通貨ウォレットを利用して始める方法があります。
ゲーム名:My Crypto Heroes(マイクリプトヒーローズ)
開発会社:double jump.tokyo株式会社
公式サイト:https://www.mycryptoheroes.net/ja
The Sandbox(ザ・サンドボックス)
出典:The Sandbox
『The Sandbox』は、モバイルゲーム版が4,000万ダウンロードを誇り、100万の月間アクティブユーザーを持つタイトルのブロックチェーン版として注目されています。
ユーザーは『The Sandbox』内で仮想世界を作り上げ、その中でボクセルオブジェクトを作成し、販売することができます。
ユーザーがキャラクターや車、動物や自然などを3Dで自由にデザインし、自由に動かすことができるクリエイティブなゲームになっています。
ゲームを始めたい場合には、仮想通貨ウォレットを準備する必要があります。
ゲーム名:The Sandbox
開発会社:Animoca Brands
公式サイト:https://www.sandbox.game/en/
CRYPTO SPELLS(クリプトスペルズ)
出典:CRYPTO SPELLS(クリプトスペルズ)公式サイト
CRYPTO SPELLS(クリプトスペルズ)は、デジタル上での自由な売買を可能とするトレーディングカードゲームです。
自分でオリジナルのカードを作ることができ、取引も自由にできます。カードの発行枚数や取引履歴がブロックチェーン上に記録されるために、自分のカードの価値が証明される仕組みになっています。
SNSアカウントなどでログインして始めることができ、ゲームを始めるだけなら仮想通貨ウォレットや仮想通貨を準備する必要がないのも魅力のひとつです。
ゲーム名:CRYPTO SPELLS(クリプトスペルズ)
開発会社:クリプトゲームス株式会社
公式サイト:https://cryptospells.jp/
CryptoKitties(クリプトキティーズ)
出典:CryptoKitties(クリプトキティーズ)公式サイト
『CryptoKitties(クリプトキティーズ)』は、一大ブームを築いたブロックチェーンゲームのひとつで、可愛いネコを集めたり、交配させて遊ぶことのできるゲームです。
他の猫とは異なる個性を持つオリジナリティー溢れる猫を生み出すことができ、自分が取得した一点物のキャラクターをプレイヤー同士で売買することも可能です。
高額取引がニュースになったりなど、ブロックチェーンゲームの知名度をアップさせ、経済効果も生み出しました。
『CryptoKitties(クリプトキティーズ)』を始めるためには、仮想通貨ウォレットを準備し、イーサリアム(ETH)を購入しておく必要があります。
ゲーム名:CryptoKitties(クリプトキティーズ)
開発会社:Dapper Labs
公式サイト:https://www.cryptokitties.co/
ブロックチェーンゲームの将来性
ブロックチェーンゲームは、まだ種類も多くなく課題も存在しますが、その将来性については大いに期待されているところです。
ブロックチェーンゲームの将来性と仮想通貨の価格への影響についてまとめました。
ブロックチェーンゲームは今後の伸び代が期待されている
ブロックチェーンゲームの現状においては、少しずつ注目を集めるゲームが出てきていることは確かながら、既存のスマホゲームなどと比べるとまだまだ伸び代があると言えるでしょう。
今後、ブロックチェーンゲームの課題である、ユーザー数の増加を妨げている要因の解消やゲーム内のアイテムやキャラクター売買の活発化促進によって、爆発的に市場を拡大していく可能性を秘めています。
また、すでにいくつかの大手ゲーム会社がブロックチェーンゲームへの出資を表明していることもあり、クオリティーの高いゲームやヒット作が生まれることも期待されています。
これらのことから、ブロックチェーンゲームは既存ゲームにはない特徴を生かし、今後高い確率で伸びていく分野と予測されているのです。
仮想通貨の価格への間接的な影響も期待されている
ブロックチェーンゲームの市場が伸びてきているからといって、直接的にその影響を受け、仮想通貨の価格も一緒になって高騰するとは考えにくいです。
しかし、ブロックチェーンゲームの知名度がアップすることで、多くの人にブロックチェーン技術の有用性を理解してもらえるでしょう。
そして、結果として仮想通貨の価格に影響を与えることもあり得る話です。
そのため、仮想通貨の価格が気になっているという人は、ブロックチェーンゲームのニュースも一緒にチェックしておくことをおすすめします。
まとめ
本記事では、
- ブロックチェーンゲームとは何か
- ブロックチェーンゲームと既存ゲームとの違い
- ブロックチェーンゲームの課題
- ブロックチェーンゲームの現状
- おすすめのブロックチェーンゲーム4選
- ブロックチェーンゲームの将来性
について解説しました。
ブロックチェーンゲームとは、仮想通貨の基盤技術であるブロックチェーンを利用したゲームのことです。
ブロックチェーンゲームならではの特徴
- ゲーム内取引の不正や改ざんがしにくい
- 取得したアイテムやキャラクターが自分の資産になる
- 取得したアイテムを自由に売買することができる
このように既存ゲームにはない素晴らしい特徴を持っていますが、ブロックチェーンゲームには下記のような課題もあります。
ブロックチェーンゲームの課題
- ゲームの種類やユーザー数が多くない
- キャラクターやアイテムの資産化が理論止まり
また、おすすめのブロックチェーンゲームは下記4つで、仮想通貨ウォレットを準備しなくても始められるゲームもあります。
おすすめのブロックチェーンゲーム4つ
- My Crypto Heroes(マイクリプトヒーローズ)
- The Sandbox(ザ・サンドボックス)
- CRYPTO SPELLS(クリプトスペルズ)
- CryptoKitties(クリプトキティーズ)
本記事を読むことでブロックチェーンゲームについて理解し、ブロックチェーンゲームを身近なものと感じてもらえたら、幸いです。