【2023年最新】イーサリアム(ETH)とは?特徴や将来性を初心者向けにわかりやすく解説!

イーサリアム(ETH)は、ビットコイン(BTC)に次ぐコインとして、世界中で広く取引されています。

DeFiNFTなどに関連していることで注目を集めるイーサリアムですが、「興味はあるけど、なんだか難しそう…」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。そこで、この記事ではイーサリアムの仕組みや特徴などを、初心者の方にもわかるように解説していきます。

イーサリアムの購入方法をすぐに知りたい方は『【動画で解説】3分でわかるイーサリアム(ETH)の購入方法』をご覧ください。

この記事でわかること

イーサリアム(ETH)とは

まず初めに、イーサリアムについての概要と、特徴的な機能である「スマートコントラクト」について詳しくご紹介します。また、イーサリアムを活用した代表的なサービスである「DApps(分散型アプリケーション)」についても解説していきます。

イーサリアムは、2013年にロシア系カナダ人のプログラマー「ヴィタリック・ブテリン」により考案され、2015年7月に正式にリリースされました。その後、またたく間に世界中で人気を集め、ほとんどの販売所・取引所で扱われるメジャーなコインとなりました。

ただし、厳密にはイーサリアムは暗号資産そのものではありません。イーサリアムとは、ブロックチェーンに「スマートコントラクト」という機能を組み込んだ、分散管理型のプラットフォームのことを差します。

それまでのブロックチェーンは、情報を収めておく鍵のついたブロックが鎖でつながったものでした。ところが、イーサリアムでは、そのブロックの中に情報だけでなく、アプリケーションを収めておくことができるようにしました。

そして、特定の条件をクリアした場合に、そのアプリケーションを自動的に作動させることができるのです。

このような環境を提供するプラットフォームがイーサリアムであり、その環境下で使われる暗号通貨が「Ether(イーサ)」という暗号資産なのです。ただし、現在ではイーサリアムという名称が暗号資産そのものを指す言葉として定着しています。

通貨単位 ETH
時価総額(2023年5月時点) 2位
発行上限枚数 発行上限なし
コンセンサスアルゴリズム PoS
ホワイトペーパー White Paper
公式サイト ethereum.org

スマートコントラクトとは何か?

スマートコントラクト

まず初めに、イーサリアムの特徴的な機能である「スマートコントラクト」について詳しくご紹介します。スマートコントラクトとは、人の手を介さずに契約内容を自動で実行する仕組みのことで、イーサリアムの代表的な機能です。

スマートコントラクトには、イーサリアムのブロックチェーン技術が利用されています。そのため、「契約内容が改ざんされない」、「契約の不履行を防止できる」という2つの条件を満たすことができます。

また、人手を介さずに契約プロセスを自動化できるので、取引期間の短縮化や人件費の削減などを実現することも可能です。こうした利便性の高さから、スマートコントラクトは金融業界や不動産業界など、さまざまな業界での実用化が期待されています。

NFT(Non-Fungible Token)とは

Non-Fungible Token

次に、イーサリアムの技術を応用した「NFT」について解説していきます。

NFT(Non-Fungible Token)とは主にイーサリアム(ETH)のブロックチェーン上で構築できる代替不可能なトークンのことです。このNFTの技術がゲーム分野や不動産分野で活用され、革命を起こそうとしています。 もう少し具体的に解説すると、代替不可能なトークンには、唯一無二の価値を持つという特徴があります。

例えば、Aさんが持っている1ビットコインとBさんが持っている1ビットコインは同等の価値であり、交換することができる「代替可能」なものです。一方で、「代替不可能」とは、全く同じものが存在しない、例えば「金メダル選手の直筆サイン入りTシャツ」のような一点物であることを意味しています。

NFTはスマートコントラクトを応用することで、固有の価値を証明することを可能にしました。それにより、アートや不動産の所有の証明や売買が活発になり、2021年3月にはデジタルアーティストのBeepleによるNFTアート「EVERYDAYS: THE FIRST 5000 DAYS」が、NFT史上最高額となる約6,900万ドル(約75億円)で落札され話題になりました。

今後も他のトークンにはない特色を持つNFTが、ブロックチェーンの利用シーンを広げ、あらゆる分野のデジタル化や簡略化を進めていくと期待されています。

DApps(分散型アプリケーション)とは

DApps

次にイーサリアムを活用した代表的なサービスである「DApps(分散型アプリケーション)」について解説していきます。

DAppsとはDecentralized Applicationsの略称で、日本語では分散型アプリケーションと呼ばれています。

DAppsは、ある条件が満たされると自動で特定のプログラムが実行されるというのが特徴で、ビットコインやイーサリアムがその代表と言われています。また、従来のアプリケーションでは中央管理者に権限が集中していましたが、Dappsではブロックチェーン技術を採用することで分散管理を行います。

現状、ほとんどのDAppsはイーサリアムのプラットフォーム上で開発されています。これは、DAppsを利用したサービスの多くがイーサリアムのスマートコントラクトを基盤として開発されているのが理由です。

また、DAppsはゲーム開発にも利用されています。DAppsを活用したゲームの代表的なものとしては、世界初のブロックチェーンゲームである「クリプトキティーズ(CryptoKitties)」や、フィリピンで社会現象にもなった「Axie Infinity(アクシーインフィニティ)」が挙げられます。

DeFi(Decentralized Finance)とは

DeFi(Decentralized Finance)とは、ブロックチェーン上に構築される金融サービスやエコシステムの総称のことで、日本語では「分散型金融」と呼ばれています。

より具体的に説明すると、「銀行や証券、暗号資産取引所などの金融サービスを、ブロックチェーンを活用して提供するシステム」のことを、DeFi(分散型金融)と定義することができます。

現時点で展開されているDeFi関連のサービスは、イーサリアムのブロックチェーンを利用しているものが多くを占めています。そのため、DeFiはイーサリアムと縁の深いシステムといわれています。

ビットコイン(BTC)との違い

イーサリアム(ETH)

ビットコインとイーサリアムは、用途やコンセンサスアルゴリズム、発行上限枚数などに大きな違いがあります。両者の主な違いを表にまとめてみました。2023年5月時点、ビットコインとイーサリアムを合わせた時価総額は約100兆円を越え、暗号資産全体の時価総額のおよそ7割を占めています。

参考:暗号資産の総時価総額 - trading view


ビットコイン
イーサリアム
主な用途 決済・送金 プラットフォーム
コンセンサスアルゴリズム PoW PoS
発行上限枚数 2,100万BTC 未定
時価総額(2023年5月時点) 約71兆5,000億円(1位) 約30兆4,000億円(2位)

主な用途

ビットコインが主に決済や送金を目的に使用されるのに対して、イーサリアムはプラットフォームとして利用されることが多いのが特徴的です。

前述の通り、イーサリアムにはブロックチェーン(スマートコントラクト)を利用して、アプリケーションを開発するという主な役割があります。そして、ブロックチェーン技術を用いてできたアプリケーションを「DApps(ダップス)」と呼びます。DAppsは金融、不動産、ゲームなどさまざまな分野で実用化が進んでいます。

また、イーサリアムのブロックチェーンはアプリケーションだけでなく、暗号資産の開発にも利用されています。イーサリアムのブロックチェーンをベースにしている暗号資産には、オーエムジー(OMG)ベーシックアテンショントークン(BAT)などがあります。

コンセンサスアルゴリズム

コンセンサスアルゴリズムとは、ブロックチェーン上で行われる暗号資産の取引の整合性を確認する際のルールのことをいいます。

イーサリアムはビットコインと同じPoW(プルーフオブワーク)というコンセンサスアルゴリズムを採用していました。PoWとは、多大な計算量を必要とする問題を最初に解いたマイナー(採掘者)が、取引を承認する権利(報酬として暗号資産をもらえる権利)を獲得する方式です。

マイニングに莫大な電気量を消費するPoWは、環境に与える負荷が大きい点が以前から問題視されてきました。そのため、イーサリアムは保有している通貨量に応じて取引の承認者を決定するPoS(プルーフオブステーク)へ移行することを表明し、2022年9月15日に完了しました。詳細は本記事内「イーサリアム(ETH)のアップデート「マージ」(「The Merge」)」にて解説しております。

発行上限枚数

ビットコインの発行上限枚数は2,100万枚です。ビットコインは取引が成立するたびに新たに一定量が発行され、報酬としてマイナーに支払われます。なお、ビットコインが上限に達するのは2140年頃といわれています。

一方、イーサリアムには現在(2023年5月時点)のところ発行上限が設定されていません。ただし、イーサリアムは発行上限がない代わりに、2021年8月に実施されたロンドンハードフォークによりバーン(焼却)が実装されました。イーサリアムの運営サイドは、バーンにより供給量を制限することで、通貨の希少性と価格の安定を担保しています。

また発行上限に関しても、今後のアップデート次第で設定される可能性もあるため、現状では未定という扱いになっています。

イーサリアム(ETH)3つの特徴

イーサリアム(ETH)

イーサリアムは、アルトコインの中では抜群の人気を誇り、時価総額もビットコインに次ぐ2位につけています(2023年5月時点)。そこで、イーサリアムの持つ優れた4つのメリットについてご説明します。

  • 送金の速さ
  • 発行上限
  • 信頼性

特徴①送金の速さ

暗号資産では、ひとつの取引を完了させるためには、取引の内容が承認されなくてはなりません。
その承認作業がマイニングですが、ビットコインでは「10分に1回」の頻度で行われるのに対して、イーサリアムでは「15秒に1回」です。そのため、スピーディーな決済が可能になります。

特徴②発行上限

イーサリアムには発行上限がありません。また、ビットコインのように、発行枚数が増えるに従って供給量が減らされていく「半減期」というものもありません。そのため、ビットコインよりは安定した価格を維持しやすいというメリットがあります。

特徴③信頼性

暗号資産に使われているブロックチェーンの技術は、データの改ざんに強く、元々信頼性が高いものです。それにスマートコントラクトの技術を組み合わせることで、より強固なシステムとして運用することができます。

運用上のセキュリティホールが狙われることはあっても、イーサリアムのシステムそのものがハッキングされる可能性は低いと言って良いです。

イーサリアム(ETH)の課題と解決のためのアップデート

このように多くのメリットを持つイーサリアムですが、現状では課題もあります。

  • スケーラビリティ問題
  • スマートコントラクトの弊害
  • Gas代の高騰

この課題を解決するために、ETH(イーサリアム)は大型アップデート「マージ」(The Merge)を2022年9月15日に実施しました。

ここでは、イーサリアムの課題点とアップデートについてご説明いたします。

課題①スケーラビリティの問題

スケーラビリティ問題

スケーラビリティ問題」とは、取引量が膨大になった時に取引の承認時間が長くなったり、手数料(ガス代)が高騰したりする問題のことです。

イーサリアムのメリットでもご説明したように、イーサリアムは取引の承認を短時間で済ませることができます。

しかし、ブロックチェーンの1ブロックを15秒ほどで処理できるとしても、その数が増えれば、やはり承認には時間がかかるようになります。

しかも、イーサリアムは取引情報だけでなく、ブロックの中にスマートコントラクトを実行するプログラムまで書き込むことになりますから、必然的に情報量が多くなり、結果として取引スピードが低下してしまうのです。

こうした問題はイーサリアムが広く使われるほどに深刻化し、表面化しています。解決するにはネットワークの処理速度、つまりはブロック生成速度を高めるほかなく、そのための対策が検討・検証されています。

課題②スマートコントラクトの弊害

ブロックチェーンはハッキングに強く、データの改ざんができません。また、スマートコントラクトによって、そのセキュリティは一層堅固になりました。

しかし、それらは逆に、イーサリアムに仕込まれたプログラムなり情報なりのどこかに間違いがあったとしたら、それに対処するのが非常に難しいということにもなります。

例えば、過去にイーサリアムは運用上の不備を狙われ、360万ETHを盗まれるという事件を経験しました。このとき、事態にどのように対処するかの議論が盛んに行われましたが、運営グループは時計の針を逆回りさせ、盗難事件を含めたそれ以降の取引データをすべて「なかったことにする」という決断をしました。

こうした処置を取らざるをえなかったのは、イーサリアムの「改ざんに対する強度が高い」という特徴ゆえでしょう。強硬手段ともいえるこの対処をめぐり、イーサリアムのコミュニティは賛否両論に沸き返って分裂し、結果として「イーサリアムクラシック」という分裂したコインを生む結果となりました。

ですから今後も、もし同じような事件が起こった際、あるいはバグや情報の誤記が起こったときには、同じような事態に発展し、混乱を引き起こしてしまう可能性がまったくないとはいえません。

課題③Gas代の高騰

Gas(ガス)とは、簡単にいうと「イーサリアムを利用するのに必要な手数料」のことです。

ビットコインをはじめとする大半の暗号資産は、送金をする際に「マイナー」と呼ばれる取引の承認作業を行ってくれた人に対して手数料を支払う必要があります。

イーサリアムの場合、この送金手数料に加えて、スマートコントラクトを実行する際にも手数料が必要となります。こうしたイーサリアムのトランザクションに必要な手数料のことを、総称してGasといいます。

なお、Gas代は基本的に利用者が自由に設定することができます。ただし、一般的にマイナーは報酬の高い取引を優先してマイニングするため、取引量が多い(=利用者が多い)ときには自然とガス代も高騰しやすい傾向があります。

イーサリアム(ETH)のアップデート「マージ」(「The Merge」)

出典:ethereum.org

イーサリアムブロックチェーンが莫大な電気量を試用して運用を継続していることは、環境保護の観点からかねてより問題視されてきました。イーサリアム財団はその問題の解決策として、大型アップデート「マージ」(「The Merge」)を2022年9月15日に実施しました。

アップデートの大きな目的は、「Pow」(Proof of work)から、「PoS」(Proof of stake)への移行です。

「Pow」とは、主にビットコインで使用されているアルゴリズムで、マイニングでブロックチェーン上に取引を記録することが特徴です。PoWは画期的なシステムではありましたが、需要が拡大するにつれていくつかの問題が生まれました。特に、莫大な電力を消費するマイニングが与える、環境への負荷に対して批判があります。

そこで、イーサリアムはかねてから「PoS」への移行へ向けて、アップデートを繰り返してきました。PoWからPoSに移行することで、報酬の条件が「計算量と処理速度」から「保有量と保有年数」へと変化します。「マージ」によるPoSへの移行により、これまで行われていたマイニングが不要となり、エネルギー消費量は最大で99.95%削減できるとイーサリアム財団は予測しています。

上記のようなエネルギー効率の改善に加え、PoSへの移行に伴って将来的にETHの価格が上昇する要因となる可能性が生まれました。具体的には、1日に新規発行されるネイティブトークン(ETH)の減少、ステーキングのロック期間の存在によるETHの売り圧減少、が挙げられます。

チャートから振り返るイーサリアム(ETH)の価格推移

ETHJPY

イーサリアムは、ヴィタリック・ブテリンという少年が考案した暗号資産です。2013年11月に、当時19歳だったヴィタリックがホワイトペーパーを発表し、2015年にプロジェクトが立ち上がっています。
イーサリアムは、大規模なアップデートを行う度に注目を集めましたが、特に注目すべきは2021年の値動きです。

DeFiのプラットフォームとして既に注目を集めていたイーサリアムですが、2021年は特にNFTブームの影響を強く受けます。NFTの基軸通貨のような存在として、需要が大きく高まったイーサリアムは、5月に当時最高値の約47万円を記録します。中国政府の規制などで一度は価格を落としますが、11月には再び最高値を更新。(約54万円)2021年は、イーサリアムにとって飛躍の1年であったと言えるでしょう。

【2023年最新】2022年以降の価格推移

イーサリアムの価格推移

引用:CoinMarketCap

年月
出来事
1ETHの価格
2021年末〜2022年1月 FRBによるテーパリング実施に対する懸念
50万円前後→30万円前後
2022年1月20日 ロシア中銀が国内における暗号資産の利用およびマイニングの禁止を提案 約35万円→約27万円
2022年2月24日 ロシアがウクライナに侵攻を開始 約36万円→約30万円
2022年5月9日 テラ(LUNA)問題により市場が急落 約38万円→約25万円
2022年6月 金融市場全体の暴落 約23万円→約14万円
2022年8月26日 米FRBパウエル議長、利上げ継続を示唆 約23万円→約20万円
2022年9月初旬 イーサリアムの大型アップデート「The Merge」を間近に控え、市場全体が上昇 約21万円→約25万円
2022年11月 FTXグループが破産申請 約23万円→約16万円
2023年~ 金融市場の回復 約20万円~約25万円

2021年に過去最高値となる「1ETH=約54万円」を記録したイーサリアム(ETH)は、2022年になると一転して下落トレンドに突入。1月下旬には、一時約27万円まで下落します。

なお、この時の下落は米国のFRB(連邦準備制度)によるテーパリングの実施に対する懸念により、米国株をはじめとする株価が下落し、それと連動する形で暗号資産などの金融商品の価格も下落したことが要因とされています。

また、同時期にロシアの中央銀行が国内における暗号資産の利用とマイニングの禁止を提案したことも、価格下落の一因として挙げることができます。

その後、イーサリアムの価格は緩やかに上昇し、35万円前後まで回復します。しかし、2月下旬にロシアがウクライナに侵攻を開始したことを受けて市場は下落。ETHは約36万円から約30万円まで下落します。

侵攻が続くなか軟調な推移を続けるイーサリアムでしたが、株価の反発に合わせる形で反転上昇し始め、3月下旬には約42万円まで回復します。

しかし、5月9日に※アルゴリズム型ステーブルコインのUST(TerraUSD)が「1ドル=1UST」の価格を維持できなくなるという問題が起き、USTのペグ(連動)を維持するためのガバナンストークンであるLUNA(テラ)に対する信用が低下し、価格も暴落します。

LUNAの運営組織である「Luna Foundation Guard(LFG)」は、USTのペグを維持するための準備資産として約35億ドル相当のビットコインを保有していましたが、今回の騒動を受けて「LFGがペグを維持するために、大量のビットコインを売却するのではないか?」という憶測が広がり、市場でビットコインの売りが加速。これを受けて、ETHも約38万円から約25万円まで下落します。

さらに6月には、アメリカのハイテク株を中心に金融市場全体が暴落し、暗号資産も続落。5月のLUNA事件とも連鎖し、市場の暗号資産への不信感は一層と高まってしまいました。パニック売りとも言える状況に陥り、ETHも約14万円まで下落しました。

続く8月26日には、FRBのパウエル議長が「ジャクソンホール会議」の講演で利上げを継続する意思を表明したことを受けて、株式や暗号資産など金融市場全体が下落します。この影響で、ETHは約23万円から約20万円まで下落します。

度重なる悪材料により下落局面が続くと思われましたが、9月に入ると大型アップデート「The Merge」を控えたイーサリアム(ETH)を中心に、市場は復調していきます。この影響で、ETHは約21万円から約25万円まで上昇しました。

しかし、11月に大手暗号資産取引所「FTX Trading」を運営するFTXグループが資金不足による破産の危機を迎えたことにより、相場は再び暗転します。FTXの経営破綻を受けてリスク回避ムードが広がるなか、ETHは約23万円から約16万円まで急落しました。

FTXグループは、同月11日にFTX.USや姉妹会社のアラメダリサーチ、日本法人のFTX Japanを含む約130の関連会社が、米連邦破産法11条の適用を申請したことを発表しました。それに伴い、CEOのサム・バンクフリードマン氏が辞任を発表し、後任として米エネルギー会社「エンロン」の清算手続きを率いたジョン・J・レイ氏が着任しました。

  • 2022年の最高値:約44万円
  • 2022年の最安値:約14万円

2023年に入ってからは、金融市場の回復に伴ってイーサリアムの価格も上昇。2022年の最安値が価格の底打ちと見立てる投資家やアナリストもいるなど、市場全体の恐怖感が和らいでいると言えるでしょう。価格としては、約20万~約25万円を推移しています。

【補足】

UST(TerraUSD)は、テラ(LUNA)のブロックチェーン上で稼働する暗号資産(仮想通貨)です。

※UST(TerraUSD)は1UST=1米ドルを目標価格として設計しており、実際に1米ドル付近で価格が推移していることから、アルゴリズム型ステーブルコインと認識されていますが、1UST=1米ドルの価値を保証するための原資産が確保されているものではなく、相場の変動等により目標価格に対して大きく下落する可能性があります。

イーサリアム(ETH)の価格は今後どうなる?

2021年に過去最高値を大きく更新したイーサリアムですが、今後の価格はどうなるのでしょうか?イーサリアムの今後の動向を左右するポイントとしては、以下の2つを挙げることができます。

  • イーサリアムのアップデートが実装される
  • イーサリアムの実用性や将来性につながる大きなニュースがあった

詳しい内容や今後の重要イベントを詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

イーサリアム(ETH)の今後は明るい!Coincheckの共同創業者の未来予想

イーサリアムの今後は、明るいと予想しています

イーサリアムとは、「分散型アプリケーションのためのプラットフォーム」です。イーサリアムの大きな特徴の一つに、プログラムによって契約を自動化するスマートコントラクトがありますが、イーサリアムはこのスマートコントラクトを実装したアプリケーションを誰でも設計・開発できるようにしています。

その結果として、様々なプロジェクトは、イーサリアムという共通のプラットフォームの上にアプリを設計しています。近年、暗号資産業界で話題になったDeFiやNFT、IEOといった新種のテクノロジーは、そのほとんどが「イーサリアムエコシステム」の中で起きた出来事なのです。

プラットフォーム上でさまざまなプロジェクトが立ち上がり、そのアプリが人気になれば、おのずとイーサリアムを買いたいという人も増えるという関係です。最近は、「Web3.0」がバズワードとなっているように、分散型アプリケーションを開発する気運は高いです。

そのため、新たなアプリがブームになれば、プラットフォームとしてのイーサリアムの今後は明るいでしょう。

参照:『いまさら聞けない ビットコインとブロックチェーン』

WEB3.0について詳しく知りたい方はこちら。

イーサリアム(ETH)のおすすめの投資方法は「つみたて投資」

ここまで、イーサリアムの特徴性や将来性をご紹介してきました。長期的な視点でイーサリアム投資を行いたいと考えた方もいるのではないでしょうか。Coincehckでは、長期目線で暗号資産の取引を行う方に、ドルコスト平均法での投資を推奨しています。

ドルコスト平均法とは、毎月など決まったタイミングで同じ「購入額」(1万円など)を買い続ける手法です。購入タイミングを分割することで、急騰・急落のリスクを分散することができるメリットがあります。そのため、長期目線で投資を行う方には、ドルコスト平均法での積み立て投資がおすすめです。

  • ※表示金額は過去の暗号資産の価格から計算したものであり、将来のパフォーマンスを保証するものではなく、また長期間積み立てることによりパフォーマンスが良くなることを保証するものではありません。
  • ※毎日15日の12時のBTC/JPYおよびETH/JPYのレートを参照しております。
  • ※グラフは、毎月1万円ずつ購入し続けた場合の過去実績です。

暗号資産の積立投資は、「Coincheckつみたて」がおすすめです。

「Coincheckつみたて」は毎月1万円から始めることができます。(上限は100万円。1千円単位での設定が可能)株式投資のようにある程度まとまった金額を用意する必要がないため、気軽に始めることができます。

さらにCoincheckつみたては、決まったタイミングで同じ金額で買い続けるドルコスト平均法により、相場の急騰、急落の影響を受けにくいといったメリットがあります。開始時に設定さえすれば、多くの時間を使いチャートを眺める必要も、売買のタイミングに悩む心配もありません。

イーサリアム(ETH)に関するQ&A

イーサリアムに関するよくある疑問を、Q&A形式でご紹介します。

Q:イーサリアムとは?分かりやすく教えてください

イーサリアム(ETH)とは、「分散型アプリケーションのためのプラットフォーム」です。ブロックチェーンに「スマートコントラクト」という機能を組み込むことができることが特徴です。

分かりやすく言えば、GooglePlayStoreやAppleStoreのような、アプリケーションのプラットフォームです。

Q:イーサリアムができたのはいつ?

イーサリアムは、2013年にロシア系カナダ人のプログラマー「ヴィタリック・ブテリン」により考案され、2015年7月に正式にリリースされました。

Q:イーサリアムの発行枚数は?

2022年1月31日時点のイーサリアムの発行枚数は、約1億2,000万ETHです。

なお、イーサリアムにはビットコインやリップルのような発行上限がないため、今後もマイニングされるたびに新規のコインが発行されていきます。

ただし、2022年9月15日に実施されたイーサリアムの大型アップデート「ザ・マージ」にてイーサリアムの発行の仕様が変更され、1日当たりの新規発行量が大幅に減少するとされています。イーサリアム財団からの公式発表によると、1日当たりの新規発行量はアップデート前の14600ETHから1600ETHになり、約90%減少するとされています。

参照:イーサリアム財団 - How The Merge impacts ETH supply

Q:イーサリアムの現在の価格(チャート)と時価総額は?

2023年5月現在、イーサリアムは暗号資産の時価総額ランキングで第2位です。

イーサリアムの現在価格(チャート)はこちらより確認することができます。

Q:イーサリアムとビットコインの違いは?

ビットコインとイーサリアムの違いを、一覧表にまとめてみました。


ビットコイン
イーサリアム
主な用途
決済・送金
プラットフォーム
コンセンサスアルゴリズム
PoW PoS
発行上限枚数
2,100万BTC
未定
時価総額(2023年5月時点)
約80兆9,000億円 約34兆5,000億円

Q:イーサリアムの今後は?

イーサリアムの今後は、明るいと予想しています。

イーサリアムは、「分散型アプリケーションのためのプラットフォーム」です。近年、暗号資産業界で話題になったDeFiやNFT、IEOといった新種のテクノロジーは、そのほとんどが「イーサリアムエコシステム」の中で起きた出来事なのです。

プラットフォーム上でさまざまなプロジェクトが立ち上がり、そのアプリが人気になれば、おのずとイーサリアムを買いたいという人も増えるという関係です。プラットフォームとしてのイーサリアムの今後は明るいと言うことができるのではないでしょうか。

イーサリアム(ETH)の購入方法

イーサリアムの購入は、以下の3つの手順に沿って行います。

  • 1.暗号資産取引所に登録する
  • 2.銀行振込で日本円を入金する
  • 3.イーサリアムを購入する

それぞれの方法について、簡単に説明していきます。

※当社にETHを入金・送金される場合は、Ethereumネットワーク上のERC20をご利用ください。異なるネットワークから送られた場合は通貨が失われる可能性がありますのでご注意ください。

詳しくはこちらをご参照ください。

1.暗号資産取引所に登録する

※Androidの方はこちらの動画をご覧ください。

ビットコインをはじめとする暗号資産の取引を始めるには、まず最初に取引所で口座の開設をする必要があります。Coincheckの口座開設の手順は、以下の通りです。

  • ①Coincheckのアカウント登録をする
  • ②基本情報を入力する
  • ③本人確認書類の提出
  • ④顔と本人確認書類の撮影

2.銀行振込で日本円を入金する

Coincheckで暗号資産を購入するには、あらかじめ口座に日本円を入金する必要があります。

Coincheckが提供する「コインチェックアプリ」なら、メニュー画面を開いて「入出金」をタップするだけで、銀行振込・クイック入金・コンビニ入金の3種類の入金を簡単に行うことができます。

3.イーサリアムを購入する

Coincheckでは、以下の2種類のイーサリアムの購入方法があります。

  • ①販売所で購入する
  • ②取引所で購入する

2つの購入方法の違いや具体的なやり方については、以下の記事で詳しく解説しています。
これからイーサリアムの取引を始めようとお考えの方は、ぜひご覧ください。